行政監視に基づく事業の見直しに関する決議(文部科学省関係部分抜粋)

平成二十三年十二月八日

衆議院決算行政監視委員会

 

 財政運営の健全化は積年の課題であり、また震災復興に取り組むためにも国の総予算の見直しが求められている。本委員会は、予算の計上及び執行の適正について徹底した検証を行うために行政監視に関する小委員会を設置し、去る十一月十六日及び十七日に同小委員会において、革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの構築、医療費レセプト審査事務、公務員宿舎建設・維持管理等に必要な経費並びに原子力関連予算の独立行政法人及び公益法人への支出について、有識者の意見を求めつつ集中的に討議して評価を行ったところ、次の事項について改善を求めるべきとの結論に至った。
 政府は、この結論を重く受け止め、来年度以降の予算編成及び執行に十分に反映させるなど速やかに対応するよう求める。また、これらの反映状況につき講じた措置について、本委員会に対し六箇月以内に報告するよう求める。
 なお、今回の討議に際し、政府の資料の作成、資料の提出について十分でないものがあり、改善を求める。今後も各テーマとその関連する施策について、行政監視を行っていく。

革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの構築

 スーパーコンピュータ「京」については、当初のスカラー・ベクトル混合型の技術選択がなぜ途中で方針転換されたのか、また、その変更が予算執行にどのように反映されたのかを政府は国民に明確に説明する義務がある。開示されていない会議の資料、議事録を公開するとともに、技術選択の過程、ベクトル型スーパーコンピュータとの連携など今後の方針が明確に説明される必要がある。
 また、スーパーコンピュータに関しては、最速の一台の能力だけでなく、国内における必要な総計算能力、地域分散の必要性、民間のニーズなどについてのデータを政府は明らかにすべきであり、「京」完成後のスーパーコンピュータの開発については、その戦略を早急に検討して公表するとともに、費用を精査することによりコストの縮減を図る必要がある。
 「京」の利用に当たっては、その能力を有効に活用するため、コンソーシアム体制に依存することなく、ニーズの高い利用者が透明・公平な手続で選定されるような枠組みを構築して早期に供用を開始するとともに、純粋な科学、自然大災害予測など重要な国家的要請に基づく研究利用と、対価を得られる民生技術開発とを区別した利用のためのルールを策定すべきであり、後者については利用料金等を徴収するなどして、運用経費負担を圧縮すべきである。

原子力関連予算の独立行政法人及び公益法人への支出

 原子力関連予算については、独立行政法人及び公益法人への支出の妥当性、有効性を再検証するとともに、原子力政策の見直しの結論が出るまでの間は、高速増殖炉及び核燃料サイクル関連予算を縮減しながら、シビア・アクシデント対応等原子力安全向上分野及び放射性物質の最終処分分野に力点を置き、総組み替えを検討すべきである。
 高速増殖炉については、昭和四十二年以来二兆円以上の巨費を投じながら、平成七年のもんじゅナトリウム漏れ事故の収束もままならないまま、約四十年後の二〇五〇年までの実現を予測するなど、その費用規模と技術的な実現性を国民に説明することは極めて困難である。高速増殖炉の開発計画そのものの妥当性を検証するとともに、縮減すべきである。
 核燃料サイクル計画については、高速増殖炉の開発等を前提に使用済み核燃料の全量再処理を目指してきたものであるが、再処理工場の立地を受け入れた地域に配慮しつつ、再検証を行うべきである。
 この再検証を踏まえ、全量再処理路線を見直す場合は、使用済み核燃料については、その他高レベル放射性廃棄物とともに、すでに存在する量を最終処分する技術の確立に所要の予算を投じるべきである。
 なお、原子力関連事業の実施が特定の独立行政法人及び公益法人に集中し、天下りや利権を生み出す構造については、原子力規制行政組織の改編に伴い厳しく検証し、法人の整理統廃合を進めるべきである。
 原子力政策や原子力発電に関する情報が正しく国民に伝えられなかったという反省から、経済産業省は、原子力発電事業に関する情報を国民に速やかに開示するとともに、開示を阻害してきた様々な要因を排除できる体制を作り上げるべきである。

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-- 登録:平成24年09月 --