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国際バカロレアを中心としたグローバル人材育成を考える有識者会議第4回会合 議事録

1.日時

平成29年4月28日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省15F会議室

3.出席者

(委員)

長谷川壽一(座長)、今泉典彦、荻野勉、加計役、佐藤正光、渋谷真樹、島田康行、田原誠、田村壮児(代理:藤中雄輔)、坪谷ニュウエル郁子、矢野裕俊

(外部有識者)

宇宙航空研究開発機構(JAXA) 星出宇宙飛行士、玉川大学 星野教授

(文部科学省(事務局))

里見国際課長、原田国際協力企画室長、土田国際戦略企画室長補佐(兼)国際協力室長補佐、村越国際課外国人教育政策係長

鈴木国際教育課長補佐

4.議事

【長谷川座長】 

本日はお忙しいところ、第4回国際バカロレアを中心としたグローバル人材育成を考える有識者会議にお集まりいただき、ありがとうございます。

 本日は、田村委員の代理として、藤中高知県教育次長にお越しいただいております。

 さて、第3回に続きまして、今回も外部有識者を講演者としてお招きしておりますので、御紹介いたします。

 玉川大学より星野あゆみ教授にお越しいただいております。星野教授は、国際バカロレア機構日本地域担当でもいらっしゃいます。

 また、この後、間もなくテレビ会議にて、宇宙航空研究開発機構、通称JAXAでございますが、JAXA御所属の星出彰彦宇宙飛行士に御講演いただきます。星出さんは、皆様御承知のとおり、2008年と2012年に宇宙に滞在されておりますが、1987年にシンガポールにおいてIBのディプロマを取得されたIB教育の経験者でもございます。本日はIBの御経験等についてテレビ会議でお話しいただくこととしております。

 それでは、準備の方、お願いいたします。

 星出さん、聞こえますでしょうか。

【星出JAXA宇宙飛行士】

おはようございます。

【長谷川座長】

おはようございます。

【星出JAXA宇宙飛行士】

JAXA宇宙飛行士の星出彰彦です。今回はこのような機会にIBの履修生としてお話しさせていただく機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。

 私は、御存じのように、教育の専門家ではございませんので、本日は私自身のIBの経験を、あくまで御参考までに御説明させていただくという形になります。また、何分、30年も前の話なので、記憶が定かではない部分もございますが、その点につきましては、是非御容赦いただきたいと思います。

 先ほど長谷川座長から御紹介いただきましたけれども、私は1985年から87年の2年間ですね。高校2年の夏からの2年間、経団連のUWC日本協会から奨学金を頂いて、シンガポールにありますユナイテッド・ワールド・カレッジ・サウスイースト・アジアに留学させていただきました。

 現地では、IBカリキュラムでディプロマの取得のためのカリキュラムに沿って勉強をさせていただきました。科目としましては、もう皆さん、IBの専門家でいらっしゃいますので、上級レベルで数学、物理、それから、化学ですね。それから、高等数学と言うんでしょうか。ファーザーマストと言われている科目の4つを受講、それから、標準レベルで経済、日本語、それから、英語、この3つ、合計の7科目を履修しました。

 それから、論文では、ロケットのノズルの形状についての簡単な実験をして、それをまとめるということを行いましたし、それから、奉仕活動につきましては、シンガポールの学校の近くの孤児院の子供たちの支援ですね。これはどちらかというと、課外授業の、課外活動の一環として、時間のあるときに訪問して、一緒に遊ぶといったことを行いました。それ以外には、いろんな演劇の参加ですとか、それから、校内の雑誌の編集、ラグビーとか陸上の大会への参加、それから、近隣にありますアメリカンスクールでアメフトの試合、チームに参加して、いろいろ試合に参加したりといったことを行いました。

 IBディプロマを取得した後は、日本に戻りまして、慶應義塾大学理工学部に、当時は帰国子女としてIBディプロマ資格を持って受験して、入学いたしました。

 UWCに留学しようと考えた理由なんですけれども、当時、高校時代にいろいろ考えたときに、将来に向けて、やはり英語力と、それから、国際感覚が必要になるだろうと。そのためには留学するのが一番いいのではなかろうかというふうに考えたときに、ほかにも1年の留学期間というのはあるんですけれども、1年ではちょっと短い。2年の期間を持ったユナイテッド・ワールド・カレッジを選んで、受験させていただきました。そのときに知ってはいましたけれども、詳細を理解して留学したわけではございません。

 御存じのように、IBでは、ディスカッションや論文など、日本語を除く全ての授業を英語で受けるという貴重な経験をさせていただきました。実は私自身、幼少期にアメリカに4年ほど住んでおりまして、それなりに英語力には自信を持って現地に向かったんですけれども、到着直後から、まあ、自信をなくしたわけではないですけれども、非常に苦労をしました。もう英語の授業に一切付いていけない。例えば数学の授業であっても、英語で教わりますので、問題すら分からないということで、留学してもう3か月必死に勉強して、何とか付いていけるようになったという苦労をしました。

 UWCでは寮生活でしたけれども、世界じゅうから集まった異文化の生徒、それから、先生ですね。そういった方々と常に英語で交流をするということで、この2年間は、宇宙飛行士としての訓練と同じか、あるいはそれ以上に必死に勉強するという時間でしたけど、一方で、これまでの人生の中でも一番充実した2年間だったのではなかろうかというふうに考えております。その時間を経験できただけで、私自身、自分の糧になったのではないかというふうに考えております。

 簡単に私自身のIBの経験を御紹介させていただきましたけれども、逆に言うと、IBしか高校のその最後の期間、経験していないわけですから、教育論を語る立場にはございません。ですが、自分の歩んできた道を振り返ってみますと、今、宇宙飛行士として活動している中で、やっぱりツールとして今の仕事に必須である英語、それから、国際宇宙ステーション計画の中で世界じゅうの人たちと一緒に仕事をするわけですけれども、そこの中で国際的なチームワーク、これが求められるわけで、こういったことはその頃のIB、あるいは海外での留学の経験が非常に生かされたのではないかと。IBだけではなくて、海外留学を通じて得られた貴重な経験だったのではないかなというふうに考えます。

 私からは、御説明としては以上にさせていただいて、いろいろ御質問等もあるかと思いますので、質疑応答に移らせていただけたらと思います。

【長谷川座長】

ありがとうございました。

 それでは、委員の皆様、星出宇宙飛行士への御質問などございましたら御発言願います。どうぞ御遠慮なく。

【渋谷委員】

大変興味深いお話ありがとうございました。高校を終えられてから、帰国入試で日本の大学に行かれたということでしたけれども、その御決断にはどんな背景がありましたか。それから、日本の大学に戻られてからは、そのIBで学ばれたことが十分生かされるという感じでしたでしょうか。教えてください。

【星出JAXA宇宙飛行士】

ありがとうございます。まず、なぜ日本の大学を受けたかということですけど、実は海外の大学も受けました。アメリカにありますいろんな大学も受けましたけれども、結果的に日本の大学、正直に申し上げますと、アメリカの大学は落ちました。その結果として慶應大学に入学させていただいたわけですけれども、個人的には、それはそういったキャリアのパスだったのかなと思いますけれども、それは今の人生の中で非常に一つ大きな分岐点だったのかなと思いますが、今の私にとってはよかったかなというふうに思っています。

 それから、2点目のIBで学んだことが大学でどういうふうに生かされたかということですけれども、振り返っていろいろ考えてみたんですけれども、教養課程の時分は例えば数学のノートは、IBの自分のノートを引っ張り出してきて、それを見ながら勉強するぐらい、深いレベルでの勉強をさせてもらっていたのかなというふうには思います。

 これは私自身、IBのおかげなのかどうかというのはよく分からないんですけれども、大学というよりも、社会に出てからいろんな場で能動的に動く。宇宙開発やっているものの中では、プロアクティブという言葉があるんですけれども、運用管制をしている中で、何か起こってから動くのではなくて、自分から積極的に物事を防ぐなり、よくしていくなり、そういう能動的に動くという言葉がございます。そういったものはベースとして培われたのではないかなというふうには思います。

【渋谷委員】

ありがとうございます。

【長谷川座長】

ほかの方、いかがでしょうか。

 では、私から。先ほど星出さんは論文では、ロケットの形状について論文を作成されたということですけれども、バカロレアで学ばれていたときから宇宙への思いというものが常におありだったんでしょうか。

【星出JAXA宇宙飛行士】

ありがとうございます。そうですね。留学をするときに頭の片隅で、職業としては宇宙飛行士、あるいは宇宙開発に携わりたいという思いがありました。実はUWCに留学する前に所属、学んでいた学校というのは、茨城県つくば市にあります茗溪学園中学高校でして、おかげさまで、筑波宇宙センターに毎年1回訪問する機会がありまして、非常によく影響受けたのかなと。それもあって、論文を考えるときに、宇宙に関わるようなテーマをということになった。ちなみに、2年間の間に夏休みがありまして、そのときには一時帰国していましたが、そのときにはその論文の材料集めのときに筑波宇宙センターに訪問して、当時働かれていたエンジニアの方々にいろいろヒアリングさせていただいて、論文のテーマの材料にさせていただきました。

【長谷川座長】

ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【佐藤委員】

その頃はTOKはあったんでしょうか。

【星出JAXA宇宙飛行士】

TOKはありました。TOKとか、今あるディプロマのプログラムの仕組みはそのまま、30年前と同じですね。TOKはありました。

【佐藤委員】

そのTOKはその後の人生に影響があったんでしょうか。

【星出JAXA宇宙飛行士】

そうですね。当時はやはり非常に理解がしにくい、我々生徒の側からいうと、非常に哲学的なことを論じていて、数学とか物理を学ぶというのとはまた違うレベルの脳みそを使わせていただいたなというふうに思います。

【佐藤委員】

ありがとうございました。

【長谷川座長】

はい。

【荻野委員】

先ほど異文化の中でチームワークについてお話しいただいたんですけれども、日本人であるということ、あるいは日本の文化を身に付けた高校生がそういった環境で勉強する中で何かこういった点で貢献できたかなという点がありましたでしょうか。

【星出JAXA宇宙飛行士】

はい。ユナイテッド・ワールド・カレッジの場合には、世界じゅうからいろんな国の子弟が集まって、シンガポール校も同様ですけれども、その中で日本人というのは決してマジョリティではなく、マイノリティになります。その中でも日本の文化を紹介する場ですとか、それから、学校の行事としてそういう場もありましたけれども、それ以外にも寮生活を通じていろいろ話をする、お互いの文化を紹介し合う。それこそたわいのない雑談の中で、お互いの文化を紹介したり、考え方を紹介したりという機会はあった。なので、目に見えるだけではなくて、目に見えないようなところでそういう、何ていうんですかね。ことかなというふうに感じております。

