(委託先:社団法人研究産業協会)
‐第200号‐
平成11年11月11日
本調査は、科学技術振興調整費により、平成9年度から平成10年度にかけて実施しており、今回は平成10年度の調査結果について報告する。
我が国の研究開発を支えるべき研究支援産業の現状を把握するとともに、そのあり方及びそのための環境整備を講じる上で必要な基礎資料を得る。
学識経験者、民間企業の研究・企画関係者から構成する委員会を設置し、平成9年度の研究者及び研究支援産業界への調査結果から、
の3つに重点化し、研究者側のニーズと研究支援産業側のシーズをマッチングするためのヒアリング調査とアンケート調査を行い、報告書を取りまとめた。
国立研究所を中心に調査した結果、13国立研究所の人員構成は研究職(38%)、外部研究者(18%)、学生(12%)、研究支援者(36%)の比率となっている。研究支援者には、パートタイマー、アルバイトの他にも多様な雇用形態があり、また様々な職種の研究支援者が求められている。研究支援者の確保を考えると、今後人材派遣を活用することが望まれるが、現状のパートタイマー、アルバイトの時給が1,500~2,500円と安い受入れ条件では、専門的な技能を持った人材としては、研究者や技術者のOBを活用することが望ましい選択肢の一つと考えられる。
TLO設立前後に関係する大学を中心に調査した結果、将来の特許収入を期待するには、有用な特許を如何に集めるかが課題となっている。このため、特許の評価や研究成果を特許化する能力を持った人材が求められており、企業にそのような人材の派遣が可能かを研究開発型企業2,900社に対し、アンケートしたところ、1,276社から約3,300人の民間企業OBの派遣が期待できるとの結果であった。
また、大学の特許のあり方については「権利(特許)帰属の統一基準を国がはっきり定義して欲しい」、「発明委員会の強化が必要」との意見があった。
国立大学の機器分析センターを調査した結果では、料金設定が人件費や設備費等を別枠としているため、民間の分析サービスと比較して低廉になっており、その結果、外注分析が進んでおらず、研究支援産業界とのギャップを改善する必要がある。また分析業務に専念するというよりは「研究と委託分析を両立させた機関」を目指す希望が多かった。一方、地域共同研究センターの調査結果は、現状では共同研究の窓口機能に限られており、実質的な共同研究が進展していないため、産学連携を強化するためには、TLOとの連携などの方策に期待が集まっている。
齋藤
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