米国衛星「UARS」の落下に関する情報について

良く聞かれる質問:スペースデブリ(仮訳)

スペースデブリとはなんですか

スペースデブリとは、もはや有益な目的に使うことのできない、地球軌道を周回するあらゆる人工物体です。

スペースデブリには、どのようなものがありますか

廃棄された宇宙機やロケットの上部、ペイロードのキャリア、宇宙機を打上げロケットから分離する際や、ミッション運用で意図的に放たれた物体、宇宙機やロケットの爆発または衝突により生じた物体、固体燃料ロケットエンジンからの流出物、熱応力や小粒子の衝突で生じた微小な破片や塗装

どれくらいの量のスペースデブリが地球軌道上にありますか。

4インチ(約10cm)以上の物体22,000個が、米国の宇宙監視ネットワークにより監視されています。このうちの1,000個だけが運用中の宇宙機で、残りがスペースデブリです。推定では、直径0.4インチから4インチ(1cmから10cm)の粒子は、およそ50万個あるとされています。0.4インチ(1cm)以下の大きさの粒子は、おそらく数千万以上あると考えられます。

スペースデブリは、地球の周りに均等に分布していますか。

ほとんどのスペースデブリは、地表から高度1,250マイル(2,000km)以下にあります。この範囲内では、スペースデブリの量は、高度により大きく変わります。スペースデブリが最も集中している高度は、約500マイルから530マイル(800kmから850km)の範囲です。

スペースデブリはどのくらいの速さで移動していますか。

高度1250マイル、あるいは2,000km以下の地球低軌道では、スペースデブリは、地球の周りを秒速4から5マイル(7から8km)で周回しています。しかし、スペースデブリが他の物体と衝突するとき、相対的な速度は秒速6マイル(約10km)になります。したがって、微小なスペースデブリとの衝突でも、相当なエネルギーが発生します。

国際宇宙ステーションは、どのようにスペースデブリから守られているのですか。

国際宇宙ステーション(ISS)は、これまでで最も厳しく保護された宇宙機です。居住区域や外部高圧タンクなどの重要な要素は、直径0.4インチ(1cm)のスペースデブリが衝突しても耐えられるようになっています。ISSは、追跡されている物体との衝突を回避する操作を実施することができます。ISSは、平均して年1回、衝突回避操作を実施しています。

スペースデブリはどのくらいの期間、地球軌道に残っていますか。

スペースデブリの高度が高くなればなるほど、地球軌道に残る期間が長くなります。高度370マイル(600km)以下にあるスペースデブリは、通常、数年で地球に落下します。高度500マイル(800km)では、軌道減衰の時間が、10年単位になります。高度620マイル(1,000km)以上では、地球軌道を100年以上周回することになります。

スペースデブリの再突入により、地上の人や財産に危険を及ぼしますか。

ほとんどのスペースデブリは、再突入の際の高熱で燃え尽きてしまいます。燃え尽きないものは、海や湖など、カナダのツンドラ地帯、オーストラリアのアウトバック、またはロシアのシベリアなどの人の疎らな地域に落下する可能性が高いです。過去50年間、カタログ化された、または追跡されたスペースデブリが、平均して毎日1つ地球に落下しています。再突入したスペースデブリにより、重傷を負った人や財産への深刻な損害は確認されていません。

スペースデブリにはどのような対策をとればよいのですか。

現在、最も重要なことは、不必要なスペースデブリの数を増やさないことです。このために、宇宙機の設計や運用を慎重に行います。宇宙環境の浄化には、技術的、経済的な課題がありますが、現在、米国やその他の国々が対策を考えています。

米国は、スペースデブリに対してどのような政策をとっていますか。

1988年以来、米国の政策は、新たなスペースデブリの発生を最小限にすることです。最新の国家宇宙政策(2010年6月28日発表)では、「宇宙環境の保存」と題する章があり、この中で短期及び長期にわたるスペースデブリ低減策を述べています。2001年、米国は、スペースデブリ低減の標準的手続きと呼ばれる、政府機関や省庁に対する一連の手法を採択しました。この標準的手続きは、国際的なスペースデブリ低減指針の基礎となりました。

米国以外の国もスペースデブリのガイドラインを持っていますか。

はい。ロシア、中国、日本、フランス、および欧州宇宙機関は、スペースデブリ低減のためのガイドラインを発表しています。さらに、2007年、国連が、宇宙空間平和利用委員会を通じて、スペースデブリ低減のためのガイドラインを作成しています。

スペースデブリについてもっと知りたいのですが。

NASAのスペースデブリ専門サイト(www.orbitaldebris.jsc.nasa.gov)をご覧下さい。

※出典

URL: http://www.nasa.gov/news/debris_faq.html

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研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)

-- 登録:平成23年09月 --