【田原委員】

星出さんは、1年間は日本の高校に行かれた後、高校2年生、3年生でバカロレアに行かれたという、そういうことでよろしいんでしょうか。

【星出JAXA宇宙飛行士】

そうなります。高校2年の夏までですね。1学期までは茗溪学園で学ばせていただいて、選抜の後、その夏ですね。高校2年の夏から2年間、留学をさせていただくという形になります。茗溪学園の方はそれをもって、1年を超える休学というのができないということで、退学という形になります。

【田原委員】

そうしますと、日本の高校の御経験、高校での教育も御経験されて、バカロレアの教育を受けられたということになると思うんですけれども、どういうことが印象に残っているか、どういうことがバカロレアで何か学んだとか、その辺のすごく印象に持たれていることをお話ししていただければと思います。

【星出JAXA宇宙飛行士】

ありがとうございます。今、御質問聞かせていただいて、2点ほど印象に残ったというか、思ったことですけれども、1つは、私自身がIBを英語で学ばせていただくときに、非常に苦労はしましたけれども、一方で、日本に残してきたといいますか、一緒に生活、勉強していた友達、友人とかは日本で受験に向けて苦労したわけですよね。その頃というのは、私から見ると、もっと大変だったというふうな印象を持っていて、勉強の仕方は違うのかもしれないですけれども、それぞれ苦労したことというのは、その後の人生で生かされているのではないのかなというふうに思います。

 それから、バカロレアの勉強ですね。日本との違いということで、大分前の記憶を何とか思い起こしながら考えていたんですけれども、例えば経済の授業で、一方的にいろいろ話をされる。先生は本当に司会進行役といいますか、授業の頭で、きょうはこれについて考えてみようという話があると、それを生徒の方から引き出す。いろんな意見を聞き出していって、正しい意見もあれば、いや、そこはこういう状況なんだよ、本当はという話も交えながら、軌道修正を少しずつしながら進めていったというのが印象には残っています。非常にディスカッション重視の授業の進め方だったというのが一つあります。

 それから、物理ですね。物理の授業とかも、化学もそうですけれども、もともと恐らくカリキュラムはあって、この授業はこういうことというのがあったんだとは思うんですけれども、一方で、ちょっと脱線すると、それをうまく拾ってくれて、ずれていく。生徒の方からすると、あれっ、何かずれていっているなと思いつつ、それが回り回って大きな話につながっていくというのを後になって知ったりということはございました。

【長谷川座長】

ありがとうございます。ほかに。はい。

【島田委員】

お願いいたします。星出さんは日本の大学に進学をされたわけですけれども、そこで、日本の高校から進学をしてきた多くの同級生の方とともに学ばれたということになろうかと思います。そこで、日本の高校を卒業した同級生たちに、こういうところが物足りないというふうにお感じになったようなところというのはございましたでしょうか。あるいは、日本の高校を卒業した同級生たちが、こういうところがすぐれている、いいところだというふうにお感じになったところはありましたでしょうか。お聞かせください。

【星出JAXA宇宙飛行士】

はい。IBを取ったか、取っていないかというのは恐らく誰もお互いに分かっていなくて、私自身もIBを取ったという何かバッジを付けていたわけでもありませんし、お互いに知らないと思います。そんな中でやはり人としての多様性というんですかね。日本の学校を卒業したからとか、ほかの海外帰国子女とか、いろんな人たちと知り合う機会はありましたけれども、やっぱり結局は人間なんだなと。それぞれに得意分野、不得意分野があり、もちろん海外経験をしていれば、英語力には一つ、一日の長はあるかもしれませんけれども、それ以外の経験を日本でしていないということもまた事実だと思います。

 そういう意味で多様性があったのかなと、いろんな人がいるんだなというのが大学、それから、社会に出てからも感じることで、バックグラウンドとしてIBを持っている人の方が実は少ないわけでして、宇宙開発に携わるスタッフの中でIBを持っていない人の方が多いわけですよね。でも、そういう人たちもそれぞれの長所、それぞれのバックグラウンドを生かしながら、それぞれのポジションで活躍されているというふうに思います。

【島田委員】

どうもありがとうございました。

【長谷川座長】

あと1つ、2つ。はい。

【加計委員】

失礼します。星出さんは、もちろんIBプログラムのすばらしさということは当然思っていらっしゃると思うんですけれども、今、日本の方においても、今後、200校を目標にIB認定校を増やしていくという目標を掲げている中で、それと、日本のIB、日本におけるIBの普及に対して、星出さんが何か期待をされているものがもしあれば、お聞かせ願いたいということと、本校も含めて、今、少数ですが、日本のIB校で頑張っている生徒がいます。その子たちに向けて何かメッセージ等あれば、教えていただけたら生徒たちも喜ぶのではないかと思いまして、一言、何かメッセージをお願いできればと思います。よろしくお願いします。

【星出JAXA宇宙飛行士】

日本でIB200校というお話は私も存じ上げておりまして、大きなシステムとして、枠組みとしては非常にいいことではないかというふうに思います。個々人がどういうカリキュラムに基づいて勉強するというのは一つ細かいところで皆さん専門家の方々が議論していただく必要はあるかと思いますけれども、大きな枠組みで、例えば日本の高校から海外の大学に行く道を作る。それから、アメリカだけじゃないですね。海外の学生たちが日本の大学に来やすい環境を作るとか、そういう意味での人材交流を促進する一つというふうに感じます。

 ちょっと変な話を申し上げますけれども、国際宇宙ステーション計画には世界じゅうの宇宙飛行士が参加しておりまして、アメリカ、ロシア、日本、それから、カナダ、ヨーロッパと、いろんな国の宇宙飛行士が参加しております。その昔、各国で宇宙開発を進めていたときというのは、訓練はそれぞれの訓練で勝手にやっていたんですね。ただ、この国際宇宙ステーション計画で一緒に訓練をしましょうとなったときに、その入学基準を整備する必要がありました。それは基礎訓練を経て、それぞれの国で基礎訓練をしたときに、ここまでのレベルをこういう評価をしてくださいと。それを満足したら次のステップにみんなと同じ土俵に乗れますよという仕組みをわざわざ作りました。その要求というのは、私も宇宙飛行士になる前に作る手助けをさせていただきましたけれども、やはりそういう形で交流が促進されるような形に今なっていまして、IBを日本で積極的に活用するということは、そういった形で貢献できるのではないかなというふうに思います。

 それから、IBを取っている、勉強している学生さんたちですけれども、非常にいい経験をされているのではないかなというふうに思いますし、それ以外の学生さんたち含めて、将来どういったことをやるかということを考えながら、自分たちができること、いろんなことに興味を持って進めていってほしいなというふうに思います。

【長谷川座長】

よろしいですか。はい。それでは、大体定刻になりました。最後のところで日本のIBに対する期待、それから、IB生に対するメッセージまで頂けまして、本当にありがとうございました。星出さんが国際宇宙飛行士としてますます御活躍いただくことを心よりお祈りしております。どうもありがとうございました。

【星出JAXA宇宙飛行士】

はい。どうもありがとうございました。最後にちょっと一言だけ申し上げさせていただきますけれども、その有人宇宙活動という狭い世界ですけれども、今まで米ロを追い掛けてきた日本です。今は宇宙ステーション計画の中でエンジニア、管制官、それから、スタッフ含めて、みんな対等なパートナーになっております。それはいろんな苦労を経て、競争力を高められたからこそ、各国からも協力をしたいというふうに思ってもらえる。それだけの力を付けたからだと思っております。今回、IB含めて、グローバルな人材をどうするかという議論をする中で、何かそういう世界で活躍できる人材をこれから作っていただくような、そういう議論ができればというふうに思っておりますので、期待しております。

 本日はどうもありがとうございました。

【長谷川座長】

どうもありがとうございました。

 ただいま星出宇宙飛行士の方から国際的な国際協働といいますか、あるいは国際的なパートナーシップ、一緒に世界で活躍する上で、国際バカロレアのプログラムは非常に有用だという御意見を頂けたと思います。

 では、引き続き、議題(1)のマル2、我が国のIB推進の方向性について、玉川大学、星野教授から御説明をお願いいたします。

【星野教授】

では、始めさせていただきたいと思います。本日は貴重なお時間頂きまして、ありがとうございます。私の方からは、「日本におけるIB教育推進のために」ということで、学校現場の様子を少しお伝えできればと思っております。よろしくお願いいたします。

 自己紹介をさせていただければと思いますけれども、私、国際バカロレア機構の日本担当地域開発マネージャーという仕事を非常勤でしております。この仕事は、新しく関心校になられた学校さんを候補校申請の提出までの支援をさせていただくと、そういう仕事になっております。ですので、学校の現場の先生方が真剣に取り組んでいらっしゃる状況を見てまいりました。その経験を踏まえて、きょう、お話をさせていただければと思いますけれども、IBの仕事は非常勤でして、本業がございます。4月から玉川大学で国際バカロレアの教員養成、大学院で教員養成に携わっております。

 その前の10年間は、東京学芸大学付属国際中等教育学校で仕事をしておりました。3月までおりましたこの学校では、副校長として2年間勤めましたけれども、その間にDP授業、DPの認定を受けた直後の着任でしたので、DPの授業を開始するに当たっての校内の体制の整備をいたしました。それから、DP授業、1年目ということで、その実施を見てまいりました。その前は、MYP・DPコーディネーターとして、MYPの実施、それから、DPの立ち上げに関わってまいりました。その前は英語の教員としてMYPの授業を実際行っておりました。こういった形で、ここ10年ほどIBに関わっております。

 私がこの仕事を始めました2013年の5月には、IB校が日本では24校で、インターナショナルスクールが18校、一条校が6校というような状況でした。現在、45校に増えておりまして、一条校、20校ということで、3倍以上の伸び率になっているという形になります。

 地域的にも、四国以外のところで、全国津々浦々にIB校が今できているという状況にございます。この背景にはもちろん国の200校を目指すという政策がございましたし、文科省さんの省を挙げてのサポートがございました。そしてまた、学校内部から教育を変えなくてはいけないという声と、それと、それに対する大きな学校側の努力もあったかなというふうに思っております。

