外国人学校の保健衛生環境に係る有識者会議(第8回)議事録

1. 日時

令和3年12月22日(水曜日) 11時00分~12時30分

2. 場所

Web 会議システム(Zoom)

3. 議題

(1)最終とりまとめ(案)について
(2)その他

4. 議事録

 
【佐藤座長】  
 定刻になりました。第8回になりますが,専ら外国人の子供の教育を目的としている施設,いわゆる外国人学校の保健衛生環境に係る有識者会議を開催したいと思います。本日,お忙しい中お集まりいただきまして,ありがとうございます。この有識者会議,今日で最終回を予定しております。
 なお,今回,オチャンテ委員が所用により御欠席でございます。
 まず,事務局から議事と配付資料の確認をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 
【事務局】
 本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事は議事次第にございますとおり,1,最終取りまとめ案について,2,その他でございます。
 議題1の最終取りまとめにつきましては,前回の会議における皆様の御議論及び会議後に委員の皆様から頂きました御意見を踏まえて修正しております,最終取りまとめ案について,事務局から説明いたします。
 配付資料は資料の1-1,1-2の二つとなります。参考資料につきましても議事次第のとおりでございます。不足等がございましたら,事務局までお申しつけいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございました。それでは,早速,議題1,最終取りまとめ案,今回皆さんに提示している案でございますが,こちらに入っていきたいと思います。
 前回の有識者会議で頂いた御意見,それから,御欠席の委員の方もおりましたので,会議後にメールで御意見をお寄せくださいということとしておりました。お寄せいただいたものについては,この最終取りまとめ案に反映してございます。まずこの最終取りまとめ案について事務局から説明を頂いた後に,そのあと,質疑の時間とさせていただきたいと思います。
 では,事務局よりお願いします。
 
