オープンフォーラム 「アジアにおける生命倫理の対話と普及」開催について

科学技術振興調整費ニュース
-第240号-
平成15年9月8日



 文部科学省科学技術振興調整費・我が国の国際的リーダーシップの確保「アジアにおける生命倫理の対話と普及」(研究代表者:京都大学大学院法学研究科・位田隆一教授)における研究の一環として9月21日(日曜日)、国立京都国際会館(京都市左京区宝ヶ池)を会場にオープンフォーラム(同時通訳あり)が開催されます。
 オープンフォーラムは、本研究課題による京都会議(9月21日~24日・専門者会合は非公開)の一環として開かれるものです。京都会議には、アジアを中心に世界23カ国から、生命倫理の施策の立案に携わるアジアの各国代表者が集まり、各国が抱える生命倫理に関わる諸問題を報告するほか、「臓器移植」「ヒトゲノム研究」「アジアの生命倫理」をテーマに議論を進めていく予定です。
 なお、参加希望者は、ホームページ上から登録が必要、参加費は無料です。


.研究の趣旨
 生命倫理は、ヒトゲノム解析、ヒト胚性幹細胞研究、臓器移植、クローン技術等の生命科学の発展によって、国内外で新たな議論が求められています。しかしながら、アジアは高度な科学研究レベルにも関わらず生命倫理の議論は必ずしも十分な状況にあるとは言えません。本研究では、我が国がアジア諸国に生命倫理に関する対話の場を提供し、ヒトゲノム研究、ヒト胚性幹細胞研究、臓器移植等の幅広い問題について、アジアの価値観に基づいて倫理的、法的、社会的観点から適切に対処するため、生命倫理に関する相互理解を深めるとともに、その内容を世界に紹介し、普遍的な生命倫理の形成に寄与することを目的としています。
 本研究課題は、平成13年度より3ヵ年のプロジェクトで行われており、初年度は欧米諸国の生命倫理情報を収集しました。2年目に当たる昨年度は、マニラ、ソウル、シンガポールでのリージョナル・ワークショップを開催し、アジア諸国の現状認識、情報交換を行いました。本年度は、今まで得られた知見を生かし、これまでの議論を総括することを目的に、日本において京都会議を開催します。

.京都会議の概要
 京都会議は、広く国民に公開したオープン・フォーラムと、各国代表者で議論を尽くすクローズド・セッションから構成されています。概要は下記の通りです。

 ・開催日 平成15年9月21日(日曜日)~9月24日(水曜日)
 ・会場 国立京都国際会館
 ・参加国 バングラデッシュ、ブータン、カンボジア、中国、インド、インドネシア、イラン、韓国、ラオス、マレーシア、モルジブ、ネパール、パキスタン、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナム、オーストラリア、カナダ、フランス、オランダ、日本
計:23カ国
 ・概要 オープン・フォーラム(9月21日・スケジュールは別紙参照(※国立国会図書館ホームページへリンク)別ウィンドウで開きます
総合科学技術会議の井村裕夫議員等による挨拶。
村上陽一郎教授(国際基督教大学)、Leonardo De Castro教授(フィリピン大学・ユネスコ国際生命倫理委員会委員)の基調講演。
「各国の生命倫理の枠組み」「生命倫理の諸問題」に関して、アジア各地から参集した各国の代表者による事例を紹介し、パネルディスカッション「アジアの生命倫理」を開催。
本フォーラムの聴講者は、生命倫理に関心のある市民および同研究に携わる大学生、大学院生、若手研究者など200名を予定。
    クローズド・セッション(9月22日~24日・非公開)
各国代表者だけによる会議を開催。
各国が抱える生命倫理に関わる諸問題を報告するほか、「臓器移植」「ヒトゲノム研究」「アジアの生命倫理」をテーマに議論。
 ・成果 京都会議の議論を踏まえ、英文冊子の作成など本研究の成果を取りまとめ、国内外へ発信する予定。


【問い合わせ先】
 (研究内容)  京都大学大学院法学研究科 位田隆一    電話:075-753-3260
 (課題担当課)  文部科学省 ライフサイエンス課
 生命倫理・安全対策室(担当:嶋田)
   電話:03-5253-4108

 

(研究振興局ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室)

-- 登録:平成21年以前 --