 ここ半年、認定校が少し増えまして、5校ほど増えました。その中で特徴的なのが、公立、国立が入っているということで、現在、候補校の中にも公立の学校が幾つかございます。今は私立の学校が認定になるのが多くございますけれども、この後、二、三年すると、公立学校の認定のラッシュが来るかなというふうに思っております。

 その45校なんですけれども、現在、一条校が20校、インターナショナルスクールが25校という形になっております。インターナショナルスクールと一条校ともに、例えばIBの校長会、あるいはコーディネーターのネットワークミーティングとかそういったところで、公私を超えてともによりよい教育、IB教育をしようということで、チームを組んで取り組んでおります。インターナショナルスクールは、IB教育においては長い歴史がありますので、学ぶところもたくさんございます。一条校に関しましては、DP、MYP、PYPとそれぞれ認定校がございますけれども、PYPに関しましては、この1校は、実は幼稚園での認定になりますので、PYPの一条校での小学校の認定校はまだ出ていないとなっております。

 日本のIB校、200校を目指すということですけれども、仮に200校が実現しましたら、世界第4位に躍り出るという形になるかと思います。3位に入っておりますエクアドルなどは、国を挙げてIBを推進しているところでありますので、こういったところの国の状況から学ぶこともできるのかなというふうには思っております。

 世界的に見ますと、IB校の数はもちろんどんどん増えているわけですけれども、現在、注目すべきは、全IB校のうち、半数以上が公立学校での実施になっているという形になります。世界的に見ると、私立の学校よりも公立で実施されているという形になります。

 一つ、例を挙げさせていただきますけれども、アメリカの公立校におけるIB校ということで、全米のIB公立校のうち、60%がTitle 1 schoolsということで、実はこのTitle 1 schoolsというのは、ノー・チャイルド・レフト・ビハインドという法律に基づく、どの子供も置き去りにしない法律の第1条に掲げる学校に該当しております。つまり、貧困の地域にある学校が60%であるということです。ですので、日本においては、IBがエリート教育だというふうに捉えられている向きもございますけれども、実際は公立校、あるいは貧困地域での公立校での実践も多々ございまして、かなりの成果を上げております。

 IBのウェブサイトを見ていただければ、その成果については詳細が書かれているかと思いますけれども、シカゴのエマニュエル市長が、シカゴの公立学校区で高校を卒業するときにはできるだけ大学の単位認定を持って卒業させたいという施策をとりまして、IB校だけではなくて、APですとかそういったようなプログラムの導入を進めております。その中でIB校も数を増やしておりまして、1980年にDPが1校目が誕生しましたけれども、2000年にDP校が10校になりまして、2007年にDP校14校、MYPが21校となりました。2014年には46校に増えておりまして、2020年までには86校に増やしたいということで現在動いております。2014年現在では、シカゴの9,000人の子供たちがIB教育を受けていて、2020年には2万人を目指すというような状況になっております。公立学校での非常に大きな成果を上げておりまして、貧困地域からも多くの生徒が大学に進学するようになって、大学でも成果を上げているというような例がございます。ですので、日本でもこうやって公立学校での動きが出てきているのは、こういったことも参考にしながらやっていけるのではないかと思っております。

 現在、IBのプログラムは、一番よく知られているDPのほかに、MYP、PYP、そして、一番新しい、2012年に始まりましたCPというのがございます。もともとDPは大学受験を目指す子供たちのためのプログラムでしたので、必ずしも、例えば先ほどのようなシカゴの学校で、大学進学を目指さない子供たちもおります。そういった子たちがIBの教育の恩恵を受けられるように、CPというプログラムを立ち上げております。最低DP科目を2科目を履修して、Extended Essay、TOK、CAS、コアと呼ばれるものも履修し、そして、それプラス、このキャリア関連プログラム独自のキャリア関連学習というものを行うという要件がございます。

 日本でもCPの認定校も視野に入れていけば、IB教育推進の拡大につながるのかなと思いますし、新学習指導要領で言われているような、生きて働く知識・技能の修得ということとも整合性があるかなと思いますので、是非この4つ目のプログラムも視野に入れていただければと思っております。

 ここからは少し学校現場の声をお伝えできればと思います。その中でも、ここでは苦労している点にフォーカスを当ててお話しさせていただければと思います。IB教育のよさはもう皆さんよく御存じだというふうに思っておりますので、学校がどんなことに直面していて、もうちょっとこういうところがうまくいくともっとやりやすいのになというふうに思っているところをお伝えできればと思います。

 大きく分けて3つございます。DPをやらなくても海外の進学や特別入試で行きたい大学に行けますということ。それから、学習指導要領上の科目に読み替えられるDP科目がちょっと少ないかな、もっとあるといいなということですね。それから、経費が掛かって、コストパフォーマンスが非常によくないという点が、これまで新しい関心校、候補校申請までサポートしている中で多々聞いてきた御意見です。

 例えば1つ目の進学に関してですけれども、こちらのDPに特化した入試をやっていただいている大学さんです。このほかにたくさんAO入試でDP資格を考慮しますよという大学はありますけれども、DPのスコアだけで進学できる大学というのがまだまだ少ないかなということがあります。ですので、DP入試枠の増設といったようなことが、DPに特化した入試枠ができるとありがたいかなということが一つと、それから、海外の大学にもありますけれども、入学後の優遇措置ということで、例えば先ほどシカゴの例でもありましたけれども、DPで取った科目を大学に入ってから概論の授業に置き替えられるという措置をしている海外の大学がたくさんございます。日本の大学も高校時代に取った単位を、大学の単位として例えば認定していただけるようなそういう制度があると、ますますDPをやっていきたいというふうな、あるいは導入したいという学校が増えてくるかなと思っております。

 それからもう一つが、学習指導要領上の科目に読み替えられるDP科目が少ないかなという御意見です。学習指導要領もDPも同じような、グローバル人材を育てるという目標は同じだと思うんですけれども、DPを一条校で実施していく上で非常に大きなハードルになっているのが、学習指導要領もDPも学習内容の規定が細かくあるという点です。もちろんオーバーラップしているところもあるんですけれども、DPだけでしかやらない単元、あるいは学習指導要領だけでしかやらない単元というのがございます。このあたりをどう整理するかということが学校に任されている工夫のしどころというところで、ここで各学校が大変苦労しております。

 それから、教育課程編成の基準も学習指導要領とDP、どちらにもございます。端的に言ってしまいますと、学習指導要領は科目数が多くて、1つの科目の単位数は非常に少ないです。DPは科目数が6科目しかございませんので、1つの科目に割り当てられる単位数は非常に大きくなります。ですので、その科目の単位数の枠組みを合わせるのも非常に苦労するというようなことがございます。

 そこで、文科省さんで整理をしていただきまして、読み替えができるようにしていただきました。これは大変助かりました。特にTOKを総合的な学習の時間として読み替えさせていただけることは、時間数的にもここが大きくなりますので、非常にありがたいことです。幾つかの科目が例に挙げられていまして、学習指導要領上の科目としてもそのまま読み替えていいですよという科目と、対応関係はあるんですけれども、学校設定科目として読み替えてくださいというカテゴリーのものと、それから、学校側が学習指導要領上の科目とこれだけ重なりがありますよということを示すエビデンスが出せれば、学校設定科目として読み替え可能ですよという3つのカテゴリーがございます。

 これを見た段階で、一条校の教員としては知っている科目がたくさん並んでいて、非常に心強い思いをするわけですけれども、とはいえ、学校設定科目として認めていかなくてはいけないことが多々あります。そのために学校設定科目の上限を20から36単位に上げていただきまして、それも大変ありがたく思います。これで学校設定科目にすれば、DPを教育課程特例校申請を出さずに実施できるかなと思います。

 ただ、学校設定科目にすることで幾つかの制限も実はございます。それはここにある科目を見ていただくと分かるんですけれども、センター試験ですね。センター試験の科目と連動しているようなところがありますので、これを一番上の方は連動があって、そのまま読み替えができるんですけれども、読み替えがそのままできないもの、学校設定科目にしなくてはいけないものというのは、多少学習内容にそごがあるということが読み取れるかと思います。そういったときにセンター試験、学校設定科目をたくさん勉強することでセンター試験等に対応し切れない部分があったりですとか、あるいは指定校推薦等を利用する場合に履修科目指定というのが付いてくることがございます。そういったものに対応できなくなる可能性もございますので、学校としては、できれば学習指導要領上の科目と読み替えられる科目がもう少し増えると、少し柔軟性があるかなと思っております。

 ですので、希望的なお願いですけれども、カテゴリー2とか3にある科目もカテゴリー1と同じような扱いにしていただけると、非常に一条校としては教育課程が組みやすいですし、生徒が大学受験という進路を考えるときに被る不利益も最小限に食い止められるかなというふうには思っております。学習指導要領との整合性ということで読み替え可能な科目を増やしていただければ、より一条校としては心強い状況になるかと思います。

 先ほどPYPの小学校はないんですという話をしましたけれども、DPもそうでしたけれども、PYPも学習指導要領との整合性がなかなか付きにくいということで、このあたりもPYPの学校を増やしていくためには小学校の学習指導要領との整合性というのもまた整理していただけるとありがたいのかなと思っております。

 それからあと、経費が掛かりコストパフォーマンスがよくないということなんですけれども、まず先にお話ししたいのが、IBの教育をするといったときにどんなことをしなくてはいけないかということです。一斉授業ではなくて、探究とか行動、振り返りという、この学習サイクルをメーンにしますので、探究学習が一つの大きなポイントになります。それから、先ほどから出ていましたけれども、チームワーク、協働学習ということが非常に大事になります。それから、学問的誠実性、剽窃をチェックしたりとか、知的所有権というものをきちんと理解した上で学習を進めていく。コピペを許さないというようなことも必要になってきます。それから、個別のニーズに合わせた差別化した指導ということで、個のニーズに合わせて特別支援もありますし、それから、習熟度別指導ということも入ってくるかと思います。

 それから、評価に関しては、厳格な観点別評価を行いまして、形成的評価、総括的評価を分けて行います。それから、よりよい世界、より平和な世界に貢献するための人材を育成するのがIB教育の目標ですので、小学生でも中学生でも高校生でも、今できることで社会貢献をしていくことを大事にしていますので、そういったこと、そういう指導も大事になってまいります。

 その次に、グローバルな文脈・世界との関わりということで、今なぜこの勉強をしているのかということを生徒に疑問に思わせないような授業をしなくてはいけないということ。それから、知識ベースではなくて、概念を中心にした有機的に教科と教科が結び付いたカリキュラムにしなくてはいけないということです。実際、生徒たちがこれからの社会で取り組むべき課題は、一つの教科のアプローチでは解決できないことばかりですし、社会現象は教科ごとに起きるわけではないので、様々な教科で学んだことを組み合わせて、問題解決に使えていけるようにしなくてはいけない。そういうカリキュラムを組んでいかなくてはいけないという課題が学校にはあります。

