衆議院決算行政監視委員会 行政監視に関する小委員会への報告

平成二十四年六月十三日

文部科学大臣発言要旨

革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの構築

 決議のうち、「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築」に関して、文部科学省において講じた措置について報告します。
 決議では、大きく分けて三点のご指摘を頂きました。


 第一に、スーパーコンピュータ「京」のシステムの技術選択に係る情報公開についてご指摘を頂きました。これまで、「京」のシステム構成に関しては、科学技術・学術審議会及び総合科学技術会議において専門家による評価を受けつつ検討を進めてきました。
 その過程において、当初、スカラー・ベクトル複合型を選択し、その後、スカラー型単一システムに方針転換を行いました。その経緯については、これまで公開してきた資料に加え、概念設計及び中間評価に係る作業部会の資料及び議事録についても、企業機密に関する情報を除き、新たに文部科学省のホームページにおいて公開したところです。
 なお、このシステム変更を、平成二十二年度予算に反映し、三十四億円を減額するとともに、平成二十一年度予算執行にあたっても、二十八億円の節減を行ったところです。
 ベクトル型スーパーコンピュータとの連携については、幅広い利用者のニーズに応えられるよう、HPCI計画において、ベクトル型スーパーコンピュータを含め、我が国の主要なコンピュータが国全体の基盤として機能するよう環境整備を進めております。

 第二に、「京」以降のスーパーコンピュータ開発の戦略についてご指摘を頂きました。本年二月に有識者からなるワーキンググループを設置し、今後十年程度を見据えたHPCI計画の推進のあり方に関する調査・検討を進めており、平成二十五年夏頃を目途に中間報告を、平成二十六年三月頃を目途に最終報告をとりまとめることとしております。
 その中で、ベクトル型スーパーコンピュータとの連携に係る今後の方針についても議論を行うとともに、国内における必要な総計算能力、地域分散の必要性、民間のニーズ、研究開発に係る費用についても調査・検討してまいります。

 第三に、「京」の利用についてご指摘を頂きました。「京」は「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」に基づいて、国の方針の下、登録機関が中立・公正の立場から、有識者からなる選定委員会の意見も聞きつつ、利用者の選定等を行うこととしています。
 また、利用の枠組みとしては、大きく分けて「戦略プログラム利用」と「一般利用」の二つがあります。
 「戦略プログラム利用」枠は、「京」の共用開始後早期に社会が期待する画期的な成果の創出を目指すものです。既に防災・減災など五つの戦略分野を設定し、戦略的見地から課題の選定を行っています。
 また、「一般利用」枠は、産業界を含む幅広い利用者から申請される公募の中から、産業利用の特性にも配慮しつつ、課題の選定を行うこととしています。
 早期の共用開始については、当初予定していた本年十一月中の共用開始時期を九月末を目途に前倒しすることとして準備を進めております。
 運営経費については、平成二十四年度予算の概算要求額を精査し、一層の効率化を図ることにより、予算において十一億円を削減したところです。また、利用料金については、産業利用において成果を非公開とする場合には、利用料金を徴収することとしております。

 今後も、引き続き、決議の趣旨を踏まえ、「京」の適切な運用とHPCI計画の推進に努めてまいります。

原子力関連予算の独立行政法人及び公益法人への支出

 次に、「原子力関連予算の独立行政法人及び公益法人への支出」に関して、文部科学省において講じた措置について報告します。
 決議では、大きく分けて三点のご指摘を頂きました。

 第一に、原子力関連予算について総組替えをすべきとのご指摘を頂きました。これを踏まえ、独立行政法人日本原子力研究開発機構予算をはじめとする平成二十四年度文部科学省原子力関連予算を見直しました。
 具体的には、高速増殖炉及び核燃料サイクルに関する予算を対前年度比一○八億円減、二十四%減まで縮減する一方で、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえた原子力安全向上分野等について重点的に予算を措置し、原子力関連予算総額としては対前年度比八十二億円減、三.四%減まで縮減を図りました。

 第二に、高速増殖炉の開発計画及び核燃料サイクル計画の再検証を行うべき等のご指摘を頂きました。
 この点については、今後のエネルギー・原子力政策に関して検討を進めているエネルギー・環境会議及び原子力委員会の新大綱策定会議等の場で、徹底した検証を行いながら、平成二十四年夏の政策策定に向けて議論を実施しております。政策策定後は文部科学省としてもその方針に基づき必要な取組を実施してまいります。
 なお、高速増殖原型炉「もんじゅ」については、東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえた安全対策に取り組みつつ、維持管理費について安全性が確保出来ることを前提に検証を行った上で、平成二十四年度予算で対前年度比四十一億円減、十九%減まで縮減を図りました。

 第三に、原子力関連事業の実施状況についての検証、及び法人の整理統廃合について、ご指摘を頂きました。
 この点については、まず独立行政法人日本原子力研究開発機構における、退職者が在籍している等の関係の深い法人との契約の在り方等を検証し、当該法人とは原則として随意契約を行わないこととする等の見直しを実施したところですが、今後とも不断の見直しを実施していく所存です。
 また、法人の整理統廃合について、「平成二十四年末を目途に成案を得るべく、原子力関連の独立行政法人の将来的な統合等も含めた在り方について検討する」とする「独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針」を、平成二十四年一月二十日に閣議決定いたしました。原子力規制行政組織の改編に関する法案審議の状況や、今後のエネルギー・原子力政策見直しの議論の状況を踏まえながら、当該閣議決定の方針に基づき、今後の組織の在り方を検討してまいります。

 今後も、エネルギー・原子力政策見直しの議論の状況や、決議の趣旨を踏まえ、原子力関連予算の適切な執行に努めてまいります。

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-- 登録:平成24年09月 --