文部科学省は、大学発新産業創出拠点プロジェクト(プロジェクト支援型)における実施機関の採択(第1サイクル審査分)を決定しましたのでお知らせいたします。
本事業は、ベンチャーキャピタル等の民間の事業化のノウハウを活用し、リスクは高いがポテンシャルも高い大学・独立行政法人等の技術シーズに関して、起業前段階から、事業戦略・知的財産戦略を構築し、市場や出口を見据えて事業化を目指すものとして今年度より開始しました。
今回、すでに本事業の「事業プロモーター支援型」(参考資料1)として選定された、事業化ノウハウを持った人材(以下、「事業プロモーター」という。)のユニットによる目利きのもと、全国の大学・独立行政法人等の革新的な技術シーズにより、大学等発ベンチャー等を通じた事業化を目指す5つのプロジェクトを外部有識者による審査を踏まえて選定しました。
今回選定された5つのプロジェクトは、事業プロモーターのマネジメントのもと、グローバル市場への展開を見据え、必要となる技術者・起業家候補者等の人材を結集しつつ研究開発と事業育成を一体的に推進し、3年を目途に、民間資金を呼び込みつつ、ベンチャー企業の設立及び概念実証(POC:Proof of Concept)等を目指します。(※「プロジェクト支援型」は年3回のサイクルに分けて審査を行い、第2サイクルの実施機関は8月中旬に決定する予定です。)
我が国では、大学・独立行政法人等の基礎研究成果等に関し、大学等発ベンチャー等を通じた新規マーケットへの事業展開が十分に行われていないのが現状です。
本事業は、こうした現状を踏まえ、大学等のポテンシャルの高いシーズの事業化を通じて新産業の創出、新規マーケットの開拓を目指すものです。大学等発ベンチャーの起業前段階から研究開発・事業育成のための政府資金と民間の事業化ノウハウ等を組み合わせることにより、シード・アーリー段階にも民間資金を積極的に呼び込み、既存企業ではリスクは高いがポテンシャルの高いシーズに関して、事業戦略・知財戦略等を構築し、グローバル市場を見据えた事業化を目指します。
本事業は、「事業プロモーター支援型」と「プロジェクト支援型」の2つの事業タイプによって構成されています。今回採択を決定したのは「プロジェクト支援型」のうち第1サイクル審査分となります。
プロジェクト支援型では、大学・独立行政法人等が、事業プロモーターのプロジェクトマネジメントのもと、研究開発費及び事業化支援経費を活用して、グローバル市場を視野に入れた研究開発プロジェクトを推進し、3年を目途に、民間資金を活用しながらベンチャー企業の設立及び概念実証等を目指します。
※1:第1サイクルの審査対象となった第1次申請の受付期間であり、本年度は第3サイクルの締切りである8月6日(月曜日)まで引き続き公募を行います。
※2:第1サイクルの審査対象となった第1次申請の件数。なお、本申請件数のうち、一部の申請については継続してデューデリジェンス等が行われているため、第2サイクル以降で審査・採択される可能性があります。
各審査は、「大学発新産業創出拠点プロジェクト(プロジェクト支援型)補助事業者の選考に係る審査実施要綱」及び「大学発新産業創出拠点プロジェクト(プロジェクト支援型)の審査・選考に関する利益相反の考え方」に基づき、事業プロモーターによる第1次申請の評価(技術評価、デューデリジェンス等)、外部有識者により構成される「大学発新産業創出拠点推進委員会」において審査を実施しました。
※ 大学発新産業創出拠点推進委員会の委員名簿は、「大学発新産業創出拠点プロジェクト(プロジェクト支援型)」の平成24年度審査が続いているため非公開としています。
上記の手続により、以下の5つのプロジェクトを実施機関として決定しました。(機関名五十音順)
プロジェクトの名称 |
機関名 |
研究代表者 |
事業プロモーター |
プロジェクトの概要 |
---|---|---|---|---|
スマートエネルギー利用植物工場 |
国立大学法人九州大学 | 九州大学大学院工学研究院 機械工学部門 准教授 濱本 芳徳 |
DBJキャピタル株式会社 | 本プロジェクトは、アラブ首長国連邦、サウジアラビア等、高温、多太陽エネルギーの地域を対象に、安価でメンテナンスの容易な植物工場を実現する温湿度独立制御技術と太陽集熱技術の開発と実証を行うとともに、事業化を目指す。 |
気体の超精密制御技術を基盤とした低侵襲性手術支援ロボットシステムの開発 |
国立大学法人東京工業大学 | 東京工業大学精密工学研究所 准教授 川嶋 健嗣 |
株式会社ジャフコ | 本プロジェクトは、気体の精密制御技術を有する強みを活かし、低侵襲手術支援機器として、内視鏡を医師の頭部動作で直感的に操作できるシステムと、力覚提示機能を有する次世代手術支援ロボットシステムを開発し、ベンチャー企業を設立して事業化を目指す。 |
抗CD4抗体投与による骨髄移植に伴う副作用(GVHD)の軽減と抗腫瘍効果(GVL/T)の促進をねらった治療 |
国立大学法人東京大学 | 東京大学大学院医学系研究科 分子予防医学分野 教授 松島 綱治 |
株式会社東京大学エッジキャピタル | 造血幹細胞移植は究極のがん根治療法であり、血液がんだけでなく固形がんに対する効果が示されているが、重篤な副作用GVHDと抗腫瘍効果の鑑別制御ができていないため、臨床応用が進んでいない。本プロジェクトでは、抗CD4抗体を用いて上記課題を解決し、実用化を目指す。 |
高性能・低価格太陽電池を実現するためのCuペーストの開発 |
国立大学法人東北大学 | 東北大学未来科学技術共同研究センター 教授 小池 淳一 |
東北イノベーションキャピタル株式会社 | 本プロジェクトは、太陽電池用Cuペーストという新産業の創出を目指して、スクリーン印刷が可能な銅(Cu)ペーストを製造・販売するためのベンチャー企業を設立し、グローバル市場へと展開することを目的とする。 |
次世代ハイビジョン用画像デコーダLSIの事業化 |
学校法人早稲田大学 | 早稲田大学情報生産システム研究科 教授 後藤 敏 |
ウエルインベストメント株式会社 |
本プロジェクトは、データ圧縮の世界標準規格であるH.264規格及び次世代規格HEVC 対応の復号化LSI を実用化し、得られる知的財産(IP)を世界のエレクトロニクス企業へライセンスするベンチャー企業の設立を目指す。 |
今後、第2サイクル、第3サイクルにおいて審査を実施します。審査日程の詳細については、参考資料2および下記の本事業ホームページをご覧ください。
電話番号:03-6734-4023
ファクシミリ番号:03-6734-4172
メールアドレス:vc@jst.go.jp
-- 登録:平成24年07月 --