 そういったことを実現しようとしながら、IBの認定を目指していくわけです。IBの認定の道のりですけれども、簡単に言いますと、こういうふうになっております。最初にスクール・インフォメーション・フォーム。これは学校の情報を出していただきます。その後、候補校申請を提出し、候補校になって、IBのコンサルタントが付いて、コンサルタントが学校に訪問に来て、そして、このコンサルタントのオーケーが出たら認定校申請を提出し、認定校申請に書いてあることが実際、実施可能な状況になっているかということを見るために、確認訪問を受け、そして、そこでオーケーが出れば認定校となり、そして、DPの授業を開始します。その後、認定を続けてもらえるかどうかということで、評価訪問が四、五年に1回ずつ入ってくるわけです。

 そこで、お金が掛かってまいります。まず候補校申請を出すときに、シンガポールドルで5,965ドル掛かってきたりですとか、候補校になると、候補校の年会費というのが掛かってまいります。それから、コンサルテーション訪問に関しましては、海外からコンサルタントが来る可能性が高いですけれども、その海外から日本までのフライト代はIBが持ってくれますけれども、宿泊費ですとか、それから、国内の旅費、あるいは通訳、翻訳してくださいと言われたら、その費用も学校が持つ形になります。

 認定校申請は候補校の年間費の中にお値段入っていますので、ここで改めて認定校申請費は発生しませんけれども、確認訪問を受けるときにはまた同じように、宿泊費、国内旅費、あるいは翻訳、通訳が必要であれば付けるという形になります。

 認定校になったら、年会費が発生し、ここから認定校年会費が毎年発生してくるわけですね。評価訪問を受ける年には、加えて4,790シンガポールドルが掛かってくるという形になります。

 そして、その間ずっと教員はワークショップに出掛ける必要がございます。1人当たり、早割で大体890シンガポールドルになります。現在ここを文科省さんにサポートしていただいていますので、大変助かっておりますけれども、そのサポートがなくなった日にはまたこれが発生してくるという形になります。

 その準備をしている段階で、施設とか設備とかシステムを整備していく必要があります。とはいっても、必ずやらなきゃいけないことというのは意外と少ないです。一条校は、もともと施設も設備もいろんなものがありますので、そういったものがそのまま使えるんですけれども、例えば私の前任校でやらなくてはいけなかったのは、科学実験室にシャワーを付けることですね。あと、洗眼器ですか。目を洗う蛇口みたいなのが必要になるので、それをプールから1つもらってきて、科学実験室に付けました。シャワーも別に緊急のときに、生徒が薬品をかぶったときに洗い流すためのものですので、別にビショビショになってもいいのであれば、排水はちゃんとなくてもいいので、科学実験室の蛇口のところに家庭にあるようなシャワーヘッドを付けるだけでも、それは構わないわけです。

 ただ、それ以外に、あればいいなというものがたくさん出てきます。例えば探究学習するためには、やはりインターネットで検索もしなくてはいけないので、学校内でWi-Fiが必要だなということがありますし、それから、先ほどからチームワーク、協働学習をやりましたけれども、軽い机と椅子でいろんな形に動かせて、動かしている間に人とぶつからないように、あるいは床に座ってちょっとブレインストーミングしたりするような物理的な空間も必要になってくるかなというふうに思います。

 それから、成績処理ですけれども、いわゆる5段階の評価以外に、IBの7段階評価も出しますので、成績処理のシステムですとか通知表の出力システムですとか、そういったもののお金が掛かってまいります。

 それから、社会貢献活動をしますけれども、CASの場合にはそれをポートフォリオみたいな形で蓄積していく必要がございます。そういったものを蓄積しやすいシステムというものが必要になってきたりします。そんな形で、いろんな形でお金が掛かってくるということがございます。

 加えて、DPを担当する先生が必要になりますので、DPを担当してくれる先生がDPの授業を担当するのに取られてしまいますので、その補填をどうするかということです。新たな先生を採用することもあるでしょうし、非常勤の先生で賄うこともあると思いますけれども、どちらにしても教員、授業を担当する者、穴が空いた分を補填することが必要になってきます。

 こんな形でお金が掛かってきて、よりよい豊かな授業をするためにお金が掛かってしまうわけです。この候補校から認定校になるまで2年ぐらい大体掛かりますので、この長い期間、お金が掛かってくる。多くの学校は、生徒に受益者負担をさせるという方法をとることが可能かとは思うんですけれども、ただ、それも生徒が在籍してからでないと取れないと思いますので、その生徒が在籍する、あるいはDPの授業が始まる前の段階のこの初期投資のところでお金が非常に掛かってくるというのがございます。ですので、例えば個別の学校への財政支援というのを頂けるとすごくありがたいかなと。

 シカゴの例で言うと、シカゴはコーディネーターの給料の分と、それから、申請費の分は教育委員会が肩代わりをしていたようです。そんな形で、個別の学校に財政支援。特に生徒が在籍するまでの間の準備段階での一番苦しいところを御支援いただけると大変ありがたいかなというふうに思います。

 前任校はSSHとかSGHもやっておりましたけれども、そういった形で授業指定校制度みたいな形で立ち上げていただけると本当に助かるかなと思います。SGH、SSHをやっているおかげで、生徒たちの活動の幅は物すごく広がりましたので、そういった制度がDPあるいはMYP、PYPにもあるとすごくありがたいかなと思っております。

 それとあと、DP教員の確保になります。自分の学校で育てるという方法、あるいはどこか経験豊富な学校から先生をお呼びするという方法。あるいは、今はいろんな大学でIB教員養成もやっていますので、そういったところを卒業した先生たちを雇うというようなこともあるかと思いますけれども、やはり教員の加配、要するに、先生の数がもうちょっといるといいなというふうに思うことがよくありますので、そういったところのサポートをしていただけると一条校としては非常にやりやすくなるかなと思っております。

 先ほど申し忘れましたけれども、例えばSGHの学校は、2014年、初年度には申請した学校、246校ありました。2015年には190校が申請をしておりますので、こういった形で授業指定校制度にしていただいたら、200校に到達するのも夢ではないかなというふうに思っております。

 こういった形で様々な教育課程の整理をしていただいたりですとか、ワークショップを無料化していただいて、裾野が広がっている状況に今あると思います。いろんな学校さんがやりたいと思っていただいていること、すごく日本の教育にとってはいいことかなと私は思っておりますけれども、今後は本当にやりたいと思っている学校を丁寧にサポートしていくという制度が必要になってくるかなというふうに思っております。

 また、認定校だけが頑張るのではなくて、例えば大学の入試、大学側にもちょっと工夫をしていただいて、そして、たまたまですけれども、日本の一条校の認定校の多くは、実は大学を持っている学校が多いと思いますので、そういった大学でIB教員養成のコースを設置していただくことで、包括的にIBを推進していくような方策がとれるとありがたいかなと思っております。

 お願いばかりで大変恐縮ですけれども、現場の学校の苦労している点はこのあたりですので、是非御参考にしていただけると大変ありがたいと思います。

 以上です。

【長谷川座長】

星野先生、どうもありがとうございました。

 少し時間が押しておりますが、お1つぐらい御質問ございましたら。じゃ、お2人ですので、お2人の方、簡潔にお願いいたします。

【田村委員代理(藤中様)】

ありがとうございました。高知県の場合、まさにMYP、DPをこれからやっていくという過程の中で、中間取りまとめでも少し書いていただいているんですが、情報共有のプラットフォームというのは、私どもとしてはゼロベースからやっていく場合に非常に大事になってくるんですけれども、そういったところで共有をする部分と、それから、実際、IBOがサポートに入っていただいた以降はいいんでしょうけれども、そこまでの過程の部分で、IBOからこういった情報はまだだめだよとか、そういったような制約という部分があるのではないかなと感じております。そうすると、なかなかそのプラットフォームの中でのこれからやろうという先を見据えて考えるときに、出てくる情報が少ないのではないかという心配を少し思っているんですが、その辺における制約的なものはないんでしょうか。

【星野教授】

いろんなプラットフォームがありますけれども、実は候補校にならないとそういったものに参加できないという状況があります。そういったものの構築にも年会費を使わせていただいているという形になりますので、今のところは候補校にならないと、その校長会のサイトに入れなかったりですとか、あるいはコーディネーター、MYP、DP、PYPのコーディネーターの会があるんですけれども、そこにも参加していただかないといけなかったりとか、あるいはそういったものはプラットフォームには参加できないという形になりますし、候補校にならないと、オンラインカリキュラムセンターのものも見えないというような状況はございます。

 そこのところに関してはすぐに、グローバルで動いている機構ですので、すぐに日本だけに特別にオープンにするということはお約束できないんですけれども、ただ、文科省さんから支援していただいて翻訳しましたガイドに関しましては、本来はOCCでパスワード掛かっているものも全部、日本の学校の先生方には見ていただけるようにしておりますので、少しずつそういう御意見を吸い上げながら、できるところをやっていければと思います。

【田村委員代理(藤中様)】

是非お願いをできれば、本当にゼロベースから公立学校がやっていくといったときに、そういう情報を少しでも共有できながら、あと、候補校になれば、当然のことながらサポートで、しっかりしたサポートがあるというのを聞いておりますので、是非そういった意味では文科省であるとかそういった公的な部分で、そういった御支援があればなと思っております。お願いします。

【星野教授】

はい。ありがとうございます。

【長谷川座長】

じゃ、渋谷委員。

【渋谷委員】

大変示唆的なプレゼンテーションありがとうございました。2点、大きくあります。1点目は、キャリア関連プログラムのこと。これは本当に、なるほど、そうだなと思ったんですけれども、今、日本でも大学に進学しない層の生徒が、勉強はゼロ時間とか、高校と職業との関連が見い出せないとかいう、そういう状態がある中で、このキャリア関連プログラムが使えるんじゃないかというのは大変示唆的でした。それで2つ、その中での質問ですけど、1つはアメリカではどのぐらいCPというのが入っているのかということと、もう1つは、現段階で、日本語でこのCPをやることは可能なのかということです。

