【基本情報】
番号 |
2021-05 |
不正行為の種別 |
盗用、不適切なオーサーシップ |
不正事案名 |
研究活動上の不正行為(盗用等)の認定について |
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不正事案の研究分野 |
農学 |
調査委員会を設置した機関 |
大学 |
不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名 |
元准教授 |
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不正行為と認定された研究が行われた機関 |
大学 |
不正行為と認定された研究が行われた研究期間 |
平成25年度~平成28年度 |
告発受理日 |
令和2年10月20日 |
本調査の期間 |
令和2年12月10日~令和3年10月29日 |
不服申立てに対する再調査の期間 |
- |
報告受理日 |
令和3年12月2日 |
不正行為が行われた経費名称 |
基盤的経費(運営費交付金を含む。) |
【不正事案の概要等】
◆不正事案の概要 |
1.告発内容及び調査結果の概要 令和2年10月、准教授(令和3年3月31日退職)の論文について、盗用の疑いがある旨の告発があった。当該論文は既に取り下げられていたが、予備調査を行った結果、本調査を行うこととし、調査委員会を設置した。本調査の結果、論文4報について盗用及び論文1報について不適切なオーサーシップが行われたと認定した。 2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について (1)調査委員会による調査体制 8名(内部委員4名、外部委員4名) (2)調査の方法等 1)調査対象 ア)調査対象者:准教授 その他共著者6名 イ)調査対象論文:論文4報 2)調査方法 調査対象論文や関係資料などの書面等調査、調査対象者からの聞き取り調査を行った。 (3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論 (結論) 1)認定した不正行為の種別 盗用、不適切なオーサーシップ 2)「不正行為に関与した者」として認定した者 元准教授 (認定理由) 論文の執筆に当たり、自らタイプするなどして他の研究者の論文の表現をそのまま書き写し、英文校正等により若干の単語の変更がみられるものの、ほぼ元論文(他研究者の論文)の表現と同じ表現となっていることが認められ、認定された全ての論文について同様の行為が行われていることを踏まえると故意による盗用であると認定した。論文について本人の承諾を得ないで共著者に加えて論文を投稿したことは不適切なオーサーシップに当たると認定した。 3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について 基盤的経費による研究活動であるが、不正行為を認定した論文の作成過程において、直接関係する経費の支出は認められなかった。 |
◆研究機関が行った措置 |
1.論文の取下げ 不正行為が認定された論文4報について、既に取り下げられている論文1報を除く論文3報の取り下げを行うよう被認定者(責任著者)に対して勧告した。 2.被認定者に対する大学の対応(処分等) 被認定者は令和3年3月31日付けで退職しているため、処分相当について今後、検討を行う予定である。 |
◆発生要因及び再発防止策 |
1.発生要因 今回の不正行為については、被認定者の研究倫理の欠如と研究者としての未熟さが要因として挙げられる。 2.再発防止策 ・ 学生を含む若手研究者を中心とした研究者教育の充実 ・ iThenticate(剽窃チェックツール)の積極的・効果的な活用 ・ 研究不正に係るFD(Faculty Development)の充実、論文執筆セミナーの実施 ・ 部局ごとの不正防止の取組(研究を進める際の作法の教育・啓発、論文投稿前の自己点検と組織単位での確認)の検討、実施 |
◆配分機関が行った措置 |
資金配分機関である文部科学省において、不正行為が認定された研究者に対して、競争的資金等の資格制限の措置(令和4年度~令和8年度(5年間))を講じた。 |
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