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平成25年度行政事業レビュー「公開プロセス」 2日目 議事録(6月18日(火曜日)分)

1.日時

平成25年6月18日(火曜日)13時30分~16時40分

2.場所

文部科学省3F3特別会議室(東館3階)(中央合同庁舎7号館)

3.事業名

  1. 英語力の指導改善事業 
  2. 頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業 
  3. 幼児期の運動促進に関する普及啓発事業 

4.議事

【大槻政策評価審議官】

それでは、ただいまより文部科学省行政事業レビュー公開プロセスの第2日目を開会させていただきます。

この時間帯は、英語力の指導改善事業についてご議論を賜わりたいと思います。委員の皆様方、どうぞよろしくお願いいたします。

取りまとめ役は、一般財団法人教育調査研究所研究部長である寺崎千秋委員にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

それでは、初めに事業概要のご説明をさせていただきます。簡潔にお願いいたします。

【説明者】

英語力の指導改善事業でございます。これは、主に高等学校段階における英語教育を充実・向上させるため、指導改善のPDCAサイクルの構築を支援する事業でございます。

まず経緯をご説明いたします。別刷りで用意しましたものの8ページをお開き頂きたいと思います。こちらでございます。経済社会のグローバル化が進展する中、文部科学省としては平成15年に英語が使える日本人の育成のための行動計画というのを策定しております。この中で国民全体に求められる英語力の目標を中学校卒業段階で英検3級程度、高校卒業段階で英検準2級から2級程度と定め、その実現のためスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール事業において指導法の調査・研究を重ねてきました。これを受けて平成21年、高校の学習指導要領が改訂され、25年度から英語の授業は英語で行うことを基本とするとともに、聞く、話す、読む、書くの4つの技能をバランスよく育成することとなりました。

さらに、平成23年にまとめられた国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策の中で、2つの提言が出されております。1つは、生徒に求められる英語力の達成状況を把握、検証する。第2に、学校、地域における戦略的な英語教育改善を図るということであります。
本事業は、今申し上げた提言内容を実現するため平成24年度に開始したものです。

この別刷りの1ページをご覧頂きたいと思います。この事業の目的は2つでございます。第1に、各都道府県が策定した学校、地域における戦略的な英語教育改善の取組を支援することであります。第2に、生徒に求められる英語力について、その達成状況を把握、分析、検証し、主に高校段階における英語教育の指導改善に活用することです。都道府県教育委員会は、自ら策定した英語教育改善プランに基づき指導改善の拠点となる高校、すなわち拠点校を設け、先進的な取組を開発・実践します。

次に、拠点校の生徒を中心に英検やGTEC for STUDENTSといった外部検定試験をベースにした英語力の検証を行います。その結果、効果が認められた取組について研修等を通じ、県内の他の高校にも普及し、教員の指導力向上、ひいては生徒の英語力向上へつなげていきます。

次の2ページをご覧ください。事業のイメージでございますが、この事業は、このような指導改善のPDCAサイクルを各県が構築するに当たり、主にサイクルを回し始める段階、赤い矢印で示した部分ですが、ここを支援するものであります。

では、冊子の方でレビューシートの方のご説明に入ります。69ページをお開きください。事業の目的及び概要は今ご説明したとおりです。予算額は1億7,600万円、執行額は1億3,600万円、執行率は78%です。

成果目標及び成果実績ですが、先ほどご説明した中学3年生及び高校3年生の英語力の目標を達成した生徒の割合と英語担当教員に求められる英語力を達成した教員の割合を使っております。先週、閣議決定されました教育振興基本計画におきましては、平成29年度の目標として生徒に関する達成率は中高とも50%、教員に関する達成率は中学50%、高校75%と定められておりまして、25年度の目標値は、これらに対応したものとなっております。

活動指標及び活動実績ですが、本事業の委託件数は45道府県、英語力検証対象者数は約5万2,000人となっております。単位当たりのコストは1県当たり約136万円、検証対象となる生徒1人当たり約1,400円となっております。予算の内訳は大半が委託費となっております。

70ページでございますが、この2つ目の項目、事業の効率性の中の不用率の大きい理由、ここだけご説明いたします。この事業を使って県教委が英語教育の専門家を招いて、指導助言を求める例が多く見られますが、予定より早く進んだために結果として招聘に係る旅費、謝金の一部が残ったということであります。

続きまして、71ページの資金の流れでありますけれども、2本あります。1つは道府県に対する委託費で、拠点校の取組とその普及の初期段階を支援するための経費です。これが約6,100万円。

なお、一部の県では中学校でも同様の取組を進めるため、市町村教委に再委託をしている場合があります。

もう一つは取組の検証に関するもので、公益財団法人日本英語検定協会へ約7,400万円の委託費を支出しております。英語検定協会は、各県で実施する試験について英検をもとにしたものとGTECをもとにしたものから選択できるようにしました。そこで、GTECを選択した県における試験実施についてはベネッセコーポレーションに再委託をしております。その分が約800万円となっております。そのほかの事項についてはシートに記載したとおりであります。

以上で事業の概要の説明を終わります。

【大槻政策評価審議官】

それでは、私から事業選定理由及び論点についてご説明をさせていただきます。

本事業を選定した理由につきましては、初等中等教育段階からのグローバル化に対応した英語教育の充実の重要性が指摘される中、政策の優先度が高い事業であるということから選定いたしました。

論点といたしましては、お手元配付の冊子の76ページをお開き頂きたいと思いますが、記載のとおりでございますけれども、教育再生実行会議第三次提言を踏まえた英語教員の指導力・英語力の向上のために、本事業を今後どのように活用していくのか。また、生徒の英語力を検証するに当たって、本事業をどのように活用していくのか。対象校の選定を政策的に行うべきではないか。例えば先進校を対象とするなど。また、多額の不用額、約4,000万円が生じている理由は何かといったことを挙げております。

以上、よろしくお願いいたします。

ここからは外部有識者の皆様からご質問等を頂戴いたしますが、ご質問を通じまして無駄の削減のみならず、より効果の高い事業に向けた見直しが行われるようご議論をお願いしたいと思います。

また、並行してお手元にコメントシートがあるかと思いますが、コメントシートへの記入も併せてお願いいたします。一旦議論の終了は14時5分を目途としておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、よろしくお願いいたします。伊永委員。

【伊永】

生徒の英語のレベルを上げるために教員の英語レベルを上げていこうという趣旨の事業だと理解しておりますが、この事業、専門的な人が来て、レクチャーを聞いたりする部分もあるわけですから、今更、全国で110校を選んでのモデル事業でもあるまいというような気がいたしますが、なぜ拠点校に絞ってモデル的にやることになったのか。一気に全高校が聞きに来ても対応は可能なんじゃないか。

ただ、受験料をこれで支出していますから、そこの部分はともかくとして、その部分を除けば全国一斉にこの事業の趣旨を展開しても問題はなかったんじゃないかと思いますが、そこはどういう判断で、この拠点校、モデル的にやることになったんですか。

【説明者】

モデル校ということで申しますと、先ほどご説明したスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールというのを既に8年ほどやりました。そこで一定の成果は上がっているわけですが、やはりそこで出てきた問題としては、せっかく、そこの学校でいい取組をやっても、それがほかの学校、あるいはほかの教員の方へなかなか広がっていかない、行きづらいという課題がございました。

そこで、点として今まで行われていた優れた取組を面に広げるための施策として、今回は、もちろん一気に全国に広げるというやり方もあろうかと思いますが、そこに至る次のステップとして、まずは県単位で県内の面に広げるということに取り組んで、それを県教委が中心になって取り組んで頂こうというふうに考えたものです。

お手元の別刷りの方の4ページと5ページに、具体的な北海道とそれから富山県の例を挙げておりますけれども、特に5ページの富山県の例をご覧頂きますと、富山県として英語担当教員全員に今後5年間、きちっとした研修をして、指導力を向上してもらおうという計画を立て、そのための1つの取っかかりの最初の部分ということで、拠点校の取組と、それをほかの教員も集まって研究会を行ったり、そこに外部の有識者に来てもらって評価をしていただきながら指導をしてもらったり、そういうような取組をやっておりまして、今申し上げた部分について国として支援をする。あとは県の方の費用を使いながら、年間を通じてより息の長い取組としてやってもらおうと、そういうような仕組みになっております。

【伊永】

富山県の場合は、教育に熱心だということは知られているわけですが、富山県に限らず、どこの県でも同じような、富山県と類似したような対応をすればよかったんではないんですか。

【説明者】

本来はそうあるべきことだと思います。ですが、まさにおっしゃるような、富山県のような取組をほかの県でもやっていただけるような、1つの取っかかりというか、きっかけづくりということで、今回は県教委が中心になって県内の英語教育の向上に取り組んでもらう。そういう姿勢を持ち、実際に取り組んでもらうための最初の一歩をこちらとしては支援したい。

【伊永】

その一方で、国の施策としては平成25年度、今年から英語を使って英語の教育をするという方向性も出しておられますよね。

【説明者】

はい、そうです。

【伊永】

それは、全国の全高校というレベルではないんですか。

【説明者】

そこはおっしゃるとおりです。全国の全ての高校でやってもらうということが指導要領の趣旨でございます。

【伊永】

そうすると、この事業と、本来の全国の全高校がというのが合致しない部分が出てきませんか。

【説明者】

正直申しまして、実態的に今年度からスタートしておりますが、英語で授業をするというところに確かになっていない学校も現在ございます。しかし、それをできるだけ早く全ての学校でやってもらうためには、当面は県が中心になって県内の高校に広げる。

【伊永】

話題を変えます。もう一つだけ。教員免許について伺います。事前勉強会でも指摘したところなんですが、やはり今の中学、高校、いずれにしても、英語の教員免許のレベルが必ずしも、英語でもって英語の授業ができるというところを求めていないというところはどう整理していかれるんですか。

【説明者】

ここもおっしゃるとおりでして、教員の養成課程における英語指導法ということについても指導要領に合った形で、既にそういうような形で対応していただいているところもありますが、そこはほかの大学に対しても、そのような形で改善をしていただく必要があると考えております。

【伊永】

一方で、高校での英語の授業は英語でやるという決め事がなされているわけですが、それに対する免許が、そこが求められていないというのではやはり矛盾がありますので、そこはどのくらいの年次計画できちんと整合させていこうとしておられるんですか。

【説明者】

これは、こういう方針を出したのが平成21年の話ですので、本来であれば、25年度までに大学の教員養成課程においても、新しい指導要領に対応した形の教育課程を組んでいただかなきゃいけないはずですが、もちろん、そういうふうに対応していただいているところもありますけれども、そこはできるだけ早く徹底をさせていきたい。

【伊永】

そこがちゃんと満足しないところは、しばらく免許申請は遠慮してくださいよというのもあっていいかと思いますが。

【説明者】

そこは、今後の検討課題だと思います。

【大槻政策評価審議官】

南委員、お願いします。

【南】

経費のところで、説明にもありましたように、半分のお金が一応検定料になっていますね。そこの検定の目的というのは一体何になるんでしょうか。

【説明者】

この拠点校を中心とした生徒に対して、そこの取組の結果どのような……。

【南】

ということは、結果ということはプリテスト、ポストテストで2回やった。

【説明者】

いえ、1回だけです。

【南】

だったら、結果が全然出ないですよ。どっちを先に、どっちをやったんでしょう。最初にやって効果を見る。だから、なぜ最初の質問をしたのかというのは、この事業に対する効果を見るとおっしゃったので、そうしたら、これは1回きりじゃ何も効果は見えないですよね。

【説明者】

おっしゃるとおりです。24年度は初年度の事業ですので、今年度も昨年度と同じような形で検定試験をやりますので、その結果を見て、初めて効果が出てきた部分というところを測れるという、そういう仕組みになっております。

【南】

その効果を判定するにふさわしいテストになっているんでしょうか。つまり、指導法に対する評価ですよね。つまり、生徒たちがどの程度能力が上がったのかというのはいろんな要因があるわけで、そこに対するきちんとしたコントロールはできているんですか。

【説明者】

この結果について分析していただくに当たっては、もちろん定数的に出てくる部分もありますけれども、問題ごとに……この別刷りの方の7ページをご覧頂ければと思うんですが、これは今年度の調査結果の報告書の概要でありますけれども、この2ポツの調査結果の概要の(2)の調査結果から見られる傾向と課題というところがあります。幾つかありますが、例えば社会性のある話題について英語で理解したり、表現したりすることに課題があったというふうに分析されておりまして、それに対して(3)の指導改善のポイントということで書いております。そのようなセットで出しています。

【南】

これを見ても、要するに今の現状、生徒たちの英語の能力、それに対しての評価なんですが、指導法に対する評価に対するきちんとしたデータということはどうなんでしょうか。

【説明者】

そこは、おっしゃるように、指導力の評価とか判定というのは、確かに難しいところはあるんですけれども、ただ、こういうようなテストを繰り返すことで、それとそこの拠点校でやっている取組とをリンクさせていくことで……。

【南】

何度も言いますけども、こうしたテストをやる場合にはかなり慎重に。だって、それなりにお金が掛かっていますからね。やる以上は何のためのテストなのかをもう少し明確にしないと、この事業は指導法を向上させる。それに対するテストだったらば、単純にTOEICだとか、そういったような英検の試験の準用ではなくて、授業に対する親しみの度合いだとか、英語はどうなのかとか、指導に対するきちんとしたデータが必要なわけで、何でこれのデータが、しかもそれは2年だけれども、2年の継続だけで十分なのかどうか。それは学年ごとに見て、本当に指導法が変わったと。それで何が変わったのか。その変わったことに対する効果がどうなのかと、もう少しちゃんとしたテストの設計をしないと、これだけの経費を投じる意味がなくなってしまう。一般的に英語のレベルを判定するのは全然構わないんですが、それはこの事業と違いますよね。

【説明者】

おっしゃるとおりです。そこの判定するというところと、あと教員や生徒に対する質問紙も同時に行っておりますので、そこにおける、いわゆる意識の調査のようなものとセットで評価していくことにしておりますので、そういったものを通じてより……。

【南】

最初の説明では、そういったセットにするということはなかったですよね。しかも、そのセットにするということにしても、そのウエート付けがどうなのか。これを余り詳しくやってもしようがないので、はっきり言って、この場合のテストはほとんど意味がないと私は思うんです。そういった意味で、この事業の中で。

むしろ、教育方法に対してどういった形でやるのかというときに、では、7年間やったというスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール事業の中の指導法のポイントというのは相当程度確立できたわけですよね。7年間で、それなりに効果が上がったとすれば。その効果というのは、こうした点数の中できちんと出ているんですか。

【説明者】

それで現われている部分もありますけれども、今回の拠点校として、例えばスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクールというのは、大体国際科とか英語科とか、そういうところの学科を持っている学校が指定されてきた場合が多いのですが、先ほど申しました高校で英検準2級から2級に達している割合ということで申しますと、そこの学科のところを取り出しますと、平均は3割ぐらいなんですが、そこの英語科とか国際科の生徒に対しては8割ぐらいですので、そういう意味での一定の成果はあると思います。

【南】

最初のモチベーションの問題、その他もありますよね。

【説明者】

もちろん、それはあります。

【南】

ずっと私がこだわっているのは、こうした効果判定というのはきちっとテストで設計されていないと、ここにある指標というのが何の指標で、何の事業に対してどういう効果が生まれたのか。したがって、PDCAと書いてありますけど、結局、PDCAにならないわけです。だから、その指導方法についての判定の仕方というのは、もう少しきちっと慎重にやるべきじゃないか。そうでないと、なかなか効果が見えないですよね。

【説明者】

よろしいですか、少し補足なんですけれども、このテストの特徴といたしまして、4技能を測ることができるというようなことを仕様書に定めて、あとは有識者による委員会も立ち上げまして、テストの設計が学習指導した内容を測るのに適切なものとなっているかどうかというのを有識者の目で見ていただいています。

今、学校では文法の知識を問うというような問題に偏っているところもあるんですけれども、知識をどうやって活用できるか。活用して話したり、聞いたり、読んだり、書いたりできるかというようなところを、きちんと問えるものにするというところに重点が置かれていまして……。

【南】

それは、すみません、言葉を遮るようですが、それはよく分かります。つまり、実用だから、ここの英語検定にしても、TOEICにしても全て実用なわけです。だから、昔のグラマーだとか、コンポジションだとか、そういったものに分けているわけじゃないと。これは分かります。私が申し上げたのは、指導法を改善したわけですから、その指導法に従った中で、そうした4つの能力、その他でどういうふうに伸びているのかという、きちっとした効果判定ができる設計になっているかということを聞いただけです。

【説明者】

別刷りでお配りした資料の6ページにあります報告書では、それぞれ読む、聞く、書く、話すに分けて4技能別に課題と、その課題に対応するためにはどのように指導方法を改善できるかということが入っております。あと、スピーキングテストというのがやっぱりやられている学校が余りないということもありまして、この事業を通して拠点校の英語の先生にスピーキングテストを実施していただく。これは、英検とかベネッセの人が来てやるのではなくて、学校の先生がやることによって、スピーキング能力はこういうふうに測ればいいのかという先生の研修も兼ねる、そのような意味合いもございます。

【南】

多目的なのはいろいろ分かるんですが、何度も申し上げているんですが、英語指導法の改善についてのテストなので、それに対するきちっとしたものをやるんだったら、この英語の授業を受けていないところと受けた場合とどうなのか。しかも、子供たち、年齢が上がっちゃいますから、その場合には年齢の補正をどうするのかとか、かなり難しい設計なんですね、私もよく分かりませんが。

となると、そこまでのことで、これだけの金額で、半分の金額を投じながら、そういうテストになっていないと私は思うんですね。ポイントでやっているだけと。となると、この意味はどこにあるんだろうか。そして、このテストで結果が測れたよという成果指標になっていないわけですから。そうすると、このテストそのものが意味がないことになるんです。広くあまねくやる意味はあると思いますよ。ただ、指導法の事業としてのテストの意味はなくなってしまう。そこをずっと私は聞いていたわけです。

【説明者】

この事業は、5つの提言という別刷りでお配りした資料の1枚目に載っている提言を受けて実施を開始したんですけれども、こちらは5年間でいろんな取組をやりましょうという提言になっておりまして、平成28年までは継続実施できればという5年計画になっておりまして、その意味では24年度は事業初年度になります。初年度以降、新たな指導を通じてどのように生徒の4技能が上がっていったかということを、5年間かけて見るというような考えで始めております。

【南】

やっぱり話がかみ合わないね。指導法について私は何度も聞いているわけで、子供たちの英語能力の向上について聞いているわけじゃないんですよ。そこについてのお答えがない以上、これ以上やってもしようがないですから、ここで終わります。

【説明者】

もう一つだけ。今おっしゃった指導法の比較ということで言えば、拠点校とそれ以外の学校とで同じテストを受けてもらって、その比較をするというのは1つあります。それから、どのような指導法に基づいてこういう結果になったのかというところについては、確かにこれはまだ、今後改善していく必要があると思っています。