 もう1点は、ちょっと文科省さんに質問することになるかもしれないんですけれども、このように非常にお金が掛かるということが分かってきた。かつ、文科省は既にたくさんの予算を投入し、これからもしようとしているということも分かっています。というわけで、率直に伺いますと、この政府が一括してIBOに支払うということはできないのか。つまり、学校が負担するとか、生徒が負担するということになるから、このような問題が多々発生しているわけでして、例えばアメリカでこのぐらい多くの公立学校がIBを取り入れている場合、学校がメンバーシップを払い、生徒が入学試験代を払っているという状況でこれだけ普及できているのかどうかという、そのあたりを教えてください。

【星野教授】

CPに関しては、済みません。アメリカで何校か、今持っていないんですけど、多分、世界的にいって、まだ100校ちょっとだというふうに思っています。アジアパシフィック地域で6校で、シンガポールとか上海とかインドに認定校がございます。日本ではもちろんまだありません。日本語で対応可能かについても、これは整理するべきところかなと思いますけれども、少なくともこの2科目のDP科目の試験に関しては、恐らく同様に対応ができるというふうに思いますし、むしろ受験者が増えることで、より持続可能になるかなと思いますので、ここでの人数が増加することは、IBにとってはありがたいことかなというふうには思います。

 あと、コアに関しましても、日本語で対応していますので、あとはキャリア関連学習のところの科目数で、日本語あるいは英語、言語の問題が発生するのかということは整理する必要があるかなというふうには思っています。ちょっとお時間頂ければと思います。

 それから、2つ目の御質問に関しては、ちょっと私もシカゴのスライドだけを見ていてのお話をさせていただいているので、ただ、教育委員会の方で、先ほど言いましたように、一部、教員分の人件費だとか、あるいは認定に必要な申請費というのを負担しているというところまでは確認をしております。

 ただ、個別の学校に対する支援が非常に難しいのであれば、先生おっしゃるような形で、日本の一条校分ということでまとめて何か支援していただける方法があれば、それは本当にありがたいかなというふうに、今聞いて思いましたので、是非文科省さんにお願いしたいと思います。

【長谷川座長】

ありがとうございました。

 では、時間も押しておりますので、次に進めさせていただきます。議題2でございます。中間取りまとめについて、前回ございましたが、今回は(案)ということで、文科省の原田国際協力企画室長から御説明をお願いいたします。

【原田国際協力企画室長】

ありがとうございます。これまで3回の議論を踏まえまして、事務局の方で中間取りまとめ(案)という形で整理をさせていただいたものがお手元の資料2-1と資料2-2となります。

 資料2-2は横書きの絵的なものを御参照いただければと思います。1枚目ですが、基本的にこちらは前回お示ししたものと同じとなっております。さきのアドバイザリー委員会の報告、当時の考え方、それを踏まえた取組と、あとは真ん中で国際情勢、教育政策の動向、また、IBにおけるこれまで進めてきた成果と課題といったところを踏まえまして、今後の考え方、取組方針といったところを右側で、青い部分で整理をさせていただいているのですが、本日、主に御説明差し上げたいと思っておりますのは、前回の骨子案から肉付けさせていただいた部分としまして、左の下の方の主な今後の推進方策ということになります。1枚めくっていただくと、今後の推進方策の概要という形になっておりますが、こちらの方を主に御説明差し上げたいと思っております。こちらの方も参照していただきながら、資料2-1をご覧いただければと思います。

 まず目次をごらんいただければと思います。こちらの柱書きの内容は変わってはおりません。若干文言の字句の修正をさせていただいております。

 1ページ目で、ローマ数字の「はじめに」でございますけれども、こちらも内容は大きな変更はございません。下から3つ目の丸で、教育政策の動向を踏まえて、文言を若干適正化させていただいております。

 2ページ目でございますが、大きなローマ数字の2として、国際バカロレア推進の在り方ということでございますけれども、こちらも基本的な内容は変わっておりませんが、字句の修正、文言の適正化を図らせていただいております。事務局内で整理をさせていただきまして、当初、「求められる人材」といった書き方をさせていただいていましたが、国の方から、何らかの形の具体的な人材像を押し付けるような形にならない形で、「将来像」といった形で記述として若干修正させていただいているところでございます。

 3ページ目で、ローマ数字2の2ポツの国際バカロレア推進の成果及び課題でございますが、(1)のこれまでの取組に関しましては、大きな変更はございません。

 4ページの(2)で、我が国における国際バカロレアの普及状況と成果でございますが、こちらは若干事実関係を修正させていただいております。前回、1つ目の丸でございますけれども、候補校等を含め、実績105校と書かせていただいていたのを、現状の最新の情報を踏まえまして、103校と修正させていただいているほか、事実関係の固有名詞等を補足させていただいております。

 5ページでございますけれども、こちらも基本的には変わっていないんですが、小さなローマ数字の4で、国際バカロレア導入の成果といったところがございますけれども、こちらも前回と若干文言の修正は図りましたが、中身がまだ少ないかなと感じておりまして、ここは引き続き、頂いた事例を加筆させていただくとか、本日の星出さんのお話なども含めて、もう少し膨らまさせていただきたいと考えているところでございます。

 6ページをごらんください。(3)の課題でございますが、こちらも前回と同じとなっております。項目も少々、一部整理をしているところでございます。

 こちらの課題につきましては、12ページ以降の大きなローマ数字3で、方向性として具体的取組として、また後ほど説明させていただきたいと思います。

 8ページでございます。取組、課題の次に、3ポツで、国際バカロレアの意義の確認という項目を立てさせていただいておりますが、取組、課題として、意義が次に来るというのは、座りがちょっとよろしくないのではないかといった御意見も頂いていたところなんですが、さっきの2ポツの(3)の課題において、意義の再確認といったことを取り上げておりますので、それを受けて、引き続きこういった形で記載させていただいているところでございます。

 8ページの(1)でございますけれども、我が国の教育政策全体についての記載をさせていただいておりますが、教育政策の観点で、字句を若干修正させていただいています。

 9ページでございます。(2)の日本語DPの意義。この内容も基本的には変わっておりませんので、重複となってしまうんですけれども、特に日本語DPの意義といったことは、今回改めて確認をしておきたいと思っておりますので、引き続き御確認いただきたいと思います。特に一条校において、日本語DPを通じたIB校を増加させるとともに、初等中等教育における特色ある学校を増やしていくことが有効であるといった考えの下で進めさせていただいておりますし、上から3つ目の丸でございますが、この項も若干文言は修正させていただいて、前回と引き続き同様ですが、IBイコール海外大学への入学チケットといったことではなく、つまり、その教育の中身が今後の我が国にとっても参考事例となるのではないかということを記載させていただいております。

 10ページ目をご覧いただければと思います。4ポツで、国際バカロレア推進の基本的な考え方となっておりますが、こちらも前回の骨子案と基本的には変わっておりません。(1)で、今後の初等中等教育の好事例の形成ということで、IBによる教育、IB校が、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた一つのよい事例になるのではないかということで、そういったIB校における教育効果が共有され、交流できる体制を進めていくべきじゃないかといったところを引き続き記載させていただいております。

 (2)の国際バカロレアとの相互発展を通じた日本型教育の展開につきましても、日本語DPの推進を通じて、我が国の教育の持つ特色や教育効果を継承しつつ、その日本のよい点と、IBのよい点、それぞれを兼ね備えて、学校の事例といったものをIBの国際ネットワークを通じて発信するといったことで、IBと日本の教育それぞれが相互発展に資することを目指すといった形で、引き続き記載させていただいております。

 (3)でございますけれども、変化する社会に対応したグローバル人材の育成に関しましても、内容は前回と同様でございまして、グローバルリーダーや、地域の課題に対応するグローカルリーダー、実社会で求められる、つまり、産業界であるとか様々な現場において、解決が必要とされるようなといったところの問題を設定して、それにみずから取り組むような人材の育成が求められていると記載しています。また更にIBを中核的なフレームワークとしつつ、スーパーグローバルハイスクールなどの他の関連施策とも連携させて、より深化した人材育成を目指すといった形で書かせていただいております。

 (4)も前回と同様ですが、(1)から(3)の連なるものの共通基盤的なものとしまして、IBに関する情報理解度を深めて広めることや、あるいは関連する情報を適切に適用していくといったことを記載させていただいております。

 12ページ目をごらんいただければと思います。こちらが前回の骨子から主に肉付けして、今回主に加筆させていただいたところとなります。大きなローマ数字の3ということで、今後の国際バカロレアの推進方策についてといったことで、こちらが先ほどの資料2-2の横書きの2枚目のスライドと対応するものでございます。

 1ポツで、国際バカロレア導入校に対する支援等といったことに関連しまして、(1)で、我が国における課題や事例等の情報共有体制の構築ということで、IBの推進に向けた関係者の包括的体制、コンソーシアムの形成といった形で書かせていただいております。

 近年のPYP、MYP、DPの各プログラムに関連しまして、一条校においてもIBの導入が進んでおりますので、地方公共団体における具体的な検討も進んでいるところでございます。前回もお話しいただいておりますけれども、IBAJであるとか日本語DPの連絡協議会を中心とした関係者による情報共有が行われているところではありますが、今後は更にそれらを発展しつつ、全国的な連携と地域における中核拠点の役割といったところにも留意しながら、包括的、実効的な連携体制、つまり、そのコンソーシアムのようなものを形成することが重要ではないかというふうに書かせていただいております。

 この際には、よい事例を波及させることで、国内の初等中等教育の発展に資するように、IB校以外の学校を含めて実践事例などに関してシナジーが進むような形で、情報共有などが、あるいは交流が進むような形の体制を可能としてはどうかといった形で書かせていただいております。

 小さなローマ数字の2でございますが、情報共有に向けたICTプラットフォームの構築といったことで、IBの導入に係る課題や、それを持続的に運営していくために必要となる各種情報について、効率的に国内で情報共有を行うためのプラットフォームの構築が必要であるといったことの指摘をこれまで頂いていたところでございます。

 共有の事例に関しましては、記載のとおりでございます。最後の丸で、ICTプラットフォームの構築においては、IB校以外の学校を含めた情報共有も可能とすること、また、世界におけるIBネットワークとも相互連携可能とするようなものとする必要があるのではないかといったことを記載させていただいております。

 13ページ目です。(2)国際バカロレア教育の効果に関する研究でございます。国内におけるIB導入の効果の検証に向けまして、一条校を中心とした調査研究を実施することが今後もIBを適切に推進していく上での前提になるのではないかといった形で記載させていただいております。

