(7)我が国の国際的リーダーシップの確保の公募要領

科学技術・学術政策局

1 目的

 我が国が国際的な科学技術活動におけるリーダーシップを発揮し、国際社会における持続的な協力関係を作り上げるため、特にアジア諸国とのパートナーシップの強化を念頭に置きつつ,国として積極的な対応が必要な国際会議、国際フォーラムの開催や、その実施に伴う国際的な調査研究等の活動を推進する。

2 対象となる課題等

 国際会議及び国際的なフォーラムの開催並びにこれらの開催に伴う国際的な調査研究の推進活動(以下「国際活動」という。)に係るものであって、我が国として積極的に対応すべき国際的に重要、かつ、複数機関の連携協力が不可欠な課題とする。また、ナノテクノロジーに代表される異分野間の融合が重要な分野においては、研究者が国籍、分野にとらわれることなく参集し、集中的な議論を行う場の提供が重要であると考えられる。
 なお、総合科学技術会議からは、例として以下の課題が示されている。

課題例

  1. 生命倫理
  2. モバイルネットワーク
  3. 国際的なコミュニケーション向上のための基盤整備(自動翻訳,文字コードの標準化等)
  4. 地球規模問題(地球環境問題,感染症対策,食糧問題,淡水管理等)への取組
  5. 安心・安全な国際社会の実現に資するもの(テロ対策等)

3 対象機関・組織

 国内の産学官の研究開発機関、行政機関、学協会、NGO等の機関が中心となって構成されるグループであって、以下の要件を満たすものとする。

  1. グループ全体の責任を有する機関(以下「中核機関」という。)が、行政機関、国立試験研究機関、大学及び大学共同利用機関、独立行政法人、特殊法人、認可法人又は法人格を有する学協会であること
  2. 国際的に質の高い研究成果をあげ、豊富な実績を持つ研究開発機関等が参画していること
  3. 国際交流に積極的であること

4 実施期間

 3年間を限度とする。

5 費用

 (1)国際活動の実施のために必要となる経費については、文部科学省から中核機関に(他府省の組織が中核機関となる場合は所管府省を経由して)支給する。
 なお、本プログラムによる業務の実施に当たり使用できる費目の種類は、原則として別表7に示すものとする。

 (2)1課題当たりに支給する経費の目安は年間1~5千万円程度とする。

6 提案書類等

 提案書類は、様式7‐1から7‐8によるものとする。本プログラムによる国際活動の実施を希望するグループは、提案書類に係る責任を有する者(以下「代表者」という。)を決めた上、上記の様式に必要事項を記入し、代表者の所属機関が国立試験研究機関(文部科学省の組織を除く。)の場合は所管府省、行政機関の場合は担当部局の長、その他の機関の場合は直接文部科学省に提出する。
 なお、代表者は、中核機関に所属する者に限るものとする。

7 実施者の選定

 (1)選定に係る審査は、提出された提案書類による書類審査及び代表者からのヒアリングの二段階審査により行う。審査は、科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会科学技術振興調整費審査部会(以下「審査部会」という。)にて行う。

 (2)選定に係る評価項目及び審査基準は、以下のとおりとする。

1 課題及び実施計画について

  • ア 課題の重要度
    • 我が国がリーダーシップを発揮することが適当であり国際社会における持続的な協力関係を作り上げられる国際的な重要課題であるか(政府間約束に基づく協力を推進する上で必要であるか等)
  • イ 連携の必要性
    • 単独機関では解決できない課題であるか
  • ウ 諸外国との比較優位性
    • 諸外国と比べて我が国が優位にある分野であるか
  • エ 実施期間終了後の展開
    • 我が国の国際的リーダーシップの発揮に向け、どのような貢献が期待できるか
  • エ アジア諸国との連携
    • アジア諸国とのパートナーシップの強化に資する計画となっているか

2 実施者について

  • 国際的に質の高い研究成果をあげている研究機関が参画しているか
  • グループを構成する機関等の国際活動実績は豊富か
  • グループとして国際交流に積極的に取組む意欲があるか
  • 機関間の連携を図り得る体制となっているか

 (3)審査結果は、審査終了後、提案書類に記された事務連絡先に通知する。なお、ヒアリングを実施する組織に対しては、ヒアリングの日時、場所等を通知する。

 (4)審査部会委員(ワーキンググループを設置して審査する場合には、当該ワーキンググループ委員を含む。)であって、提案書類を作成したグループとの間に利害関係が認められる委員については、当該グループからの提案書の審査に加わることができない。