【南】
だから、それほど難しい課題なので、ここで安易に事業費の半分をテストに使うということ自体が、発想方法がおかしいんじゃないですかということなんです。

【大槻政策評価審議官】

別の論点で、水上委員、どうぞ。

【水上】

今の南先生の議論はすごく難しい議論だなと思っていて、というのは、逆に言うと指導方法云々という議論をするとすると、とてもこんな規模では分からないと思うんです。だから、せいぜい分かるのは、当該拠点校になったところの学生の英語力が伸びているかどうかぐらいしか、恐らくこの規模の人数で統計学的に解析をしたときに、それしか分からないと思います。

指導方法がいいとか、悪いのかというのだとすると、そもそも各先生の個性に着目した話だから110校だけ拠点校を選んだところで、そんな詳しいことまでは、この試験では多分分からないとそもそも思います。

なので、恐らく最初からきっと目指していないんじゃないかというのが私の認識で、つまり、逆に言うと、位置付けの問題なんですけど、この事業が先生の指導力を向上したいと思っているのか、まず学生の英語力を向上したいと思っているのか、どっちなんですかということなんですけど、それはどっちなんですか。

【説明者】

一言で申し上げれば、両方ということなんですが、ただ、生徒の英語力を高めるためには教員の指導力を高める必要があるであろうということで、教員の指導力を高めながら、結果として生徒の英語力の向上につなげたいというのが私たちの目的です。

【水上】

もう一点聞きたいんですけど、これは、高校生の英語力を底上げしたいという話なのか。つまり、全員が英検2級を取りたいという事業なのか、それとも一部グローバル人材を育てたいという事業なのか、それはどっちですか。

【説明者】

底上げに関する事業です。

【水上】

だとすると、幾つか疑問があるんですけど、1つは、まず拠点校における先進的取組といったときに、この拠点校がちゃんと先進的取組をするところが全部選ばれているのかどうかということが第1。

第2に、そこで、つまり110校程度の拠点校を選んで試験をやることによって、どのような指導方法がほかのところにも応用が効く先進的取組なのかということが本当に検証できるのかということが第2点。

第3に、それが検証できたとして、そんなに簡単に県内全域とか、全国に広がるのかというのが第3点。

第4に、その結果として県内に広がったとして、それが英語力の向上につながった後に、また拠点校で何かするのか。これはPDCAとして回していくような話なのかどうか。つまり、それは1周で済むんであって、2周も、3周も拠点校がやる話じゃないんじゃないかという点。

そこまで考えたときに、私は、もうこれはモデル事業でやるようなものではないと考えています。具体的に言うと、もし本当に底上げで全部の高校3年生に英検2級を取らせたいのだったら、むしろ全部の高校に外部の英語試験を義務付けるというふうにして、そこの成果を全部公表する。その上で、むしろ、そこで優れた成果を上げた指導プロセスというのを、学校の先生の中には非常に優れた成果を上げる先生もいるでしょうし、優れた成果を上げる学校もあるでしょうから、試験の結果として非常に優れた成果を上げたところに対して、どうして優れた成果を上げたのかということを分析しに行く。

そこで分析した結果をインターネット等で公表して、そこを取り入れてもらうという形のPDCAを回す方が、恐らく全体としての施策に効くと思うんです。つまり、今さら拠点校でやっても、拠点校は110校しかないわけで、恐らく全国の高校生の英検取得率と関係ないですよね。110校って、限りなく受益者は少ないですからね。

そうである以上は、本当に短期的に、ここの政策目標にあるように、50%の人が英検2級とか準2級を取らせることが目的なんだとしたら、今更モデル事業をやっている場合ではなくて、全部の高校で外部試験をやって、全部公表しますぐらいのことをやらないと、それは実現できないということではないかと思いますが、いかがですか。

【説明者】

今の別刷りの7ページのところをご覧頂きたいのですが、この2ポツの調査結果の概要の(1)スコアの結果というところなんですが、今回の調査結果の平均スコア、それと全国の平均スコアとの間に大きな差がなかったという結果が出ております。拠点校の選択は各県が選ぶわけですが、これは結果論になりますけれども、今回選ばれている拠点校というのは、もちろん中には先進校も含まれると思いますが、どちらかと言えばいわゆる平均的な英語のレベルの学校が選ばれている。そこの英語力を上げていくというような取組を各県としてはやろうとしている。

それは、推測にはなりますが、そうすることで、どこの学校でも取り組めるような指導法というものを恐らく開発できるであろうし、そこがうまく拡大する上でもやりやすいのではないか。そういうようなことで選んでいる場合が多いと考えられます。それをうまく広げることができれば、おっしゃるように、うまくいけば、それは1回でサイクルが完結すると思いますけれども、恐らく1年やったぐらいではなかなか広がらない。2年、3年と繰り返していくことでより広がっていくというふうに考えます。

先ほど水上委員がおっしゃったような、全国で試験をやって、その中の優れた指導事例というものをピックアップする。そこまではできると思います。ですけれども、そこから先、では、その優れた指導法をどうやって、その先生以外のほかの先生に広げていくのかということになったときには、このやり方がベストとは言いませんけれども、また別のやり方を考える必要が出てくるのではないかなというのが私どもの認識です。

【水上】

意見なんですが、こういうやり方をすると、ある意味、高校の先生に対して優勝劣敗が起きるんですよね。つまり、頑張っている先生はいい成果が出るし、頑張らなければいい成果が出ないわけで、それは先生にとっては大変強いプレッシャーだと思いますけれども、本当に英語力を伸ばそうと思うと、それぐらいのプレッシャーの掛かるやり方をしないと恐らく伸びないんです。つまり、拠点校でやっていって、その拠点校の人は頑張っているかもしれないけれども、俺は関係ないよという人だって当然いるでしょうし、そういうことをやっていると、結局……。

これ、受益者は高校生ですから、高校生は先生を選べないわけです。そうすると、高校生にとってフェアなやり方というのは、ちゃんと先生同士が少しでもいい指導をして、少しでも高校の学生の英語力を上げるべき指導をしなければいけないという競争環境下において切磋琢磨するという仕組みを整えてあげることが多分文科省の役割ですから、受益者という点から、教員を守るんじゃなくて、高校生の受益を守るというのが一番の目的だと思いますので、その点から考えると、その視点から是非競争的なやり方を取っていただきたいなというのが意見です。

【大槻政策評価審議官】

時間も大分迫って参りましたので、これから引き続きご議論頂きますけれども、コメントシートを書き終わった先生がいらっしゃれば、その都度ちょっと掲げていただいて、回収に参りますので、よろしくお願いいたします。

どなたか。和田先生。

【和田】

この英語力の指導改善事業の平成24年度の予算額は1億7,600万で、そのうち英語力を強化する指導改善の取組が9,700万円、外部検定試験の活用による英語力の検証が7,900万円と示されておりまして、24年度の実績では、実は執行額は1億7,600万に対して1億3,600万、執行率が78%と出ております。これは、この英語力を強化する指導改善の取組、9,700万円の予算が平均未消化といいますか、執行残が残ったように思いますが、それはどういう理由によるものなんでしょうか。

【説明者】

このシートにも書いてありますが、拠点校の取組をいろんな形で指導してもらったり、あるいは評価してもらうということで、外部から有識者を招いて指導してもらう、あるいは検証してもらうというようなことを各県で予定して、大体これぐらい、何回ぐらい必要だろうというようなことで、当初予定していたよりも、多くのところでは、それより少ない回数で済んだというようなことが、結果として、そういった有識者の招聘のための旅費ですとか、謝金ですとか、そういうところの不用ということにつながったと分析しております。

【和田】

実は私も、前の南先生でしたでしょうか、ご意見があったように、この事業、英語力の指導改善事業という目的を考えますと、余りにも英語力を強化する指導改善の取組に係る費用が少なくて、そして、外部検定試験の活用に関する英語力の検証という、こちらの方に費用が掛かり過ぎているのではないかと思っていたところ、指導改善の取組の方が半分ぐらいになってしまっているということは、本来の目指すところの指導改善事業としてはもう少し考え直すべき、今後改善すべきではないかというふうに思いますが、いかがでございましょうか。

【説明者】

確かに不用が出たということについては、きちんと受け止めなければなりませんし、こういう取組を通じて各県が経費的にどのような支援が必要なのか、求めているのかということについては、今後改善する余地はあろうかと考えております。

【大槻政策評価審議官】

貞広委員。

【貞広】

ありがとうございます。幾つか申し上げたい点があるんですが、まず2点お尋ねしたいと思います。

まず、この事業概要、大きく分けて2つあるわけですけれども、先生方の授業力の改善ということと高校生の英語力の検証ということだと思うんですが、事業概要の最初の方が本事業の本体である、本丸だと思うんですけれども、子供たちの学力の検定というのは外部の検定試験でできたとしても、この本丸である先生方の教育の指導力の改善というものがどのように点検されていて、上がっているのかというのが全く把握できないので、これが適切に行われているかどうかというのが分かりにくいということです。

ただ、もちろん先ほどおっしゃったように初年度だということがありますので、初年度、子供たちの学力を検定した上で、次年度どうなっているのかという検証サイクルを回していくということだったんですが、その場合も、実際に検定を行った結果を検証して、先生方の研修にそれがつながっていなければいけないわけです。子供たちにこういう力が足りないので、先生方には指導力の改善としてかくかくしかじかの研修が必要である。そのつながりというか、検定結果の分析が研修内容に反映させられているサイクルがちょっと見えにくいんです。

そのサイクルがあるのであるとするならば、今回の検定試験が適切なテストであるかどうかということはまた別として、サイクルが見えるところの事業がつながってくるように見えるんですけれども、そこの部分はどのように、文科省さんというよりも各都道府県の教育委員会さんが企画されることですので、難しい部分があるかと思いますが、そのサイクルについてはどのようになっていますでしょうか。

【説明者】

各県、拠点校を中心とする取組がどういう成果を上げているかということについては外部検定試験で検証するわけですが、ただ先ほどもご指摘があったように、それはあくまで生徒の英語力としてしか上がってきませんので、仮にそれがいい結果であったとしても、それがどのような教員の指導とか取組に関連して、その結果になってきたものかということは、確かに測りづらいところはあろうかと思います。

ただ、最初の段階としては、まずは不十分とはいえ、生徒の英語力を測るということをもって結果が出たものに対して、それに対してどういう取組をしたのかということを関連付けながら、恐らく例えば英語漬けキャンプみたいなのをやるのがどうも有効ではないかと思われるというようなものが出てきたら、それを教員の研修の方に生かしていくということで更に広げていく。最初のうちは、はっきりしていないところは確かにあると思いますが、それを何回か繰り返し、検定試験の方も改善していくことで、そこがよりエビデンスベースで検証できるような、そういうふうな改善はしていきたいと考えております。

【貞広】

こちら、北海道の例と富山県の例を出していただいていますけど、これは25年度の事業ですか。

【説明者】

24年度です。

【貞広】

24年度の検定結果を受けての研修の形ですよね。ベネッセさんが分析されている検定結果の分析がどのようにこれらの研修に反映されているのかということが見えないんです。それぞれのところで、もともとあった取組がなされているのか、それともきっちりと検定の結果というものを反映しているのかというところが少し見えにくいということです。

もう一つ申し上げたいのは、先ほど和田先生もおっしゃっていましたけれども、この検定の規模についてです。先ほど私は本丸、本体は1つ目の事業ですよねというふうに確認させていただいたんですが、その割にはやはり事業費のバランスがどうも、これでいいのだろうかというふうに思われるんです。子供たちの学力、指導力の改善ということでもどこかでしなければいけないんだと思うんですけれども、それであれば、もう少し検定受検者の抽出方法を見直して、少数であっても母集団を十分に反映するだけの子供たちに検定の対象を絞って、その分の浮いたお金をというのはおかしな言い方ですけれども、むしろ先生方の研修本体の充実ということに生かすというような考え方もあろうかと思いますが、その点はいかがでしょうか。

【説明者】

富山県の例で、北海道もそうなんですが、やはり24年度は初年度ですので、それぞれの県が持っている知見を活用して取組をしたということです。富山県の場合は、例えば以前にも5年計画ぐらいで英語担当教諭の全員に対する研修を行ったという実績があり、それが成果を上げたので、今年度もまずはそれから始めようということで取り組んでいるわけですが、それに対して今おっしゃったような、この報告の結果が出ているわけですから、それを踏まえて、25年度についてはそれぞれの県教委の方で必要な点検、改善をしているというふうに考えております。

それから、おっしゃるように研修の方にもっと回してはどうかというようなお話もあって、実際にこの事業による旅費と謝金を使って有識者を呼んで、それを教員向けの研修に活用している例もありますので、そのようなより良い使い道を今後更に教育委員会の方にも指導していくなり、そういった運用面の改善は図っていきたいと思います。

【大槻政策評価審議官】

何か特にあれば。

【説明者】

それぞれの県でミクロな目標というのも設定していただいていまして、例えば授業で英語を使う割合を今はこれだけだけど、もっとこれだけ増やすとか、あと、生徒同士のグループワークとかペアワークの割合を今のこれだけからこれだけに増やすとか、そういったところで県ごとに目標を立ててもらって、その達成状況は一応見ております。

【大槻政策評価審議官】

どうぞ。

【南】

ちょっと議論を通じて、やっぱり事業費の半分が検定に使われているというのは是非改めていただきたい。つまり、検定をやるなじゃなくて、検定は別の事業で生徒の状況把握はいいんですが、この事業は英語力の指導改善ですから、それに役立つ試験なら試験なりの設計をしてほしいし、この金額のレベル、それから実施レベルから言うと全く意味がないという感じです。

もう一つ、では、それ以外の指導改善の事業は一体何かというと、余りにも県だとか、ばらつきがあり過ぎるなと。例えば先ほどおっしゃったように、イングリッシュキャンプが効果的だと言っても、北海道を見てもたかだか285人、小・中・高の全部が参加です。これで効果測定ができるのか、全くこれはできないだろう。スーパーイングリッシュがわずか25名です。これは英検2級以上ですから、そもそも指導の対象になっているかどうかも分からない。

更に言うと富山の場合でも、ハンドブックの作成事業に関わっている。金額ベースでどのぐらい見ているかというと、こちらの大きな資料の73ページのところで、富山県の場合には支出金額が180万なんです。その中で、このパンフレットを作ってしまったら、大半の費用はこれに消えてしまう可能性がある。それから、テレビ会議のシステムの活用、これは備品購入費にはまさか充てていないと思いますけれども、その使用料だって相当に掛かることもあるし、更に言えば効果的な指導法の評価に関する研究が行われている。これ、研究も既にされていて、それを普及するはずの事業じゃないか。そこに研究を使われているとか、デジタル教科書の活用とか、更に言うとディベート大会の開催、あるいは英語教育のサロン、それからタブレット端末何とか。余りにもばらつきがあるし、普及ということに対して無神経過ぎるなと。

もし使うのだったら、もう少しガイドラインで普及啓発、もし本当にいい意味での指導法が開発されているのであれば、それの普及に対してもう少しきめ細かなガイドラインを作るべきじゃないか。これだと、100万円か200万円お金が来た、その中で何に使おうか。では、こういったことをやろうということで、本当にこれがスーパー・イングリッシュ・スクールか何かのことを全部普及させるというふうに、慎重にきちっと事業化されているとは思えないんです。

【説明者】

5ページの富山県のところは、本事業を使ってやっているのは、真ん中辺の青い部分にあります講師謝金、旅費等でして、その下のハンドブックについては、右下の方に赤い字で書いておりますが、これは県費でやっているというものでございます。

【大槻政策評価審議官】

寺崎委員。

【寺崎】

では、時間がないので大急ぎで。3点、お話をしたいと思います。

1つは、一番最初にお3人の先生からお話があった点です。私は大変賛同するというか、大事なことだなというふうに伺っていて思いました。ただ、すごい金が掛かるだろうな。私の今までの経験で、多分財務省は首を縦に振らないだろうなと。でも、強力に進めてほしいなというのがまず1つです。

それから、2つ目はテストのことなんですけれども、要するに生徒の実態が分かると同時に、こういう言い方をすると語弊もあるんですが、高校の教員というのは大体生徒のせいにして、自分の指導を振り返るということはしないのが実態です。そういう意味では、やっぱり生徒の結果から、それが自分の指導にどういうふうに責任があるのかということを考えていくという視点も持つ必要があるのではないかなというふうに思います。

それから、3つ目は、この薄い資料の方の3ページにある今後の達成目標のところで、24年度の実績が中学校教員27.7、高校教員が52で、5年後に基本計画にあるからということで、50%、70とあるんですが、中学校教員が3割から5割でいいのか。中学校教員ほどもっと上げるべきじゃないか。小学校の5、6年で外国語が入ってきて、中学も会話中心の教育をしているはずですから、ここのところをもっと上げていく必要があるのではないかなというふうに思います。

せんだって新宿区の第三者評価委員で行ったときに、中学の先生は本当に英語でやっていました。ああ、変わったなと。ただ、これが全部というと、そこはやっぱりお金をかけてやっているからということで、そういう意味ではもっともっと、そのあたりを広げていただけるとありがたいなと、意見になりますが、以上です。

【大槻政策評価審議官】

何かありますか。コメント特に。

【説明者】

ありません。

【大槻政策評価審議官】

では、水上委員、お願いします。

【水上】

これは担当の方にというよりは、この場の議論の中でということなんですけど、今、議論を聞いていて、微妙に評価者の中でこの事業に対する位置付けが違うんだろうなというのを感じております。それはどういうことかというと、この事業の本丸として指導力改善というのをどう捉えるかという議論だと思うんです。

私はどっちかというと、指導力改善というのは国がやっても余り効果は上がらないという立場で考えています。というのは、実際にこれを見せていただくと、これで何の効果が上がるのかがもう一歩よく分からないというような事業が多いなと。受益者の数も少ないし、結果としてこれでどれだけの成果が上がったのかもよく書かれていないなというふうに思っています。

一方で、指導力は改善されていかないといけないんですよね。高校生は先生を選べないから、先生の指導力が改善しないと最終的に高校生は大きな不利益を受けるので、先生の指導力は上がっていかなければいけない。それに対して私の考え方は、だからこそ競争環境を実現して、先生方もそんななめた指導をしているわけにはいかない。結果が出るということに追い詰められたときに、彼らは自ら指導力改善をしなければいけないところに追い込まれる。その状況において適切な指導力改善の取組をしたところがあった場合に、そこをちゃんと拾い上げて、こういう指導改善をある地域では取り組んだ。こういうキャンプをして、こういう内容をして、こういうふうにしたら確かに結果が上がったというところについて適切な吸い上げをして、全国に広めていくということを国がやられればいいと思うんですが、国の方がこういうのがいいですよというのを現時点で選べるかというと、もし国がこういうふうにやれば指導力は上がりますというプログラムが開発できているのであれば、それを広めればよいと思うんですけれども、現状それがはっきりしていないという状態だとすると、では、今から何年かけてモデル事業をやるんですかという議論に基本的にはなると思います。