 調査の留意点としましては、これからの学習指導要領等で言われておりますような、主体的・対話的で深い学びの実現など、言語面以外のIB教育の効果が明らかになるような日本語DPに着目した研究も行う。また、児童生徒に対する教育効果に加えまして、IB導入を通じた教員の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善、授業運営の方法にも着目すると。さらに、これもできればということですが、IB生の大学進学後や、あるいは社会に出た後のキャリアについて、全体のフォローアップなどができるような研究があれば、それが望ましいのではないかと記載させていただいております。

 また、それぞれの研究結果に基づきまして、IB推進のPDCAサイクルを実現し、よい事例に関しましては、IB校のみならず、それ以外に関しても情報を広げていくことで、国内の初等中等教育全体の発展や、また、大学や企業、社会全体のIBに対する理解増進に貢献するのではないかと記載させていただいております。

 (3)でございますけれども、柔軟な国際バカロレアカリキュラムの履修の支援ということで、IBと学習指導要領の双方を無理なく履修できる特例措置の導入等をこれまで進めてきているところです。各学校がより主体的にIBの導入に取り組めるよう、これまで文部科学省においては、「国際バカロレアの認定の手引き」などを作成しておりますけれども、これらを通じたような継続した情報発信や支援が重要であろうかというふうに、こちらにつきましては星野先生からも御指摘頂いたかと認識しております。

 また、2つ目の丸でございますが、特に日本語DPに関しましては、国内においてこれまで英語で2科目以上の履修をするといった取扱いとさせていただいているところでございますが、こうした点については、今後柔軟な編成といったものを可能にすることが重要ではないかと記載させていただいております。

 (4)でございますけれども、国際バカロレアの導入及び実施に係る負担への適切な支援ということで、1つ目の丸で、学校が負担するものとしての費用であるとか、認定後に必要な費用、また試験料として生徒が負担する費用に関して記載させていただいております。これらに関しては見込みでございますので、IBOによる公表情報であるとか、あるいは為替レートにも依存するものではございますが、先ほど星野先生からも頂いたように、各種負担があるのが実態でございます。

 14ページ目の方でございますけれども、1つ目の丸としまして、こういった各種負担があるといったことの前提に立つんですが、これらの費用に関しましては、IB自体の教育効果や、IBの履修者以外への前向きな影響なども勘案しつつ、学校経営を通じて持続可能な形態で負担されることが必要なのではないかと記載させていただいております。

 その考え方としても、地方公共団体が所管する公立学校などにおいて、IBを推進する場合においては、公的支援の在り方について、地域の理解醸成、また、IBの受講生以外を含む地域全体にこういった取組が裨益するといったところをしっかり御理解いただくということが、各種自治体等において進めていく上で重要なのではないかといった形で記載させていただいております。

 (5)でございますが、地方を含む国際バカロレアに関するワークショップ等の充実としまして、IB認定校となるために受講が必要なワークショップにつきまして、開催地域にも配慮しつつ、国内で日本語による開催が継続されることが重要であると記載させていただいております。

 2ポツでございますが、国内大学における国際バカロレアの活用ということで、(1)でございますが、大学教育における国際バカロレアの活用ということで、知の理論、TOKをはじめとして、IBカリキュラムには、大学における探究的な学びの実現にも貢献するものが現にございまして、田原委員からも前回、これまでも御説明いただいておりますけれども、岡山大学においても教養教育科目への導入が開始されるなどといった取組も既に行われているところでございますが、そういった先進的な取組を通じまして、大学におけるIB活用方策が探究されていくとともに、それらが具体的に効果があるといったことが確認されていけば、DPの資格が大学における単位としての認定されるといった仕組みの構築につながるのではないかと期待されるといった形で記載をさせていただいております。

 (2)でございますけれども、大学入学者選抜における活用としまして、大学入学者選抜における国際バカロレアの活用促進といったことで、1つ目の丸でございますけれども、入学志願者の能力・適正や学習の成果、それらもろもろの活動を多角的かつ客観的に評価する視点から、文科省におきましては、「大学入学者選抜実施要項」等を作成しておりますけれども、こういったものを通じまして、引き続き大学入学者選抜におけるIBの活用を促進していくことが有効であろうかと考えております。

 小さなローマ数字の2つ目でございますけれども、国際バカロレアを活用した入試導入に向けた客観的情報の提供としまして、IBを活用した入試の拡大に向け、大学への普及啓発活動を継続していくこととしています。これらは重要でございますけれども、大学において適切にIBを活用した入試の導入が検討できるように、DPスコア等に関する客観的な情報の適切、つまり、例えば海外の大学入試におけるDPスコアがどのように取り扱われているかといった、そういった客観的な情報を提供することが重要ではないかと記載させていただいております。

 15ページ目でございますけれども、2つ目の丸では、国内におけるIB教育の効果について調査を引き続き行うとともに、その客観性が担保されるよう留意した形で結果が公表されることが必要であろうかと記載させていただいております。

 15ページ目の小さなローマ数字の3で、科目単位での国際バカロレア履修生の評価としまして、TOKをはじめとして、科目単位でのIB履修生といったことが増加することが今後見込まれます。大学入学者選抜におきましても、AO入試などにおいて、こういったことが評価されることが望ましいといった御指摘を頂いていることにも留意する必要があろうかというふうに考えております。

 小さなローマ数字の4でございますが、学習態度の評価への活用可能性としまして、IBでは主体的な学習態度といった定性的な事項に関しても、IB機構による第三者の確認を含めた体系的な評価方法が導入されているところでございます。

 現在、国においても進めております高大接続改革においても重視されている学力の3要素のうち、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」に関しましては、高校時代の調査書等の活用が想定されていますので、そういった観点を客観的に評価していくためのIBの評価結果がよい事例になるのではないかといった形で、その期待を書かせていただいております。

 3ポツでございますが、国際バカロレア教員の確保に向けた取組でございます。(1)で、国内における国際バカロレア教員養成体制の充実としまして、小さなローマ数字の1でございますが、大学等におけるIB教員の養成として、国内で持続的にIB教育が実践されるためには、既に玉川大学や岡山理科大学であるとか都留文科大学とか、あるいは筑波大学でも進められておりますけれども、IB教員養成課程の大学を中心としまして、教員養成が継続されることが重要であろうかと考えております。

 この際には、日本語DPをはじめとした日本に適したIB教育の実践方法の発展に資するように、教育現場や世界のIB関係者と連携しながら、教授方法の経験が蓄積されることが必要であるとしています。さらに、教育政策の動向を踏まえますと、一般の教員養成課程においても、IBと親和性を有する教授方法の理解やその実践といったものが今後進められていくのではないかと考えられます。

 一般の教員養成課程におきましても、IBに対する理解醸成を進めていくことで、これからの教育政策の進むべき方向にあります主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善、指導方法における参考になろうかと考えられますし、それが広がりを持てば、公立学校におきましては、教員の人事異動が前提とされているわけではございますけれども、安定的なIB教員の確保につながるそういった環境になるのではないかと期待されると記載させていただいております。

 16ページ目でございますけれども、小さなローマ数字の2で、現職教員に対する国際バカロレアの理解醸成としまして、IB校以外の現職教員に対しても、コンソーシアム、ICTプラットフォームを通じて、研修等に関する情報を発信し、引き続き理解醸成を図ることが有効ではないかと書かせていただいております。

 (2)でございますが、外国人教員の適切な処遇と確保ということで、外国人教員の確保に向けては、平成26年の通知によりまして、特別免許状に関する指針を示しております。教科に関する専門分野に関する勤務経験の基準としてIB教育での経験が既に認められているところでございます。

 外国人のIB教員の確保に向けましては、国内において雇用者とのマッチングが円滑に行われるような情報共有体制の整備が求められますし、また、海外のIB教員に対しても日本での活躍できるような機会を積極的に発信することが必要ではないかと記載させていただいております。

 また、外国人教員に関しては、短期での雇用期間、就業期間を希望される場合など、様々な事情が想定されることから、地方公共団体におけるIB教育の理解を増進することなどを通じまして、十分な配慮がなされる環境の整備が行われることが必要ではないかと記載させていただいております。

 4ポツでございますが、グローバル人材育成施策等との連携としまして、(1)でスーパーグローバルハイスクールとの連携ということで、1つ目の丸でございますけれども、SGHに指定された高校におきましては、例えばIBのグローバル人材に共通して求められる資質・能力の育成のための中核的なフレームワークとして捉えつつ、課題研究や国内外フィールドワークを効果的に展開されるよう、それを支援していくことで、より高度で多様なグローバル人材の育成が期待されるのではないかと記載させていただいております。

 また、全国のSGH指定校・アソシエイトコミュニティや、インターナショナルスクールを含むIBのネットワークが有機的に連携していくことによりまして、多様で発展的な教育事例が共有され、SGHのコミュニティや、IBのコミュニティにおいても発展が期待されるのではないかと記載させていただいております。

 17ページでございます。(2)のスーパーグローバル大学でございますけれども、スーパーグローバル大学に指定された各大学におきましては、IBを活用した入試が積極的に導入されているところでございます。今後そういった大学へ多くのIB生が出願することが期待されるというような形で記載させていただいております。

 (3)でございます。スーパーサイエンスハイスクールとの連携でございます。前回の会議で御指摘を頂いたところでございますが、IBは探究的な学習にも重点を置かれておりますので、SSH、スーパーサイエンスハイスクールとIB教育が連携していくことで、将来の国際的な科学技術系人材の育成にも貢献することが期待されるのではないかとさせていただいております。

 5ポツ、最後でございますけれども、国際バカロレアに関する適切な情報及び発信ということで、ここまでは、4ポツまでは、基本的には大学であるとか教育機関、学校などに対する理解醸成といったところを中心とさせて、記載させていただいたのですが、この5ポツの方では社会全般に対する理解の向上を図ることの重要性といったことで、(1)でございますが、国際バカロレアに関する普及啓発活動の継続としまして、IB修了者は、現時点ではまだ日本では少数派でございますので、卒業生の実績を具体的に現在示すことは難しい状況ではございますけれども、IBの認知度を引き上げていくためには、産学官一体となって普及活動をしていくことが重要であろうといった形で、そのために学習指導要領が育成を目指す資質・能力との親和性や、日本のグローバル人材育成におけるIBの有効性などにつきまして、行政のみならず、本会議の委員を含めた様々なステークホルダー全員によって、認知度向上に向けて、経験や事例などを交えて発信していくことが重要なのではないかというように記載させていただいております。

