未来社会実現のためのICT基盤技術の研究開発(旧 次世代IT基盤構築のための研究開発)

 情報科学技術は、今後様々な社会的・科学的課題の達成に向けて科学技術が貢献していく上で重要な鍵を握る共通基盤的な技術です。これまで、IT分野の技術的課題解決に主導をおいた研究開発を行ってきましたが、「世界最高水準のIT利活用社会の実現」に向けて、平成26年度からは課題解決のための技術を確立するだけでなく、社会のあるべき姿の実現のために必要な技術の実用化を見据えた研究開発へとシフトし、取組んでいます。
具体的な取組内容は以下のとおりです。

 ビッグデータ利活用のための研究開発
<平成26年度予算額:141百万円>(平成26~29年度)

 高度情報化社会の進展に伴い,デジタルデータが爆発的に増大するビッグデータ(情報爆発)時代が到来しています。質的・量的に膨大なビッグデータには新たなる知識や洞察が埋もれておりますが,その多くの情報が整理・構造化されておらず,今後,その有効活用が期待されています。このため、文部科学省では、平成25年度に実施した「データ連携技術等に係るフィージビリティスタディ及び予備研究」における調査結果を踏まえ、質的・量的に膨大なデータから意味ある情報をリアルタイムかつ自動的に抽出・処理する統合解析技術等を開発し、実用化を担う自治体等と連携して実証実験を実施した上で社会実装につなげる研究開発を行っています。

ビッグデータ利活用のための研究開発のイメージ図 

ビッグデータ利活用のための研究開発のイメージ図

 

 ビッグデータ利活用によるイノベーション人材育成ネットワークの形成
<平成25年度予算額:27百万円>(平成25~27年度)

 ビッグデータを利活用する学問分野(ライフ,グリーン等)ごとの様々な人材育成ネットワークをつなぐことによって,イノベーション人材育成拠点(Network of Networks)を大学等研究機関に形成し,ビッグデータ利活用人材(情報・統計分野の幅広い知識を身につけ,ビッグデータを有する様々な分野の現場で分析経験を積んだ人材)の育成手法を確立するとともに,人材の育成を行っています。

異分野融合型教育拠点のイメージ図 

異分野融合型研究教育拠点のイメージ図

社会システム・サービスの最適化のためのIT統合システムの構築
<平成24年度予算額:235百万円>(平成24年度~28年度)

  実社会の様々なシステムが、ITとの密な関係によって高度化することにより、生産性向上、防災・減災、環境負荷の軽減などに貢献する時代が近い将来到来すると期待されています。この実現のためには、実社会のシステムがITの力によって得る効果を具体化するとともに、様々な応用のために共通基盤的な情報科学技術の研究開発を実施することが重要となっています。
 このような背景のもと、文部科学省では、高効率化・省エネルギーや安全・安心の確保をはじめとした様々な課題達成に資するシステムとして、課題達成型IT統合システム(実社会情報を集約し、課題達成に最適な解や行動を導き出し、実社会にフィードバックする高度に連携・統合されたITシステム)を構築するため、情報統合基盤技術の高度化に向けた研究開発を行っています。

課題達成型IT統合システムのイメージ図

課題達成型IT統合システムのイメージ図

イノベーション創出を支える情報基盤強化のための新技術開発
<平成24年度予算額:311百万円>(平成24年度~28年度)

 情報社会では社会の隅々にまで情報システムが浸透し、必要なライフラインとして我々の社会活動を支えていますが、今般の震災では情報システムの機能の停止、行政・学校・企業等における重要データの消失等が発生し、地震災害時やその後の対応に必要な情報の伝達ができない事態をもたらし、人的、社会的、経済的に大きな損失が生じました。また、震災後には電力不足等の問題が顕在化し、情報システムの省エネルギー化の必要性が高まっています。
 このような問題を解決するため、文部科学省では、科学技術イノベーションを支える情報基盤の耐災害性強化(分散システム導入や自己修復機能の付加等)、超低消費電力化(デバイス制御の高度化等)、高機能化(データ入出力の高速化等)等、被災した東北地方の復興への貢献のための新技術開発を行っています。

情報基盤強化のイメージ図

情報基盤強化のイメージ図

 

実施済みの取組内容

データ連携技術等に係るフィージビリティスタディ及び予備研究
<平成25年度予算額:27百万円>(平成25年度)

 国内外における研究開発の動向等を調査検討し,更に研究開発すべきデータ関連技術等(データの収集,蓄積・構造化,データ処理・分析,処理結果の可視化・検証等の各段階における技術等)の具体的な研究開発方策の検討及び予備研究を実施しました。

 

アカデミッククラウド環境構築に係るシステム研究
<平成25年度予算額:23百万円>(平成25年度)

 国内の大学等における研究,教育,管理運営等のデータ(活動データ)への取組状況等を調査して,アカデミッククラウド環境の設置形態,対象範囲等,アカデミッククラウド環境構築に係る様々な課題を具体化・明確化するとともに,あるべき方向性について,検討しました。

 アカデミッククラウド環境のイメージ図

アカデミッククラウド環境のイメージ図

 

イノベーション創出の基盤となるシミュレーションソフトウェアの研究開発
<平成24年度予算額:396百万円  研究開発委託先代表機関:東京大学>(平成20年度~24年度)

 計算機シミュレーションは、理論、実験と並び、第三の科学技術の方法として重要性を増していますが、最先端の科学技術計算ソフトウェアの多くは海外の機関で開発されており、ものづくりやバイオ、テクノロジー等、様々な分野の国際競争力強化を図るためには、我が国のシミュレーションソフトウェアの開発能力・活用能力を抜本的に強化する必要があります。
 そこで、文部科学省では、大学等の有するソフトウェア資産を有効に活用し、産業界のニーズの高い、ものづくり分野を中心とした最先端の大規模シミュレーションソフトウェアの研究開発を緊密な産学連携体制のもと行っています。
 また、プロジェクト終了後においても継続的にソフトウェアを研究開発・普及する体制を構築し、我が国のシミュレーションソフトウェアの開発・活用基盤の抜本的強化を図っています。

ソフトウェアの開発と利活用・普及のイメージ図

ソフトウェアの開発と利活用・普及のイメージ図

 Web社会分析基盤ソフトウェアの研究開発
<平成24年度予算額:96百万円  研究開発委託先代表機関:国立情報学研究所>(平成20年度~24年度)

 Web上には実世界の様々な事象が反映されると同時に、学術研究、文化、社会生活及び経済活動等において非常に有益な情報が膨大に蓄積されていますが、これらのWeb情報の高度な分析による活用は行われておらず、その実現は、幅広い分野の学術的発展や、我が国の産業競争能力強化に繋がることから国としての取り組みが不可欠です。
 そこで、文部科学省では、Web上の情報を活用し、大学や研究機関等における科学技術・学術研究の基盤及び企業におけるマーケティング等の経済活動の基盤等となるアーカイブ基盤の実現に資するための研究開発を行っています。

ソフトウェアの研究開発とその活用例

ソフトウェアの研究開発とその活用例

 関連するリンク先

平成25年度終了課題

平成24年度終了課題


平成23年度終了課題

 

お問合せ先

研究振興局参事官(情報担当)付

今田、三坂
電話番号:03-5253-4111(内線:4286)
メールアドレス:jyohoka@mext.go.jp

(研究振興局参事官(情報担当)付)

-- 登録:平成24年09月 --