それだと、日本国として考えている何年間で英語力を伸ばしましょうというレンジと合わなくなると思いますので、この事業の立て付けだと政策目的からいってぬる過ぎるというのが実際なんだと思います。

私が申し上げたようなやり方はお金が掛かるので、財務省が首を縦に振るかという議論はありますが、それは、日本の高校生の50%に本当に英検2級を取らせるのか取らせないのかという政策目的との間の見合いですから、そこの議論を本当にしないと、ちょっとやらないといけないんで、やってみましたという小さい事業をやっても、結果として効果は余り上がらない。やるんだったら大きくやらなきゃしようがない、ということではないかなというのが意見です。

【説明者】

いいですか。

【大槻政策評価審議官】

どうぞ。

【説明者】

少しだけ補足なんですけれども、実は学習指導要領は、教育内容については定めているんですけれども、指導法についてはそんなに事細かに言っていませんでして、ただ、外国語について言っているのは、英語の授業は英語を用いて行うことを基本とするという大きな目玉として今年から高校では始まっていますので、やっぱりそういう授業を自分は受けたことがない、やっているのを見たこともないという先生方にとっては非常にハードルは高いと思うので、やっぱり国としても変革が大きいので、少しでも支援できる部分は支援する必要がある。

この事業だけじゃなくて、例えばDVDにモデル授業を撮って配ったりとか、いろんなことをやっているんですけれども、やはり英語で授業をやるというのはすごく大きな変革であるのは事実なので、それはやっぱり多少なりとも支援は必要だと考えています。

【水上】

それはそうだと思います。だとしたら、英語教員全員が受けられる研修プログラムをとっとと作って、英語教員全員にやるべきで、今更モデル授業をやっている場合じゃないよねという話だと思いますので。

【南】

そういう意味では、成果目標が教員のこのレベル、準1級レベルというのが高校で57%、中学で32%、これはもっと引き上げて、その達成のためにどうするかという組み立てをした方がいいんじゃないですかね。やっぱりこのぐらいのレベルだと、どう見たって、おっしゃっているように本来の授業はなかなかできてないと思うんです。だから、そのためのいろんな授業の組み立てと、いろいろ工夫するのは分かるんですが、ちょっとこれだと金額が少ないし、ダイナミックでないので、結果的には余り変わらないのではないか。もっと変えるなら変えるなりにきちっとした取組にして、もう何十年にわたって、とにかく日本は国際的な中でも、とにかく英語が全然できない国民になっているわけですから、そこを改善するというところで、もっと国民の理解も得られると思うので、もっと大きく打ち出したらいかがですかね。小さいところでこじんまりまとまると、結果的に効果がなかなか見えないし、無駄遣いになってしまう可能性が高いと思うんです。

【大槻政策評価審議官】

記入頂きましたコメントの集計ができましたので、コメントの集計と、それからコメント案を寺崎先生の方からお願いいたします。

【寺崎】

では、よろしゅうございますか。コメントの集計結果は、事業全体の抜本的改善が3、事業内容の改善が3ということでございます。よろしいですか。

それから、事業全体の抜本的改善の主なコメントは、拠点校に下げるモデル事業にとどまって効果が乏しく、一旦廃止して全国展開すべき。これが2名です。それから、英語指導改善の効果測定が不十分なテストに事業費の半分が使われている。これが1名です。それから、少ない対象校に少ない予算を配っても効果は見込めない。これが1名です。

事業内容の改善の主なコメントは、検定による生徒実態の把握は重要である。これが1名。検定受検者を絞り、教員研修に予算を振り分けるとともに、検定結果の分析を研修内容に反映すべきである。これが1名。もう一つが英語の指導改善に対する補助が少なく効果が期待できない。これが1名。

以上でございます。

【大槻政策評価審議官】

先生、すみません。それに対してご議論頂ければと思います。

【寺崎】

では、今、一応、取りまとめの集計結果とコメントの結果についてご報告しましたけれども、これについてのご意見等をまた頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。

【水上】

私は、この事業は一旦廃止にするべきだと思っています。その上で、本当にこの100倍の予算をかけてでも、全部ちゃんと検証試験を義務付けて、競争的にやるのかどうかということを真剣に考えた方がいいんじゃないかなと。結局、この事業をやっても全体としての目標の寄与率が相当低いと思うんです。なぜなら対象が少な過ぎるので。なので、本当に高校生の半分が英検2級を取っているという状況を実現するということであれば、抜本的に拡大しなきゃいけないと思います。

一方で、それが本当にそこまで、何百億円もかけて、何千億円もかけてでも必要なのかということは考えなきゃいけない。そこまで別に英語力なくてもいいよねという判断ももちろんあると思うので、そこをやっぱりやらないと非常に中途半端な状態で予算も限られた中で、でも、成果は上げろと言われても担当課も困ると思うので、本当に成果を上げるならすごい掛かりますよ。そのかわりちゃんと責任取ります。やらないんだったら、もうやりませんということをはっきりさせた方がいいのではないかなという意味での廃止というご提案ですので、純粋に英語力なんか要らないよという話ではないよということはご理解頂ければなと。

【南】

私も抜本的改善という意見は出しているんですが、これは本当に今、水上委員がおっしゃったように、組み直しはやっぱりしないとまずいかなということです。高校の様々な教科があるんでしょうけれども、やっぱり英語の問題って本当にずっと戦後日本の抱えてきた一番の課題だし、特にこれからの少子化だとかグローバル化だとかいろんなことを言われたときに、お隣の韓国とは国情は全然違いますけど、同質型の民族構成から見ても圧倒的に違いがあるわけですよね。一体何なんだろうということをもう少しきちっと捉えて、もっと大きく打ち出してほしいな。このままでやっていくと、とてもとても効果は生まれなくて、永久にこの議論の繰り返しになるだろう。

そういった意味では、組み直しという意味で抜本的改善というのは、これを全部否定するという意味じゃ全然ないので、もっと大きく打ち出してくださいと。そのためには真剣にという意味で、全く水上委員と同じなんですが、これはもうほとんど廃止に近いというふうにご理解頂いた方がいいという気がしています。

【寺崎】

いかがですか。これは私の方で回すんですよね。

私の方からよろしいですか。今、本当にお伺いして、そのとおりかなと。ただ、それは1つの事業というより、政策的にもっと大きな視野からすべきことではないのかな。私は当面、繰り返しますけれども、この検定による生徒の実態を把握して、高校の先生にもう少し自分の授業を現場的に振り返ってもらいたい。私は実は小学校の方なんですけれども、そういうのは小学校では子供のせいにできませんから当たり前のことなんですが、その辺のところをやっぱりもうちょっとやってもらいたいなというのが実感です。

そういうことをしながら、今お話があったような、少し、少しと言ってもそんなに長期じゃ駄目ですよね。短い枠の中で全面的に、そうでないと困るのはやっぱり子供たちですから、そのあたりを意見として加えておきたいと思います。

あとはよろしいでしょうか。どうぞ。

【和田】

私は、事業内容の改善ということで、まだスタートして2年目くらいの事業だと思いますけれども、拠点校、それから、この事業に参加しようとしている都道府県教育委員会についても、それなりの努力を25年度以降続けるんだと思います。

ただ、中身的には、きょうのお話のようにいろんな問題があると思います。ですから、みんなの意見を聞いて、そして改善をしながら、もう少し続けて効果を上げていただきたいなというふうに思います。

【寺崎】

では、なければ、これで議論を打ち切りたいと思います。よろしいですか。

【大槻政策評価審議官】

ちょっとすみません。私が申し上げるべきかどうか分かりませんが、ご議論がありましたので、その趣旨も踏まえてコメントをまた作っていただければというふうに思いますけれども。

【寺崎】

それでは、今お伺いして、この事業全体の抜本的改善と、それから事業内容の改善ということで、お聞きのとおり2つに分かれましたので、これを併記するという形でいきたいと思います。

それから、コメントについては再度ご意見を頂きましたけれども、冒頭ご紹介しました内容でよろしいかなと思いますので、以上でまとめたいと思います。

【大槻政策評価審議官】

ありがとうございました。

それでは、時間が参りましたので、英語力の指導改善事業の公開プロセスにつきましては以上とさせていただきます。

寺崎先生はじめ皆様、ありがとうございました。

( 休憩 )

【大槻政策評価審議官】

それでは、よろしいでしょうか。

ただいまから2コマ目、頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業について、ご議論を頂きたいと思います。取りまとめは、政策研究大学院大学長である白石隆先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

初めに、事業の概要について、簡潔にご説明願います。

【説明者】

科学技術・学術政策局で国際交流官をいたしております石田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

私の方からは、頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業の概要、こちらをまずご説明させていただきたいと思います。お手元の資料で77ページ目以下になります。

初めに、本事業が創設された背景でございますけれども、82ページの右側にグラフがございまして、我が国から海外への中長期派遣される研究者の数、これが2000年以降減少傾向にございます。おおよそピーク時から半減しているような状況がございます。

その原因としまして、帰国後のポストに不安がある、海外の研究機関へのコネクションがないなどの理由が挙がっておりますけれども、これらは研究者個人に任せきりにしていたのでは容易に解決しない事柄だと考えております。

また、当時は、直感的に言われた感もあるかもしれませんが、88ページ目に資料がございまして、国際移動する研究者の方が論文の生産性が国内にずっととどまっている研究者より高いというデータもございます。

こういう点を踏まえまして、組織を通して若手研究者の国際流動性を促すという目的で、本事業は平成22年度に、頭脳循環を活性化する若手研究者戦略的海外派遣プログラムとして開始されたものでございます。次の平成23年以降は、その重要性から独立したプログラムとして実施されております。

次に、事業内容についてでございますけれども、77ページ、83ページ及び84ページ、このあたりをご参照頂きたいと思います。

本事業は、研究機関に対しまして3年間の支援を実施しておりまして、採択された研究機関では1名から3名の若手研究者を1年から最長3年まで海外の研究機関に派遣し、そこで共同研究に携わっていただくというものになっております。新規と継続を合わせまして約100の案件が採択されておりますけれども、1件当たりの経費は、継続分につきましては約1,700万円、これは年間でございます。新規分で約1,300万円というふうになっております。

これらのお金が日本学術振興会を経由して各大学、独立行政法人の研究機関等々へ向かうわけでございますけれども、使途といたしましては外国と日本を行き来するための往復の旅費ですとか、現地での研究に使用される事業推進費、こういったものが大半を占めております。

なお、81ページにございますように名古屋大学が最大の支出先となっております。これは、審査の結果こうなったというものでございまして、1億8,800万円という金額は名古屋大学の関係で採択された10件のプロジェクトの合計でございます。

審査の方は、日本学術振興会に設置された国際企画委員会審査・評価部会において、約70名のレフリーが4分野に分かれまして厳正に審査を実施しております。採択倍率は、昨年度で約3.5倍ということでございます。

本事業の大きな特徴としまして、事業創設の経緯に由来するものでもございますけれども、組織支援であるという点が挙げられます。本事業では、組織を通じまして大学、研究機関に属する若手研究者を海外の大学、研究機関へ戦略的、組織的に派遣し、海外での共同研究を経た後、再び彼らが日本の大学に戻ってくるということで、この過程を通じまして国際レベルの研究者として育つとともに、日本と海外の大学、研究機関の間に国際的な研究ネットワークが形成されることを意図して実施されております。

類似の事業として、78ページのレビューシートに海外特別研究員制度を記載しております。こちらの事業も若手研究者を海外に派遣しておりますけれども、この制度の方は研究者個人が自由に応募し、研究者個人の発意に基づいて行き先と研究内容を決めるプログラムでございまして、いわば、それぞれの自主性を尊重して、海外の研究機関等に武者修行として若手研究者を送り出す仕組みになっております。ですから、派遣支援制度としては、かなりオーソドックスなパターンになっていると思います。

なお、文部科学省におきましては、これら組織の支援と個人の支援と、この両方を組み合わせて国際的に活躍できる研究人材の育成を目指しているところでございます。

次に、本事業の成果についてでございますが、86ページの方にアンケート調査の結果がございます。これによりますと68研究グループを対象にしておりますけれども、研究者1人当たりの論文作成数は、派遣後に4.6編から6.2編へと増加いたしました。

また、本事業を契機としまして、約7割5分の組織で新たな国際研究が始まった。また、約2割の組織では、新たな国際研究を始める準備をしているという結果が得られておりまして、事業目的にかなった一定の実績が得られているものと考えております。

ただし、私どもは、この結果に満足することなく、今回の公開プロセスを通じましてより効果的、効率的な事業に発展させることができないかということについて、今、思案をしているところでございます。

その際、87ページ及び89ページに資料がございますけれども、我が国の国際的な科学技術の状況、これは大変気掛かりな材料ということがございます。日本の論文発表数を見ますと、数そのものは増加しているものの世界ランキングは低下し、日本のポジションは相対的に低下しているという状況がございます。

また、日本は、世界の研究ネットワークの中心的な位置から相対的に後退しており、国際的な頭脳循環の流れの中で立場を弱めているんではないかということが危惧されている状況でございます。

最後になりますけれども、このような状況を改善して、日本の研究の国際競争力を回復させていくためには、国際的な知識と情報のネットワークの中心に位置し、最先端の研究につながりを持つ研究者と研究組織がより多く生まれるよう、積極的に後押しする政策を打ち出すことが必要だと考えております。

そこで、本事業を見直す際には日本の大学等研究機関が世界の一流の研究機関等と、そこにいる一流の研究者との強力なネットワークを形成し、研究者のフローに重点を置いた国際的なハブを形成するという方向で事業ができないかということで考えているところでございます。

以上で説明の方を終わらせていただきます。

【大槻政策評価審議官】

私の方から事業選定理由及び論点について、ご説明させていただきます。

選定理由につきましては、グローバル化の観点から政策の優先度が高い事業であるということから選定いたしました。

また、論点といたしましては、冊子の93ページにございますけれども、これまでにどのような成果が上げられているのか。類似事業との重複があるのではないか。より戦略的、重点的な制度とする観点から改善すべき点がないかといった点を挙げております。

以上でございます。

それでは、皆様からご質問をお受けしたいと思いますけれども、ご議論を通じて無駄の削減のみならず、より効果の高い事業に向けた見直しという観点からもご活発なご議論を頂きたいと思います。

また、質疑と並行してお手元配付のコメントシートがございますが、コメントシートへの記入もお願いしたいと思います。議論の一旦の終了は15時10分、3時10分を目途としておりますので、よろしくお願いいたします。

それでは、どうぞよろしくお願いします。伊永委員。

【伊永】

79ページを見ますと、この事業は、日本学術振興会に予算が移って、若手研究者戦略的派遣事業費補助金という名称で募集がかけられるということだと思いますが、日本学術振興会には以前、組織的な若手研究者等海外派遣プログラムという事業がございましたが、名称的にもあの事業と非常に似通っているんですが、どういうふうに区別しておられるんでしょうか。

【説明者】

今お話のありました組織的派遣の方なんですけれども、そちらは21年度の補正予算の方で付けられたものです。基金として振興会の方にお金が渡っておりまして、その中で組織派遣というものを支援しております。そちらの事業とこちらの頭脳循環、確かに組織というもので大変似通っておりますけれども、事業の趣旨として、基金の方の組織派遣の方は、できるだけ人数を、とにかくたくさんの若手研究者を派遣するというものを目的としております。一方、こちらの頭脳循環の方は、むしろネットワーク、機関同士のネットワークの強化という部分に重点を置いて組織的な派遣を支援しようというような形で執行しているものです。

【伊永】

以前のプログラムの後継事業というわけではないんですね。無関係。

【説明者】

そうですね。そういう形にはなりません。

【伊永】

名称は似通っているけど、違うということですよね。

【説明者】

そうです。

【伊永】

そのためには、それぞれの事業のどういう方向性というか、成果目標を示していただきたいんですが、以前の組織的な若手研究者等海外派遣プログラムはどういう成果目標であって、こちらの事業との成果目標とどう違うかをご説明頂けますか。予算立ての違いは今分かりましたけど、そうじゃなくて、成果目標がどう違うか。

【説明者】

以前の事業は補正でございまして、やはり……。

【伊永】

補正であっても国の税金には違いない。

【説明者】

日本の研究者をできるだけ海外へ送り出したいということで、やはり数で目標を立てておりました。

【伊永】

いや、数は成果目標じゃないんで。

【説明者】

今回も77ページの目標のところで派遣実績を機関の数と、あと人数の方で書かせていただいておりますが、このあたりの書き方については残念ながら同じような形になっているかと思います。

今のご指摘を受けまして、本事業につきましては、やはり研究者の数、大体今、250人とか、そのぐらいの単位で毎年送り出す形になっておりますけれども、研究者の数ではなくて、まさに論文数ですとか、あと、国際的な共著、国際的な研究ネットワークを組みたいというふうに考えていますので、国際競争論文、そちらの数に注目するですとか、ちょっと工夫を加えないといけないなと、そこはちょっと反省しております。

【伊永】

どうしても数に言葉が行ってしまっていますけど、論文の成果も、私は、この事業の成果目標としては甘いと思っております。例えば手元の資料の92ページを見ますと、この事業の結論としては、やはりイノベーション総合戦略に結び付くということが示してございます。しかし、今、指標として説明された海外と日本とのネットワークを作るための共同で書いた論文がイノベーションにどうつながるかという視点は、ご説明が全然ないんですが、そこはどういうふうにご説明になりますか。

【説明者】

本研究では、自然科学系が中心になりますけれども、人文社会系等も含んでおります。どちらかというと基礎研究に重点がございまして、一方、科学的イノベーションということですと、基礎研究の方は、いわゆるシーズとしてまずあって、そこから幾つかの段階を経て、それからイノベーションの具体的な成果として上がってくる。段階がちょっとあるのではないかというふうに思っていますけれども、そこのところでちょっと目標としては出しにくいなと。

【伊永】

いえいえ、でも……。

【説明者】

論文の……。

【伊永】

明確に92ページに結論として、この事業の方向性としては、ここへ進むとはっきり書いてございますから、そこにちゃんと進むという道筋をご説明頂かないと、距離がありますと。それは分かっているんですが、それではちょっと説明になっていないんじゃないんですか。このプログラムは基礎研究ですと言っておいて、結論は科学技術イノベーション総合戦略のための1つの手だてですというご説明では距離があり過ぎる。恐らく年数にすると10年は空いておりますんで。

【白石】

ちょっといいですか。そこは私の理解と違うんですけど、というのは……。

【伊永】

でも、先生と私が議論するんじゃないんですよ。(笑)

