「独立行政法人宇宙航空研究開発機構の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」における指摘事項等を踏まえた見直し内容

平成25年1月28日
文部科学省

 独立行政法人宇宙航空研究開発機構(以下「宇宙航空研究開発機構」という。)の事務及び事業については、「勧告の方向性」を踏まえ、独立行政法人として真に担うべきものに特化し、業務運営の効率性、自律性及び質の向上を図る観点から、国の財政支出の縮減にもつながるよう、以下の方向で見直しを行うこととする。なお、この見直しの考え方に従い、平成25年3月までの間に、具体的な検討を行い、次期中期目標・中期計画の策定等を行うこととする。
 また、独立行政法人の的確な評価のためには、目標が明瞭性・客観性を備えていることが不可欠であり、中期目標の策定に当たっては、達成すべき内容や水準等を可能な限り具体的かつ定量的に示すとともに、定性的な目標とせざるを得ない場合であっても、目標の到達度について第三者が検証可能なものとなるよう努めることとする。

第1 事務及び事業の見直し

1 宇宙政策全体の中での宇宙航空研究開発機構の位置付け

 宇宙航空研究開発機構については、貴重な財政資源を効率的かつ効果的に活用し、政府全体として事業の成果の最大化を図る観点から、平成24年7月に構築された新たな宇宙開発利用の戦略的な推進体制の下、宇宙基本計画に基づき策定される中期目標において、宇宙航空研究開発機構の使命及びその達成すべき目標の明確化を図り、宇宙政策全体の中で宇宙航空研究開発機構が真に担うべき事業に重点化することとする。その際、宇宙開発利用における研究機関や民間からの主体的かつ積極的な参加を促す観点から、他の研究開発型の独立行政法人、大学及び民間との役割分担・連携を図ることとする。
 上記の取組を行うに当たり宇宙航空研究開発機構が達成すべき水準を次期中期目標に明記することとする。

2 研究成果の社会還元の明確化

 宇宙航空研究開発機構の実施する事業については、宇宙基本法(平成20年法律第43号)に宇宙開発利用に関する基本理念として規定されている国民生活の向上、産業の振興等に資する観点から、これまで以上に研究開発の成果が社会へ還元されるよう、産学官連携の下、社会的ニーズの更なる把握に努め、研究開発等の事業へ反映させることとする。また、研究成果等の具体的な還元内容を国民に分かりやすい形で明らかにすることとする。

3 宇宙事業における民間への技術移転等の促進

 宇宙事業については、宇宙基本法に基本的施策として規定されている民間事業者による宇宙開発利用の促進の観点から、衛星運用やロケット打上げ等の民間への更なる技術移転を行うとともに、民間・関係機関等における一層の研究開発成果の活用を進めることとする。

4 航空科学技術に関する研究開発の重点化

 航空科学技術に関する研究開発については、安全や環境に関連するものへの重点化を進める中で、国が独立行政法人に実施させるべき先端的・基盤的な研究開発に更に特化するものとし、その具体的な方針を次期中期目標に明記することとする。その上で、民間に対し技術移転を行うことが可能なレベルに達したものは、順次廃止することとする。

5 契約の不正再発防止

 宇宙航空研究開発機構が行う契約については、平成10年に判明した契約相手先による過大請求事案に続き、24年1月にも同様の事案が判明している。
 このため、再発防止の観点から、第三者を含めて、宇宙航空研究開発機構のガバナンスや契約管理上の問題を含めた不正発生の原因究明を徹底的に行った結果を踏まえて、契約相手先との関係を含め、宇宙航空研究開発機構における契約管理体制の見直しを含めた抜本的な再発防止策を講ずることにより、不正の抑止を図ることとする。

第2 業務実施体制の見直し

 管理部門については、業務運営の効率化の観点から、次期中期目標期間において、情報システム等の活用を踏まえた職員の再配置を引き続き進めることにより、一層の人員やコストの削減を図ることとする。

第3 業務全般に関する見直し

 上記第1及び第2に加え、業務全般について以下の取組を行うこととする。
1 内部統制については、更に充実・強化を図ることとする。その際、総務省の「独立行政法人における内部統制と評価に関する研究会」が平成22年3月に公表した報告書(「独立行政法人における内部統制と評価について」)、及び総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から独立行政法人等の業務実績に関する評価の結果等の意見として各府省独立行政法人評価委員会等に通知した事項を参考にすることとする。
2 毎年の運営費交付金額の算定については、運営費交付金債務残高の発生状況にも留意した上で、厳格に行うこととする。
3 1及び2のほか、既往の閣議決定等に示された政府方針に基づく取組について、着実に実施することとする。

お問合せ先

独立行政法人宇宙航空研究開発機構の見直し内容について

研究開発局宇宙開発利用課

(大臣官房総務課行政改革推進室)

-- 登録:平成25年04月 --