研究活動上の不正行為(盗用)の認定について(2015-03)
	【基本情報】
	
		
			
				| 番号  | 2015-03  | 不正行為の種別  | 盗用  | 
			
				| 不正事案名  | 研究活動上の不正行為(盗用)の認定について  | 
			
				| 不正事案の研究分野  | 語学教育  |  調査委員会を設置した機関 | 大学  | 
			
				| 不正行為に関与した者等の所属機関、部局名、職名  | 教授   | 
			
				| 不正行為と認定された研究が行われた機関  | 大学  | 不正行為と認定された研究が行われた研究期間  |  - | 
			
				| 告発受理日   | 平成26年4月22日  | 本調査の期間  | 平成26年6月13日~平成26年11月14日  | 
			
				| 不服申立てに対する再調査の期間   | 平成26年12月18日~平成27年6月2日  | 報告受理日  | 平成27年10月28日   | 
			
				| 不正行為が行われた経費名  | なし | 
		
	
	 
	【不正事案の概要等】
	
		
			
				| ◆不正事案の概要  | 
						
							告発内容及び調査結果の概要本件は、教員(以下「調査対象者」という。)が発表した論文について、他者の論文を適切な引用なく流用している行為(盗用)があるとの申立文書の送付を受け、究者倫理調査委員会において、事実関係を確認するとともに、関係者への聞き取り調査及び書面調査を行ったものである。
 調査の結果、研究活動における不正行為である「盗用」が行われたものと認定した。
 
 【調査申立者から申立てのあった不正の態様及び不正行為であるとする理由】
 (1) 不正の態様
 調査対象者が他者の論文を適切な引用なく流用(盗用)した疑い。
 (2) 研究活動における不正行為であるとする理由
 1) 調査対象者が指導学生との共著論文(以下「調査対象論文」という。)において、他者の論文の文章が、当該他者の了解なく、また適切な引用表示なく32行にわたって流用されていること。
 2) 調査対象者は、当該他者の論文の存在を知りながら適切な引用を怠って調査対象論文を作成したものと認められること。
 
本調査の体制、調査方法、調査結果等について(1)研究者倫理調査委員会における調査体制
 総括責任者(理事)を委員長とする9名(学内委員7名、学外有識者2名)
 (2) 調査の方法等
 1) 調査対象
 ア)  調査対象者
 教授
 イ) 調査対象論文
 調査申立者から不正行為(盗用)の疑いがあると指摘のあった論文
 (注)懲戒処分の公表基準において、公表する内容は、「個人が識別されないものを基本とする」と規定されていることを踏まえ、論文名は非表示
 2) 調査方法
 調査申立者から申立てのあった調査対象論文の書面調査を行うとともに、調査対象者及び共著者である元指導学生に対するヒアリングを実施した。
 (3) 本事案に対する研究者倫理調査委員会の調査結果を踏まえた結論
 調査申立者から研究活動上の不正行為の疑いがあるとして指摘があった、調査対象者が他者の論文を適切な引用なく流用(盗用)した疑いに関し、研究者倫理調査委員会が実施した調査結果を踏まえた大学の結論は以下のとおりである。
 
 (結論)
 大学における研究活動に係る不正行為の防止等に関する規程に定める研究活動上の不正行為である「盗用」(他の研究者のアイデア、分析・解析手法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者の了解もしくは適切な表示なく流用する行為)が行われたものと認定した。
 
 (認定理由)
 (1)調査対象者が平成25年3月に発表した元指導学生との共著論文において、他者の論文の文章が、当該他者の了解なく、また適切な引用表示なく32行にわたって流用されていること。
 (2)調査対象者及び元指導学生に対するヒアリングの結果、当該論文は、共著者である元指導学生の卒業論文に基づいて記述されたものであり、卒業論文には当該他者の論文が参考文献として明記されていることから、調査対象者は、指導教員として卒業論文に明記された当該他者の論文の存在を知りながら適切な引用を怠って調査対象論文を作成したものと認められること。
 (3)研究者倫理調査委員会の調査結果(「盗用」と認定)に対し、調査対象者から書面により不服申立てがあったが、同書面の精査、ヒアリングを実施するなど、改めて審査を行ったが、「盗用」の認定を覆す具体的な根拠がなかったこと。
 
認定した不正行為に直接関連する経費の支出について「盗用」を認定した論文の作成過程において、直接因果関係が認められる経費の支出はなかった。
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				| ◆研究機関が行った措置 | 
						
							競争的資金等の執行停止等の措置競争的資金等因果関係が認められる経費の支出はなかったことから、執行停止等の措置は講じていない。
 
調査対象者に対する大学の対応(処分等)研究活動上の不正行為(盗用)と認定された論文に関し、第一著者として責任を負うべき者である調査対象者の処分等の審査を行い、就業規則に基づき訓告を行うとともに、論文の取り下げを勧告した。
 
 (処分等の審査)平成27年6月12日~平成27年10月28日
 
論文の取下げ調査対象者の不正行為が認定された論文は、調査対象者の申出により既に取り下げられていることを確認した。
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				| ◆発生要因及び再発防止策 |   研究者倫理調査委員会における調査結果に鑑みると、調査対象者において、研究者としての行動規範に関する理解が不足していたことが原因と言わざるを得ない。大学では、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26年8月26日 文部科学大臣決定)を踏まえ、学長のリーダーシップの下、不正防止のための全学的組織体制の再構築、教職員向けパンレットによる周知啓発活動、e-Learningプログラムによる研究倫理教育の充実、剽窃検知・独自性検証ツールの組織的活用による事前チェックの強化などを通じて不正行為の再発防止の徹底に取組んでいく。
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				| ◆配分機関が行った措置 |   本件は競争的資金による経費の支出がなく、かつ平成24年に不正が行われた事案であることから、研究機関及び研究者に対する競争的資金の返還並びに研究者に対する競争的資金への申請及び参加資格の制限を行わない。 | 
		
	
	 
 
科学技術・学術政策局参事官(研究環境担当)付
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