【白石】

いやいや、そうじゃなくて、ここで言う総合戦略と、それから第4次の科学技術基本計画と2つ、長期計画というのがあって、私は、この頭脳循環の話というのは、基本計画の方で特に人材育成とか、頭脳循環……。

【伊永】

いや、そうであれば、ここのページに基本計画が来てなきゃ駄目なんですよ。(笑)

【白石】

まあ、それはそうかもしれないですけどね。だから、このペーパーの善しあしは別にしまして、本来の趣旨から言うと、そこはちょっと私からしますと違和感がある。

【伊永】

応援が出ていますけど、やはり、ここの説明の仕方は、私にはちょっと理解できなかったもんですからお伺いしております。基礎研究を本当に目指しているのか、それとも最終的にはイノベーションを目指しているのか、そこは明確にしていただきたいんです。

【説明者】

論文数が幾つという話もございますけれども、特に産学連携の関係なんかですと、論文数のほかに特許を指標として加えるような、そういう手法もございます。

ただ、先ほど申し上げた趣旨は、そういう点からすると特許のような形では出てきにくいなということを申し上げたかったんですが、いずれにいたしましても、基礎研究の方が中心になるとしても、最終的な目標は科学イノベーション、これが政府の目標でございますので、そちらの方に合流できるように事業の方を仕組んでいきたいというふうに思っています。

【伊永】

もし、そうであるならば、やはり評価軸といいますか、成果評価はイノベーションで評価しなきゃいかんわけですよ、どうつながるかを。論文数だけで評価するというんでは、イノベーションにつながるかどうかの評価にはならないんです。

基礎研究の中でもイノベーションにつながる研究というのはあるんです。サイテーションの数が多い論文なんかは、みんなが興味を持っていて、将来イノベーションにつながると言われていますが、そういうものだけを評価しようとしているなら私は否定しませんけれども、数だけで評価するというんであればイノベーションにはつながりませんよということを申し上げたい。

【説明者】

少し最初にご説明させていただきますが、ここで言う科学技術イノベーション総合戦略自体が純粋にイノベーションだけを目指しているものではないということを、まずご理解頂けたらと思います。これは、まさに基礎研究も含めた科学技術そのものを含めて、総合的にどういうふうに進めていくのかという総合戦略として打ち出されたものでございます。

【伊永】

科学技術・学術政策局がそう言っていいんですか。

【説明者】

そこに関して申し上げると……。

【伊永】

今までは、基礎研究は我が国ではしっかりできてきた。しかしながら、イノベーションには必ずしもつながっていない。そこを伸ばす政策が出なきゃいかんという時期なんだと思っていますけど。

【説明者】

そこの部分に関しましては、科学技術・学術政策局が産学連携施策ということで、まさにそういうもので戦略的に別途進められているところでございます。

この事業におきましては、むしろ、今、フェーズとしては国際的なネットワークをちゃんと形成する。ここが1つの目的の目指すところであると。

【伊永】

だから、これに引っかけない方がよかったわけですよ。結論をここにもってきているというふうに、私は、これを読み取ったんですよ、結論と書いてありますから。

【説明者】

そこで申し上げると、イノベーションで産業を目指すというところを引っ張ってきているわけではございません。

【伊永】

もちろん、もちろんそんなに……。

【説明者】

そういう意味で言うと、人材の流動化の促進のところを引っ張ってきております。我が国全体の国力という意味でも、まさに基礎研究も含めてしっかりとやっていくというのが、基本計画も含めて、ずっと総合戦略の理念としての基本でございます。

ですので、そういう基礎研究も含めてしっかりと力を付けていく。そのためにはどういうふうにしていくのかというのは基本的な理念としてあって、その上、それぞれの施策の目標がフェーズによってある。これが今の政策体系の中にあるというふうに認識してございます。

【伊永】

はい。

【大槻政策評価審議官】

水上委員、お願いします。

【水上】

ちょっと幾つかお聞きしたいんですけど、まず82ページの若手研究者が海外に行くことができない要因の例というのがあって、帰国後のポストに不安があるとか、短期での成果を求められるとか、コネクションがないとか書いてあって、だからこそ研究者が組織に所属したままの支援が必要なんだという結論を出されているんですが、ちょっとお聞きしたいんですけど、この支援を受けた研究機関は派遣された人の帰国後のポストを保証しているんですか。

【説明者】

具体的に、戻ってきたらこのポストに就きますよというところまでは行きませんけれども、ともすれば、海外に派遣されるときには、そこで一旦研究機関との関係が切れる。そこのところは、本籍の方は保証した上で送り出される。大抵の場合は、日本に戻ってきて、以前いたポストより上の方に上がっている、そういう仕組みになっております。

【水上】

それは、以前よりいいポストに、いい研究をすれば、ある意味上がるのは当たり前なような気がするんですけど、つまり、保証されているんだったら、それは1つ意味があるかもしれませんが、そうではないということでいいですか。つまり、籍が残っているというのは、実際には多くの場合、期間が決まっていたりしますよね。例えば助教だと何年間かとか、そういうことが決まっているとすると、例えば、その間に期間が来ちゃうということはないんですか。

例えば准教授とか教授になっているわけじゃなくて、任期付研究者だった人が、そういう場合どうなるんですか。任期付の研究者だった人が研究に行っている間に任期が来た場合は延長されるんですか。

【説明者】

まず、基本的に、そういった方が派遣されているという実績はございません。

【水上】

逆に言うと、そういう人は派遣してもらえないということになるんですかね、任期が来てしまったら。つまり、そういう人が派遣されないんだとすると、ポストに不安があるというボトルネックを解消した事業になっているのかどうか、よく分かんないですよね。最初から帰ってくるまでの間、任期がある人だけが派遣されて帰ってきますというんだと、もともとその人はポストに不安はないわけですよね。だって、任期中なんだから。

つまり、この事業で派遣されることによって、途中で任期が来たとしてもポストが保証されているというんだったら、このボトルネックは解消されているという議論はあるかもしれないけど、このボトルネックは、この事業によって解消されているんですかという質問なんだけど。

【説明者】

まず、一般的に個人で職を持ったまま出ようとしたときには、一旦辞めて海外に派遣されるというような場合が基本になります。実際、個人で派遣する海外特別研究事業、基本的にそれで出る方が多い。そうすると、結局、その後の保証というのは全くない形になります。

今回、組織として、任期中でございます。例えば5年の任期の真ん中とか、そういうところでキャリアアップの場で使われるわけでございますが、その間で派遣されて戻ってくる。そこで、ある程度安心してできる。全て網羅的な調査をしたものではございませんが、幾つかの採択された課題のところに聞いているところによると、やはり任期中の間において海外に行って戻ってくる。そこの間では保証されていることなどは声があります。

【水上】

まず、例えば任期付のポストがポスト中に海外に派遣するということをどう考えるかという議論は1つ重要な論点だと思います。国がお金を出すかどうかという議論よりは、ポストをきちっと維持したまま派遣してもらえる制度になるかならないかという議論だから、そういう制度が必要だったらそういう制度を作られたらいいと思うんですけど、だから、お金を出すということは別に論理必然になっていないような気がします。

第2点を聞きますが、この制度を導入すると短期的な成果は求められなくなるんですか。例えば、この制度を導入されて派遣された人は、本来だったら3年間で成果を上げろと言われるところを10年間でいいですよみたいな、そういう形になるんですか。

【説明者】

そこは明確に分けておりませんけれども、派遣される期間も様々ですし、あと、分野ごとに成果の出ると言われている期間もいろいろありますので。ですから、例えば1年派遣された人は、帰ってきて1年後までに実績を上げなさいと、そういう縛りはございません。

【水上】

縛りはないけど、そういうふうにしてはいけないというルールになっているわけでもないんですよね。つまり、別にこのボトルネックは、この事業によって解消されているわけではないんですよね。

【説明者】

ですけど、そこは、やはり研究者の世界ではありますけれども、お互いの研究成果の発表とかもありますし……。

【水上】

つまり、どういうことかというと、行政が、こういうボトルネックがあって、こういうボトルネックを解消するためにこの事業をやりますというんだったら、このボトルネックは、この事業によって解消されていますということが説明されていなきゃおかしいのであって、ボトルネックがあって、それでこの事業をやりますというんだったら、そのボトルネックは解消されたんですかと。

【説明者】

一定程度解消されると思います。

【水上】

どういう成果指標で、どう解消されたか、説明されていますか。

【説明者】

論文の方でも研究成果が上がっておりますし……。

【水上】

論文の方をちょっと見てみましょうか。論文を見ると、理工系、確かに論文は増えていますよね、執筆数。でも、例えば人文系はほとんど増えていないし、生物系は全く一緒ですよね。学際・複合系は減っているわけですよね、実際ね。

【説明者】

特に減った学際・複合領域系は、全部で68の研究部を調査しましたけれども、1カ所、2カ所、非常に大きく落ち込んだところがあると、こういうふうに現れてくるというものがございます。

逆に、注1で書かせていただいていますけども、1組織が極端に1人当たりの論文作成数が多い結果となったため外してある。これは、100単位で増えたと。高エネルギー分野のものでございますけれども。

【水上】

逆に言うと、少なくとも理工系以外は、この事業によって有意に増えたとは評価できないということですよね。人文系とか生物系、このレベルは誤差でしょう。理工系は、確かに有意に増えているかもしれないと思うけど。

【説明者】

分野ごとに出すと誤差かもしれないというものがあるかもしれませんが、全体で見ていただきますと、こういう成果が上がっている。それぞれ誤差じゃないかとおっしゃられる分野につきましては、更に内容をよく見ないと……。

【水上】

組織にお金を出すということが、私、ちょっとよく分かんないんですけど、つまり、組織に派遣するためのお金を出すと、今のようなボトルネックが解消されて、結果として89ページにあるような、結局、89ページにあるような成果指標になると思うんですけどね。結果として科学出版物の数が増えるとか、更に言うと、伊永先生が言うように、イノベーションの数というのがもし評価できるのであれば、イノベーションで評価するべきだと思うけど、現実にはイノベーションを評価するのは極めて難しいので、取りあえず評価できる指標としては、もう少し分かりやすいものとして、少なくとも出版物は増えているよねとか、あるいは実際の各国間の共著関係の強さ。

更に言うと、これは科学出版物に限られているから、科学以外のところで、そもそも世界的にどれぐらい世界的共著というものを重視しているのかというのは別途検討しなきゃいけないと思うけど、少なくともこういう共著関係の強さとか、出版物の数の増加に対する当該事業の寄与分というものが成果指標として上がるんであれば、それを実現するために、かつ組織に金を出すことが最も寄与が高まる要素になっているということが説明できるのであれば、組織にこのような金を出すということの意味があるかもしれないけども、現実に今の事業の成果指標の立て付けだとそうなっていなくて、かつ論文についても、理工系以外はそんなに成果が上がっているように見えなくて、ボトルネックについても解消できているかどうかよく分からないという事業に思えるんですけど、この事業の立て付けのまま続けていくことに意味はあるんですかね。

【説明者】

海外に研究者を派遣するということの位置付けで、88ページに国際移動する研究者の方が論文生産性が高いというデータ、これはElsevierデータでございますが、置かせていただいております。

イギリスとドイツと2か国について、それぞれの国からいろいろな移動の仕方がございますが、それに沿っていった場合、相対的生産性がどうなるか。これは1が標準でございますが、それに対して幾つかの数字が並んでおります。これを見ますと、左下にずっと国内にいらっしゃる研究者について、相対的生産性でございますが、0.6、これはイギリス、ドイツの場合0.64。それに比べまして、右の方で、これはいろんなパターンがございますが、特に下から2つ目の欄にございます本国から外国に行って、外国で研究を積んだ後、また帰国する、そういう頭脳循環の場合には相対的生産性がドイツの場合には1.45、イギリスの場合1.66となっております。ここは……。

【水上】

分かりました。そこの点までよく分かりました。よく分かりましたが、日本もその傾向だというところまでは、取りあえずそうだとしましょう。そこ、別に争うつもりはないんだけど、そうだとしたら、これは意見ですが、今みたいに、結局、組織にお金を出して、事前にお金を出すということが、結果として89ページの成果につながるのかどうかがもう一歩よく分からないので、むしろ、ボトルネックを解消するという意味では、自ら海外に派遣されて研究をしました。研究していい論文を書いてきました。一定の要件を満たしましたという人に対して、帰ってきたときのポストをきちっと整備してあげる支援をするという方が、結果としてボトルネック解消するんじゃないんですかね。

今だと、派遣されちゃった後にどうなったかは、結局、この予算との間のひも付けされていないですよね。むしろ、派遣された人が海外でちゃんといい研究をしてきて、一定の論文を書いてきたという状況において、有意な成果を上げた人に対しては再び雇用されるように、例えば1年分の人件費を補助するとか、そういう形で、その人のポストというものに対して支援するという方が、出すときに組織に金を出すんじゃなくて、ちゃんと有意な研究をしてきた人はちゃんと支援するという方が意味があるように思うんですけど、どうですか。

【説明者】

おっしゃること分かりますけれども、まさに海外に行って、どういうふうになるかというのが心配だから、そこで、ちゅうちょしてしまうということがあるんだと思います。ですから、「あなた、ちゃんと成果を上げてくれれば、受入先としてまた戻ってきてちょうだいよ」と、そこの、多分に心理的なものかもしれませんが、保証は必要だと。これ、鶏が先か卵が先かの話かもしれませんけれども……。

【水上】

若干乱暴なことを申し上げますが、帰国後のポストに不安があって、研究や短期的な成果が求められていて、コネクションがないから行きたくないなという人を本当に海外に派遣することが日本の国益にかなうのかという問題は、ややあるように思います。(笑)

【白石】

同じ質問なんで、要するに頭脳循環ということで何を達成したいかというと、1つは、ともかく国際的に活躍できる若手の研究者を育てたいというのが1つですよね。2番目は、国際的なハブになり得るような研究機関を日本の国内で作りたいというのが2つ目。それから、僕は、このプログラムにないのは国内における研究者の流動性、これをどう促進する。この3つが大きい目的で、今おっしゃられたことは、最初の研究者のところに集中したらどうかというご意見だと思うんですけど、私は、国内の流動性も高める形で、この3つを同時に達成するようなプログラムというのはないんですかというふうにむしろ聞きたいんですけど、いかがでしょう。

【説明者】

ちょっと先ほどのご議論の個人のとは別に、組織のという特性というところをまず1つご説明したいところがあるんですが、やはり個人のネットワーク、個人の強化、個人の能力を上げるという面と、組織として継続性をちゃんと持ってネットワークを作ってやれるということ自体も科学技術の基盤の部分になるというふうな認識でございます。

そういう中で、今回、組織に出してやるということで、複数人数ある、1つの機関が複数の機関に出してネットワークをちゃんと作って力をちゃんと付けていく。そこの一面はある。それは、今、白石先生がおっしゃったように、組織としての国際化としての強さの部分だと思います。

あともう一つは、その中で、今、この制度で言うところはすみません。今までの私どもの制度としては、今の2つのところは視野に入れてやってきたところでございます。

最初、伊永先生からご説明のあった平成21年、最初の基金のところは、まさに、それが今、水上先生のおっしゃられたような不安な人のために組織的に支援しようということでだけを目的とした制度でございました。

そういう中で、やはり、ちゃんと組織として強みを出すという中で、国際戦略も出してネットワークとしての強化を目指そうという流れがあってというのが現状でございます。

【大槻政策評価審議官】

ちょっとすみません。コメントシートをお書き頂いた先生、お示ししていただいて回収させていただきますので、よろしくお願いいたします。
では、簡潔にコメントしてください。

【説明者】

組織の話でございますけども、ここにいらっしゃるメンバーの方たちもそれぞれ組織に属していらっしゃると思います。これは、ある意味、日本の社会の特徴といいますか、終身雇用とか年功序列ですとか、そういうふうに雇用制度がある中で、一旦、ある組織を離れてしまうと、後が非常に心配だよ、続かないと、そういう状況が実はある。そのせいにするというわけではありませんけれども、そこが、やはり我々、議論する中では押さえておくべき点だと思っております。

【大槻政策評価審議官】

南委員、どうぞ。

【南】

単純な質問なんですけど、単純に分けます。特別研究員は個人であり、頭脳循環が機関という、そういう分け方でいいですよね、一応。多少の重複がある。

そうすると、ちょっとお聞きしたいんですが、これに応募者の重複というのはどうなっているんでしょう。要するに海外に派遣する人は必ず個人名になるわけですから、その個人名がどの程度の重複があるのかというのは調べていらっしゃいますか。

【説明者】

実際に派遣される人?

