6.新時代工学的農業クリエーター人材創出プラン

(中間評価)

(実施期間:平成18~22年度)

実施機関:北見工業大学(代表者:高橋 修平)
連携自治体:北見市

課題の概要

 本課題では、遊休地の有効活用と建設業関連業界の業種転換を目的として、健康と安心・安全をキーワードに新規作物(例:ハーブ)の作付けから商品造りまでの知識を有し、特に工学を活かした循環型・環境調和型さらにはGPS・GIS活用型精密農業により、作物生産の効率化から新規作物の商品化等を含む農業法人開設に向けたビジネスモデルを企画できる人材を育成することを目指す。工学分野では、北見工大による情報、成分分析、気象予報等の技術と学科横断的な講師陣を構成し、農学分野では、帯広畜産大、東京農大網走校等から営農にかかる外部講師を招くなどにより座学を実施する。

(1)総合評価(所期の計画と同等の取組が行われている)

 土木・建設業界の人材の農業あるいは農業関連業種への転換を支援する本課題はユニークであり、かつ北海道における地域の問題解決に有効な時代のニーズに合致した取組である。地域の産業界、自治体と密接な連携を行い、地域のニーズをくみ上げる先行的なプログラムとなっており、十分に目標が達成されつつある。さらに、受講状況、修了生の活動状況から、所期の計画と同等の取組が実施されていると判断される。また、地域再生プログラム連絡会議のイニシアチブを取り、他の大学などと各課題間の情報交換に取り組んでいる点も高く評価できる。ただし、ビジネスモデルを企画・実行できる人材の育成という観点では、カリキュラムに不十分な点が見られることから、今後は地域再生のための人材供給に向けたより詳細な計画が望まれる。

 <総合評価:B>

(2)今後の進め方(計画をさらに発展させるべきである)

 地域内での諸連携も進展していると評価できる。既に終了後の具体的な取組が始まっており、それに対応した計画をさらに発展させるべきである。特に、修了者の事業展開に対するサポート体制の充実が期待される。さらに、地域の金融機関との一層の連携など、地域再生に必要な領域を拡大することが望ましい。産業領域を人為的に転換する試みは容易ではないが、「新時代工学的農業クリエーター人材」という人的要素が期待される役割を発揮できるように拠点形成事業及びカリキュラムの精緻化への努力が今後とも望まれる。

<今後の進め方:A>

(3)個別評価

1.進捗状況

 受講人数の状況および修了生の活動は、計画以上のものと認められる。特に新規就農の成果が上がりつつあることが評価できる。ただし、新規就農に際しては、経営の安定化には概ね5年程度の期間が必要な場合が多く、修了生の今後の活動に注視されたい。

2.拠点形成手法の妥当性

 地域における大学の役割を生かした拠点形成がなされつつある。座学と実習の効率的な実施体制、受講生の実情に応じたプログラム作成などの工夫が評価でき、概ね妥当なものである。ただし、販売戦略の面が弱いように見受けられるので、経営に関するカリキュラムの改善が望まれる。さらに、今後は魅力的な地域作りも加味した展開が望まれる。

3.拠点形成の有効性

 関係企業や修了生による具体的な活動が既に始まっており、土木・建設から農業あるいは農業関連業種への転換という地域の実情に応じた拠点形成ができつつあると評価できる。また、本プログラムの他の実施機関間の交流について尽力している点は評価でき、今後も積極的な継続が望まれる。

4.実施体制の妥当性

 プロジェクト推進の目的の観点から求められる様々な組織と積極的に連携した取組であり、評価できる。ただし今後、自治体とさらに幅広い協力体制を築くことが必要である。また、講師は大学の職員がメインではあるが、ビジネスとして農業に参入している民間企業の経営者などを講師に招くことにより、より内容の充実が期待できる。

5.継続性・発展性の見通し

 バイオ環境・マテリアル系の学科の設立及びインキュベーション施設構想は、本事業の継続・発展という点から期待できる。また、北見市産学官連携推進協議会の活動が活発化し、本事業の継続・発展がなされることを期待したい。

(4)評価結果

総合評価今後の進め方進捗状況拠点形成手法の
妥当性
拠点形成の
有効性
実施体制の
妥当性
継続性・
発展性の見通し
BAabbbb

お問合せ先

科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)

(科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当))

-- 登録:平成21年以前 --