【基本情報】
番号 |
2024-01 |
不正行為の種別 |
捏造 |
不正事案名 |
自治医科大学准教授による不正行為(捏造)の認定について |
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不正事案の研究分野 |
医学 |
調査委員会を設置した機関 |
自治医科大学 |
不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名 |
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不正行為と認定された研究が行われた機関 |
自治医科大学 |
不正行為と認定された研究が行われた研究期間 |
令和2年度~令和4年度 |
告発受理日 |
令和5年9月13日 |
本調査の期間 |
令和5年12月1日~令和6年4月26日 |
不服申立てに対する再調査の期間 |
- |
報告受理日 |
令和6年10月23日 |
不正行為が行われた経費名称 |
科学研究費助成事業 |
【不正事案の概要等】
◆不正事案の概要 |
1.告発内容及び調査結果の概要 令和5年9月にインターネット上で研究不正の指摘があり、事案の内容が明示され、不正とする科学的な合理性のある理由が示されているため自治医科大学への告発があった場合に準じて取り扱うこととし、予備調査を経て調査委員会を設置した。 本調査の結果、論文1編において捏造(特定不正行為)が行われたと認定した。 2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について (1)調査委員会による調査体制 5名(内部委員2名、外部委員3名) (2)調査の方法等 1)調査対象 ア)調査対象者:自治医科大学 総合医学第2講座 准教授 イ)調査対象論文:1編(海外の学術誌:2023年) 2)調査方法 調査対象論文について、告発内容・予備調査結果の確認を行った後、書面調査にて著者の役割とそれぞれの関与を確認した。さらに、調査対象者本人へのヒアリングを実施し 、研究不正の有無について調査を行った。 (3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論 (結論) 1)認定した不正行為の種別 捏造 2)「不正行為に関与した者」として認定した者 自治医科大学 総合医学第2講座 准教授 (認定理由) 調査対象論文1編について、異なる実験群であるにもかかわらず、同じ画像を使用されていたが、捏造の 疑いを覆すに足る一次的データが存在しなかった。一次的データを記録・保管するという研究者としての基 本的事項が守られていなかったことから、悪意のない過誤を否定できないものの、研究者としてわきまえる べき注意義務を著しく怠ったことによる捏造を認定した。 3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について 科学研究費助成事業による研究成果であり、不正行為を認定した論文について以下の支出があった。 ・科学研究費助成事業 31,999円(英文校正料) |
◆研究機関が行った措置 |
1.論文の取下げ 准教授に対し、大学の規程に基づき、不正行為を認定した論文1編の取り下げを勧告した。 2.被認定者に対する大学の対応(処分等) 准教授に対し、今後大学の就業規程等に基づく処分を検討予定。 |
◆発生要因及び再発防止策 |
1.発生要因 一次的データを実験ノートに時系列で記録しておくことは、研究者として必要最低限の基本であるが、同准教授は、それができていなかった。自治医科大学では、研究活動に従事する全教職員に、研究不正防止についての講習会を定期的に受講することを義務付けているが今回のような事態が発生したことから、研究不正防止の対策が全学的に徹底されていなかったことも要因であった。 2.再発防止策 これまで、研究不正防止のために、自治医科大において、所属する研究者に対して、毎年研究倫理教育教材を受講することを義務づけてきた。今回の事例を受け、さらに、研究者としてわきまえるべき基本的な事柄を確認するための「研究、論文発表チェックリスト」を自治医科大において新たに定め公開し、各自でチェックできるようにした。さらに、研究活動の不正防止に関する学内のガイドラインを改定し 、日々の研究活動を適切に記録・保管し、研究発表時にその内容を一次記録に遡り確認することを定め、全教職員に個別に通知し周知した。この改訂にあたり、その内容を含めた研究倫理講習会を実施し、実施後もオンラインで公開し、周知徹底を図っている。 |
◆配分機関が行った措置 |
資金配分機関である日本学術振興会において、不正行為が認定された研究者に対して、競争的研究費の資格制限の措置(令和7年度~令和9年度(3年間))を講じた。 |
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