(事後評価)
(実施期間:平成17~19年度)
代表機関:豊橋技術科学大学(代表者:藤江 幸一)
参画機関:
東京大学、鹿児島大学、独立行政法人農業工学研究所、独立行政法人国際農林水産業研究センター、株式会社循環社会ビジネス研究所
バイオマス利活用事業が対象地域の特性に適合し、その独自性を保ちながら事業の持続可能性を担保できるためのシステムの設計・評価手法を開発する。この手法は、バイオマスの発生・排出、要素技術とその組み合わせなど、バイオマス利活用事業を構成する複数のサブシステムについての階層化された数理モデルとデータベース及び評価システムから構成される。バイオマス利活用のための解析・設計・評価手法の開発(サブテーマ1)、国内のバイオマスタウン(サブテーマ2)やCDM も視野に入れた海外のプランテーション(サブテーマ3)におけるバイオマス利活用も設計・評価の対象とするものである。これらの成果を統合・集約して、バイオマス事業の経済性・地域導入性等の評価を実施する。
バイオマスの利活用は、非常に広範囲かつ複雑な事業であり、バイオマス利活用に関心の強い国内地域でも、具体的な立案に窮しているところが多い。この様な背景において、本研究は、全般的に所期の計画に沿って実施されている。特に、バイオマス利活用システム支援ソフトウェアを開発、公開した点は評価できる。今後は当該ソフトウェアの操作性及び性能の向上が望まれる。
<総合評価:B>
本研究では、バイオマス利活用に関する具体的な立案にあたって必要となる、国内バイオマスタウンの設計・評価システム、海外プランテーションの設計・評価システムに関するモデルを作成している。また、適切なバイオマス利活用システムを設計・評価するための評価軸の検討など計画立案のための多くの問題点が解決されたものと考えられ、所期の目的を達成していると判断される。今後は、この成果を更に発展させ、サブテーマごとの連携を深めて広く一般にも活用できるようなシステムにすることが望まれる。
学会の研究発表を中心に講演などを活発に行っており、ソフトウェアの実演にも取り組んでいる点は、プロジェクトの性格から考えて高く評価できる。一方、原著論文よる情報発信がやや不足している。今後も本課題の研究成果を様々な形で広く公表していくことにより、研究成果の更なる活用促進に努めることが望まれる。
多様なメンバー構成であるために連携が困難な面もあったかと想像されるが、全般的には実施機関間において十分な連携が図られた上で研究が行われたと判断できる。特に、研究運営委員会だけでなく、代表機関が意欲的に研究会議を適宜開催するなど、適切な体制で進められたと判断できる。ただし、ソフトウェア開発の場面で各サブテーマ間での連携が全体の成果としてどのように反映されたか明瞭でない点が認められる。
バイオマス利活用システム支援ソフトは一般公開の予定であり、今後の継続性・発展性が期待できるものの、経済性評価手法については更に発展することが必要である。今後、社会並びに慣習が変化し、技術開発が進展する中で、ソフトウェアに取り込まれているデータの変化に対応して評価結果も変わると予想されるため、ソフトウェアのメンテナンス、修正などを適時適切に実施し続けていくことが望まれる。
総合評価 | 目標達成度 | 情報発信 | 研究計画・ 実施体制 | 実施期間終了時に おける取り組みの 継続性・発展性 |
B | b | b | b | b |
科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)
-- 登録:平成21年以前 --