大学発新産業創出拠点プロジェクト(プロジェクト支援型)の実施機関の決定について(第2サイクル審査分)

文部科学省は、大学発新産業創出拠点プロジェクト(プロジェクト支援型)における実施機関の採択(第2サイクル審査分)を決定しましたのでお知らせいたします。

本事業は、ベンチャーキャピタル等の民間の事業化のノウハウを活用し、リスクは高いがポテンシャルも高い大学・独立行政法人等の技術シーズに関して、起業前段階から、事業戦略・知的財産戦略を構築し、市場や出口を見据えて事業化を目指すものとして今年度より開始しました。

今回、すでに本事業の「事業プロモーター支援型」(参考資料1)として選定された、事業化ノウハウを持った人材(以下、「事業プロモーター」という。)のユニットによる目利きのもと、全国の大学・独立行政法人等の革新的な技術シーズにより、大学等発ベンチャー等を通じた事業化を目指す7つのプロジェクトを外部有識者による審査を踏まえて選定しました。

今回選定された7つのプロジェクトは、事業プロモーターのマネジメントのもと、グローバル市場への展開を見据え、必要となる技術者・起業家候補者等の人材を結集しつつ研究開発と事業育成を一体的に推進し、3年を目途に、民間資金を呼び込みつつ、ベンチャー企業の設立及び概念実証(POC:Proof of Concept)等を目指します。(※「プロジェクト支援型」は年3回のサイクルに分けて審査を行い、第3サイクルの実施機関は9月中旬に決定する予定です。)

 1.  事業の概要

(1)事業の目的

我が国では、大学・独立行政法人等の基礎研究成果等に関し、大学等発ベンチャー等を通じた新規マーケットへの事業展開が十分に行われていないのが現状です。

本事業は、こうした現状を踏まえ、大学等のポテンシャルの高いシーズの事業化を通じて新産業の創出、新規マーケットの開拓を目指すものです。大学等発ベンチャーの起業前段階から研究開発・事業育成のための政府資金と民間の事業化ノウハウ等を組み合わせることにより、シード・アーリー段階にも民間資金を積極的に呼び込み、既存企業ではリスクは高いがポテンシャルの高いシーズに関して、事業戦略・知財戦略等を構築し、グローバル市場を見据えた事業化を目指します。

(2)「プロジェクト支援型」の概要(参考資料1参照)

本事業は、「事業プロモーター支援型」と「プロジェクト支援型」の2つの事業タイプによって構成されています。今回採択を決定したのは「プロジェクト支援型」のうち第1サイクル審査分となります。

プロジェクト支援型では、大学・独立行政法人等が、事業プロモーターのプロジェクトマネジメントのもと、研究開発費及び事業化支援経費を活用して、グローバル市場を視野に入れた研究開発プロジェクトを推進し、3年を目途に、民間資金を活用しながらベンチャー企業の設立及び概念実証等を目指します。 

2.  審査の経緯

(1)公募の実施

  • 公募期間:平成24年4月19日(木曜日)~ 7月2日(月曜日) ※1  
  • 申請件数:112件 ※2

※1:第2サイクルの審査対象となった第1次申請の受付期間であり、本年度は第3サイクルの締切りである8月6日(月曜日)まで公募を行いました。

※2:上記公募期間中の累計申請件数。(第1サイクル及び第2サイクルの累計)

(2)審査の実施

各審査は、「大学発新産業創出拠点プロジェクト(プロジェクト支援型)補助事業者の選考に係る審査実施要綱」及び「大学発新産業創出拠点プロジェクト(プロジェクト支援型)の審査・選考に関する利益相反の考え方」に基づき、事業プロモーターによる第1次申請の評価(技術評価、デューデリジェンス等)、外部有識者により構成される「大学発新産業創出拠点推進委員会」において審査を実施しました。

※ 大学発新産業創出拠点推進委員会の委員名簿は、「大学発新産業創出拠点プロジェクト(プロジェクト支援型)」の平成24年度審査が続いているため非公開としています。 

3.採択実施機関

上記の手続により、以下の7つのプロジェクトを実施機関として決定しました。(機関名五十音順) 