【南】

実際に派遣した人、あるいは応募者。どっちかというと応募者ですよね。多分、派遣される個人は分かれることになると思いますけど、当然、これ、応募しますよね。応募倍率は何倍ぐらい。

【説明者】

まず、応募の主体が大きく異なりまして、組織派遣の方につきましては組織として……。

【南】

いや、だから、いずれにしても個人名がはっきりするので、申請。これは、機関として個人名は何も出さないんですか。だって、業績、その他も全然判断しない。この頭脳循環は、機関としての業績しか診断しないということですか。

【説明者】

まず、頭脳循環の審査の体制についてなんですけども、組織としてどのような若手をターゲットに派遣するかという観点から審査しております。その際には個人名が特定されるというわけではなくて、どういった観点の若手を、この共同研究の中にどのように派遣するかといった視点になりますので、そういった意味では、先生おっしゃるような個人が特定されたような形で審査がなされているという状況ではないです。

【南】

そうすると、完全に機関が全く自由に人を選んで派遣できる。

【説明者】

最終的には、採択を受けた機関の方で審査方針というものを作成しておりますので、その審査方針の中で公募をかけて、その公募にかなった人間を若手として派遣している。

【南】

だから、その個人の選定は全く機関に任せる。

【説明者】

そうですね。その審査方法について、振興会の審査会の方で審査した上で……。

【南】

では、クオリティーについては完全に機関として保証する。

【説明者】

そうですね。そこの中身の実際に派遣される人間……。

【南】

では、それの審査の基準というのは、どういうクオリティーの審査かというのは論文数とか、その辺ですか。

【説明者】

そうですね。機関についてまちまちではあるんですけれども……。

【南】

だから、その辺がちょっと分からないんですね。私の仮説は、いずれにしても海外に行く人が当然、論文数が多いというのは当たり前。大前提で言います。私は、資金はもっとあってもいいし、別に削ろうと思うことは一言もないし、逆に言うと、下手に分けることによって様々な手間暇で事務的な手数料が掛かるよりも、それは全部派遣に回した方がいいということでちょっと聞きます。

そもそも生産性が高い人というのは海外志向も当然あるだろうという前提がここにありますよね。これは、イギリスとドイツなので、日本でどうかというのは分かりませんけれども、そうなると、結果的には、意欲のある人というのは個人としてある程度の研究分野を持ち、ある程度の研究計画を持ち、ある程度のコネクションを持ちということが大前提になりますよね。

なぜ、そういうことを聞いているのかというのは、私は、機関にするならば機関で全然構わないし、個人なら個人でもしようがない。なぜならば、個人でもそれなりの機関とのきちんとしたコンタクトがなければ、私行きますと言ってリュックサック1つで行くなんていう人は全くあり得ないわけで、それは必ずコンタクトがきちんとある。うんと若手だったら当然紹介もあるでしょうし、あるいは、どこかの学会で知り合ったコネクションがあるだろう。それは個人の場合でも大前提ですよね、クオリティーを考えるなら。

【説明者】

ええ。

【南】

ですね。そうすると、それも含めて機関に対する1つの研究で、ここの中でも特別研究員の個人はどこかの研究機関に必ず属していますよね。

【説明者】

はい。

【南】

ですよね。それの対象と今回の頭脳循環の機関というのは全く一緒と考えてよろしいですか。

【説明者】

まず、個人の海外特別研究員制度は、必ず組織に採択された時点で採用されている人だけではございません。まずはそこは。

【説明者】

採用されたら。

【説明者】

採用されたら。組織を離れた個人も含まれます。

【南】

では、割合としてはどのぐらいになりますか。理論的にあり得るんではなくて、私自身は、もちろん個人なんだけど、それはそれできちんとしたある程度の機関同士的なコネクションというのは当然あるだろう。学会も含めてですよ。研究者であれば全くの個人ということはあり得ないと思うんです。

ごめんなさい、混乱させないようにもっとはっきり言いますと、要するに私は機関で全然構わないだろう。そこからこぼれ落ちる人は、こぼれ落ちても行けるぐらいの人は、当然、機関としては何らかの採用、雇用形態はともかくとして、いろんな採用形態があるだろう。

そうすると、機関にきちっと説明させた場合には、かなりそういったプログラムの問題、それから人材の育成の問題、更にポストの保証の問題、その他のいろんな形でできる可能性があるし、それが組織としてというのは、白石先生おっしゃったように、拠点形成にもすごく役立つし、当然のことながら、それは国内循環でもいろんな移動にもなる。むしろ、そういった形に絞った方がいいんじゃないかというのが仮説です。それに対して絶対個人を残すべきという論点があったら言ってください。

【説明者】

明確な答えになってないかもしれませんけれども、やはり研究者が海外で、あるいは国内でも新しい知見を得て、新しい場所で、新しいアイデアを得ていくときには、基本は個人なんだと思っています。

【南】

当然そうですよ。

【説明者】

むしろ組織の方は、そこで賄えない部分があるんじゃないかということで作ったわけですけども……。

【南】

いや、逆じゃないですか。

【説明者】

これ、逆ですかね。

【南】

それは、ちょっと余りにも。個人が先にあって、今回、循環をやっているから、そういう言い方で、もし、こっちの頭脳循環が先にあったら、事業として個人は生まれない可能性がありますよね。

【大槻政策評価審議官】

家委員からも手が挙がっていますので、どうぞ。

【家】

まず、私の基本的なスタンスなんですけども、こういう人材育成とか拠点形成とかというものは、余り短期の成果が上がったか、上がらないかで朝令暮改するべきものではないと思っているんで、基本的には、私は、このまま続けていただくので結構だし、予算も必要に応じて増額していただくのは結構だと思うんですけども、今までのご説明で、ちょっと揺れているんじゃないかと思うのは、最初に個人の国際的なネットワークを有する、人脈を持つような人を組織を通じて育成するという説明が1つあったのと、それから、組織が国際的なネットワークの拠点となるという組織の強化という両方がありました。

それは、システムとして二兎を追うなら二兎を追うとはっきり言っていただいて結構なんですけれども、それぞれについて、今後、成果指標を考える場合、それぞれ違うだろうと思うんですね。そこのところは、今後、こういう場での説明をきちっとしていただくためには、もう少し成果指標の在り方について工夫していただく必要があるのかなというふうに思いました。

以上です。

【大槻政策評価審議官】

何か。

【説明者】

まさに二兎を追っておる状態でございます。ちなみに個人派遣の方は、以前、在外研究員制度、これが明治時代ずっと続いた制度として文部省にございました。これが国立大学法人、2004年にできたときに一旦なくなったというのもありまして、私の頭の中では個人が先にあったということでございます。

【家】

もう少し付け加えますと、これ、多分、対象になるのは、今で言う助教とか講師とか、成り立ての准教授とか、若手の年代ですよね。そういう人たちは、キャリアを積めば、例えば今いる組織から別のところに移るという可能性も非常に高いわけですよね。だから、それでもいいと思うのか。組織の強化という意味では、派遣したからには帰ってきてその組織に貢献してくれなきゃ困るというふうな考え方で制度設計をするのかによって大分違ってくるんじゃないかと思うんです。

【説明者】

これは、それぞれの組織によって、まさに戦略が違う。そこに合わせて両方の制度を使い分けていただくのが適切かと思っております。

【南】

どうも日本型の研究制度、その他でずっと講座制からきて、徒弟制度というのは今はかなり崩れていますが、機関に行って機関に戻ってこなきゃ駄目というような縛りで、そこでがちっと固まっているようなら、むしろ、今は否定されるべきじゃないか。

機関として、派遣しても非常に不安だったら、戻ってきた人が十分な研究ができるような環境を整えるのが機関全体としてのクオリティーを上げるものだろうと。抽象的に言っているし、ちょっと理想的に言っている面がありますけども、私は、方向性としては、やはり機関としての責任をきちっち持っていただく。それによって機関が何人かの派遣枠を持っていれば、当然のことながら循環する中で、バッファーとしての人材のポストの数が増えていくわけですよね。そうした形も含めて、やはり研究者の身分上というのは、特に日本の場合には組織にある程度の期間属するというのが基本になるんで、その辺をちゃんとデザインするべきじゃないかなと思うんです。

【伊永】

ちょっとかぶせて、南委員と同じ視点なんですが、もう少し具体的に申しますと、国際的なネットワークを作ることは大事だと。もう一つ、白石先生も言っておられますが、人材の流動化をどうするかという視点が同時にうまくできるといい。

しかし、3年たったら所属機関に帰ってくるんでは流動化にならないので、海外とのネットワークもいいですけど、100の機関にお金を出しているわけですから、国内も全部ネットワーク化してもらって、出ていった所属機関から、帰るときには別の機関に帰るという仕組みにしてしまえば、流動化も同時にかなうし、このプログラムとしても非常に趣旨がよくなってくるんじゃないかなと思うんですが、いかがですか。

【説明者】

まさに理想型だと思っております。きょうは大学の話を中心にさせていただきましたけれども、この事業、大学だけが対象ではございませんでして、採択実績でも独立行政法人の関係の研究機関もございますし、あと、例えば地方自治体関係で東京都の医学教育研究所、こういったところも採択してございます。

そういったところも含めて、一体として研究者を流動化していくという形になれば、まさに、これは理想の形だというふうに。

【大槻政策評価審議官】

先ほどから和田先生、挙がっていましたので、どうぞ。

【和田】

私は、この事業全体を見て、83ページにございますような、この事業概要にあるような、こういった高邁な理想に対して、この事業を続けていくこと、基本的に賛成です。

ただ、ここには出てきていないんですけれども、応募した機関、それから採択された大学とかの機関、それから派遣された研究者、戻ってきた方もいますでしょうけれども、この人たちがこの事業に対してどういう評価をしているか。そして、将来、この事業をしたことによって、こういう期待が持てるんだというようなこと、あるいは、ここをこういうふうに改善すべきだというような、実際の当事者の意見を十分に反映させながら、そして、改善すべきところは改善していったらいいんではないかと思うんですけれども、その辺のところがちょっとよく見えないもんですから、是非、今後改善を続けていっていただきたいと思います。

満足したとかというのは、おおむね満足ということがあると思いますけれども、そうではなくて、もっと改善すべきところが、当事者でなければ分からないところもいろいろあると思いますので、是非、それをお願いしたいと思います。

【説明者】
一応、85ページ目に本事業へのこれまでの満足度というアンケートを掲載させていただいていますが、まさに、これは採択された機関のアンケートでございますので、妥当であるというのが86%、そういう結果になるだろうと思っております。まさに、今ご指摘頂いた点、この事業から落ちた方、採用されなかった方、あるいは海外に行きたいと思ったけどなかなか行けない方、そういう方をどうしたらいいか、どんなふうに考えるかということについては、まさに宿題の部分だと考えております。

【大槻政策評価審議官】

水上委員、どうぞ。

【水上】

私が大きく2つ問題にしている点は、1つは、派遣時に補助をするということです。例えば派遣したんだけれども、初期の成果を上げてくれなかったというときに、お金を返してくださいという仕組みはあるんですか。

【説明者】

もちろんございません。

【水上】

かつ、そもそもこれは機関に派遣しているから、機関と国との関係で、実際に研究するのは個人だから、個人が研究しなかったからといって機関がお金を返すのかというところは、そもそも法律的にもどうなんだという議論があると思いますけれども、つまり、派遣時にお金を出して、あとは自由にやってくださいという形にすると、実際に所期の成果が上がるのか。特に89ページとの関係で所期の成果が上がるのかというところは、私は正直怪しいと思っていて、やはり、きちっとした研究をして帰ってきた人は報われるという仕組みにしないと、基本的には駄目なんだろうと思うんですね。

もう一個は、組織にお金を出して組織の中でという議論になると、さっきも言ったように、5年間の期間で例えば助教になりますみたいな話だと、期間の前半で行かなくちゃいけないという話になるんですけど、そうすると、そもそもその人は、その期間の間にはポストに不安はない人だし、更に言うと、海外に行かなかった人が国内で短期的な成果で実績を求められたときに、結果として、その次のポストで有利になるのか不利になるのか、よく分からないという議論も恐らくあると思うんですね。

そのように考えると、結局、この仕組みでどんどん海外に出て行こうという成果がどれだけ上がるのかというところにも、私は正直疑問がある。

なので、むしろ、しっかりと海外で研究してきました、国内に帰ってきましたというときは、もともとの機関じゃないところだとしても採用してもらいやすくなるように支援する。例えばAという研究機関から海外に行きましたというところが、Bという研究機関にもちゃんと採用してもらえるようにする。これによって国内的な流動化も高まってくるわけだから、あくまで、これはちゃんとした研究をした人に対して再雇用を支援するという仕組みに抜本的に切り替えた方がよろしいんじゃないかと思いますが、いかがですか。

【説明者】

特に個人の研究者の評価に関する話だと思いますけれども、そこのところは基本的に各大学、研究機関等に任されているんであって、ですから、海外で研究実績が上がったかどうか、それは、基本的には戻った先で評価されるものだというふうに思っています。

ただ、先生おっしゃいますように、このプログラムで採択されて海外に派遣されたということを履歴書に書いて、それがほかの機関でも通用するということであれば、それは大変すばらしいことだと思います。

【説明者】

1点補足させていただきたいんですが、あと、助教の身分を持っているから2年間自由に行けるかというと、実際には、これは先生方の方がよくご存じだと思いますが、授業を持っていたり、教えたりする学務の仕事がございます。逆に言うと、そこから開放されないと、外に行きたくても行けないので、結局、身分は保証されない、出たくても出られないわけです。

組織としてちゃんと責任を持って派遣するということによって学務とかのカバーもちゃんとするという、ある程度裏の保証とかもちゃんとやって送り出すという形ができるので、初めて不安がなくなるということがあるということはご理解ください。

ですから、助教だから……。

【水上】

ごめんなさい、その点分かっています。その点分かっているんですけど、それは、各組織が組織の意思決定として組織として派遣しようというときには、そういう整備を整えるということであって、そもそも国がお金を出すから、そうしてくださいという話ではないと思います。ということが1点と、もう一点言わせていただくと、だって、これまで組織にずっと任せたりしてきながら、現実問題として87ページを見ていただくと分かりますけど、基本的に日本の科学技術のレベルというのは国際的なシェアやポジション、落としてきているわけですよね。個人に対してであったり、あるいは組織に対して、こういう事前に派遣するときの支援とかずっとしてきたわけで、そろそろ抜本的に変えないともう改善できないんじゃないですか。だって、基本的にずっと悪くなっているでしょう。状況改善していないじゃないですか。このやり方でずっと改善してきたから、これからもやりますというんだったら、分からなくはないけれども、これまでずっと失敗してきたのに変えませんというのは、私は意味が分からないんだけど。

【説明者】

87ページにあります数字ですが、相対的に順位は下がっているということはありますが、論文数がそのまま減っていると、そういうことではございません。相対的に下がっている理由というのは、特に中国が顕著でございますが、景気も大変にいいですし、科学技術の方に倍々になるような感じで投資をしている。そこの差が顕著に現れてきているということかと思います。

ですから、場合によっては、この頭脳循環プログラム含めて焼け石に水という見方もあるかもしれませんけれども、焼け石に水をしなかったらもっと早く干上がってしまうという恐れもあるんではないかというふうに考えます。

【水上】

最後、これ、意見です。私は、焼け石に水だとまでニヒルに思っているわけじゃなくて、しっかりと人材の流動化を図れるような、これまでのような組織に縛り付けるような仕方ではなくて、ちゃんと一生懸命研究して帰ってきた人はちゃんとポストが報われるような形で、フェアで競争的な仕組みを整えれば、日本にはチャンスがまだまだあると思っているので、だからこそ、是非抜本的に変えていただきたいというのが私の意見ですから、その点、意見として付記させていただきます。

【説明者】

失礼いたしました。

【大槻政策評価審議官】

家委員、どうぞ。

【家】

1つだけコメントさせていただきたいんですけれども、海外に行く若者が減っているというのは、1つは、もちろん若者の気質の変化によるものもあると思いますが、研究者に関しては、やはり、ここ何十年か、日本の研究関係が非常によくなって、昔なら海外に行かなきゃ全然研究できなかったものが国内にいてもできるという、それは喜ぶべき事態になっているということは1つ申し上げておきます。

【説明者】

もう一つ、ちょっと先生のことで。これ、私どもの制度ではございませんが、先生のおっしゃったような国として国内の環境整備、人材受け入れの環境整備ということに手をこまねいているというわけではございませんで、そこはまた人材政策のところで、まさに多様な人材を受け入れるための環境整備ということで、別の施策として、今、国内政策として取り組まれている現状があるということはご理解頂ければと思います。

【大槻政策評価審議官】

それでは、時間が参りました。コメントの集計もできましたので、白石委員からコメントの案の講評をお願いいたします。

【白石】

集計結果でございますが、事業全体の抜本的改善2名、それから事業内容の改善2名、それから現状どおり2名で、きれいに分かれております。

主なコメントをご紹介しますと、事業全体の抜本的改善についてのコメントとしましては、若手研究者が海外に行きたがらない、あるいは行かれない要因が解決できていない。それから、海外で成果を出した者の帰国後のポスト取得を支援すべきである。それから、国内における研究機関のネットワーク化を推進すべきである。これが主なコメントでございます。

それから、事業内容の改善についての主なコメントとしては、ネットワークハブとなる機関の強化を目的として、より大規模により少数の機関に絞るべきである。それから、機関か個人か、対象や目的を明確にして実施すべきである。

それから、現状どおりの方の主なコメントは、人材育成に関わる制度を朝令暮改することはマイナスである。だから継続しろと。もう一つは、採択機関、研究者の意見を聞きつつ改善すべきである。

大体、こういうことで、きれいに意見が分布している。間を取りますと事業内容の改善というところに落ち着くのかと思いますが、それにしても本事業は、やはり類似のプログラムとの差別化ということから申しますと、日本の大学等の研究機関が世界のトップクラスの研究機関とネットワークを形成して、自らハブとなっていく。それを後押しするというのが重要なんで、その観点から対象機関の選択と集中を図るべきというのは皆さんの大体の合意が得られるのかなと。

その上で、海外の相手機関についても、一流の機関にもっと絞るべきだ。それから、日本の組織についてももっと絞って、1機関当たりの支援人数を引き上げるべきだ。それから、ネットワークですから双方向でやる必要はあるんじゃないか。それから、国内のネットワーク、それから流動性の促進、この4点ぐらいを考えて見直しするのがいいんじゃないかというあたりが、何となく私が、今、とっさにまとめたところでございますが、いかがでしょうか。

【南】

いいですか。たった1つ確認ですけど、機関として応募するときに個人名が出てこないというのがちょっと気に掛かって、この辺は、やはり業績評価できちんと評価する以上は、業績評価、必ず個人に行くわけですから、この辺はきちっとするべきだと思うんですね。あえて個人の応募と分ける意味で機関にしちゃっているのかもしれませんが、ここを覆面にしてしまうと、審査そのものも疑われてしまうので、そこは、きちっと派遣すべき人の特定、採用予定者も含めてですけども、そうしたことは、ある程度考えなきゃいけないんじゃないかと思うんです。

【説明者】

実はそこの点で、ちょっと検討しなければいけない点が1点ございます。当初派遣される方ということであれば、多分、ある程度特定、最初の初年度とかで想定される方はできると思うんですが、機関に対しては3年間支援があって、その中で後半で派遣される方というのも実はございます。そうすると、後半の方は、先ほど出た助教とかの5年間のポストの中で言うと、個人名の特定までやれるのか、若しくは、その進捗に応じてできるのかというところがございます。

【南】 

当然のことながら、そういった変更要素は受け入れなきゃしようがないですよね。ただし、最初の審査の段階で誰が行くのか分かりませんが、こんなテーマです、そんな審査していないと思いますが、それは絶対に避けてほしいという意味です。変更は全然問題ないと思います。

【白石】

それはそれで。

【伊永】

1つ確認してよろしいですか。国内の大学をネットワーク化して、その間の移動をもう少しスムーズに人材流動化をというのは項目に入ったと思うんですが、国立大学法人から、AからBへかわったときに、人事とか履歴は今、全部継続するんですかね。国立大学の時代は全く問題なかったんですが。

【白石】

退職金は永久に継続しますね。

【伊永】

法人間は大丈夫ですかね。

【白石】

退職金は、私立に移ると、もう……。

【伊永】

それから、公立大学間と……。

【南】

いや、国公立も大体大丈夫です。継続しているから。

【伊永】

いや、無理でしょう。

【南】

いや、そうなっているんじゃないの。

【水上】

国公立は知りません。

【伊永】

いや、ケース・バイ・ケースなのかも分かりませんが。

【義本会計課長】

年金、共済は継続となります。国公私、個々のあれですね。

【伊永】

年金、共済は継続だけど、大丈夫ですかね。もし、そこに問題があれば整備しなきゃいかんと思ったまでです。

【大槻政策評価審議官】

では、よろしゅうございますか。先ほど白石先生にまとめていただいたコメントということでよろしいでしょうか。

【伊永】

はい。

【大槻政策評価審議官】

それでは、ちょうど時間となりましたので、これで頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣事業についての公開プロセスを終了いたします。

