宇宙機「フォボス・グルント」に関する状況について(1月6日)(仮訳)

2012年1月6日

 ロシア連邦宇宙庁の専門家は、2011年11月9日に宇宙空間に打ち上げられ、現在地球周回軌道上に位置する宇宙機「フォボス・グルント」の軌道変化について、絶え間なく監視している。
 2012年1月6日現在の宇宙機の軌道パラメータは以下の通り。

 ― 遠地点高度:229.4km
 ― 近地点高度:189.2km
 ― 軌道傾斜角:51.49度
 ― 軌道周期:88.43分

 宇宙機の地球大気における減速の力学は、人間が制御できないものを含め、多くの技術的・宇宙的要因に依存している。主因は、太陽の影響を大きく受ける大気の状態の変化である。
 取得データ及び「フォボス・グルント」の再突入を監視するオペレーション・グループ専門家の暫定的計算によれば、落下の予測される期間は、2012年の1月15日を中心とした1月10日から21日とされている。
 宇宙機器残存物の落下予測地点は、6日現在では、南緯51.4度から北緯51.4度までの地表の「帯状」の範囲としか特定できない。落下の正確な地点と日時については、落下1日前以降に予測が可能となる。
 総重量200kg以下の耐熱部品約20-30からなる宇宙機器残存物が地表に達する可能性はある。宇宙機の燃料は厚い地球大気圏において、高度約100kmで燃え尽きる。
 宇宙機の科学装置の一つ(メスバウアー分光器)に使われている放射性同位体(コバルト57)は10マイクログラム以下の重量で、半減期も短く、放射能汚染の危険となることはない。
 長年にわたる国際的な統計によると、再突入する宇宙機器は、事実上常に厚い大気圏で完全に燃え尽きてきており、概してその残骸が害を及ぼすことはない。

(注1) この情報は、ロシア連邦宇宙庁のホームページに掲載された情報を、外務省が仮訳したものです。
(注2) 出典:http://www.federalspace.ru/main.php?id=2&nid=18533

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研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

-- 登録:平成24年01月 --