【基本情報】
番号 |
2022-11 |
不正行為の種別 |
不適切なオーサーシップ |
不正事案名 |
札幌医科大学元助教、元教授による研究活動上の不正行為(不適切なオーサーシップ)の認定について |
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不正事案の研究分野 |
医学 |
調査委員会を設置した機関 |
札幌医科大学 |
不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名 |
札幌医科大学 医学部小児科学講座 元助教、医学部附属フロンティア医学研究所病態情報学部門 元教授 |
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不正行為と認定された研究が行われた機関 |
札幌医科大学 |
不正行為と認定された研究が行われた研究期間 |
平成26年~令和4年 |
告発受理日 |
令和4年1月4日 |
本調査の期間 |
令和4年3月2日~令和4年10月27日 |
不服申立てに対する再調査の期間 |
- |
報告受理日 |
令和4年12月20日 |
不正行為が行われた経費名称 |
科学研究費助成事業 |
【不正事案の概要等】
◆不正事案の概要 |
1.告発内容及び調査結果の概要 令和3年12月28日、医学部元助教が雑誌に投稿した論文1編について、不正行為の疑いがある旨告発があった。予備調査を行った結果、本調査を行うこととし、調査委員会を設置した。本調査の結果、論文1編について、不適切なオーサーシップが行われたと認定した。 2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について (1)調査委員会による調査体制 4名(内部委員2名、外部委員2名) (2)調査の方法等 1)調査対象 ア)調査対象者:医学部小児科学講座 元助教、医学部附属フロンティア医学研究所病態情報学部門 元教授 イ)調査対象論文:1編(海外の学術誌:2022年) 2)調査方法 ・著者の役割と位置づけ、研究に対する寄与度の確認、整理 ・調査対象論文、研究ノート、研究データ等の比較分析 ・メールの記録確認 ・調査対象者からの聞き取り調査 (3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論 (結論) 1)認定した不正行為の種別 不適切なオーサーシップ 2)「不正行為に関与した者」として認定した者 医学部小児科学講座 元助教、医学部附属フロンティア医学研究所病態情報学部門 元教授 (認定理由) 責任著者である元助教は、調査対象論文において重要な役割を果たし共著者の資格があった告発者を共著者にせず告発者の研究成果である実験データ・解析情報を含む論文を投稿した。 元教授は、実質的研究責任者として責任著者・筆頭著者・共著者を決定する立場にあり、共著者の資格があった告発者を共著者に加えず謝辞に表示することを決定した。また、論文投稿後に告発者から著者校正(オーサーコレクション)の依頼があったことを受けて責任著者である元助教が共著者全員に告発者を共著者に追加することの同意を求めたが、元教授は同意しなかった。 3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について 科学研究費助成事業による研究成果であるが、不正行為を認定した論文の作成過程において、直接関係する経費の支出は認められなかった。 |
◆研究機関が行った措置 |
1.論文の取下げ 元助教及び元教授に対し、告発者を共著者に加える手続きを速やかに行うよう、大学の規程に基づき勧告した。 2.被認定者に対する大学の対応(処分等) 元助教は令和4年3月31日、元教授は令和3年3月31日をもって退職済のため、大学の規程に基づく処分は行わない。 |
◆発生要因及び再発防止策 |
1.発生要因 ・日本医学会医学雑誌編集ガイドラインが定める著者資格に関する無理解あるいは曲解があったこと。 ・元教授は助教等に対してディスカッション等のコミュニケーションを十分に行っておらず、助教という独立した研究ポジションに対する理解不足による誤った解釈があり、元教授個人の研究倫理に対する姿勢に問題があったこと。 ・大学として教職員の不正防止等への教育が不足していたこと。 2.再発防止策 全教職員が参加し、外部機関に依頼し毎年実施しているコンプライアンス研修会等の機会で、事案の概要や発生要因について共有を図るとともに、改めて研究成果の公表に際しての留意点と管理責任体制等について、以下の内容の再周知を図る。 特定不正行為である「捏造」、「改ざん」、「盗用」のほか、日本医学会医学雑誌編集ガイドラインの正しい理解を含むオーサーシップの適切な取扱いについて改めて注意喚起を行い、研究者は研究開始、遂行、成果公表等の段階に応じ、それぞれ「研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務」を負っていること、研究成果公表に当たっては責任著者、共著者ともにそれぞれ責任をもって内容や表示の確認をすべきであることの再認識と義務履行の喚起を行う。 |
◆配分機関が行った措置 |
特定不正行為が認定されていないため、研究者に対する措置は講じない。 |
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