白石先生外先生方、ありがとうございました。次は3時40分頃をめどに再開させていただきます。

( 休憩 )

【大槻政策評価審議官】

では、そろそろよろしいでしょうか。

それでは、本日最後になりますけれども、幼児期の運動促進に関する普及啓発事業についてご議論を賜わりたいと思います。

取りまとめに当たっては、株式会社テレビ朝日編成制作局アナウンス部兼編成部上級マネジャーである宮嶋泰子委員にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【宮嶋】

よろしくお願いいたします。

【大槻政策評価審議官】

初めに、説明者から事業の概要を簡潔に説明してください。

【説明者】

失礼いたします。よろしくお願いいたします。

まず資料の方の103ページをご覧頂ければと存じます。幼児期の運動促進に関する普及啓発事業についてでございますが、本事業の狙い、一言で申し上げますと平成24年3月に、私ども文部科学省の方で作成いたしました幼児期運動指針、この運動指針につきましては資料の106ページに掲載しておりますが、こういうような形のパンフレットやリーフレットを配布しながら、全国各地域に今周知しているところでございます。

内容のキーワードとしては、幼児の自発性、毎日60分以上運動する、また多様な動きをしていく。そういったところがキーワードになろうかと思いますが、この幼児期運動指針を踏まえた幼児の運動促進のために具体的なプログラム、指導内容や方法を実践的に研究いたしまして、各地域の保護者や地域の方々、いろんな方の協力も頂きながら、いろいろな効果的なプログラムを、また取組を作っていこうというものでございます。

この幼児の運動、幼稚園、保育所のみにとどまるものではなく、地域や家庭、様々な取組を促進していこうというものでございます。究極的には、そういった取組を通して幼児の運動を活発にしていく。ひいては小学校、中学校、高等学校、これは新しい学習指導要領も実施されておりますが、子供の体力、運動、運動能力の向上、そういったものの基礎を作っていくということを目指しているものでございます。

このような取組を行っている背景、全体的な政策、施策、取組の中の位置付けについては、100ページをご覧頂ければと存じます。

日本学術会議の方におきまして23年8月に、子供たちの体力、運動能力の状況等を危惧いたしまして、100ページに掲げますような様々な研究成果やデータ、これまでのものを整理され、幼児期の運動の在り方について提言をなされました。

この提言におきまして、幼児期の運動の意義について、例えば101ページに簡単にまとめさせていただいておりますし、幼児、子供たちの運動能力、体力で懸念される状況については102ページのような形で触れられているところでございます。

私ども文部科学省でもいろんな調査を行っております。全国体力・運動能力調査、その他いろんな調査を行っております。また、独立行政法人の方の調査なんかも行っていますが、下の枠囲みにございますように、端的には幼児の運動能力の低下から、転倒しても、衝突しても手が出ないというようなことが結構割合として出ているというようなことも現われているように、幼児の運動能力、身体能力の状況については非常に懸念するところでございます。

このようなことから、100ページの下に掲げておりますようなスポーツ基本計画のとおり、文部科学省では子供の体力向上のための幼児期運動指針に基づく幼児期の運動を促進していくということを行っているところでございます。

なお、ここで国民の皆様方にご注意していただきたいのは、幼児期の運動促進ということではございますが、決して大人が強制的に、又は特定の種目、動きを早期に行わせようというものではないということにご留意いただければと考えております。

この施策の核となる取組であります幼児期の運動促進に関する普及啓発事業、これにつきましては104ページに簡単にまとめさせていただいておりますとおり、各市町村で各地域の子供の状況や、平成20、21年度は全国体力・運動能力調査は悉皆で行いました。そういったところから、各市町村の子供たちの状況、全国平均に比べてどうなのか、こういったものは把握できているところはございます。そういったものを踏まえながら、幼児期運動指針に基づいた具体的な、効果的なプログラム、取組についてを実践研究し、現場での実践、更に開発を行っていただくという形のPDCAサイクルを回していきたいというものでございます。ひいては、各地域で関係者が幼児期の運動の重要性を認識し、様々な取組を全国的に広げていただく、実践頂こうというものでございます。

なお、本事業については、概要は資料のとおりでございますが、大きく2点特色と言えるものがございます。1点目は、幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼児期運動指針を踏まえまして、幼児期の運動という領域に特化して、そのプログラムや取組の実践研究を支援するというものは初めて、かつ唯一のものであるということでございます。また、幼児期の体力向上、運動促進の観点から、幼稚園のみならず、幼稚園は文部科学省所管でございますが、そこにとどまらず、保育所やそれ以外の施設とも連携しながら、幼児期の体力向上に取り組もうということでございます。ある意味、私どものこれまでのスポーツ・体育行政の中では野心的な試みでございます。それだけ子供の体力低下に対する強い危機感を持って取り組んでいるというものでございます。

なお、105ページの上部にございますとおり、報道機関の方々においても昨今、幼児期の運動促進へ関心を持っていただくところも出ているようでございまして、新聞報道等が連載されたりというところがあるようでございます。

本事業によりまして研究開発されたプログラムにつきましては104ページの下部、この資料ですとちょっと灰色になっておりますが、文部科学省の方で精査の上、次の段階においては各地域における研修や映像資料、また、モデル事業を取り組んだ園、所への訪問、授業参観等を通して、全国の幼稚園、保育所等にプログラムの取組の普及・定着を図っていきたいと考えております。

また、特に先ほど申し上げましたとおり、取り組んで頂いた地域においては、国費を投入しているということもございますので、積極的に他地域、他園の訪問、授業参観などを受け入れていただきたいということで、実際に参観、見るということを通したほかの園への波及というものを協力頂きたいと考えております。

一定のエビデンスが整理された中での幼児教育でソフト面で支援を図っていくという貴重な取組であり、成果を上げていきたいというのは先ほど申し上げたとおりでございますが、105ページの中ほどに提示しますとおり、また、資料の方でいきますと95ページにございますとおり、平成24年度、これは事業の初年度でございますが、執行状況が余り芳しくないという状況にあったのも反省点としてございます。

取り組んで頂いた市町村においては、全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果の平均を下回っていたり、地域の子供たちの状況から課題意識を持って着実に取り組んで頂いたところでございますが、私ども先ほど申し上げましたとおり、取組についての反省点もございます。

これまでモデル事業の在り方については、他の事業でもいろいろ行政改革の中で議論されたところもあり、そういったものも参考にさせていただきながら、また、本年度においては全国体力・運動能力調査が21年度以来、全市町村悉皆調査になるということ等も踏まえまして、更に課題意識の広がりをもって取り組んでもらえるよう、事業の在り方を見直しつつ取り組んでいきたいと考えております。

できるものについては、本年度の事業について、1次公募は既に終わり、現在、決定作業中でございますが、再公募という形も可能であれば実施していきたい。そのときには、105ページの下にございますように、この取組主体の在り方、これまでは市区町村教育委員会ということになっておりましたが、それ以外の実施主体が考えられないのか。また、公募の在り方についても、周知の在り方についても改善しつつ取り組んで頂きたいと考えております。

こういった事業の在り方については、私どもとしてもコスト意識や具体的に改善しながら、是非充実したものになっていきたいと思っておりますので、本日はどうぞよろしくお願いいたします。

多少長くなりましたが、失礼いたしました。

【大槻政策評価審議官】

続きまして、事業選定理由及び論点についてご説明させていただきます。

選定理由につきましては、子供の基本的な運動能力の低下が指摘される中、政策の優先度が高い事業であるということから選定いたしました。

また、論点といたしましては113ページをご覧頂きたいと思いますが、先ほどご説明にありましたように9,000万円ほどの不用額が出ている。その理由は何か。また、期待していた成果は得られたのか。事業全体の戦略はあるのか。平成24年3月に策定した幼児期運動指針の普及実践方法としてより効果的な方法、手法はないのかといったことを挙げております。

それでは、ご議論を頂きたいと思いますけれども、ご質問等を通じまして、無駄の削減のみならず、より効果の高い事業に向けた見直しという観点からもご議論をお願いできればと思います。

また、ご質疑等と並行してコメントシートへの記入をお願いいたします。一旦の議論の終了は16時15分頃を目途としておりますので、コメントシートへの記入も一応その時間、16時15分ぐらいを目途としてお願いしたいと思います。
それでは、お願いいたします。伊永委員。

【伊永】

事前の勉強会でも確認させていただいたんですが、この事業の時間軸といいますか、23年8月に日本学術会議から答申が出された。でも、その直後に24年度予算の概算要求としてまとめられていますよね。本当に暇がないような状態で、恐らく十分な準備はしておられたんだと思いますが。さらに、すぐに24年度から発足する前に基本計画が決まり、具体的な幼児運動指針なんかも出しておられますが、時間軸から言うと非常にタイトなスケジュールで進めてきたことと、それから、ご説明ありましたように執行額が1億円のうち1,700万円ぐらいしか使えなかった。執行率16%であるということとが関係があるのかないのか、ご説明頂けますか。

【説明者】

まず、先生ご指摘のように時間軸的には23年8月、24年度予算ということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、平成20年度、21年度においては全国体力・運動能力調査を悉皆で行わせていただきました。ですので、各市町村の中で課題意識というものは一定、そこで植え付けられていたと思っております。24年度も8市町村のうち、大半はもう全国平均を下回るという危機意識から出発して応募していただいています。

それから、24年度執行状況の悪さ、芳しくなかったというところについては我々は反省しております。大きく3点ございます。1点は周知時期の遅れ、24年8月に公募を開始したという年度途中、これは、なかなか学校、園にとっては準備が間に合わなかったというところは我々も深く反省するところがございます。

それから、周知の在り方につきましても、先ほどご説明申し上げましたとおり、運動に関して特化したプログラム作りというのは今回初めてでございます。そういった点で、幼稚園、市町村の方々がなかなかなじみが薄い分野、何をやったらいいのか、ここはなじみがなかったと思いますし、我々ももう少し周知するべきであったかもしれません。

それから、事業の在り方についても、先ほど申し上げましたとおり、市区町村教育委員会単位がよかったのかどうか。そういったものは今回の再公募に当たってから、できればきょうの意見も踏まえまして、改めるところは改めながらやっていきたいと考えております。

【伊永】

悉皆調査を21年、22年になさっていますが、どういう選定基準といいますか、ピックアップしたのはどれぐらいの園でしょうか。

【説明者】

私どもの方で、直接幼児ではないんですが、小学校の全国体力・運動能力調査を21、22やりまして、全1,760市町村のうち4割程度が全国平均を下回っているという市町村の状況がございました。

【伊永】

それは小学校の調査から5歳児を推測した。

【説明者】

推測したということでございます。

【伊永】

そういう意味ですか。

【説明者】

はい。なかなか幼児に特化して投げる、走るとかがどういう状況なのかというのがないので、それだけ小学校5年生のこの調査が1つの頼りというところはございます。

【水上】

小学5年生。

【説明者】

はい。

【伊永】

それで5歳児を推測するのも結構厳しいものがあると思いますが、幼稚園、保育園でも運動会といいますか、多少はそういう運動をしていますが、これはずっと過去にさかのぼっても、そういう5歳児のデータは国として持っていないということですか。

【説明者】

ある調査では全国の中で4割程度は60分未満、この学術会議の提言でも反映されたとおり。

【伊永】

それは運動量。

【説明者】

運動量です。1日60分未満が4割というデータがございます。

【伊永】

それは、どういう調査かは分からないんですね。

【説明者】

これは学術的な調査でございますので、ちょっとここで具体的には。

【伊永】

非常にローカルなものだろうと思いますね。

それでは、悉皆調査は小学校5年生をもとに今回のはやったという理解でよろしいですね。

【説明者】

この事業自体は、小学校5年生がどうだこうだというわけでなく、1つの各市町村が取り組むきっかけにはなっているというところはございます。

【伊永】

もう絞って申しますが、幼稚園と保育園は対象にしているし、その他も何らかの教育機関にいれば対象となりますが、家庭にいる子供はどのようにフォローしておられるんですか。まず、パーセンテージから教えていただきましょうか。大体5歳児で、幼稚園が大体何%、保育園が何%、その他何か公的な機関に関わっている人が何%で、家庭は何%というのは分かりますか。

【説明者】

ちょっと今、正確なデータは持ち合わせていなくて。

【伊永】

正確でなくても、大ざっぱでも結構です。

【説明者】

本当の目安で、もしかして間違ったら。大体の目安ですが、記憶では7、8割ぐらいはたしか幼保という感じじゃなかったか。その辺はちょっと分かりません。ちょっとこういう場で正確なことを申し上げないのは恐縮ですけども。

【伊永】

では、家庭が20~30%いるわけですね。

【説明者】

ある程度は入っていない子がいたと記憶しています。すみません、ちょっと数値は本当にこの場で恐縮です。

【伊永】

今、対象としておられるのは幼稚園と保育園だけで、家庭は一応無理だと。

【説明者】

いいえ、そこは我々としては、数値は何回も繰り返しで恐縮ですが、正確のを持ち合わせていなくて恐縮ですが、全幼児をできれば運動を活発にしていきたいという目標でございます。

【伊永】

それでは、もうこれで最後にしますが、最初の年に執行率が低かったのは、教育委員会までは下ろして、園までは下ろしたけど、手を挙げた園でも実行できなかったということなんでしょうか、最初から手を挙げる園がなかったということなんでしょうか。

【説明者】

大きく3パターンあろうかと思います。市区町村段階で、ちょっと体制整わないからやめようか。それから、園まで下ろしたけど、園がなかなか難しいというか、やめようというだけでなく様子を見ようかというパターンも、1年目はちょっとまだ具体的に分からないからと。大きく、そんな感じのところがあるんじゃないかと思います。

【伊永】

分かりました。

【大槻政策評価審議官】

では、水上委員、お願いします。

【水上】

さっき、25年度について1次公募はやったという話があったかと思うんですけど、1次公募の申し込みは何園ぐらいからあったんですか。

【説明者】

正確には17。

【水上】

17園。

【説明者】

17市町村です。

【水上】

17市町村。

【説明者】

はい。

【水上】

24年度は41市町村だったんでしたっけ。

【説明者】

24年度は8です。

【水上】

24年度は8市町村あって、8市町村の中で41園やってもらったんですか、この成果指標からいくと。

【説明者】

園の数は41でございます。

【水上】

もともと、これは各市町村に3園ぐらいやってほしいみたいな話をしていませんでしたか。

【説明者】

予算積算上は、47都道府県のそれぞれ3園ずつを予算積算として想定しております。

【水上】

でも、実際には24年度は41都道府県から申し込みがあったわけじゃなくて、8市町村からで、その中で41園を選んだと。

【説明者】

正確に申しますと、予算積算上は47都道府県からそれぞれ市町村が手を挙げてほしい。それで、それぞれの市町村では3園程度という意味でございます。ですから、平成24年度は8市町村から、それぞれの市町村の41園が関わったという意味です。

【水上】

今年の25年度で言うと、園で言うとどれぐらいになりそうなんですか。倍ぐらいになりそうだということを言っているんですが。

【説明者】

今、交付決定中なんですが、120近くというイメージでございます。

【水上】

それは、市町村の中の園の数もまた増やそうとしているということですか。

【説明者】

そうですね。あくまで予算積算上、3園でございますので。

【水上】

だって、もともと各都道府県3園というつもりだったんですよね。

【説明者】

ですから、各市町村の中では、3園以外にいろんなほかの園にも。

【水上】

つまり、お金が余っているから、もともとの積算と違うけど、随分たくさんやりましょうというふうに聞こえるんだけど。

【説明者】

いいえ、違います。予算積算上はあくまで1市町村220万円ぐらい。ですから、園を増やしたからといって、その積算が上がるわけでは決してございません。

【水上】

1市町村当たり200万円という積算なんですね。

【説明者】

予算積算上は。

【水上】

ということは、17市町村だとすると17掛ける200万円というのが掛かる予算だということになりますね。

【説明者】

予算上は。

【水上】

ということは、このまま行くと25年度は3,400万円執行されることになるんですね。

【説明者】

それは違います。

【水上】

どう違うんですか。

【説明者】

各市町村で、あくまで予算積算上は1自治体220万円。場合によっては市町村の方がもう少し増やしたり、もう少し減らしたりということは、それは各市町村の実情によって……。

【水上】

どのぐらい増やすんですか。例えば今のだと3,500万円ぐらいだねという議論から、20%増やしたとしても4,000万円ぐらいだねという話だと思いますけれども、それぐらいの感じになるかもしれないねというレンジの話をしているということですか。

【説明者】

全体的には、これはまだ交付決定していないので、あれですけれども、最大の公募で5,000万円ぐらいですけれども、今それを精査していますので、25年度については額はもう少し減る可能性もあります。そのままになるかもしれません。

【水上】

先ほど24年度については、非常に公募期間が短かったので余り来なかったという話をされていましたけど、25年度もやっぱり余り来なかったわけですよね。

【説明者】

25年度は、先ほど申し上げましたとおり、更なる改善点をしたいというので。

【水上】

客観的な事実を言っているんですよ。24年度は期間が短かったと言っていたけど、25年度も来なかったんですよね。

【説明者】

25年度も短かったです。

【水上】

だって、24年度からやっている事業の継続事業でしょう。だったら、基本的には、この事業が存在していること自体は分かっていたわけじゃないですか。そもそもこの事業は本当に望まれているんですか。

【説明者】

ですから、この事業について、望むところ、望まないところというか、余り意識ないところ、それはまちまちだと思います。ただ、我々、幼児期運動指針を示したように、望むところ、望まないところ、いずれにせよ、幼児期の運動は大事だということを啓発していこうということですから、気付いていないところも気付いてほしいということはあります。それが望んでいないというのかどうかはありますけれども。

【水上】

先ほど幼児期の運動というのは大人が無理やりやらせるものではないという説明をされていましたけど、これはパラレルに言うと国が無理やりやらせるものではないという話ですよね。

【説明者】

いや、そこはちょっと違うと思います。それを一緒にするのはちょっと違うと思いますし、先ほど申し上げた幼児の運動を強制するものではないというのは、幼児の運動のさせ方として、右に走りなさい、左に走りなさいと一斉に強制的にやるものが幼児の運動として適当なものではないということです。

【水上】

すみません、逆に言うと、では、国が強力なリーダーシップを持って、幼児の運動能力というのは、ここまで高めるべきだという数字目標を設定して、それが達成できたか、達成できなかったということをぎりぎりと精査しながら指導監督していくつもりなんですか。

