(事後評価)
(実施期間:平成17~19年度)
代表機関:東京大学(代表者:浅田 昭)
参画機関:海上保安大学校、株式会社日立製作所、株式会社東陽テクニカ
船舶及び重要施設に対するテロおよび海中空間で発生する犯罪を防止するため、超音波により危険な目標を監視追尾し、高分解能で識別することで統合的な監視を実施する水中セキュリティソーナーシステムの開発を目的とした。
世界先端レベルの音響ビデオカメラと音響レーダの単体性能の評価、センサーに最適なソフトウエアの開発を行い、最終的に巡視船艇や港湾等から水中を統合的に監視する水中セキュリティソーナーシステムとしての実用性を評価することを目指した。
国際的に技術評価の高い海外メーカと協力して音響レーダ・音響カメラを新規開発あるいは改造し、侵入検知アルゴリズムをはじめとする運用サイドを意識した各種センサー情報の統合システムを開発した。運用を想定した実証実験を多数行い、実用に供することができる高い性能の監視システムを実現しており、十分に当初の目標を達成したと判断できる。今後の実運用試験と研究継続により、さらに発展が期待される。
<総合評価:B>
センシング技術、情報処理技術をベースとする総合力で目標を達成しており、システム化も目標通り行われている。実証実験だけでなく、実際の現場で第三者による実運用試験も行われており、完成度は高いと判断できる。自動監視システムとしてはさらなる検証を行い、個々の施設に適応したシステムの改良が今後期待される。
アウトリーチ活動として青少年を含む一般公開において実演等を積極的に行ったことは高く評価できる。論文発表や学会等での発表が少ないことは研究の性格上理解される。しかしながら、テロの抑止効果も十分に期待できることから、今後の適切な公表が望まれる。
新規製品、既存製品の改良、新規システム開発をバランス良く組み合わせて実用実施レベルを達成している。運用試験も多数行ったことから産学官の連携も良く、妥当な研究計画と体制であったと判断できる。しかし、外国企業との共同研究であり成果の公表や今後の発展について制約が懸念されることから、国内企業との連携についてなお改善の余地がある。
国際的にトップレベルの海外企業との相補的な共同体制も確立しており、すでに実用レベルのシステムが完成している。また、関係省庁との協力体制もあり、実用システムとしての発展性・継続性は高い。なお、海外企業が関わっているため、国内でのシステムの実施や改善が担保されることが望まれる。
総合評価 | 目標達成度 | 情報発信 | 研究計画・ 実施体制 | 実施期間終了時に おける取り組みの 継続性・発展性 |
B | b | b | b | a |
科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)
-- 登録:平成21年以前 --