情報科学技術分野の研究開発における産学官連携の在り方に係る調査[第206号]

(委託先:株式会社三菱総合研究所)

‐第206号‐
平成12年8月10日

調査の概要

 本調査は、科学技術振興調整費により、平成11年度に実施されたものである。

目的

 科学技術会議答申25号の先導プログラムの問題意識に則り、基礎的・基盤的な情報科学技術分野の研究開発における産学官連携の実態や課題、要望、及び当該技術に対する国民の社会経済ニーズの観点からの意識、要望を調査することにより、情報科学技術分野の研究開発における産学官連携の在り方の検討に資する基礎資料の作成を目的とする。

調査結果

 関連する既存調査のサーベイを踏まえて、科学技術庁、通商産業省、郵政省、文部省が実施済みあるいは実施中の当該分野の産学官連携プロジェクトを網羅的に抽出し、それらに参加した産学官の各研究リーダークラスを対象にアンケート調査とインタビュー調査を行うとともに、一般ユーザーの立場として一般にもアンケート調査を行った。
 その結果、1)立案段階、2)実施上、3)ニーズの把握、4)成果公開、5)研究開発体制、6)推進すべき重点領域 について問題点の抽出を行い、それらをもとに下記の提言がなされている。

(1)現場のニーズを重視したテーマ設定・評価

 経済的・社会的なインパクトのある研究とするために、プロジェクトの選定・評価にも現場技術者を含めるなどし、情報科学技術の利用現場としての企業にあるニーズを中長期的な研究開発テーマに結びつけること。

(2)社会・経済・生活に革新をもたらす技術開発

 研究開発の方向を社会・人間指向の分野にも誘導するために、生活、医療、福祉、行政サービス等の領域において従来のやり方を革新的に変革するような技術開発ないしインフラ開発を目的とする事業を行うこと。

(3)研究開発体制について

 今回の調査では、中核となる専門研究機関と地理的に分散した研究グループが連携をとって研究を進められる「集中研ネットワーク方式」を支持する割合が多かったが、他の方式が時代遅れになったとは言い切れない。研究開発体制は、テーマの性格、目標の明確度、リーダーや人材の存在、等に応じて、集中研方式や分散研、バーチャルラボ等の諸方式から適切な研究開発体制を選ぶことが必要である。

(4)利用しやすい成果の管理と普及

 国のプロジェクトによる成果(特にソフトウェア)の安価もしくは無料での公開等権利関係の調整や研究開発利用上の便宜を国が図ること。

お問合せ先

科学技術庁研究開発局総合研究課情報科学技術推進室

川井
電話番号:03‐3581‐5271(内線565)

(科学技術庁研究開発局総合研究課情報科学技術推進室)

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