8 国際活動の実施

 (1)課題実施者として選定されたグループの中核機関は、提案書類の実施計画に基づき経費の積算等を作成し、文部科学省に提出する。なお、実施年度が複数年度に亘る場合は、年次計画及びこれに対応した経費の積算を毎年度作成するものとする。これらについては、省内での調整の結果、修正を求めることがある。

 (2)文部科学省は、提出された経費の積算等について所要の調整を行い、財務省の承認を得た後、中核機関が国の機関の場合は移替え(文部科学省の組織については示達)、その他の場合は委託により調査研究の実施に必要となる経費を配分する。
 なお、グループを構成する機関等への経費の配分は、原則として中核機関を通じて行うものとする。

 (3)中核機関は、グループの意見集約を図り、国際活動の方針や内容等を決定するための推進委員会を設置することとする。

 (4)課題実施者は、実施計画及び経費の積算に基づき国際活動を行い、活動終了後は、速やかに活動実績報告書及び経費使用実績の報告書を作成し、文部科学省へ提出する。
 なお、実施期間が複数年度に亘る場合は、毎年度、実施計画の進捗状況及び経費使用実績の報告書を作成し、提出する。

 (5)提出された活動実績報告書は、文部科学省から科学技術・学術審議会及び総合科学技術会議へ報告した後、公表する。文部科学省は、公表から3年程度経過した後、当該国際活動の発展状況等に関する調査を行い、その調査結果を科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会研究評価部会(以下「評価部会」という。)に報告する。
 評価部会は、当該調査結果を踏まえ、実施課題の有効性等についての事後的な評価を行うものとする。なお、評価結果は文部科学省から総合科学技術会議に報告した後、公表する。

別表7

費目名 内容
(国の機関の場合)
1.非常勤職員手当
  • 非常勤として採用する者(教員、主任研究員、研究員)に対する手当
2.諸謝金
  • 推進委員会等の委員に対する委員会の出席謝金。
    外部の有識者等に依頼する講演、原稿の執筆、研究協力
    (ただし、当該内容が実施する業務の内容となっている場合を除く。)に対する謝金
3.職員旅費
  • 非常勤以外の国の職員の会議出席、連絡調整に係る旅費
    (ただし、調査研究に係る旅費を除く。)
4.試験研究旅費
  • 非常勤以外の国の職員の調査研究に係る旅費
5.外国旅費
  • 非常勤以外の国の職員の外国出張(会議出席、調査研究等)に係る旅費
6.委員等旅費
  • 外部の有識者等に依頼する講演、研究協力等に係る旅費
7.外国技術者等招へい旅費
  • 外国人研究者等の招へいに係る旅費
8.招へい外国人滞在費
  • 招へい外国人研究者等の滞在費及び国内における交通費に係る経費
9.外来研究員等旅費
  • 非常勤職員の招へい並びに外国出張に係る旅費
10.試験研究費
  1. 消耗品費
  2. 通信費
  3. 会議開催経費
  4. 雑役務費
  5. 電子計算機借料等
  6. 印刷製本費
以下細目については仕分けはないため一応の目安は示しているが、課題として整合性のとれた構成となるよう配慮すること。
  • 原形のまま比較的長期の反復使用に耐えない物品(ソフトウエアを含む。)
  • 調査研究上必要なデータの送信等に係る経費
  • 国際会議、推進委員会の開催に係る経費(会場借料、会議費、通信費、資料印刷費)、成果報告書等の印刷・製本に係る経費
  • 既存の器具機械、設備等の改造、保守、データの分析等の役務の提供に係る経費
  • 電子計算機の使用等に係る経費
  • 調査研究に係る報告書、資料等の印刷、製本に係る経費
11.科学技術総合研究委託費
  • 中核機関が他の研究機関等に委託する調査研究の実施に係る経費
(国の機関以外の場合)

12.科学技術総合研究委託費

人件費(教員、主任研究員、研究員)、賃金、備品費、消耗品費、通信運搬費、旅費、会議開催費(会場借料、会議費、通信費、資料印刷費)、諸謝金、雑役務費、電子計算機借料等、印刷製本費、消費税、技術料、一般管理費(直接経費の10%を上限とする)

お問合せ先

科学技術・学術政策局調査調整課

(科学技術・学術政策局調査調整課)

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