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久留米大学法学部所属教員による研究活動上の不正行為(盗用)の認定について

【基本情報】

番号

2018-06

不正行為の種別

盗用

不正事案名

久留米大学法学部所属教員による研究活動上の不正行為(盗用)について

不正事案の研究分野

法学

調査委員会を設置した機関

久留米大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

久留米大学 法学部 教授

不正行為と認定された研究が行われた機関

久留米大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

告発受理日

平成30年4月27日

本調査の期間

平成30年6月~平成30年7月

不服申立てに対する再調査の期間

報告受理日

平成31年1月16日

不正行為が行われた経費名称

該当なし

 

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要


1.告発内容及び調査結果の概要
 学外から久留米大学法学部へ、学内紀要に掲載している論文に盗用の疑いがあるとの指摘があり、法学部より最高管理責任者(学長)へ申立てがあった。これを受け、「久留米大学における研究活動に係る不正行為の防止に関する規程」に基づき、予備調査後、調査委員会を設置した。また、法学部より当該教授の他の論文1編について、一部類似の表現がある旨の報告があったことを踏まえ、調査委員会ではこれら2編の論文を調査した。
 調査の結果、学外から指摘された論文については、盗用が行われたものと認定した。一方、法学部から本調査委員会に報告を受けた論文については、不正は認められなかった。
 

2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について
(1)調査委員会における調査体制
 8名(内部委員4名、外部委員4名)


(2)調査の方法等
 1)調査対象
  ア)対象者:法学部 教授
  イ)対象論文:学内紀要に掲載された論文2編(学外から指摘のあった1編(以下「論文1」という)及び法学部から報告を受けた1編(以下「論文2」という))

 2)調査方法
  調査対象論文の比較・精査を行い、併せて同教授に対して弁明書の提出を求めるとともに事情聴取を行った。

(3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論
 1)結論
  論文1については「久留米大学における研究活動に係る不正行為の防止に関する規程」及び「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」で定義する特定不正行為である「盗用」が行われたものと認定した。
  また、論文2については、不正は認められなかった。。

 2)判断理由
  論文1については、盗用元とされる論文と本文や注記を含めて大部分が同じであり、引用(典拠記載を含む)も不適切であった。判例評釈という論文で、性質上、事案の概要や判旨が、類似、又は一致することはあるとしても、研究者が独自の見解を述べるべき評釈までほとんど引用であったことから盗用と判断した。
  また、論文2については、引用の注記があり、評釈の部分は、同教授の見解や自身の判決からの引用かつ先行論文には指摘のない部分が多く、先行論文からの引用は、判決の事実認定部分などに限られており、全体として同教授の独自の論文と評価できることなどを総合的に考慮して、盗用には当たらないと判断した。

 

3.特定不正行為に直接関連する経費の支出について
 盗用と直接因果関係が認められる公的研究費の支出はなかった。
 

◆研究機関が行った措置

1.当該論文執筆者に対する処分
 久留米大学教職員就業規則に基づき、執筆者である教授を停職90日の懲戒処分とした。


2.論文の取下げ
 同教授に対し、当該論文の取下げ勧告を行った。
 

◆発生要因及び再発防止策

1.発生要因
 本件は、当該教授が論文等を作成する際に当然守るべき研究者倫理(他の研究者の成果に対する適切な引用等)の意識を欠いていたというに尽きる。ただ、その過程をみると、同教授が、自らの論文の作成に当たり、十分な注意を払えば簡単に防げる過誤であって、論文作成の安易な手法がこの結果を招いたのではないかと考える。さらに、投稿論文のチェックなど紀要の編集体制に問題があった可能性がある。
 また、久留米大学では、平成19年度から「研究活動に係る不正行為の防止に関する規程」を定め、学内研究者・研究支援者に対して、平成20年度から研究活動コンプライアンス・倫理研修会を実施し、平成27年度からは「久留米大学における研究活動の不正行為の防止及び研究倫理リーフレット」を作成・配付し、盗用を含む研究活動における不正行為防止について啓発活動を続けてきたが、一部の研究者において研究不正に対する理解度に不十分な点があったことも否めない。
 

2.再発防止策
 本件の研究不正は、同教授個人の研究に対する姿勢の問題が大きいが、機関としても研究者における研究倫理の理解の定着に配慮していなかったことが本件発生の一因とも考えられる。
 久留米大学においては、平成27年度から「久留米大学における研究活動の不正行為の防止及び研究倫理リーフレット」を配布し注意喚起を行い、平成29年度から、学内研究者・研究支援者全員に対して、e-learning(理解度チェック機能あり)の受講を義務化している。今後もこれらの取組を継続し、研究倫理の理解の定着に努める
 また、上記倫理教育に加え、剽窃(ひょうせつ)行為を積極的に防止するために、平成30年度に、医学研究科・心理学研究科で導入した剽窃(ひょうせつ)チェックツールを全学的に普及拡大することを検討する。
 さらに、法学部では、多くの研究者が容易に論文にアクセスできることで不正の早期発見ができ、不正行為の抑止につながるように、紀要をウェブ上で公開すること、上記紀要の編集についても、編集委員の増員や、論文に対する査読を行うことによりチェック体制の強化を検討する。
 

 

 

 

 

◆配分機関が行った措置

 資金配分機関である文部科学省において、当該研究者に対して、資格制限の措置(平成31年度~平成35年度(5年間))を講じた。

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874

(科学技術・学術政策局人材政策課研究公正推進室)