プロジェクトの名称

機関名
(研究開発機関)

研究代表者

事業プロモーター
ユニット

プロジェクトの概要

miRNAプロファイルモジュレーションシステムの開発

公立大学法人大阪市立大学

大阪市立大学大学院工学研究科 准教授

立花 亮

バイオ・サイト・キャピタル株式会社

本プロジェクトでは、新規miRNA阻害剤や高性能siRNA/miRNA等のRNAiモジュレーターによる細胞機能制御に基づいたmiRNA医薬品のプラットホームテクノロジーを確立し、国際的な戦略的基本特許の獲得およびそれに基づくベンチャー企業の設立・育成を目指す。

がん特異的アミノ酸輸送体を分子標的とする新規PET診断用プローブ

国立大学法人大阪大学

大阪大学大学院医学系研究科 教授

金井 好克

バイオ・サイト・キャピタル株式会社

本プロジェクトは、がん特異的アミノ酸輸送体LAT1を分子標的とする新しいPET診断用プローブを創製し、従来のがんPET診断の精度を格段に向上させる画期的な診断方法の事業化を目指す。

無線アクセスポイント仮想化による情報通信サービスの高度化

国立大学法人東京大学

東京大学大学院情報学環 准教授

中尾 彰宏

株式会社東京大学エッジキャピタル

本プロジェクトは、無線アクセスポイントの仮想化を行うことで、従来のネットワーク内に新しい機能を柔軟に動的に複数独立に配備可能とし、端末からクラウドへの情報アクセス高度化技術の提供とその事業化を目指す。

非侵襲型診断医療に向けた半導体バイオセンシングの実用開発研究 ~採血フリーグルコースセンサによる糖尿病患者の負担軽減を目指して~

国立大学法人東京大学

東京大学大学院工学系研究科 准教授

坂田 利弥

株式会社東京大学エッジキャピタル

本プロジェクトは、糖尿病患者の血糖値診断時の負担軽減のために半導体原理に基づく採血フリーのグルコースセンサーを開発し、その事業化を目指す。

高速液クロ/質量分析装置用普及型脱塩インターフェース、および試薬の開発

国立大学法人東京農工大学

東京農工大学大学院農学研究院応用生命化学部門 教授

千葉 一裕

株式会社ジャフコ

本プロジェクトは、高速液体クロマトグラフィー・質量分析法で分析性能を向上させるために、溶液中のリン酸塩を選択的かつ効率的に分離することができる優れた試薬を開発し、革新的な質量分析の事業化を目指す。

複合型光ファイバを適用した産業及び医療用ツール開発プロジェクト

独立行政法人日本原子力研究開発機構

独立行政法人日本原子力研究開発機構量子ビーム応用研究部門 研究主幹

岡 潔

つくばテクノロジーシード株式会社

本プロジェクトでは、元々原子力分野で開発された複合型光ファイバースコープシステムを医療及び産業へ応用する。観察とレーザー照射を同時に行え、外径の極細化が可能であることを活かし、種々の臓器に適合した低侵襲性治療器具や産業分野での配管保守ツールの事業化を目指す。

アグリ・グリーンイノベーションを実現する生分解性抗菌ナノ粒子による農業用抗菌剤の研究開発

公立大学法人横浜市立大学

横浜市立大学大学院医学研究科 准教授

城武 昇一

DBJキャピタル株式会社

本プロジェクトは、細胞壁に特異的に吸着する特性を有し、独自の作用機序によって溶菌を引き起こす生分解性の抗菌ナノ粒子の開発を行い、当該技術を用いた農業用抗菌剤の実用化を目指す。

4.今後の予定

今後、第3サイクルにおいて審査を実施します。審査日程の詳細については、参考資料2および下記の本事業ホームページをご覧ください。

大学発新産業創出拠点プロジェクト(※独立行政法人科学技術振興機構ウェブサイトへリンク)

お問合せ先

大学発新産業創出拠点プロジェクト担当

電話番号:03-6734-4023
ファクシミリ番号:03-6734-4172
メールアドレス:start@jst.go.jp

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(大学発新産業創出拠点プロジェクト担当)

-- 登録:平成24年08月 --