【事務局】 
 事務局から説明させていただきます。
 資料の1-1を御覧いただければと思います。
 前回の有識者会議で頂いた御意見と,その後に書面で鈴木委員,田中委員,倉橋委員,オチャンテ委員,浅野委員からコメントを頂いたところでございますので,反映をさせていただいております。
 まず1ページの目次ですけれども,一つが,4ポツの今後の方向性の(1)の速やかに対応すべき項目に,新型コロナウイルス感染症対策等の課題への対応として,一つ,小項目の追加をしてございます。
 これは安田委員からコロナ対策が重要ということで,速やかに対応すべき項目に追加をするべきではないかという御指摘を頂いたので,それを踏まえての修正です。
 また,前回のときにお示した中で,例えば,「ガイドライン」と「基準」という言葉がございましたけれども,それが同じような意味で別の言葉が使われていたので,「ガイドライン」という形で文言を統一させていただきました。
 2ページを御覧ください。基本的には変わっておりませんが,こちらも,「国」と「政府」という言葉が同じ意味で混在して使われていたというところがございますので,「政府」という形で統一させていただきました。
 3ページ,2ポツの現状を御覧いただければと思います。
 2ポツの現状の中で,「外国人学校が外国人の子供が学んでいく上で,一定の役割を果たしていると考えられる」という文言を追記しております。
 これは倉橋委員から外国人学校について,そういった役割を果たしているのではないかという御指摘を頂きましたので,追記したところでございます。
19ページになりますけれども,(1)(資料は丸付数字)の外国人学校の状況・体制の最後のポツ,田中委員と,倉橋委員から税制優遇措置について,周知というところはこれまで書かせていただいたのですけれども,対象を拡大するということについても追記すべきではないかという御指摘を頂いたところでございます。そこにつきまして,後段で「より周知をするとともに,外国人学校の状況も踏まえつつ,対象となる学校の拡大等も含め,更に活用できるよう検討を進める必要がある」という形で修正させていただいたところでございます。
 また,前回から変わった場所といたしまして,20ページの7行目以降になるのですが,まず安田委員から,ガイドラインについて,平時に対応したものであるということを明記するべきではないかという御指摘がございましたので,「平常時における一般的な保健衛生対策の実施に当たっては,1条校と同じ基準を外国人学校が実施することは難しいため」という形でその旨を記載したところでございます。
 20ページの脚注ですけれども,北垣委員から学校保健安全法とかを踏まえてガイドラインの作成を進めることが考えられるという御指摘を頂きましたので,その旨を脚注に書いたところでございます。
 また,安田委員から自治体も含めて,取組をきちんと書くべきではないかというところで御意見を頂きましたので,一つには,「ガイドラインの策定に当たっては,多様な外国人学校が存在することも考慮するとともに,各学校がガイドライン等をもとに自主的に取り組むべき事項について検討することが望ましい」ですとか,下から二つ目のポツで,田中委員からの自治体の役割を記載するべきという御指摘も頂いたところで,「ガイドライン等を踏まえた取組を進めるため,政府や地方自治体を含む関係機関が果たすべき役割を整理し,各機関の連携のもと,保健衛生対策を図っていくことが必要である」という旨を記載したところでございます。
 倉橋委員からきちんと外国人学校と対話をしていくことが重要である,オチャンテ委員からガイドラインを活用するに当たっては,研修をしていくことも重要であるという御指摘いただいたところですのでこの一番下のポツのところで,「保健衛生に関するガイドライン等を示すだけでは,外国人学校が継続的に取り組むことは難しい。このため,外国人学校や地方自治体を含む関係機関を対象とした広報や啓発,研修の実施を通じて,保健衛生対策に取り組む意義を理解してもらうとともに,ガイドライン等の活用を促すことも有効であると考えられる」と記載したところでございます。
 また,その下の(3)(資料は丸付数字)の適切な情報の入手・活用の(ア)情報の入手についての2行目に,「外国人学校同士のネットワーク」という文言を記載したところでございます。
 これは前回,ダニエル委員から御発表を頂いたときに,学校間で協力できるような団体というものが重要であるという御指摘を頂いたため,それを反映したものでございます。
 23ページの7行目以降ですけれども,田中委員から自治体の窓口を明確化することが重要であるという御指摘を頂いたというところで,「地方自治体における外国人学校の保健衛生に関する部署は多岐にわたり,外国人学校からの相談に対して迅速な対応が困難な場合がある。そのため,各地方自治体においても外国人学校の保健衛生対策に関する窓口を担う担当部署を明確化すべきである」という部分について記載させていただいているところでございます。
 24ページの下から三つ目のポツ,田中委員から心のケアについては専門家の育成や,あるいは養護教諭や臨床心理士への研修も必要ではないかというような御指摘を頂いたところでございますので,その旨の記載をしております。
 25ページ,今後の方向性についても修正させていただいております。これについては,先ほどの課題での御指摘も踏まえているところでございます。
 まず,25ページの最後のポツですけれども,先ほど申し上げたダニエル委員からの御発表を踏まえまして,外国人学校同士のネットワークについて記載をさせていただいているところでございます。
 26ページにつきましては,(2) (資料は丸付数字)のきめ細やかで効果的な支援の2ポツ目の2行目ですけれども,オチャンテ委員から,先進的な地域の事例も示していくのが必要なのではないかという御指摘がございましたので,2ポツ目の2行目に,「これらの取組を支援し好事例として全国展開することにより」と,「好事例として」という文言を記載させていただいたところでございます。
