北海道教育大学講師による研究活動上の不正行為(盗用)の認定について

【基本情報】

番号

2026-01

不正行為の種別

盗用

不正事案名

北海道教育大学講師による研究活動上の不正行為(盗用)の認定について

不正事案の研究分野

教育学

調査委員会を設置した機関

北海道教育大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

北海道教育大学 教育学部 講師

不正行為と認定された研究が行われた機関

北海道教育大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

令和5年度~令和6年度

告発受理日

令和7年3月6日

本調査の期間

令和7年4月25日~令和8年4月20日

不服申立てに対する再調査の期間

報告受理日

令和8年6月8日

不正行為が行われた経費名称

科学研究費助成事業

 

【不正事案の概要等】

◆不 正事案の概要  

1.告発内容及び調査結果の概要
    令和7年2月に、通報窓口に対し告発が寄せられ、告発内容に科学的合理性が認められたため告発を受理した。その後、予備調査を実施し、本調査の実施を決定した。本調査の結果、論文1編について盗用(特定不正行為)を認定した。

2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について
   (1)調査委員会による調査体制
       6名(内部委員3名、外部委員3名)
  
   (2)調査の方法等
      1)調査対象
        ア)調査対象者:北海道教育大学教育学部 講師
        イ)調査対象論文:1編(学内の紀要論文:2024年)

      2)調査方法
           調査委員会では、告発内容及び予備調査結果の確認、本調査の方針並びに告発者及び調査対象者への聴取事項の審議、調査対象論文と先行研究(論文)の比較分析等を行った。
           調査対象者に対し、ヒアリング調査前に調査事項(告発内容)及び共著者との関係・役割、使用経費等について事前確認を行った。また、全共著者に対し、論文の担当箇所、関与の度合い、調査対象箇所の認識等について書面調査の協力を依頼した。
           ヒアリング調査では、告発者に対し、調査事項を明確化するため告発内容についての確認行った。また、調査対象者に対し、事前書面調査の内容について確認を行った。さらに、書面調査の回答により、調査対象者の証言との矛盾点や共著者の関与度合いについて、詳細に確認を要する事項があると判断した共著者には、調査協力の一環としてヒアリングを実施した。
 
   (3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論
    (結論)
      1)認定した不正行為の種別
        盗用
      2)「不正行為に関与した者」として認定した者
        北海道教育大学教育学部 講師
  
    (認定理由)
       調査対象論文と先行研究(論文)の該当箇所の記述は、特に強調表示の方法においてほぼ完全に一致しており、しかもその箇所は複数にわたる。そして、対象論文に本件引用箇所を転記した際、調査対象者は、同時に、調査事項に係る先行研究(論文)の該当箇所を目にしたものと考えざるをえないことを合わせ考慮すれば、対象論文と先行研究(論文)の一致は、まさに調査対象者が先行研究(論文)の記述を流用したことにより生じたものと考えるのが合理的である。加えて、調査対象者は、当該一致が過失により生じたことを窺わせる供述を一切していない。以上から、故意による盗用にあたると認定した。

3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について
    科学研究費助成事業による研究成果であるが、不正行為を認定した論文の作成過程において、直接関係する経費の支出は認められなかった。
 

◆研究機関が行った措置

1.論文の取下げ等
    対象論文の訂正を勧告した。
 
2.被認定者に対する大学の対応(処分等)
    就業規則に基づき厳重注意を行った。

◆発生要因及び再発防止策

1.発生要因
    被認定者は、大学院において指導教員から適切な引用方法に関する指導を受けており、また、大学が実施する研究倫理教育のeラーニングプログラムを受講していたが、オーサーシップの重要性を軽視し、先行研究を自身の論文に流用したことが主たる要因である。
 
2.再発防止策
    オーサーシップの重要性を改めて注意喚起し、故意による盗用はもとより、研究者の不注意であるが故の不適切な引用(転載)や、研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を怠ったことによるものも研究不正行為に含まれる等、具体的に例示し、研究者が研究倫理と研究不正に対する認識を深め、大学の諸規程や法令等を遵守するよう注意喚起を行う。
    研究活動における不正防止マニュアルに、不正事案の具体例を追加するとともに、成果発表時の研究不正防止チェックリストを掲載し、研究活動の誠実性・公正性の確保に努めるよう、周知徹底を図る。
    剽窃チェックツールの積極的な活用など、査読体制の再検討を行うとともに、毎年度全学的に実施している研究倫理研修を継続的に実施し、研究倫理教育に関する風土の構築を推進する。
 

 

◆配分機関が行った措置

  科学研究費助成事業について、盗用と直接的に因果関係が認められる経費の支出はなかったため、返還を求めるものではないが、認定された論文は科学研究費助成事業の成果として執筆された論文である。このため、資金配分機関である日本学術振興会において、資格制限の措置を講じる予定である。

お問合せ先

科学技術・学術政策局参事官(研究環境担当)付

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874
メールアドレス:jinken@mext.go.jp

(科学技術・学術政策局参事官(研究環境担当)付研究公正推進室)