【説明者】

いいえ、ないです。そういうつもりはございません。

【水上】

そういうつもりはないんですよね。もう一点聞きたいんですけど、これ、保育所というのは実際にどのぐらい補助対象になるんですか。

【説明者】

補助というか、関わり度合いによってで、各市町村によって。補助というよりはプログラム作りですので、ですから、そこはまちまちだと思います。

【水上】

これは保育所も対象になっているんですか。

【説明者】

例えば某町では、全て保育所しかないという町もありますので、そういったところは全て保育所を対象にプログラムを作っているというところもございます。

【水上】

なるほど、なるほど。では、保育所についても実績ベースの結果というのが24年度出ていると思うんですけれども、何園ぐらいあるんですか。

【説明者】

今、先生がおっしゃったのは金額ですか、園ですか。

【水上】

園。

【説明者】

園ですか。20園です。

【水上】

20園は保育所なんですね。

【説明者】

41のうち20が保育所です。

【水上】

全国の幼稚園に占める21園の割合と全国の保育所に占める20園の割合って、それぞれ何%ぐらいだか分かりますか。

【説明者】

全国の保育所自体が2万3,711ですので、そのうちの20ということになろうかと思います。

【水上】

そろそろ意見を申し上げますが、私は、この事業は廃止するべきだと思います。第一は、私は幼児の運動能力は是非高まった方がいいと思いますけれども、この事業をやることと幼児の運動能力が高まるということの間に相関があるというふうに説明がされていないということ。つまり、この事業をやったからといって幼児の運動能力が高まるとは到底考えられないということです。

つまり、2万3,000あるうちのたまたまの20園に1件当たり40万円のコストをかけて、結果として使っているのは1回研修しますとか、臨時職員の賃金とか、書かれていますけど、これをやったから日本全体で見たときの幼児の運動能力が高まるとは到底考えられないと思います。

もしどうしてもやるんだったら、日本全体の運動能力という目標指針を設定して、それに向けて全幼稚園に対して何らかの取組をするように、ぎりぎりと強制するということを考えなければいけないと思いますが、そういうつもりはないということをおっしゃっていましたから、基本的には、この事業とは関係ないというふうに考えられます。

どうしてもやるんだったら、運動のためのDVDとか親子でできる運動の進め方とか、そういうのでも作られて無料で配布するとか、インターネットで公開するとか、そういうことをやられた方が短期的にはるかに幼児の運動能力は向上するのであって、この事業をやるのがほかのやり方と比べて幼児の運動能力を向上させるために意味があることとは到底考えられないので、私は廃止するべきではないかというのが、これまでのやりとりの結果の意見です。

これは意見なので別に結構です。

【説明者】

今の点について補足説明はできるんでしょうか。

【大槻政策評価審議官】

簡単に。

【説明者】

まず第1点目に、国の方として幼児の運動能力をここまで高めるべきだ、それに基づいて取り組むべきだというのは、私どもとしては余り賛成できない意見でございます。

それから、我々の方としては、あくまでこれはDVDとかを作るもとになるプログラム、幼児の運動能力を高めるためにどういう事業ややり方をしたらいいのか、これが現場では分からないという意見、運動指針だけでは分からないという意見を頂いて、実際にいろんな実践プログラムを作っていこうということでございます。

【水上】

1点、ごめんなさい。それをやるんだったら、現時点で幼児の運動能力を高めるためにかなり成果を上げられている幼稚園というのは日本に幾つもあります。そういうところに一生懸命取材をされて、国として責任を持ってプログラムを開発されて、DVDでもインターネットでも公開されればいいのであって、今更各都道府県に3つみたいな形でPDCAサイクルを回すということは、執行率の点からも、そもそも望まれていないのであって、そんなことをするよりは、国として一生懸命どういうふうにプログラムを開発するかというところに知恵を集中された方が、お金を使うためにわざわざこんな事業を開発されるよりも恐らく幼児のためになると思います。

【説明者】

今の点について一言だけ補足させてください。いろいろ事例が出られていると思います。各園、いろいろ取り組んでいると思います。ただ、こういうエビデンスを持って検証するという取組、例えば科学研究費補助金による症例研究、これは幼稚園も応募できますが、ここ5年間のデータベースを見てみましたところ、そういうようなプログラムなり、研究をしている事例はゼロでございます。ですから、現場だけでこういうエビデンスを整えていくとか、こういう運動指針に基づいたプログラムを作っていくというのは、現場だけではなかなか課題がある。それを我々としては地域全体、家庭や地域とも連携しながら取り組んでいこうというもので……。

【水上】

すみません。では、逆に言うと、それは成果目標になるんですか。

【説明者】

我々としては、ですからプログラムを普及していくと。

【水上】

いやいや、そうじゃなくて、その申請、研究、エビデンスを持った研究開発がなされて、それに対した研究発表がされるということ自体が研究に対する成果指標になるんですか。そういうふうにならなきゃいけないと言っているんですか。

【説明者】

いいえ、違います。私が先ほど申し上げたのは、現場の実践研究がなかなか取り組めない例として科学研究費補助金症例研究に幼稚園の方が応募している、また採択されている例がないということです。

【水上】

では、逆に言うと、この事業をやればそうなるんですか。

【説明者】

それはまた別の世界でございます。我々としては、ですから、なかなか実践研究が取り組めていないことの例を申し上げているのであって……。

【水上】

では、関係ないことは言わないでもらえますか、申し訳ないんですけど。

【説明者】

いや、それはでも……。

【水上】

関係ないと言ったじゃないですか、自分で。

【説明者】

関係ないとは言っていません。違います。

【大槻政策評価審議官】

ここで、先ほど伊永先生からご質問のあった5歳児の就園率の数字が出ておりますので。

【説明者】

先ほどは大変失礼いたしました。ちょっと不確かな数字を申し上げて恐縮です。2011年の5歳児の幼稚園は54.8%、保育所としては39.8%、家庭等は5.4%でございます。

それから、繰り返しになりますが、科研費症例研究というのは個人でやるものでございまして、今回のような地域のものとはまた別の研究でございますということを補足させていただきます。

【大槻政策評価審議官】

それでは、南委員、お願いします。

【南】

こうしたことで多分ご苦労なさっているのが、幼稚園に、あるいは保育所にと言っても、なかなか手が挙ってこない。当然、教育委員会というのはあるかもしれませんが、逆に言うと、文科省系列の中で言うと初中局か、幼児教育課、幼稚園の所管課、あるいは厚労省の保育課、その辺との連携はどのような取り方をしているんでしょう。

【説明者】

ご指摘のとおり、私どもはスポーツ・青少年局でございますが、初等中等教育局とも指針作成のときから連携を図りながら取り組んでおります。先日は例えば幼児教育担当指導主事の説明会に私どもの者が出て、事業の説明をしたりもしております。これは初中局開催のものです。

【南】

そうすると、最低限、幼稚園のことに関して言うと、まずはスポーツ・青少年局としてはプログラムの開発である一定のパターンを作る、あとは全部初中局にお任せというんでもいいんじゃないんでしょうか。

【説明者】

スポーツ・青少年局が文科省にあるということも関わるんですけれども、別に我々が全てやりたいということよりは、運動能力を考えて、それを普及していくというところは、やっぱり専門部局のところでという自覚を持って我々はやっているところでございます。

【南】

なぜこれを言うのかというのは、現場に行けば行くほど一本化されちゃうんですよね。例えば教育委員会も一本だし、それから幼稚園に行けばまさにそう。保育所もそうですよね。そうすると、いろんなところから、いろんなプログラムがやられるというのは、それは現場サイドとしては、特に一番の現場はそんなことをやる余裕がないというのは事前の勉強会でもおっしゃっていましたよね。それをどういうふうにやったらいいんだろうかということは、やっぱりメーンのところで窓口というか、きちんと一本化をしなきゃいけないだろうし、余分なところでというよりも、まどろっこしいでしょうけれども、きちんとした1つのメーンストリームの中でやんなきゃまずいだろうというところです。

だから、それがないと、一々これで公募して、それぞれの都道府県を通じ、市町村を通じ、それで園を募集しという手間暇をやっていることよりも、もうプログラムの開発に特化して、あとは報告を受ければいいと。

【説明者】

先生のご指摘のところはごもっともだと思います。ただ、これは文部科学省で全てプログラムを作れというのは、それはなかなか難しいと思います。その理由としては、我々としては各地域、各子供たちの状況、先ほど申し上げた全国体力調査でもいろいろありますし、子供たちの状況もいろいろ違います。そういったものに注目して、かつ全国共通的に使えるようなプログラムを作ってほしいと。これは文部科学省だけでは難しいと思います。

【南】

それは、言葉の上では非常に明確なんですが、はっきり言って不可能ですよね。だって、同じ町の中だって全然状況が違うわけだし、ましてや北海道から沖縄までだってまた全然違う。離島でも違うだろうという中で、全部の地域に合わせた形でのカスタマイズなんて、これは絶対に不可能なわけで、それは各地域に任せるしかない。

ということは、先ほどおっしゃったような全国共通のところというのは、これはもうはっきりしているわけですよね。幼児の発達の問題だとか、データ的にこれだけの運動能力が減っているだとか、それに対してどうやったら強化するのかというのをこれまでずっと研究してきた。その成果をそれぞれの地域にお任せするというのが、国の政策担当者としての責任じゃないかと思うんです。

【大槻政策評価審議官】

コメントの前に、時間も大分迫って参りましたので、コメントシートを書いていただいている先生はちょっとお示し頂いて回収いたしますので、順次お願いいたします。

では、説明者、どうぞ。

【説明者】

先生の今のご指摘についてでございますけれども、我々、このプログラムを作って、是非各地域でいろんな園の方々がそのプログラムを参観してほしい、まねしてほしいと思っています。私どものある調査によると、教員が授業改善を工夫する材料として使うもので一番多いのは授業参観なり、ほかの先生の授業を見るというのがトップ、6割でございます。書籍とかそういうものについてはうんと低くなっています。

ですから、我々として先ほど47都道府県、3園という予算上の積算ですけれども、そういうことを目指してやっているというのは、これは、各地域でいろんなモデル的な取組をやり、それを地域の周りの方々が簡単に見てまねできるようにしたい。これがあるということをご理解頂きたいと思っています。

【南】

モデル設定は分かるんですが、リクエストしたら、雲南市、これはすごくすばらしい取組をしているなと思うんですけれども、こうしたことを別に47都道府県で3市町村ずつだとか、そんな数ではなくて、こういったことをつぶさに観察をなさって、なぜこれができているのか、地域としてはこういった要素がありますよということを抽出するだけで、わざわざ47都道府県の3地域、あるいは200か所等々という目標を持つことはないんじゃないかなと。あくまでも研究ですよね。

【説明者】

ですから、我々としては、エビデンスを持った実践研究を各地域でやっていただきたい。それを身近に見られるようにしたいというのが主眼です。前にもご説明申し上げたかもしれません。幼稚園の先生が県外になかなか出張、泊付き出張というのはなかなか難しいです。これは、我々も現場教員の方々と意見交換しても、年に何回もありません、1回あるかどうかも分かりませんという状況の中で、例えば島根県も広うございます。他県になかなか行けない。

【南】

ごめんなさい。個別の事例をそういうふうに聞いていると、全部の市町村さん、要するに1,800自治体全部行かなきゃ行けないし、2万何千か所の幼稚園、あるいは何万か所の保育所に行かなきゃ、それは個別ですから全部実情は違うんで。そういったことを目標にするんではなくて、幼児の現状と運動生理学、スポーツ関係でいって、こうしたプログラムだったら受け入れられるというのは、少なくとも10ぐらいの園、あるいは地域で十分じゃないですか。それをきちんとした、先ほど水上委員が言うようにDVDにして1つのプログラムにする。あるいはそれの実情を公表する。それによって各市町村がやってくださいねというぐらいで十分なんじゃないですか、この事業を組み立てるのに。

わざわざ何でそんなにいっぱい達成率をカウントして、しかも、事業の達成率は16%とか30%だということで言うよりも、もうちょっと事業の組み立てというのを研究に特化していい、あるいは普及なら普及でも、そういったインターネットだとか、それぞれ文科省のルート、厚労省のルートでもってメーンストリームで流す。どうしてそういうことができないんですか。

【説明者】

その点についてもう一度ご説明させていただきますと、この事業については研究段階でございます。プログラムはいろんな地域でいろんなプログラムを作ってほしいという段階です。この事業の次の段階で、先生おっしゃったように映像化やいろんな研修会で使ってほしい。

【南】

だって既に事例があるじゃないですか。頂いた事例だけでも相当いいものが、前年度のやつ、今年度でも。わざわざそれをもっと大きな目標で達成度が16.1だとか、予算上の達成度で測ること自体が、そもそも事業目的が違ってくるんじゃないですかと私は申し上げているんです。

【説明者】

ですから、我々の欲しいプログラムは、雲南市も立派だと思いますけども、雲南市パターンが全国で通用するわけではありません。

【南】

では、何か所やったらできますか。

【説明者】

ですから、大体、各都道府県で……。

【南】

だって、それは達成率ができないじゃないですか、2年やっていて。

【説明者】

そこは、ですから目標として今取り組んで、改善をしていこうということでやっているというものでございます。

【南】

おかしいな。だって、これだけいい事例があるんですよ。

【説明者】

何回も申し上げていますとおり、島根県のプログラムを島根県外の幼稚園の教員が見に行くというのは、これは至難の業です。

【南】

だったら、雲南市のやっていること自体ここにしか通用しないから、ほかには通用できませんと言っているのと同じことじゃないですか。

【説明者】

いいえ、違います。通用するとしても、現場の教員の方々が授業参観なりに島根県の雲南市まで出かけるのはなかなか困難だと申し上げているんです。

【南】

行かなきゃ絶対にいけないんですか。

【説明者】

ええ。繰り返しますように、エビデンスとして、学校の先生方としてはやっぱり自分で見たい、参観したい、それを自分の指導内容、方法につなげたいというのが大半だということを繰り返し申し上げます。

【大槻政策評価審議官】

ちょっとここでほかの先生方にも機会が。

【南】

どうぞ。

【大槻政策評価審議官】

田邉先生、どうぞ。

【田邉】

よろしいでしょうか。今、小学生の体力というのは非常に低い傾向にあって、これをどうしなくちゃいけないということもあるなかで、まず、その前の幼児期に様々な基本的な体を使っての動かし方が大切になってくる。幼児期の運動促進を行う中では、まず、いろんな運動パターンやケースとかの状況を知った上で、まとめていくことが必要になると思います。

ただ、先ほどご説明もあったように、スポーツに特化した新しいプログラムだということですので、まず今までにない中でできたので、情報がどの程度あるのか正直言ってあるようで実は余りないのかなという事を感じているところでございます。

ですから、もう少しこの事業自体を進めていただいて、基礎となる事業なり、いろんなパターンを見ていかないと分からないところも出てくる。その後それを基にもう少しまとめていくような形が次の段階にあるのではないかなと思っています。子供の年代にとっての動きというのは体が発達していく中でも、大人のミニチュアではなくて、本当にアンバランスで発達していく。子供に発育発達によっても様々ですし、そういうところでは様々なパターンの情報をまとめていくうえでも事業が欲しいというところはあるかと思います。

【説明者】

そこは、もう先生のおっしゃるとおりだと思います。

【大槻政策評価審議官】

和田先生、どうぞ。

【和田】

なかなか難しい問題でもあると思うんですけれども、幼児期に必要な運動促進に関する普及啓発事業を研究する、それは一方で大事なことで、将来にわたっても、ここまで研究したら、これで研究はもう終わりということではないと思いますから、それは研究は研究として必要だと思うんですが、一方で、普及啓発事業として今求められているのは、どうも各幼稚園に、あるいは保育所にモデル校を作って、そこで研究しているということだけではないような気がするんです。

ですから、私は、この幼児期の運動促進に関する普及啓発事業としては、なるべく早く一度区切りを付けて、むしろ実践の普及啓発活動の方に事業の軸足を移された方がよろしいのではないかというふうに思います。

【説明者】

ここは和田先生に今おっしゃっていただいたように、いつまでもこの事業をだらだらとやるつもりは毛頭ございません。幼児期運動指針に基づく一定のプログラム、これは先ほど田邉先生がおっしゃったように、一定の情報で一定のプログラムができて、できるだけ早く我々としても幼児期の運動の促進というのが主眼です。この事業をやることではございません。できるだけ次の段階に移っていきたいというのは同じでございます。

【大槻政策評価審議官】

宮嶋委員、どうぞ。

【宮嶋】

幼児を取り巻く生活環境というのは、やはりその地域地域で違うと思うんです。雪のあるところ、それからずっと常夏のところと、日本は縦に長いので、それぞれあると思います。また、都市部と山間部においては家族形態も違いますので、そういった意味でも幼児がどのような運動環境にあるかというのは日本の中で違うと思うんです。

私も、いろいろな幼稚園であるとか保育所の取材をして、ここの幼稚園は運動保育をしているので、この方法がいいんじゃないかという形で番組を作ったこともあるんですけれども、実はそれが結構押し付けでよろしくないと後からお叱りを受けました。そのときには、こうやれば、いわゆる鉄棒も上手になる、こうやれば側転も上手になるというような方法だったんですけれども、意外と一面的にこれがいいと決めて、それを一斉にトップダウンで流していく方法というのは弊害もあるのかもしれないなと。

子供たちが運動をする意味というのは、単に体を動かすようになるということだけではないわけです。それは、運動を通して子供同士がコミュニケーションを取っていく、そこで学んでいく、人間としての成長のワンステップなわけです。それは、やはり、その地域に基づいたところでやっていくのがよろしいかと思っておりまして、ただ、この普及を図るための実践研究などの委託先が市町村教育委員会となっております。教育委員会というのは、正直申し上げて今もう現場のことで手いっぱい。さらに、それを落とし込んでいく幼稚園、保育所も手いっぱいというのが現状だと思います。

そこで、私は、今日本に準備中も入れると3,400ですか、総合型地域スポーツクラブというのが立ち上がっていて、そして、そこでも同様の活動をしている人たちがたくさんいらっしゃるんです。私も現場の声を聞きますと、直接園に行って指導していらっしゃる総合型のスタッフの方もいらっしゃいます。また、地域の子供たちを総合型のクラブに集めて指導していらっしゃるところもあります。両方あるんですけれども、ただ、この中でエビデンスを明らかにしようにも、資金がないので、また大学院に行かなきゃいけないのかなというような悩みを抱えていらっしゃる方もいます。

そこで、この委託先というのを総合型地域スポーツクラブ、更には大学も加えていただくことによって、より立体的なものになるのではないか。今どうも動きの悪い市町村の教育委員会のところに一本にしているがために、これがちょっと滞りがちになっているという現状があるのではないかと思っております。

以上です。

【説明者】

先生、そこはご指摘のとおり、先ほど我々、今年度からでも工夫改善していきたい、実施主体も改善していかなきゃいけない。その中に先生ご指摘のようなところもあろうかと思います。ご意見等も踏まえながら取り組んでいきたいと思っております。

【大槻政策評価審議官】

水上委員。

【水上】

今の関係で言うと、成果目標のところなんですけれども、今は各幼稚園等が設定した目標の達成率が図られたというのが成果目標ですけど、それだと正直、全然エビデンスという話が出てこないですよね。そうすると、今後については、では、それがしっかりエビデンスで検証されているのかという点が成果目標になるということなんでしょうか。