 その次のポツですけれども,田中委員や,ダニエル委員,佐藤座長からも保健衛生の相談に乗るなどの取組やその助言というのが重要なのではないかという御指摘を頂きました。その後段の部分で「保健衛生に係る相談・助言機能と情報発信機能を併せ持つ全国的な窓口の設置を通じて,外国人学校が専門家とコミュニケーションをとれる機会の提供や情報発信等を行うとともに,それらを通じて」という文言を記載させていただいているところでございます。
 その次の部分で,課題でも反映させていただきましたが,田中委員から自治体の窓口の明確化という御指摘を頂きましたので,自治体の果たすべき役割を各地方自治体において明確化するべきであると反映させていただいたところでございます。
 26ページの最後のポツですけれども,これについても,田中委員と倉橋委員から税制に関する部分について,周知だけではなくて,その対象の拡大も含めというところで御指摘を頂いておりますので,その部分について反映をさせていただいたところでございます。
(4) (資料は丸付数字)の新型コロナウイルス感染症対策等の課題への対応につきましては,安田委員から項目を追記するべきではないかというところで,新たに追加するとともに,最初の二つで「新型コロナウイルス感染の再拡大に備える観点から,政府において,新型コロナウイルス感染症対策に関して,「学校における衛生管理マニュアル」の多言語翻訳や,メールマガジンややさしい日本語のホームページ等を通じた情報発信を継続し,地方自治体や外国人学校等における対策の実施を引き続き支援するべきである。」それから,「地方自治体においては,外国人学校における新型コロナウイルスの感染状況の把握に努め,関係部局が連携し,地域と外国人学校の実情に応じたきめ細やかな対策の支援を行うべきである」という,この二つの項目を追加させていただいたところでございます。
 また,この項目の最後のポツですけれども,田中委員から心のケアについての専門家の育成や養護教諭や臨床心理士の方への研修の必要性について御指摘を頂きましたので,それを踏まえて,「外国人学校における心のケアを実施するに当たっては,外国人学校特有の背景や課題について,臨床心理士等の心理の専門家や養護教諭等を対象とした研修等を通じて,理解を促進することが重要である」と追記をさせていただいたところでございます。
 (2)中長期的に取り組むべき項目につきまして,まず,(1) (資料は丸付数字)の外国人学校の保健衛生対策に係る方向性の提示のところで,倉橋委員から外国人学校の意義について御指摘を頂いたところでございますので,「外国人学校は,地域の実情に応じて外国人の子供の学びに一定の役割を果たしていることを踏まえ」と追記させていただいております。
 倉橋委員から外国人学校の役割というところの明示化,明確化というところで御指摘いただいておりますので,同じ項目の最後に「外国人学校が自主的に取り組むべき事項についても検討することが望ましい」と記載させていただいたところでございます。
 また,その次のポツで倉橋委員からガイドラインを作成するだけでは不十分といったコメントがございましたので,「ガイドライン等を踏まえた実効性のある取組の実現のために,外国人学校が活用できる内容にするとともに,政府や地方自治体,支援団体等の関係機関が果たすべき役割や各機関の連携の在り方を明確化する必要がある」と記載したところでございます。これにつきましては,特に後段の部分については,鈴木委員の御指摘も反映をさせていただいております。
 28ページの(2) (資料は丸付数字)の下から二つ目で,鈴木委員の御指摘を踏まえまして,「保健衛生対策については,保健教育等を通じて外国人学校の子供や保護者の自発的な取組を促すことも有効である」ということで,「保護者」と追記させていただいたところでございます。
 最終取りまとめ案については,前回から御指摘を踏まえて,以上の部分を修正させていただきました。
 更に資料の1-2を御覧いただければと思います。
 資料の1-2はこの最終取りまとめ案を踏まえた概要になっています。背景,現状,課題と,最後に今後の方向性ということで簡単に1枚にまとめたものでございます。2ページ目は参考として,調査について記載させていただいております。前回の中間取りまとめで概要を作成したときには,調査も含めて1枚でしたけれども,中身が更に充実をしてきたというところと,アンケート調査に加えてインタビュー調査も行ったということで,調査については参考として2枚目に記載をさせていただいております。
 参考資料については,参考資料1ーーこちらは第5回のときにもお示ししたものと全く同じ資料ですけれども,有識者会議で御議論を頂いたことを踏まえて,今現在でも予算要求の作業を行っているところでございます。この1億1,600万が全額つくかどうかというところは確約ができませんが,事業を行うというところについてはやはり必要性があると思っておりますので,この事業ができるように,引き続き,必要な予算を獲得できるようにしていきたいと考えております。
 事務局からは以上でございます。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございました。
 前回の皆様の御意見,更にメール等でお寄せいただいた意見を反映させた形で,この取りまとめ案をお示ししています。委員の皆さんからこの案について御意見,御質問等がありましたら,お願いします。また,後ほど皆様から一言ずつお話をいただければと思いますが,まずこの最終取りまとめ案について御質問,御意見があればお願いします。
 では,田中委員,お願いします。
 