 (2)でございますけれども、企業による国際バカロレアに関する理解醸成と評価をしていただくということで、今後、IB生を増加させていくためには、大学における受入れ体制の強化のみならず、そのIB生が大学等を卒業した後の就業段階におけるキャリアパスといったものを見据えていくことが重要でございますので、企業をはじめとする実社会、産業界などにおきましても、IBが認知・評価されるということが必要であると考えられます。そのためには、国内のIBネットワークを通じ、IBに関する教育効果を含む正確な情報を継続的に発信していくとともに、企業等の採用担当者にも十分周知されるように、普及啓発を行っていく必要があろうかと記載させていただいておるところでございます。

 本文の内容としましては、この17ページで中間取りまとめ(案)という形でさせていただいております。

 字句は若干また修正が必要なところもございますので、そこは引き続き細かな適正化を図らせていただきたいと思っておりますが、参考事例やデータは若干必要とも考えておりますので、引き続き、最終的な公表に向けましては、委員の皆様の御協力を得ながら、収集、整理していきたいと考えております。その上で公表に向けて作業も進めさせて、本日の御議論なども参考としながら適切にまとめて進めさせていただきたいと考えておるところでございます。

 以上でございます。

【長谷川座長】

ありがとうございました。それでは、残された時間、必ずしも長くないんですけれども、この中間取りまとめ(案)につきまして、委員の皆様から御意見、御質問等ございましたら、挙手にて御発言をお願いいたします。はい、どうぞ。

【田原委員】

3点ほどございます。1つは、意見を事前に申し上げなくて申し訳なかったんですけれども、今回のタイトル自体、タイトルがグローバル人材ということで、それを意識した国際バカロレア、グローバル人材ということだと思います。それで、8ページの一番下のところですけれども、これは第二期教育振興基本計画で、このグローバル人材の定義を書いているわけですけれども、実はもう申し上げるまでもなく、国際バカロレア教育というのは、アイデンティティをきちっとすると。きちっとグローバル教育をして、自分の文化、それから、社会的な背景というのをまず理解した上で、国際理解をするという教育を徹底してやっていると思います。そういう点がここで書かれていますので、国際バカロレアというのはこういうことやっていますというのは分かるんですけれども、もう少しどこかではっきり、国際バカロレアの性質というのは、この一番下に書いていただいているようなことをやっておりますということをどこかで書いていただいた方がいいのかなという、そういう、これは表現の問題だけです。

 続けてよろしいですか。

【長谷川座長】

どうぞ。

【田原委員】

もう1点は大学での単位認定の話です。主には14ページに出てくるんですけれども、これは、私がお話しさせていただいたときに整理させていただきましたが、大学の国際バカロレアの単位認定できないのは、大学としてできないのではなくて、文部科学省の告示ですよね。省令の中で、大学が単位認定できるもののリストがあって、それがあるがために、大学は動きようがないという、それが現実です。そうしますと、恐らく文部科学省令の中で、高校のそういう活動で大学の単位認定するということを書いていくためには、やっぱり何らかの蓄積といいますかね。経験というか、データといいますか、証拠といいますか、それが必要になってくると思います。そのことは重々承知しているわけなんですけれども、その辺のところを音頭を取って、積極的にやっていっていただきたいと思っております。

 岡山大学のバカロレアのDPの学生さんの数は、今年、20人になりました。ですので、これおから少しずつ調べていけば、彼らがIBで受講していた科目がどういうものだったか、それが大学の教養教育科目とどういう関係にあるものなのかという認定は少しずつはできてくるとは思います。もう1つは、日本の高校のカリキュラムと国際バカロレアのカリキュラムの比較というのは、先ほど星野先生も説明されておりましたけれども、そういう日本の高校のカリキュラム、それから、バカロレアのカリキュラムの比較ということで、かなり示せるのではないかなと思うんです。私は教育の専門家ではないので、教科教育について、バカロレアと日本の高校で比較することはできませんが、どういう時間、何をやって、どういう内容を勉強しているかということを比べることで、バカロレアの教育が大学の単位として認定できるかを検証できるのではないかなと思います。それはもうすぐにでもできる話ですので、できれば考えていただきたいというのが2点目です。

 もう1つ。よろしいですか。

【長谷川座長】

どうぞ。お続けください。

【田原委員】

はい。3点目はやっぱり14ページの下の方なんですけれども、これからバカロレアの高校はどんどん増えていきまして、バカロレアディプロマを取っている方が増えていきます。そのときはやっぱり国内の大学にも進学される方が増えてくると思うんですけれども、どういうふうに受け入れるかというところがすごく大事な課題になってきていると思います。岡山大学は考え方を整理して、積極的に受け入れるという方針を出しているんですけれども、そこのところも、今、ここでは大学入学者選抜実施要項にそれも書くというふうになっていますけれど、これ自体はそれほど強い、もちろん推薦していただくわけですから、大学の方はそれに反応するということはあるんですけれども、どんどん積極的に導入するという契機にはなかなかなりにくいのではないかなと危惧します。

 かつて、スーパーグローバルユニバーシティですね。SGUの中で、国際バカロレアを受け入れるということがはっきりこの要件の中に書いてありまして、それのおかげで、相当、国立大学といいますか、SGUを認証された大学で国際バカロレアの受け入れを進めるということになってきたと思います。その辺のところ、私の方から何か全体的な政策とかそういう申し上げられるものはないんですけれども、やはり何か働き掛けるというところの工夫がお願いできればなということをちょっと思っております。

 以上です。

【長谷川座長】

ただいまの田原委員からの御質問、御指摘、3点で、1点目に関しましては、グローバル人材ということを考えるときに、自分自身の文化の理解についても強調する必要がある。これはそのとおりでございますので、その方向で取りまとめさせていただきたいと思います。

 それから、2番目の大学での単位認定の問題、これは省令の問題なのでございますけれども、この点に関しては、まだ国内での実績が十分じゃないという部分があろうかと思います。ただし、岡山大ではもう着実にIB生、卒業生を受け入れているので、岡山大の事例などを検討していただいて、将来的には単位認定、米国などでもなされているようですので、その方向で考えるのがよろしいかと思っております。本来であれば、文科省の方からお答えいただくところ、私の方で答えておりますけれども。

 それから、国内大学の受け入れをもうちょっと積極的に、ただ募集要件をここに書き込むだけではなく、より積極的なことを本省の方からプッシュできないかということだと思うんですけど、この辺に関しては、室長、いかがですか。

【原田国際協力企画室長】

ありがとうございます。そうですね。基本的に、先生もよく御存じのとおり、大学入試に関しては現在各大学におけるアドミッションポリシーで定めることとなっておりますので、基本的には大学個別の御判断ということが前提となろうかとは思います。

 今回記載させていただいておりますけれども、14ページの下から2つ目の丸で、大学入学者選抜実施要項という形で、ちょっと緩やかな形で、とりあえずお示しをさせていただくことで、こういったやり方があるといったことをまずよく、広く大学に知っていただくといったことを引き続き地道にさせていただくとともに、御指摘頂いたようなSGUといったような大学の国際化に取り組む仕組み等がございますので、そういったところは関係部署とも相談をさせていただきながら、何ができるかといったところを検討させていただきたいと思います。

【長谷川座長】

ほか、御意見いかがでしょうか。どうぞ。

【田原委員】

済みません。さっきの単位認定の話で、日本の高校のカリキュラムとIBのカリキュラムの比較から何らかの検証ができませんかという点はいかがでしょうか。

【長谷川座長】

どうぞ。

【原田国際協力企画室長】

ありがとうございます。こちらの方も長谷川座長から御指摘、補足を頂いたところでございますけれども、基本的には、まず実績を蓄積した上でということになろうかと思います。あと、IBと現在の学習指導要領の内容の対比というところは、これも情報発信、プラットフォームといった話をさせていただいておりますが、各種学校における取組をプラットフォームにおいて共有することで、現在の学習指導要領や、あとは現在IB校等の現に行っている内容といったところの細かい内容の対比といったところが参照できるようになれば、それが知見の蓄積となりまして、ゆくゆくは発展的な内容へもつながりうるのかなというふうに考えております。

 また、具体的な単位認定に関しましても、学校種が違うとかそういったところもありますので、高校段階、DPの段階は主に高校の2年、3年目の段階でございますので、学校種が違うといったところで、現在大学で通常行われているような単位認定とは若干異なるところもございます。他方で、いろんな枠組みといったものは参照できるものは参照しながら、こちらもいろいろ考えさせていただければと思います。

【長谷川座長】

ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。今泉委員。

【今泉委員】

お疲れさまです。この中間取りまとめにつきましては、ここまでのヒアリングなど様々な議論を踏まえて、非常に短時間の間に取りまとめに御尽力いただいて、まず事務局に敬意を表したいと思います。

 それで、コメントとしましては、5ページ目の、4番、国際バカロレア導入の成果ということで、3行書いてあるわけですけれども、そもそも導入された学校の先生方からの数々のヒアリングとか、今日の事例なども踏まえますと、導入成果というのはいろんな議論があったと思いますので、ここは3行で軽く書くというよりももっとしっかりと書き込んではどうかと考えております。

 それから、もう1点、参考資料に関するところですけれども、前回の報告書、IBの日本アドバイザリー委員会提言のときには膨大な参考資料集が付いていたと思うんですね。そこで、国際バカロレアに関する基本的な情報というのを添付していただくと、IBに関して、それほど十分な知識がない人も理解を深めることができて、効果的な普及広報活動につながるのではないかと思いますので、御検討いただければと思います。

【長谷川座長】

この点、室長、いかがでしょうか。

【原田国際協力企画室長】

ありがとうございます。5ページの下の効果については、いろいろこれまで頂いた御意見をまた再度、事例的に加筆させていただければと思っておりますし、委員の先生方からもまた個別にお話など頂ければなと考えさせていただいております。

 参考資料集の方でございますけれども、こちらも先ほどの説明で若干補足させていただいたところでございますが、最終的な公表版につきましては必要な情報、事例といったものを、各種データ、文部科学省がこれまで出させていただいている通知や、あるいは制度改正したものの内容を改めて、ご指摘いただいたアドバイザリー委員会の報告書の後になされたそういったものに関して参照的に追加をさせていただければと考えております。

【長谷川座長】

ありがとうございます。

 ほか、いかがでございましょうか。矢野委員。

【矢野委員】

先ほどの田原委員の2点目のことに関しますけれども、と同時に、きょう、お話いただいた玉川大学の星野先生のお話の中にも出てきていたことですけれども、やはり学習指導要領との整合性、IB、ディプロマプログラムですね。学習指導要領との整合性をどう付けるかということで大変、IBのDPを導入しようと考えてらっしゃる学校が悩んでおられるということは非常にはっきり出てきていたかと思うんですね。

