【基本情報】
番号 |
2021-04 |
不正行為の種別 |
盗用 |
不正事案名 |
研究活動上の不正行為(盗用)の認定について |
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不正事案の研究分野 |
経済政策 |
調査委員会を設置した機関 |
大学 |
不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名 |
教授 |
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不正行為と認定された研究が行われた機関 |
大学 |
不正行為と認定された研究が行われた研究期間 |
-
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告発受理日 |
令和3年3月9日 |
本調査の期間 |
令和3年4月26日~令和3年9月17日 |
不服申立てに対する再調査の期間 |
- |
報告受理日 |
令和3年9月17日 |
不正行為が行われた経費名称 |
基盤的経費(私学助成を含む) |
【不正事案の概要等】
◆不正事案の概要 |
1.告発内容及び調査結果の概要 令和3年3月に大学教員の単著論文について、盗用の疑いがあるとの告発を受け、調査委員会を設置した。調査の結果、盗用を認定した。 2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について (1)調査委員会による調査体制 3名(内部委員1名、外部委員2名) (2)調査の方法等 1)調査対象 ア)調査対象者:教授 イ)調査対象論文:1編(2020年) 2)調査方法 調査対象論文と先行論文の異同を書面及び剽窃チェックツールを用いて比較検討し、先行論文(調査対象者が主査を務めた大学院修了生の修士論文)の著者に対する対面による聞き取り及び調査対象者からの弁明を受けるとともに事情聴取を行った。 (3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論 (結論) 1)認定した不正行為の種別 盗用 2)「不正行為に関与した者」として認定した者 教授 (認定理由) 調査対象論文と先行論文について同一性を確認したところ、調査対象論文の70%が先行論文の表現と同一であることが判明した。調査対象論文では先行論文について適切な引用もなくまったく触れられていなかった。調査対象者は、原稿作成の段階では、先行論文の著者との共同研究の成果である旨、注記をしていたが最終段階で消していた。調査対象者は先行論文を基にしている旨適切に表記すべきであったことは認めていたが、あえて注記を消した上で単著として論文を投稿したことは故意に適切な表記をしなかったものと認定した。 (不服申立て手続き、再調査結果) 調査結果を調査対象者に通知したところ不服申立てがなされたため、調査委員会を開催し、申立内容は不正行為の認定を覆すものではなく、再調査は不要であるとの結論となった。 3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について 基盤的経費(私学助成を含む)による研究活動であるが、盗用(特定不正行為)を認定した論文の作成過程において、直接関係する経費の支出は認められなかった。 |
◆研究機関が行った措置 |
1.論文の取下げ 被認定者に対し不正行為があったと認定した論文の取り下げを勧告した。 2.被認定者に対する大学の対応(処分等) 被認定者に対し、研究倫理研修を3年の間毎年受講することを義務付けし、受講しない場合は、学内研究費及び競争的外部資金等全ての研究費への申請及び使用を認めないこととした。 また、被認定者に対する処分は、職員懲戒規程(就)に基づき、判断が下される予定である。 |
◆発生要因及び再発防止策 |
1.発生要因 ・ 先行論文(修士論文)が非常に良いものであったが、先行論文著者が自身の名前で論文として発表する意向が無いということであったため、自身の単著として公表し形として残したかったこと。 ・ 被認定者は、大学の研究倫理研修は受けていたが、研究公正への意識が著しく欠けていた。 2.再発防止策 ・ 研究倫理に関する勉強会(講演会)等を実施。 ・ 学長、副学長、学部長・研究科長が出席する会議において、各学部・研究科に改めて研究倫理についての遵守の徹底を依頼し、教授会等を通じた全教員への周知。 ・ 不正防止への意識づけを行うため、研究不正を防止する啓発チラシを作成し、研究者に配布する。 ・ 今回不正の発生した刊行物について、今後論文投稿時に、掲載依頼があった者に対して盗用等の不正行為が無いことの確認を論文発行機関へ依頼する。 |
◆配分機関が行った措置 |
資金配分機関である文部科学省において、不正行為が認定された研究者に対して、競争的資金等の資格制限の措置(令和4年度~令和9年度(6年間))を講じた。 |
研究公正推進室
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