【田中委員】 
 ありがとうございます。私の意見も多数,取り入れてくださって,最終的にすばらしいまとめをしてくださったことに感謝をしております。
 今後,こちらで対応ということで,幾つかポイントになってくることがあるかと思いますが。例えば,外国人学校同士のネットワークですとか,地方自治体の担当部署を明確化すること等については,今,予算要求していただいている外国人学校プラットフォーム事業の一定の推進力として,その役割を果たしていくことになるのかなと思います。最終的にまとまったことで,現在,外国人学校プラットフォーム事業の中で期待されている事業内容について,こうしたことも加えて,事業の中で実施をしていくことにしたいですとか,あるいは,プラットフォーム事業を受託する団体にはこういう機能を追加で求めたいというようなことが現段階で見えているものがあれば教えてください。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございます。事務局からお願いできますか。
 
【事務局】 
 ありがとうございます。今,御指摘いただいたとおり,ここの取りまとめにあるような,例えば,研修ですとか,あるいは外国人学校をつなげていく機能ですとか,そういうものについて,プラットフォームでやっていただければと考えております。そういうものに加えて,良好事例を蓄積して全国に広めていくなど,これから具体的な課題がいろいろ出てくると思います。例えば,この最終取りまとめ案の中において,ガイドラインをこれから作成するということを中長期的な課題としては入れているのですけれど,ガイドラインをこれからどうつくっていくのか,実際,ガイドラインをつくったとしても,それをそのままにしておかないで,外国人学校が使っていけるようなものにする際には,例えば,研修や広報なども必要になってくると思います。
 今後もこの取組は続いていくと思いますので,その中で,また,プラットフォームの事業や取組を進めていくかということを考えてまいります。
 
【田中委員】 
 ありがとうございます。現場を運営するものとして,こうしたまとめが出たことで,具体的に,私たちも動かなくてはと思っているところです。どういうステップを踏んで,動きをつくっていくのがいいのかなということを考えておりまして,もしプラットフォーム事業が立ち上げる中で,そうした現場に対するロードマップというか,こういうことからこういうふうにやっていくといいですよといったことも情報を通して御提供いただけると心強いですし,私たちも何からやったらいいのかというような戸惑いも小さく,スムーズに取り組んでいけるかなと思いました。
 引き続き,どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。
 
【佐藤座長】 
 このプラットフォーム事業が概算要求で認められて次年度から動けばいいと思います。そして,その成果を着実に発信し見えるようしていただければ,大変いいと私も思いました。ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 北垣委員,お願いします。
 
【北垣委員】 
 事務局の方々及び佐藤先生,取りまとめ,どうもありがとうございました。私が発言させていただいた内容について取り入れていただき感謝しております。
 ガイドラインの話が出ましたので,19ページの(2) (資料は丸付数字)のところで少し細かい文言の整理をさせていただければと思っております。
 19ページの(2) (資料は丸付数字)の下から2行目です。「このような観点を踏まえれば」という文章のところですが,細かいところで恐縮ですが,「踏まえ」という言葉が同じ文の中に二つ入っているので,最初のところは「このような観点から」でいいのかなと思います。
 「外国人学校に一律に学校保健安全法を適用することは難しいものの」のポツの内容に関してはガイドラインのことではなくて,今,行われている保健衛生の対策に対することを書かれているような文章になっておりますので,ここは外国人学校を一括(くく)りにするのではなく,「外国人学校においても,その特性を踏まえつつ」を「各外国人学校の特性を考慮し」の方がよいではないかなと思いました。
 その上で,「1条校に適用される学校保健安全法の取組とは別に」と書かれているのですが,これは少し表現的には全く違うものをつくるのかなというイメージを持ちました。そこで,学校保健安全法の目的や理念という言葉がいいかどうか分からないですが,「目的や理念を踏まえつつ」と,こちらの方で「踏まえつつ」という言葉を使えばいいのかなというふうに思いました。
 その次のところですが,「健康診断等」になっているのですが,できれば,「健康診断や環境衛生検査等,若しくは」などという表現を使っていただく方が望ましいかなと思いました。
 こちらの理由といたしましては,学校健康安全法で計画を立てて実施することが義務づけられている内容は,健康診断と環境衛生検査の一つのみということになっておりますので,環境衛生検査については少しハードルが上がりますが,望ましい姿としては環境を整える,環境を確認することの重要性を知っていただくために文言を入れていただければと思いました。
 もう一つ,20ページの2ポツ目のところ,「外国人学校における新型コロナウイルス感染症対策の実施に当たっては」という文書のところに,こちらは括弧書きで学校における衛生管理マニュアルと書かれております。この報告書の中に,学校における衛生管理マニュアル,衛生管理マニュアル,単に衛生管理マニュアルっていう言葉が幾つか出てくるのですが,こちらの学校における衛生管理マニュアルについては,学校における新型コロナウイルス感染症に関する環境衛生管理マニュアルになるかと思いますので,ここは統一させた方がいいのかなと感じました。
 その他の学校における環境衛生管理マニュアルというのは,私の方で少し紹介させていただいた,学校保健安全法に規定をされている学校環境衛生基準に対するマニュアルとして文部科学省が出しているものを,指すことになるかと思います。一般的な平時の学校環境衛生管理マニュアルと学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルは,少し区別をつけて書かれた方がいいのかなというふうに感じました。
 以上になります。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございました。
 19ページから20ページにかけて御指摘いただきました。19ページは確かに文章の表現上の工夫が必要かと思います。20ページについては用語の統一をしっかりした方がよいという御指摘でしたので,これは修正したいと思います。ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 倉橋委員,どうぞお願いします。
 