 そうしますと、そこをもうちょっと課題として明確に書いて、3ページから2ポツの国際バカロレア推進の成果及び課題とあって、5ページに(3)の課題という形でまとめられているのですが、その中に入るかと思うんですけれども、そのDPを導入したいと考えながら、そういう学習指導要領との整合性に悩むということが一つのバリアになっているのであれば、やはりそこはどう考えていくのかということをもっと明示的に課題として書き込む必要があるだろうと思います。

 ここのところ、例えばその辺が遠慮のない言い方で申し訳ないですけれども、6ページのローマ数字3の国際バカロレア導入主体に関するものということの中にも、そういう、この学習指導要領との整合性をどう付けるかというようなことに関わる記述がないんですよね。特例措置を周知するとか、これは学校設定科目という形で対応したらどうかとか、あるいは特例措置を講じるというようなことですけれども、もうちょっとやはり課題をこう、そういう学習指導要領の在り方と、それから、DPのプログラムの内容とが何か全体としては、内容も方法も整合性、親和性が高いということは何か感じ取れる内容、報告書にはなっているんですが、親和性が高いという、ざくっとした言い方でだけ、我々が考えていく時期はもう終わっているだろうと思います。もうちょっと、現に今ある出されている指導要領との整合性をどう付けることができるのか。あるいはどこがいまだ、なお違うのかという、その違いももっとはっきりと書いた方が今後のためにはいろいろ学校として取り組もうとしているところにおいても示唆は大きいのではないかなと思います。

 以上です。

【長谷川座長】

ありがとうございました。この点、事務方よろしいですか。

【原田国際協力企画室長】

ありがとうございます。本日、星野先生からもるる御指摘を頂いておりますので、もう少し課題の切り口といったものをどのように表現できるかというのは、また関係部局とも相談をさせていただきたいとは思っております。他方で、学習指導要領の読み替えに関しましては、平成27年の12月に一度、告示などで公示させていただいているところでございますので、他方で、我々といいますか、文部科学省の担当部局の方で、本件IBに関しての特段の問題点といったものは、実のところ、まだ、具体は余りそういった声をお聞きしていないところでございます。

 したがいまして、省令の改正であるとか、あるいは告示であるとかそういったところを経て、まだ1年半程度でございます。ただ、頂いている御意見もございますので、まずは具体的に、どういったところに問題があるか、課題があるかといったところの把握、事実関係などを知る必要があるのかななどと思いつつ、頂いた御意見をもう少し、どのような形で課題として認識するかというのを考えさせていただければと思います。

【長谷川座長】

ありがとうございます。

 渋谷委員。

【渋谷委員】

本当に短期間に、これだけ丁寧に作り上げていただいたことにまずもって、事務局に方に感謝申し上げたいと思います。

 その上で2点なんですが、まず1点は、6ページ目なんですが、6ページの3の2の丸の1つ目ですが、「IB」と「IBを模した教育」についてというところで、これは本文をちゃんと全部細かく見ると、きちんと書いてあって、多分スーパーグローバルハイスクールのことを指すと思うんですけど、日本の持っている教育の強みを生かしながら、それとIBとの融合を図ろうということを本文ではきちんと書いているんですけど、ここだけ見ると何かIBと、IBをちょっとまねている教育みたいになってしまうのは誤解を生むと思うので、この鍵括弧の表現を少し何か、IBに示唆を受けながらとか、IBに類似して、何かここの表現が重要かなと思います。

 それから、もう1つは、結局これがどのくらいのインパクトを持っていくかということが非常に重要だと思うんですね。こういった提言が。そのためには、この資料2-2の概要というのがやっぱり大事で、全ての方がこの本文全部を読んでくださるかというと、なかなかそうでもないので、このポンチ絵にどのように書かれているかというのも、インパクトを持つ上では重要かと思うんです。

 それで、2枚目の1番の(4)IBの導入及び実施に係る負担への適切な支援というところ、これも本文を読むと、いろいろ書いてあるんですけれども、これだけだと、この公的支援の在り方に関する地域の理解醸成を求めているみたいになってしまって。でも、今、高知県からも御意見ありましたけれども、もうこれ以上、地域に理解してくれと言っても、それでお金が出せるとかいうことでもないように思うんです。

 それで、先ほど、実は星野先生が御発表なさったときにも私、少し尋ねたかったんですけど、多分IBOに直接、文科の方から支出できない何かそういう理由、受益者負担だとか何かいろんなのがあると思うんですけれども、それを明確にしていただいた上で、例えば、地域にこれ以上理解を求めていくというよりも他国の在り方を調査していくというふうに、先ほど南アメリカの国で、公立学校で大変たくさん入っているという国があるわけですよね。200校を超えて入っているような学校、地域、国。そこはどうなっているかということを調べていく方が、この公的負担に対して、公的支援の在り方を探る上で有効なのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

【長谷川座長】

室長、お願いいたします。

【原田国際協力企画室長】

ありがとうございます。1点目でございますが、御指摘を受けまして、「模した」というのがちょっと表現が悪いようでしたら修正させていただきたいと思います。

 2点目のこちらの公的支援の在り方のところで、IBOに文科省から直接支出できないのかといったお話を頂きましたけれども、こちらの方は渋谷委員からも言及を頂きましたとおり、基本的にはIBの仕組みを導入していくに当たっては、基本的には受益者負担といったところがやっぱり原則になろうかなというところで、そのためには負担に伴うそれなりの対価があるといったところをしっかり御理解いただくというところがまずあるかと考えておりますので、このような書き方をさせていただいているところでございます。

 また、他国の事例に関しましては、御指摘を踏まえまして、いろいろ考えさせていただきたいと思います。他方で、例えば南米のエクアドルなどといった国の場合は、そういった国の経済事情と、我が国の経済事情というのはまた異なっておるといったところもございますので、どういった国が参照になるかといったところも含めまして、また検討させていただきたいと思います。

【長谷川座長】

はい、どうぞ。

【島田委員】

お願いいたします。取りまとめの全体的な方向性について賛同するところであります。多くの先生方からも御発言ありまして、また、室長からも御説明いただいたところでありますけれども、IBのプログラムと、それから、指導要領とのすり合わせといいますか、対比に関するところですけれども、最終的には評価のところまで含めて、お考えいただくのがよろしいのではないかというふうに思います。

 例えば14ページの最後の行に、DPスコア等に関する客観的な情報の提供とありますけれども、これの具体的な中身が、この点数だと、どこそこ大学に合格したということでは少し寂しいような気がします。DPのスコアで、こういうようなスコアであると、こういうような資質・能力が身に付いていて、それがどの程度なのかというような形での示し方というのがあると、なおいいかなというふうに思いました。

 それから、全体としまして、いろいろなことが非常に多岐にわたっております。今回こうして資料2-2の概要図を見ますと、今後の考え方としては、IBの理念及び教育カリキュラムと、それから、この教育政策の改革の方向性との親和が高いということがトップに出てきておりますので、まずそのことが前面に出せるような重み付けのようなものが全体にあるといいのではないかというふうに考えます。

 そのためには実際の、今、現に行われている取組の中での好事例のようなものが取りまとめの報告書の中でも具体的に見えるような形で示されているといいのかなというふうに思います。それに比べると、大学入試のことがここに出てくるのはまだ先のことになるというところもありますので、そのあたりで少し重み付けができるといいのではないかと思いました。

 以上です。

【長谷川座長】

ありがとうございます。

 ほかにいかがでございましょうか。議論は尽きないところでございますけれども、会議の時間も押し迫ってございます。本日頂いた意見については、事務局において整理させていただくこととして、中間取りまとめの取り扱いについては、座長の方に一任いただくということでよろしゅうございましょうか。もちろん後日メール等で御意見を頂ければ、それについても反映していきたいと思います。

 では、異議なしということでありがとうございます。

 これで本日の議題は終了となります。最後に、里見国際課長から御挨拶を頂ければと存じます。よろしくお願いいたします。

【里見国際課長】

それでは、まずは中間まとめを頂くということでございますので、一言御挨拶を申し上げます。委員の皆様方には、3月からということでございますので、それほど長くもございませんし、私も4月から就任しておりますので、4回の会議のうち2回させていただいたような状況になってございますけれども、そのような中で、このように全貌が示されるということは大変画期的ではないかと思っておりまして、先生方の御協力に厚く御礼を申し上げたいと思っております。

 私ども文部科学省でございますけれども、これから様々な提言でありますとか、日本再興戦略などの方向性というものも出てくる夏の時期を迎えるわけでございます。こういった中で、先生方から頂きました御提言をどのようにしっかりと生かしながら、施策にどうつなげられるか、ここが非常に大きなポイントではないかと思っております。

 特に新しい学習指導要領が始まってまいります。この中で、IBで取り組まれている内容というのが非常によい参考例として使っていただけると思いますし、また、卒業生の皆さんが大学に進学していく中で、IB生であるということで誇りを持って活動していただく。そして、きょうの星出飛行士のように、非常に世界的に活躍される方が生まれていくと、こういったようなことをどんどん私たちは発信していくということが大事だと思っておりまして、こういった中で社会的な御理解を得るということ、そして、地域の中でも御理解をしていって、そして、大学においても、なるほど、そういう方であれば採ってみようかというふうになると、こういうふうな循環を生み出していくということが大事だと思っているところでございます。

 こういった中に一つでも助けていけるような施策を夏に向けて検討する際の非常に大きな力添えを頂いたと思っておりますので、これからもこの提言、まず中間取りまとめということでございますので、その先の方向性について、先生方からもまた積極的に御意見頂きながら、私たちも考えながら進めていきたいと思っておりますので、どうぞ引き続きの御支援を頂きたいと思っておりまして、簡単ではございますけれども、私からの御挨拶とさせていただきます。本日はありがとうございました。

【長谷川座長】

どうもありがとうございます。

 それでは、最後に事務局より連絡をお願いいたします。

【村越外国人教育政策係長】

本日頂いた意見については、事務局で整理させていただき、委員の皆様にお示しさせていただきたいと思います。今後、追加の御意見等も頂きながら、こちらを合わせる形で座長に御相談し、5月中旬をめどに中間取りまとめを固めて、公表に移っていきたいと考えています。取りまとめの最終版については、ホームページ等への掲載も予定していますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 以上になります。

【長谷川座長】

ありがとうございます。

 それでは、これで本日の会議を終了といたします。今回、第4回ですけれども、これまでの第4回までの御議論、本当に委員の皆様方の御協力ありがとうございました。座長からも深く御礼申し上げます。ありがとうございました。

―― 了 ――


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