技術士資格の国際的通用性について

1.APECエンジニア

 1995年のAPEC閣僚会議の決議に従い、2000年にAPECエンジニアの認定登録制度が合意され、政府間ベースのAPECエンジニアの枠組みが創設されました。これは、実務経験等が一定レベル以上と認められる技術者に、APEC域内での共通の称号を与え、国際的な活躍を支援することを目的としています。
 各国・エコノミーはそれぞれ「モニタリング委員会」を設立し、登録の審査を行います。この審査を受け登録を受けるとAPECエンジニアとして名乗ることができます。
 日本の場合、登録分野は11分野(*)に分かれています。また、日本の技術士は全ての技術部門(選択科目)が申請を行うことができます。
(*)11分野とは、「Civil」「Structural」「Geotechnical」「Environmental」「Mechanical」「Electrical」「Industrial」「Mining」「Chemical」「Information」「Bio」です。うち、「Structural」には技術士のみでなく一級建築士が含まれます。
 APECエンジニアとして登録するためには、「APECエンジニア・モニタリング委員会」の審査を受ける必要があり、日本では公益社団法人日本技術士会の「APECエンジニア審査委員会」がその審査の一部を行っています。

APECエンジニア事務局(※公益社団法人日本技術士会ウェブサイトへリンク) 別ウィンドウで開きます

2.日豪協定

 APECエンジニア相互認証プロジェクトにおける初の相互免除協定としてオーストラリアと協議を実施し、2003年10月1日に技術士資格の相互認証を行う枠組み文書が両国間によって署名されました。日本が唯一締結している技術者相互認証の二国間協定です。
 技術士法第31条の2第1項の規定に基づき、技術士法施行規則第13条の2に技術士の資格に関する特例が規定されています。

概要

• 相互承認の対象となる技術者は、各々の国においてAPECエンジニアに登録されている者とします。
• この枠組みは、両国が類似の範囲を有する技術部門に適用します。(現行相互承認を行うAPECエンジニアの登録分野は、Mechanical、Electrical、Chemicalの分野に限ります。)

【参考】日豪協定の対象となる技術士の技術部門及び選択科目(令和3年9月現在)

APECエンジニアの分野 技術部門 選択科目
Mechanical 2 船舶・海洋部門 2-1 船舶・海洋
3 航空・宇宙部門 3-1 航空宇宙システム
6 繊維部門 6-2 繊維加工及び二次製品
7 金属部門 7-1 金属材料・生産システム
7-2 表面技術
7-3 金属加工
Electrical 16 情報工学部門 16-1 コンピュータ工学
16-3 情報システム
16-4 情報基盤
Chemical 5 化学部門 5-1 無機化学及びセラミックス
5-2 有機化学及び燃料
5-3 高分子化学
5-4 化学プロセス
6 繊維部門 6-1 紡糸・加工糸及び紡績・製布
6-2 繊維加工及び二次製品
7 金属部門 7-1 金属材料・生産システム
7-2 表面技術
12 農業部門 12-2 農業・食品

• 一方の国のAPECエンジニアが、他方の国(以下、受入国という)においてエンジニア登録を受けるためには、受入国における1年間相当の実務経験を経る必要があります。
• 相互承認により受入国においてエンジニア資格を保有する場合であっても、入国審査及び査証に係る所要の手続は必要です。

資格認定手続について

• オーストラリアにおけるAPECエンジニアの登録及びチャータード・プロフェッショナル・エンジニアの資格付与を御希望の技術士の方は、以下のページを御確認ください。
Applying through a Mutual Recognition Agreement(※Engineers Australiaウェブサイトへリンク) 別ウィンドウで開きます
• 日本における技術士登録簿への登録を御希望のチャータード・プロフェッショナル・エンジニアの方は、下記お問合せ先まで御連絡ください。

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

(科学技術・学術政策局人材政策課)