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洪水と破堤に関する気象学・河川工学・地盤工学からの検討 |
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記録的な豪雨に対して,被災地域には,アメダス気象観測点のほかに消防署,自治体,発電所などで多数の機関が雨量観測を行っている。この雨量データの収集と解析して本豪雨災害の実態を精密に把握し,気象学的見地から豪雨対策を検討する。
集中的降雨から,中流域での増水,下流域での氾濫,減水の経過を明らかにするため,流量変化を調査し,ダム管理を含め流域全体の洪水対策を検討する。さらに水害の歴史を調べ,長期的対策検討に資する。
堤防が一気に決壊した原因として,すでに種々の見解が出されている。本研究では,新潟での緊急調査に基づいて堤体自身(上部構造)と堤体の基礎地盤(下部構造)の総合的な調査を実施する。また,堤防が一気に破壊されたことによる急激な濁流水が被害を拡大したことから,浸水地域での被害状況の詳しい調査を実施する。 |
2) |
「災害弱者」の防災対策の検討 |
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高齢者など,災害弱者を中心とした被災状況を詳しく調査・分析し,高齢化する社会に緊急に必要な防災対策を検討する。 |
3) |
地すべりなどの土砂災害に関する地質・地盤工学からの検討 |
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被災地には地すべり多発地域も含まれ,地すべりや崩壊などが多く発生している箇所もあることから,実際の発生状況を詳細に調べ,今後の対策に資する。 |
4) |
洪水が農作物に与えた被害の実態調査と今後の評価 |
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日本の穀倉地帯で1.2万 に達する冠水被害が生じ,冠水が長引き農作物の壊滅的な被害をうけた地域もでている。この実態を把握し,また病虫害などによる被害を今後さらに拡大させないために,農地の排水対策について調査・検討を進める。 |