(中間評価)
(実施期間:平成18~22年度)
実施機関:大阪大学(代表者:馬場 章夫)
工学研究科附属フロンティア研究センターに、独立した「グローバル若手研究者フロンティア研究拠点」を設置し、ここで1、2年目は5名ずつの「特任講師」を振興調整費で採用し、国際的な高いレベルの環境下で研究と教育にあたらせる。採用は国際公募とし、助手あるいはポスドク経験者から優秀な人材を求める。外部委員を半数含む若手育成委員会と国際的な専門委員による厳正な審査で採用する。採用者の過半数は工学研究科以外からとする。3年目の中間評価で特に顕著な成果を上げた者は特任准教授に昇任させる。任期終了時に厳正な審査のもとに、工学研究科経費による准教授に任用する。
優秀な若手研究者を育成することを通して、研究科長主導による重要学問分野の強化および新規学問分野の導入を図ることが可能となる。グローバル若手研究者フロンティア研究拠点は挑戦的活動実績のあるフロンティア研究センターに置き、人事は工学研究科長直轄とする。新規・重要学問分野は、研究科長のリーダーシップのもと戦略的に選考し、スクラップアンドビルドを含めた工学研究科の将来発展につなげる。なお、グローバル若手研究者フロンティア研究拠点の教員の講義は英語で実施する。
国際公募と外部審査委員による透明性の高い採用審査システムが実施され優れた人材を集めることに成功し、若手研究者が高いレベルの成果を挙げている。制度設計の見直しも適切に実施され、難しい人事システム改革に着実な取組を行うなど評価できる点が多い。運営費交付金により若手研究者を採用したテニュア・トラック制度の定着化に向けた取組も高く評価できる。今後、応募者数が比較的少ないことや、国際公募による外国人採用の割合が少ない等について改善が望まれる。また、平成20年度に採択された拠点との連携を図り、大学全体へのシステム導入の方法を明らかにすることが必要である。
<総合評価:B>
テニュア・トラック制度の設計、研究環境の整備、各種支援等についての計画がよく練られており、当初計画どおりに自主経費により若手研究者を採用する制度定着に向けた取組にも着手していることから、計画に従って更に発展させるべきである。今後、工学研究科を越えて全学的なシステム改革への展開が期待される。
<今後の進め方:A>
工学研究科に独立したグローバル若手研究者フロンティア研究拠点を設置して、公募、審査、育成、評価に関する制度を構築した。国際公募により若手研究者数を計画どおりに採用するとともに、女性研究者、外国人研究者なども含む優れた人材を採用し活発な成果が報告されていることから、所期の計画どおりに進捗していると判断できる。
外国および他機関の研究者によるピアレビューを取り入れた国際公募審査システムの透明性は高く評価できる。しかし、応募者数が少ないことや、海外からの採用者が少ないことなどへの改善に関する取組も期待される。真に独立した多様性のある人材の確保に向けて、海外の関係機関に強く推薦要請を行うなど幅広く公募を行い、より広い視点から採用を行うなどの取組が望まれる。
教育研究力に加え、管理能力も含めたトータル人材の育成を目指して努力していることは高く評価できる。若手研究者個々人にメンターを配置するなど、人材育成に適切な手当がなされている。一方メンターと実験室を共有する若手研究者に関しては、自立性の確保が図られるような制度設計も望まれる。また、世界的リーダー育成の観点から、若手が自主的に国際社会の中で競争力を身につけるシステムの構築なども望まれる。
工学研究科で独立した運営のため工学研究科長のリーダーシップのもとでシステム改革が実行しやすい体制にあり、制度の定着化に向けて自己資金による若手研究者の採用を開始した取組は高く評価できる。
特進キャリアパスとしての「テニュア・トラック制度」定着のための「グローバル若手研究者育成拠点」の設置など継続のためのシステム改革にも既に手が打たれており、運営費交付金などからの自己資金確保にも見通しがつけられているなど一部局としての継続性・発展性の確保は十分に期待できるが、全学への展開について平成20年度採択された拠点との連携と特徴あるシステム構築が望まれる。
総合評価 | 今後の進め方 | 進捗状況 | 国際公募・ 審査・ 業績評価 | 人材養成 システム改革 (実施内容・実績) |
人材養成システム 改革 (マネジメント) | 実施期間終了後の 継続性 |
B | A | b | b | b | b | b |
科学技術・学術政策局科学技術・学術戦略官付(推進調整担当)
-- 登録:平成21年以前 --