【説明者】

そういった視点も1つあろうかと思います。

【水上】

このままだと各幼稚園が設定した目標が達成できているかどうかというときに、各幼稚園が設定した目標が幼児の運動能力の向上に対して寄与する目標なのかどうかって、この仕組みだと今、誰も検証しないんですよね。

【説明者】

はい。

【水上】

それだと、成果目標としては全く成果目標になっていないと思うんですよ。なので、どうしてもエビデンスでやるんだったら、何らかのエビデンスを出してもらって、そのエビデンスが検証できる形でやっていただく必要があると思いますが、まず、それはそういう形ですか。

【説明者】

今、先生ご指摘頂きましたとおり、最初にご説明申し上げましたとおり、これはできたプログラムを全部そのままというわけでなく、我々としてはやっぱりフィルタを通さなきゃいけないと思っています。そのフィルタで、先生が今ご指摘のように、各園のエビデンスの立て方がよかったのかどうか、かなったのか、そういう検証をしながら映像なり、研修なりで普及していくものをチョイスしていく必要があろうかと思っております。

【水上】

ここからはちょっと価値判断があるので意見だと思っていただきたいんですけど、そういうふうにすればするほど、私はどんどん執行率が下がると思っているんですよ。つまり、基本的には面倒くさい話ですよね。一方で、そういうことを全然やらないと単なるばらまきになっちゃうんです。

つまり、これはどういうことかというと、本当に国が管理しようと思うと、多分、現場はやりたがらないし、管理しないというと国の事業として成立しないということになるわけです。つまり、この事業は、もともと性質上、そもそも成立させるのが極めて難しいタイプの事業なんだと思うんです。なぜなら、勉強を教えるとかとは違うから。更に言うと地域ごとにどういう運動をさせるべきかというのは価値判断的にも違って、そもそも小学生がどのタイミングで逆上がりができなければいけないかって、各人で価値判断として個人差がありますよね。ということを考えると、そもそも非常に難しい問題なんです。

そうすると、国ができることというのは、運動能力というものに対して親子で測ろうと思ったときに、どういうことを確かめてみるといいですよとか、そういう一定のガイドを示すことはできるかもしれないけれども、何か答えを示すということはそもそも非常に難しいんだと思うんです。そう考えたときに、この事業を無理やり続けることが、そもそも本当に望まれているのかということを恐らく考えられた方がよくて、今は説明者の方がおっしゃったように本当にエビデンスを求めてどうのこうのと言ったら、ますます多分執行率は落ちますよ。

【説明者】

いや、先生、これはもうもともと事業の出発点からエビデンスを出せというのが出発点です。

それから、繰り返しになりますが、これは、何度も申し上げますように、運動プログラムを作りたいということなんです。ですから、繰り返しになりますけれども、現場の教員で、運動をどうやって教えたらいいのか、どうやって遊ばせたらいいのか、これを悩む。虫遊びのやり方も、草遊びのやり方も分からないという方も結構います。そういう具体的なプログラム、遊ばせ方を作っていこうというものです。

【水上】

その点について1点ご意見を申し上げますが、それがプログラムとして成立するとしたら、恐らくそれほどの地域性がない、普遍的なものとして成立しない限りは国が作るプログラムにはならないと思います。だとしたら、国が責任を持って、1個の割と最大公約数的なプログラムを作ればいいのであって、それを超える部分、地域性が出る部分については各地域にお任せするというのが正しいんですから、やっぱりこの事業をやる必要はないと思います。

【説明者】

いいえ、そこは異なると思います。雲南市のように山があっても川があっても子供が遊ばない。子供の数が少なくて仲間がいない。それと東京都のように校庭がなくても、園庭がなくても、近くの公園で遊ばせる、いろんなパターンがあると思います。

【水上】

分かりました。では、何種類のプログラムを幾ら使って作るつもりなんですか。

【説明者】

今の予算積算上の形では、大体47都道府県という形になっていますけれども、一定量の100ぐらいは欲しいと。

【南】

それは、地域ではなく要素なんじゃないですか、プログラムを作るというのは。例えば子供がどのぐらいの人数いるのかとか、指導者がどのぐらいいる場合はどうなのかとか、あるいは遊び場があるところ、ないところだとか、それは47都道府県の市町村、地域割りでいくというところが、さっきも言ったんですが、おかしいと私は思うんです。もうちょっとプログラムの開発だったらば性質別なものでモジュール化して、こういった機能についてはこういった取組方があるけど、地域の実情に合わせればいいというパターンを作ればいいわけで、何で47都道府県、どうもこれが国の発想なんですよね。どうしても地域割りという。

地域だって、北海道の札幌市と東京の真ん中は同じような状況であって、稚内と沖縄何とか島は同じかもしれないわけです、人口密度、そういった環境では。だから、何で47都道府県とか、1都道府県3、4にこだわるのか、それが私は全然分からない。

【説明者】

繰り返しになるかもしれませんが、この事業は幼稚園の教員の方々が学ぶ場を作りたいというところに着眼点もあるわけでございます。その着眼点を考えたときには、身近な地域、身近な地域は一定地域どのくらいかというと、都道府県という行政単位を考えたというものでございます。都道府県はちょっとのりを越えるのかもしれませんけれども、予算積算上は47都道府県という区切りで、身近な地域で学べる場を作ってあげたい。それが幼稚園の教員の方々の現実的な学ぶ場作りになるだろうと我々としては考えたわけでございます。

【伊永】

1つお伺いしたいんですが、結局は幼稚園の教員資格、あるいは保育士の資格をちゃんと取得するときに、今のような5歳児の問題が全くインプットされていないというところはないんですね。

【説明者】

正直申し上げて、幼児期の保育、体育指導方法とか、大学で扱いますが、それは数単位の範囲でございます。ですから、実際にこの幼児期運動指針に基づいていろんなプログラムをいろんな動きをやっていこうというのは、これはもう現場の段階での話になるかと思います。現場の段階でのいろんな知恵とかやり方をいろんなものを集めて学ばすような場を作ってあげたい。

【伊永】

それは分かっていますけど、今実際に職に就いている人は非常に多忙を極めているという実態の中で、これから幼稚園の先生になろう、あるいは保育園の先生になろうという人に、今の5歳児の問題、既にアカデミックに学術会議では提言しているわけですから、それをちゃんと下ろして、現場にインストールしていくということはできるはずなんです。それは、当然のこととしてやっていった方がいい。

さらに、それに加えて現場の人にどうやって時間を取らせるかという部分が今うまくいっていなくて執行率が上がらないわけですが、そこにちゃんと的を絞った説明というか、ターゲットがそこに絞れないと、幾らやりたいといっても、そこでは結果をなかなか出せないと思いますけど。

【説明者】

私の戦略では、プログラム一定を作った次、映像化もしたいと申し上げましたけれども、それを流す段階、次の段階だと思っています。我々も順を追って戦略を立てています。

【伊永】

それを受け入れる素地は確認されておられるんですか、全国2万以上ある幼稚園、保育園に対して。

【説明者】

素地と申しますと。

【伊永】

それが受け入れられる状態に全国津々浦々まであるということはちゃんと確認をなさっているんですかということです。それは教育委員会がどういうふうに受け止めるかで丸投げするんじゃなくて、当事者であるスポーツ・青少年局ですか、こちらで現場をきちっと確認して、受け入れられる素地はちゃんとどこにもあるという実態は本当にあるんですか。

【説明者】

少なくとも現場の。

【伊永】

どう見ていても、保育園の映像なんかを見ていましても、そういうものが入り込む余地はないように感じますけれども。

【説明者】

そこは、まさに現場の教員や保育士の方々が学ぶ意欲というのは基本的にはどなたもお持ちです。それから、先生がおっしゃったようにそれを許さない時間的制約とか物理的環境の制約、そこをみんなで考えていろんなプログラムを作っていこう。それを現場の方々に流して、更なる知恵を出していただくような材料にしていただきたいということです。

【伊永】

それと、もう一つは現場は本当に求めているんですか。

【説明者】

現場の方としては、我々の把握している限りでは、こういう運動の教え方はどうやったらいいのか、どういうプログラムをやったらいいのかという声を踏まえて、こういうものを作ったという経緯があると。

【伊永】

それがそうであれば、執行率が上がらないという理由はもうないんですけれども。

【説明者】

それは、ですから、繰り返しになるかもしれませんが、別の要因、最初に申し上げたとおり3つ大きくは整理いたしましたけれども、そこの要因が絡んでいるということで。

【伊永】

やりたくてたまらないんなら、それはもう何をさておいてもやりますよ。

【南】

それともう一つは、指導者を派遣するという手法を取ってもいいのかもしれない。わざわざ、どこかに見学に行きますよとか、だって全員行けるわけじゃないんですよね。それか、あるいは指導者がいないので、そういった余裕がないんだったら、そういう指導者を個別に雇うのか。期間設定なのか、派遣するのか、そういった費用をやれば執行率はあっという間ですよ。

【説明者】

先生、おっしゃるとおりです。それはただ次の段階です。派遣された指導者が具体的にどうやっていくのか、持っていないと派遣されても意味ないですから。

【南】

だったら、指導者の育成から入った方が早いんじゃないですか、47都道府県。

【説明者】

ですから、そのプログラムを指導者に伝えたいということです。

【大槻政策評価審議官】

ちょっとここでまた宮嶋委員。

【宮嶋】

南委員のお話にちょっとクローズアップするんですけれども、先ほど私、総合型地域スポーツクラブのお話を申し上げましたが、総合型というのは今、小学校や中学校の中にも入って、運動のサポート、スポーツのサポートをしているところも少なくないんです。幼児教育への関心がある人たちも、とても多くあるところもあるので、そこと一緒になる形で、やはり教育委員会というものを受け皿にして、その下にある保育園、それから幼稚園だけというのでは、今、やはり現実の手いっぱいの目の前のことだけになってしまうと思うので、私としてはちょっとやり方を変えることによって、これは非常におもしろく回転していくのではないかなと思っております。

以上です。

【南】

おっしゃるように総合型の場合は幼児と高齢者で真ん中がいないと悩んでいるところがすごく多いんですが、逆に言うと幼児は需要は非常に高いですよね。

【宮嶋】

そうですね。

【南】

しかも、当初はtotoの資金が来て、そうした形では、実はマッチングファンド的にちょっとした支援をすると幼児教育のところに、そういったものが多分想像を超える形で、200~300か所、あっという間に手を挙げてくるはずです。

【宮嶋】

そう思います。

【南】

その方が都道府県で教育委員会でがちがちやるよりも、よっぽど効果が上がると思うんです。

【説明者】

繰り返しになるかもしれませんが、そのことについては、我々は次の段階で是非やりたいと思っていますが、その指導者がどういう指導法なり、子供たちを動かしたらいいのか、そういうものが現在ない。それをより実践研究して作っていこう、持ってもらおうというものでございます。

【南】

今がゼロで組み立てているという発想がおかしくて、ずっといろんなことをやられているうちの、そんな100%のプログラムなんてできるわけがないんですから、今のあるところで60%の妥協の中で、もう既に普及活動にした方がいいんじゃない。それで、更にブラッシュアップすればいい。どうして、そういう柔軟な発想ができないんですかね。

【説明者】

ですから、そこがあれば学術会議の提言にはならなかったと思います。我々としても、学術会議の提言というのは、そういう指導なり、そういう状況がないことをもって、いろいろこういうふうにわざわざ運動に特化して提言されたと思っております。ですから、それに基づいて具体的なプログラムを作っていくというのが我々行政の役割だと。それは、日本全国、この幼児期運動指針に基づいて、まだ1年弱でございますので、それに基づいて運動プログラムが今、普及しているとは考えておりません。

【水上】

ちょっと1点だけ事実を確認したいんですけど、去年のこの41園で、ほかの園からこの41園に見学に来た先生の数は何人ぐらいいるんですか。

【説明者】

大変恐縮ですが、そこはまだ集計しておりません。我々としては、各国費をもらったお金は是非受け入れていただきたい。どういう受け入れがあったかも一定の段階になったら調べてみたいとは思っています。

【水上】

でも、それって、24年やり終わっているんですよね。

【説明者】

正直申し上げて、24年度は委員会を設置して企画段階とかが大半でございますので、プログラム着手まで至っていないところが大半でございます。ですから、まだその段階で……。

【水上】

では、プログラム着手まで至ったところだけやったとしたら、1園当たり何人ぐらいの人が見に来たんですか。

【説明者】

プログラム段階まで至っているところは、正直申し上げて24年度はございません。

【水上】

1件もないんですか。

【説明者】

基本的には企画委員会を立ち上げ、測定をしてプログラムをどうしようかと考え出したところで、プログラムが終わっているところは1件もございません。

【水上】

では、まだ見学に来た人も一人もいないということですね、分からないではなくて。

【説明者】

事実としてつかんでいないので、我々としては今申し上げられません。

【水上】

なるほど。少なくとも事実としてはつかんでいなくて、でも、プログラムが開発されていないんだから見学に来るわけないですよね。

【説明者】

プログラムが作成されたら、それは、当然、見学するところもあると思いますし、実施したところは是非見学してくださいと呼びかけたいと思っています。

【水上】

では、今の時点では、その実績はないということで分かりました。

【大槻政策評価審議官】

それでは、時間も参りまして、コメントの集計もできましたので、コメント案について宮嶋委員からお願いいたします。

【宮嶋】

取りまとめコメントとしては、本事業に関しては事業全体の抜本的改善を望む方が4名、そして事業内容の改善が1名、現状どおりが1名という結果です。

ということで、事業全体の抜本的改善の主なコメントとしては、市町村教育委員会や幼稚園などの体制やニーズにマッチしていないというのが1名。それから、執行率も低過ぎて、望まれておらず廃止すべきというのが1名。政策としての発展や効果が見通せず廃止すべきというのが1名。そのほかDVDの制作・配布などの方が有効ということでした。

なお、そのほかの意見として事業内容の改善の主なコメントは、委託先として総合型地域スポーツクラブや大学を付加すべきであるというコメントがあります。

ということなんですが、これに関して皆様のご意見、今まで討議していた段階でございますでしょうか。ご自分のご意見を訂正されたいとか、これをもうちょっとこうすべきだとか、何かございますでしょうか。

【水上】

では、1点いいですか。

【宮嶋】

どうぞ。

【水上】

私自身は、もう申し上げているように廃止の意見ですけれども、もしも、これを続けるという話だとすると、先ほどまさに取りまとめ役の宮嶋先生がおっしゃったような、地域のスポーツ施設みたいなものというのは1つ可能性があるかなと思います。

ただ、その場合は付加するんではなくて、この仕組みは一回全部やめて、そっちにするという話であれば、分からなくはないと思うんですが、付加するという話になると、2つの対象に対して全く別のものがパラレルで動くということになりますから、少なくとも今の立て付けでは、効果が全く上がらないということが議論の中でははっきりしたと私は思っているので、もしスポーツクラブとかでやってもらうというんだったら、そっちの仕組みのものを新たにご提案なさるべきであって、この事業としては廃止するべきだということで付記させていただければと思います。

この議論の中で宮嶋先生がおっしゃったことについては可能性があるなと思いましたけれども、付加してやるべきことではないというふうに思うので、その点は追加で申し上げたいと思います。

【宮嶋】

ありがとうございます。ほかにご意見ございますでしょうか。今、取りまとめのコメントを申し上げましたけど。

【南】

多分、ちょっといろいろ短い中で誤解がお互いにあるんじゃないかと思う。プログラム、プログラムという言葉をもう一回確認する必要があるなというふうに思いました。普及の仕方のプログラムなのか、具体的にどのような遊びをするのか、あるいは、どういうふうに指導するのか。プログラムという言葉の定義を先にやればよかったなというのがまず。それと同時に、この状況ではプログラムが100%完成するということはあり得ないので、やっぱり先ほど言ったように60%程度の達成度の中で、もう動き出してブラッシュアップをしていくという発想も必要かなという感じがしています。

【和田】

私も、これは抜本的改善の方に入れたんですが、これは用がないからすぐにやめるということではなくて、この事業はなるべく早く収束して、むしろ普及活動の方に力を注ぐべきだろう。

そして、また別の事業として、もし今後も改善すべき研究が必要であれば、それはそれでまた別に進めていかれたらいいんではないかという意味で抜本的改善の方に入れました。

以上です。

【田邉】

私の方は現状維持ということで意見述べさせていただきましたけども、まず、データがあるようでない状況があるんじゃないかなと。何となくみんな分かっているけど、何となく分かっていない部分がある。まずは全体をざっと、かなり多くのデータとか持った中で次の段階というのが必要なのではないかなと思います。

まず、ここでやることは、子供たちの運動促進に関する基礎的なデータが必要です。これからはますます生活環境もすごく大きく変わっていく中で、本当に2、3年前とか、4、5年前のデータも多分使えないはずなのですよね。であれば、今あるデータをできるだけ広く取る必要があるのではないか。そして、早く次の段階に行く必要があるのではないかということで、まずは、この事業、特に先ほど説明があったように、幼児期における運動促進における新しい事業、今までなかった新しいところでスタートするんで、もちろん初めてやる事業ですから、様々なことに壁があったりということはありますけど、まず、今行っている事業を第一段階としてやり次という段階がその事業の上に積み重なっていく必要があるのではないか。

もちろん前からあるいろんな形であれば、では、はいという形になるかと思うのですけども、まず、ここでの一番の目玉は新しい事業で、特に子供たちのスポーツに関するということであれば、広くデータを取って、できるだけ早く次にステップする。そのためには、まず、今の状況をもう一つ踏まないといけないのではないかということで述べさせていただきます。

【宮嶋】

皆様、ありがとうございました。

一応、取りまとめといたしましては、事業全体の抜本的改善と結論させていただく形になりますが、ただ、ここにいらっしゃる皆様のお一人お一人、幼児期の運動促進に関する普及啓発が非常に重要であるというのは、恐らく皆さん、意識の中では同じ思いだと思われます。ですから、このために、では、どういったものがより効果があるのか、新たなものを作っていただく形になるのか。是非是非研究頂きたいと思います。

以上でございます。

【大槻政策評価審議官】

ありがとうございました。これをもちまして、幼児期の運動促進に関する普及啓発事業の公開プロセスは終了させていただきます。宮嶋先生、どうもありがとうございました。

【宮嶋】

ありがとうございました。

【大槻政策評価審議官】

これをもちまして文部科学省の行政事業レビュー公開プロセスの全日程を終了いたします。

外部有識者の先生方、お忙しい中、検証作業にご協力頂きまして、また、貴重なご意見を頂きましてどうもありがとうございました。

また、インターネットで傍聴された国民の皆様方にも検証作業に参画していただきましたことを厚く御礼申し上げます。2日間、どうもありがとうございました。

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大臣官房会計課財務企画班

-- 登録:平成25年07月 --