【倉橋委員】 
 最終取りまとめの策定,本当にありがとうございました。また,私の意見もたくさん取り入れてくださって,本当にありがとうございます。
 「外国の学校が地域で一定の役割を果たしている」という文言が追記されたのは非常に有り難いです。今まで蚊帳の外だったブラジル学校,私はブラジル学校なので,ブラジルの学校がしっかりと地域の一つの役割を与えられて,それを果たしているという前提に立って,その上で,子供たちの置かれている環境をよりよくしていこうという姿勢が見られたことは非常にいいのかなと思っていますので,ありがとうございます。
 また,私は1回目から,対話を通してやっていきたいということも重ねて申し上げておりましたので,そちらの方も反映してくださって,ありがとうございます。
 あとは,細かいことになるのですけれども,現状のところで,ブラジルの学校を見に行かれたということなのですけれども,ブラジルの学校の問題点として,人も物もお金も不足している中で環境衛生まで手が回らない実情を御覧になったと思いますが,そういう現状については一言も触れられていないので,そこはいいのかなと思いました。
 また,もう一つが,こうやって最終取りまとめが出てきて,どうこれから進んでいくのか,私たちとしてどういう意見を表明して,どう関わっていけばいいのかなというのが気になるところです。
 以上でお願いします。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございます。現状のところで少し厳しい状況があるということについて触れられたらいいではないかということです。
 今後のこの報告書が出た後の進め方についても御指摘いただきました。これも大事なことですので検討の必要があるかなと思います。報告書自体の中にこのことを盛り込むのはなかなか難しいかもしれませんけれども,我々もこの報告書に責任もありますので,是非今後の在り方を見ていきたいと思っております。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは,今,お三方から御意見を頂きましたので,最終的に,私,座長と事務局で修正して,皆様の方にまた報告させていただければと思います。文言等については座長に一任いただければと思いますが,よろしいでしょうか。
 
(「異議なし」の声あり)
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございました。
 それでは,この有識者会議は今回で最後になりますので,委員の皆様から,是非会議の感想等をいただければと思います。それぞれ大変恐縮ですけれども,2分ぐらいでお願いできればと思います。
 五十音順で,浅野委員からお願いできますか。よろしくお願いします。
今,画面が固まってしまっているようですので,後ほど,また,浅野委員から御意見をいただければと思います。
 北垣委員の方からお願いできますか。
 
【北垣委員】 
 この委員会に参加させていただき,本当にありがとうございました。今までは日本人の学校,1条校に関する環境衛生等に携わらせていただいておりまして,外国人学校の状況であるとか,いろいろと知ることができて,本当に私自身も勉強になりました。
 日本人学校に限らず,外国人学校も同じで,子供を預かっている施設として,何が必要かということを考えていく機会になったと思っております。
 その上で,こちらの報告書の中にあるように,学校に関する保健衛生というのは,やはり子供の健康を中心的に考えていくということになっていくのですが,子供の健康診断,心のケアというように個人の健康を重視している部分が,これは外国人学校だけの話ではなくて,日本人学校,1条校であっても,そちらが中心になっていると思います。一方,今回の新型コロナウイルス感染症対策の中でも環境を整えていく,環境条件等をしっかり確認をしていくであるとか,全員に対して消毒若しくは手洗い等の指導をしていくとかいう,環境に配慮したような全体指導的なもの,若しくは,子供たち自身ではなくて,管理者の方がやはりもうひと手間をかけていく必要性というのは,この会を通じて,新たに私も勉強をさせていただきました。
 今後,外国人学校のガイドライン等がつくられていくかどうか分からないですが,それを機会にして,また日本人学校,1条校でも反映できて,よりよく同じような形で,子供たちを預かる環境の底上げというものができればいいかなと期待をしているところでございます。
 以上でございます。ありがとうございました。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございました。それでは,倉橋委員,お願いできますか。
 
