元大阪大学工学研究科教員による研究活動上の特定不正行為(捏造、改ざん)の認定の認定について

【基本情報】

番号

2018-07

不正行為の種別

捏造、改ざん

不正事案名

元大阪大学工学研究科教員による研究活動上の特定不正行為(捏造、改ざん)の認定について

不正事案の研究分野

地盤工学、地震工学

調査委員会を設置した機関

大阪大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

大阪大学 大学院工学研究科 元准教授

不正行為と認定された研究が行われた機関

大阪大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

告発受理日

平成29年9月27日、平成29年11月22日、平成29年12月12日、平成29年12月27日

本調査の期間

平成30年2月17日~平成30年12月17日

不服申立てに対する再調査の期間

報告受理日

平成31年3月14日

不正行為が行われた経費名称

科学研究費補助金

 

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要


1.告発内容及び調査結果の概要
 大阪大学大学院工学研究科准教授(当時)の熊本地震等にかかる論文に捏造等の不正が疑われるとして、平成29年9月27日付け、平成29年11月22日付け、平成29年12月12日付け、平成29年12月27日付けの4回(他に追加資料の提出あり)にわたり申立書の提出があった。
 これらの申立てを受け、「大阪大学における公正な研究活動の推進に関する規程」に基づき、予備調査の実施を経て本調査委員会を設置し、研究活動上の不正行為の有無を調査した。
 調査の結果、研究活動上の不正行為である「捏造」及び「改ざん」が行われたものと認定した。
 

2.大阪大学における本調査の体制、調査方法、調査結果等について
(1)調査委員会における調査体制
  8名(内部委員2名、外部委員6名)

(2)調査の方法等
 1)調査対象
  ア)対象研究者:大学院工学研究科元准教授    
  イ)対象論文:不正行為の疑いがあるとの指摘があった論文計44編

 2)調査方法
  ・調査方法の決定
  ・申立書、対象論文の精査
  ・予備調査結果報告書の精査
  ・関係資料の収集・精査
  ・元准教授への聞き取り調査
  ・共著者への聞き取り調査

(3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論
 1)結論
  調査の結果、5編の論文について、研究活動上の不正行為である「捏造」及び「改ざん」が行われたものと認定した。

 2)認定理由
  元准教授が自ら地震計を設置して観測したとする観測データは、他機関が設置している地震計の観測データの転用等により作成されたものと判断した(捏造)。また、元准教授は、上記データを自ら観測したものであると信頼させるため、理論計算値を変更したものと判断した(改ざん)。

(4)その他
 対象論文44編のうち17編については、大阪大学規程及びガイドラインに照らして検討した結果、特定不正行為の疑いは強いものの、元准教授に対する聞き取り調査や生データを確認することがかなわなかったため、特定不正行為とは断定できず、判定留保とした。

 

3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について
 特定不正行為と認定した論文5編のうち1編について、日本学術振興会からの科学研究費助成事業(科学研究費補助金)から論文掲載料の支出があった。
 

◆研究機関が行った措置

1.競争的資金等の執行停止等の措置
  元准教授は平成29年12月28日付けで本学を退職したため、同人が平成29年度交付を受けた科学研究費助成事業の研究課題については廃止届を提出し、承認済みである。


2.その他
 特定不正行為と認定した論文について、各学会に対して論文取下げ依頼を行うとともに、関係者及び関係機関に対し、調査結果を通知した。

◆発生要因及び再発防止策

1.発生要因
 大阪大学では平成18年9月に「大阪大学研究公正に関する遵守要綱」「大阪大学研究公正委員会等に関する規程」を定め、その後ガイドラインを踏まえて規程等を見直し、全学的な研究不正の防止及び研究倫理意識の醸成に取り組んでいる。これまで、教職員に対して、研究者倫理の向上及び不正行為防止に関する周知を行ってきたところであるが、今回の不正事案においては、研究者としての行動規範や研究倫理の欠如が見られ、また、研究データの管理についても理解が不十分であったといわざるを得ない。
 

2.再発防止策
 再発防止に向けて以下の取組を実施することとしている。
 (1)研究者全員に対して研究倫理に関する研修・講習等の受講を改めて周知徹底するとともに、注意喚起の配布物を作成・配布するなど、不正行為の再発防止に努める。
 (2)本件のような特定不正行為を防止するためにも研究データの保存等については、大学及び各部局の規程、ガイドライン等で定めているところであるが、さらなる周知徹底を図るとともに、研究データの管理状況の把握等について組織的な取組を検討する。

 

 

 

 

◆配分機関が行った措置

 科学研究費助成事業(科学研究費補助金)について、捏造・改ざんと直接的に因果関係が認められる経費の支出があったため、資金配分機関である日本学術振興会において、当該経費の返還を求めた。

 なお、不正が認められた論文は科学研究費助成事業(科学研究費補助金)の成果として作成された論文であることから、当該資金への申請及び参加資格の制限の対象となるが、措置の対象者が故人であるため、資金配分機関である日本学術振興会において、資格制限の措置を講じないこととした。

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874

(科学技術・学術政策局人材政策課研究公正推進室)