(中間評価)
(実施期間:平成18〜22年度)
実施機関:東京農工大学(代表者:小畑 秀文)
若手研究者が自立的に研究できる独立した拠点を設置する。テニュア・トラック制度を中心とする人事制度を新設して、自立的に独自の研究を遂行できる環境を提供し、併せて、研究テーマの自立性を保証しつつ高い見地からの指導や支援を受けて優れた研究成果を挙げられるよう支援し、高いテニュア取得率を前提にポストを確保する。本プログラム終了までにこの理念と制度を全学に拡大し、定着させる。テニュア取得教員には、既存教員も含めて、研究教育能力を拡大するためのサバティカル制度を設ける。また、研究・教育能力の維持をはかるための再審査制度を導入する。採用審査と再審査のためには、学外委員も含めた教員審査委員会を組織し透明性を確保する。
本プログラムの主旨を踏まえ、30数名のテニュア枠を用意し、国際公募によって非常に多くの応募者から、外国籍及び女性研究者を含む優れた若手人材を任用している。高度に配慮された自立的環境下において適切な支援体制、教育機会により育成し、高い目標にもかかわらず計画が順調に遂行されていることは高く評価される。またテニュア審査基準も関係者の合意に基づく設定となっておりこれも高く評価できる。平成20年度から、当初予定を繰り上げて自己資金による任用を始めており、計画以上の制度の定着に向けた努力は高く評価される.また、任用及びテニュア審査に学外者を含めた審査体制を作り評価の透明性も確保されている。
以上のことから、総合的に判断して所期の計画以上に取組が行われていると評価される。
<総合評価:A>
優秀な若手研究者を任用して育成する人事システムを確立しており、独自の制度も含めて全学に展開すべく、自己資金での取組を開始していることは高く評価できることから、今後も計画に沿って着実に発展させながら本プログラムを継続していくべきである。今後は、PDCAのサイクルを廻しながら更に優れたシステムにしていくことが期待される。
<今後の進め方:A>
中間時の目標を達成しており、順調に進捗している。教員の自立性が確保されまたテニュア審査基準も若手研究者の意見も反映した優れた方法で設定・周知されている。 また自己資金による採用も開始していることから、進捗状況は所期の目標に達しているものと評価される。特に計画変更の必要はなく、総合的な見直しと共に、計画以上の自己努力も続けられることが期待される。
2期にわたり国際公募を行い、採用審査は多くの学外委員からなる透明性の高い選考委員会を設置し、非常に多くの応募者の中から厳正に選考している。女性研究者、外国籍研究者を含む教員の業績評価は、既に学内で開始している自己目標管理法により行い、また外部専門家のレビューも行っており、明快な公募・審査・業績評価システムは高く評価できる。
研究環境については、研究資金、研究スペースを確保し、メンターを配置するとともに若手研究者支援室を設置して支援を行っている。研究の自立性も確保できており、科学研究費の採択率も高く育成システムが十分に機能している事が伺える。また、若手研究者を学内の教育・管理運営活動にも積極的に関与させているなど教育・管理能力育成への取組も高く評価できる。ただし、期待される具体的な教員像については更に明確にしていくことが望まれる。
目指すシステム改革の構想が明確であり、外部委員による総合評価委員会を設置し、着実にPDCAサイクルを実現している。特に、女性研究者への人的支援や産休制度などきめ細かなシステム構築に向けた動きは適切である。また日本型テニュア・トラック・シンポジュームを開催し、他機関も含めたプログラム全体の効果を高めていることは評価できる。異業種間若手研究者交流会、マネージメント研修などの諸制度を実施しており、高度の人材育成効果が期待される。
全学への展開を視野に、自己資金によるテニュア・トラック制度を本年より開始している。大学の制度としてサバティカル制度の定着も目指しており、本部・部局・専攻の協力による資金計画も明確であり、マネージメントの積極的な取り組みで今後の継続性・発展性が期待される。
総合評価 | 今後の進め方 | 進捗状況 | 国際公募・ 審査・ 業績評価 | 人材養成 システム改革 (実施内容・実績) |
人材養成システム 改革 (マネジメント) | 実施期間終了後の 継続性 |
A | A | b | a | b | b | b |
科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)
-- 登録:平成21年以前 --