【倉橋委員】 
 まず,このような場に呼んでいただいたことに対して,本当に感謝を申し上げます。なかなかブラジルの学校をやっている者として,地域の一員として,なかなか認められてこなかったと私たちは思っているのですけれども,そういう事実がある中で,国として,外国の人たちも地域に生きる一員であるという認識を頂いたことというのは非常に有り難く思っています。
 私たちの国がこれから多文化,いろいろな文化を包摂しながら成長していくために,外国人学校も役割を果たしていきたいと思っていますので,また今後,ガイドラインの策定等でも関わらせていただきたいと思っていますし,外国の子供たちをどのように育て上げるのか,日本や母国でどのように活躍してもらうのかということについても認識を深めていただきたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございました。それでは,鈴木委員,お願いできますか。
 
【鈴木委員】 
 浜松市としてこの会議に参加させていただきまして,大変ありがとうございます。こういう形で踏み込んでいただいて,外国人学校の問題に対して,皆様に議論いただきましたことは,恐らく各地方自治体にこれが投げかけられていったときに,非常に有益になるのではないかと感じております。なかなか認識すら,コントロールすらできていないような都市もあろうかと思いますので,こうした提言が出されるということは,非常に有益であると思っております。
 その中で外国人学校のいわゆる可能性と,あるいは逆の制約の面も,私は再認識できたということが非常に有益でございます。
 一方で,この一,二年,コロナ感染症の対策の中で,やはり情報弱者である外国人市民の皆様への情報発信であったり,罹患(りかん)率の問題であったりというものが大きくクローズアップされてまいりました。
 これからどんな時代になるか分かりません。流動的でありまして,非常にこういう危機管理の体制が必要になると思うのですけれども,学校の問題の保健衛生対策をこれだけ検討していくということは,学校や子供たちだけの問題にとどまらず,そうした外国人市民の皆様が置かれている状況に対して,どう取り組んでいくのかも含めて,一石を投じることになろうかと思いますので,非常に有益なものであったと改めて感謝申し上げます。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございました。それでは,田中委員,お願いできますか。
 
【田中委員】 
 今回の有識者会議に参加をさせていただき,本当にありがとうございました。
 自分たちが認可外とはいえ,外国人学校の定義の中に含まれるという驚きからスタートをしたところでありますが,これまで現場の維持運営のみで精いっぱいで,そう言えば,私たち自身も子供たちの安全や健康というところに対応することができていなかったなということを大きく反省しています。
 同時にこの委員会の中で取り組むべき方向性ですとか,関わりを持つべき関係機関等について学ばせていただいたことで,私たち自身がNPO立等の外国人学校のモデルケースとして,何らかよい取組を発信していけるように,今後,努めていきたいと思います。
 同様に,倉橋委員もおっしゃっていましたけれども,外国人のお子さんも日本の子供,あるいは日本の中で学ぶ子供として,国がこうした委員会の中でその子供たちの健康や安定について議論を深めていったということ自体が,私たちのような関係者にとっては非常に大きなメッセージとして,とても勇気づけられる今回の有識者会議でした。
 具体的な動きはこれからというところではありますが,微力ながら,その推進の一翼を担っていけたらと思います。
 ありがとうございます。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございました。ダニエル委員,お願いできますか。
 
【ダニエル委員】 
 まず我々私日本インターナショナル協議会として感謝申し上げます。私は23年間,日本インターナショナル協議会の一員ですが,このような会議に参加したのは初めてです。この有識者会議に招かれたこと,そして私たちインターナショナルスクールの声に耳を傾けてくれたことに,本当に感謝したいと思います。私たちは,文部科学省が発出する文書を英や他の言語に翻訳してくださったことに本当に感謝していますし,それが私たちの助けになっています。引き続き,文部科学省にできる限り協力できればと思います。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございました。安田委員,お願いできますか。
 
【安田委員】 
 皆様,本当にありがとうございました。最終段階でガイドラインに関する意見を申し述べさせていただきましたが,佐藤先生,それから,事務局の皆様の御尽力で,最終取りまとめにより的確に反映いただきまして,ありがとうございます。
 今回,こういう外国人学校の保健衛生というテーマで,県という立場でこういった課題に向き合うことができ,考えることができました。そういう機会をいただけて,本当に勉強になりましたし,有り難いなと感じました。
 今回,取りまとめていただきました提言につきましては,本当に画期的なもので有意義なものであると考えております。今後,ガイドラインの策定や,外国人プラットフォーム事業,それから,自治体,地域をフィールドとした調査研究事業が政府予算の中でもきちんと位置づけられて,今後,効果的に実施展開されていくことを本当に期待しております。
 本来であれば,対面の会議で委員の皆様方,事務局の皆様方にお目にかかりたかったのですけれど,それがかなわなかったことだけが本当に残念ですが,非常にいい勉強させていただきました。今後とも皆様方に御指導,御教示をいただければと思います。
 本当にありがとうございました。お世話になりました。
 
【佐藤座長】 
 ありがとうございました。今日は小林国際課長も御出席いただいておりますので,小林課長から御発言をお願いします。
 
【小林課長】 
 先生方,本当にありがとうございました。特に,座長を務めていただきました佐藤先生も本当にありがとうございます。
 委員の皆さんに頻繁に集まっていただきまして,また,途中で国際課長も私の方に変わってしまいまして,いろいろ御迷惑をおかけした点もあるかと思います。本当にありがとうございます。
 今日の参考資料で予算の資料もつけさせていただいております。残念ながら,当初,要求していたものよりも財務省との協議で少し減ってしまいました。ただ,財務省との協議では大変,警戒されました。コロナがきっかけとはいえ,今までこういった外国人学校と直接,こういった形で保健衛生環境といったことについて,広く一緒にやっていくような予算というのが初めてということでございまして,金額は大きくないのですけれども,すごく大きな一歩だったのではないかと思っており,本当に先生方に感謝しております。
 また,個人的には,外国人学校のことで,特に現場から倉橋先生,レイノルズ先生,田中先生にこの会に入っていただき,直接,お声が聞けたというのは,とてもうれしく思っています。
 私が勝手に誤解していたのは,制度が違うので,文部科学省と直接,関わりを持つことも,もしかしたら少し警戒されるのではないかと思っていました。これは私が勝手に個人的に思っていたことですが,そういったことよりも,お互いにやれることを,子供たちのため,それから,コミュニティーのためにやっていきましょうという声を頂きまして,倉橋先生からも「私たちは何をすればいいのですか」というようなお声を頂きまして,とても心強く思い,直接やり取りさせていただいたことをうれしく,感謝しております。
 今後も制度は異なりますけれども,共生して,お互いに協力していくということを,文部科学省でも頂いたこの提言を基に進めていきたいと思います。
 本当にありがとうございました。
 
【佐藤座長】 
 皆さん,ありがとうございました。
今,小林課長からお話があったように,氷見谷前課長から最初にこのお話を頂いたときに,これはもうとても大事だと,まず思いました。国籍に関わらず,日本に住む全ての子供たちの健康,さらには命に関わることだからです。それを国として進めることは大きな意味があります。外国人学校に通う子供たちも日本の社会を構成する一員として位置づけ,きちんとケアをして,育てていく必要があります。この会議がその一歩になればいいなと思っています。
 最終の報告書案を皆さんにお示しをしましたが,かなり踏み込んだ内容も書き込まれていると考えています。最後に倉橋委員から御指摘いただきましたが,この後,これにどう実現していくかが重要です。是非事務局には,ここに盛り込まれた新規事業に是非積極的に取り組んでいただければと思います。
 中長期的な課題については,この先四,五年ぐらいには実現できることを期待しています。事務局におかれましては一層の御尽力をお願いします。
 浅野委員,お入りいただいたようですので,一言いただけますか。可能でしょうか。
 
【浅野委員】 
 本当にこういった会議に出させていただいて,その実態がよく分かりましたし,本当にこれから私たちとしても,こういった事業のことを考えたり,そういう外国人学校に通っているお子さん方,そういった事業所ですか,そういったところにいらっしゃるお子さんたちのことを考えたりして,本当に子供たちが健康で安全に暮らせるように,少しでもお手伝いができたらと思っております。
 本当に今回,ありがとうございました。
 
【佐藤座長】 
 皆さん,ありがとうございました。
 それでは,最後に,議題4,その他について,事務局から御説明いただきます。
 
【事務局】 
 事務局でございます。
 これまで8回にわたりましてご参加,御協力いただきまして,本当にありがとうございました。
 本日頂きました御意見を踏まえました最終取りまとめの最終版につきましては,委員の皆様に共有させていただきますとともに,本有識者会議のホームページで公表させていただきます。
 以上でございます。
 
【佐藤座長】 
 はい,よろしいでしょうか。
 それでは,本日の会議を閉会とします。この有識者会議はこれで終了です。本当に皆様,御協力いただきまして,ありがとうございました。
 
―― 了 ――

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