ここからサイトの主なメニューです

特定非営利活動法人 とさはちきんねっと

「私おこし!」で自分を変える、地域を変える!

所在地…〒780-8010 高知県高知市桟橋通5-1-56ミナポート2F
TEL…090-8697-8158
URL…http://www.tosa8kin.net/ E-Mail…info@tosa8kin.cside.to

高知県高知市

1 団体の概要

代表者名…遠山茂樹
設立年月…2003年7月 認証日…2003年7月24日
有給スタッフ数…常勤/0名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…7,592,000円
(内訳:事業収入7,484,000円、会費41,000円、その他67,000円)

活動の目的・趣旨

 地域住民に対してITを活用した地域活性化事業の推進、地域振興政策の企画・立案、人材育成、コミュニティ運営に関する事業等を行い、もって公益の増進に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 産休をきっかけとして、行政や企業が進めている地域情報化が、生活者を豊かにしていないことに疑問を感じた現副理事長の川村氏が、教育関係者や知人などに呼びかけて、2000年、草の根活動を開始した。その後、2003年にNPO法人化。当初8名で始めた活動も、今では200名を超えるコミュニティとなっている(NPO正会員は22名)。
 創立後、数年は、結婚や出産等で退職した女性の再就労・SOHO起業支援に力を入れていたが、最近では対象者および事業内容が他方面・他分野へ広がっている。

主な活動内容

1.人材育成事業

 500円で互いに教え学びあうOneCoin講座、ビジネスマネジメントやヒューマンスキルアップのための能力開発講座(人財塾)、母子家庭等就業自立支援センターと連携した女性のための就労講座、高知県農業女性リーダー育成事業などを実施

2.コンテンツ制作事業

 ウェブサイト作成、e-Learning地域学習教材作成など

3.コミュニティ形成事業

 ランチ交流会、地域情報化セミナーの開催

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 人材育成事業

 地域に密着し、ICT活用により地域課題を解決できる人材を育成しながら、地域のネットワーク形成を支援している。スタッフの多様な経験や知恵を効果的に活用するため、グループウェア、ML(メーリングリスト)などで県内各地にいるメンバーが連携できる仕組みとしている。また、テレビ会議、e-Learningなど、誰でも・いつでも・どこでも学べる仕組みを取り入れ運営している。

1.地域の人材育成支援

 高知県は、これといった産業がなく、失業率は全国でも上位にある。土地は東西に長く広がるが人口は中心部に集中していることもあり、高知市以外では学ぶ場の確保もままならない状態にある。このような条件下で人々がイキイキと豊かに生きるには、自らが考え、行動を起こす力を喚起することが重要であると考えている。社会の流れを意識しながら、自立していくための意識改革や、ノウハウ不足を補う教育の実践に取り組む。
 地域の子育てサークルや商工会などと連携した講座(テープ起こし、データ入力、HP作成など)も実施して、女性の経済的自立を支援。高度なノウハウを要求されるSOHOばかりを目指すのではなく、自分ができることを仕事に変えていく自立支援ノウハウは、県・高知市が実施している母子家庭の母親自立支援事業の中でも活かされている。
 2004年から、県内各地で自治体と連携して地域人材育成事業に取り組む。講師派遣や企画メンバーとしての参画などを行っている。成果として、自治体業務アウトソーシングの受け皿グループが形成されている(大月町・黒潮町・四万十市・四万十町・安芸市・奈半利町)。

●「公を担う講座」

 地域社会を持続するためには、地域を意識した視点を持つ人材の輩出が不可欠である。そのため、地域の自治や経済活動の中核となり、「公」の担い手という意識を養う「公を担う講座」を5回シリーズで開催している。講師による講演だけでなく、講師とコーディネーター、会場とのトークライブを毎回行っている。

●地域社会起業家養成講座

 活動継続のための経営力を培い、高め、対価を生み出す力を身に付けた地域の社会起業家養成を目的とした計4回の講座を実施。慶應義塾大学と連携し、テレビ会議システムを活用した遠隔授業も行い、東西に長い高知の地域エリアをカバーした学びの場の提供を行っている。

2.女性の再就職支援

 パソコンが広く普及し、どんな仕事をするにしてもパソコンが必須スキルとなっているが、女性、特に一人親の女性は、経済的にも時間的にも、自力でパソコンを習得するのが難しい状況にある。不況がさらに就職を困難なものにし、子育て・教育にまで影響を与えている。そこで、女性にパソコンスキルやビジネスマナーを提供することで、企業への就職を目指していただく。同時に、e-Learningを活用して、時間や場所を気にしないで仕事ができる仕組みを提供することで、自分の生活スタイルに合ったテレワーク就労者の増加を図っている。
 また、様々な仕事の仕方を紹介することで、自立・起業へのチャレンジを促していく。

●OneCoin講座

 500円で互いに教え学びあう講座として、メンバーのスキル向上や一般向けIT初心者講習を開催している。また、e-Learningと対面講座を併用している「はちきん塾」(http://ict.tosa8kin.net/や、より高度なスキル習得については、実務とOJTも組み合わせて実施している。

はちきん塾の様子。何かしたい、始めたいという女性が多い
はちきん塾の様子。
何かしたい、始めたいという女性が多い 

●農村女性グループの人材教育

 2006~11年、県内の農業女性リーダー育成事業(県単予算)を受託し、男女共同参画という観点から、農家の女性による商品企画・開発などの活動を支援している。

3 事業の成果と課題

「私おこし」を支える仕組みの拡大

 とさはちきんねっとの活動を支える主な構成員は、主婦やSOHO、会社員など様々であり、また、その居住地は高知県内の西端から東端まで点在している。
 「私おこし」を合言葉に、活動の中でお互いが持っているスキルを教え・学びあう仕組みを構築してきた。多様なメンバーであるがゆえ、交流の中から、課題解決や地域活性化の多様なアイデアが生まれてくる。時間や場所を特定すると、活動は具体化できないので、事業のほとんどはテレワークでこなしており、県内外の各地域、農業、女性、企業など、多方面にわたる組織・場所をつないだ活動を実現している。「とさはちきんねっと」の人材育成事業を通じ、これまで就職や新たなチャレンジにつながった人は、延べ200人以上に上る。

人材育成の必要性

 現在は、クレジットサービスを行う予定はないが、NPOの主要メンバーは、「高知型グラミン銀行」ソーシャルビジネスモデルの実現を目指している。企業が少なく、若者の流出が激しい高知では、地域に仕事先がない、リーダーがいない、と嘆いても状況は変わらない。今、高知で暮らしている人が、それぞれの持ち味を活かしたグループを形成し、それらをつなげながら新たな仕事を創造することが重要と考えている。
 また、過疎や地の利の悪さを克服し、豊かな生活を形成するためには、ICT人材の育成・活用が欠かせない。今後も、地域が活力を持ち続けるために、今できることを積み上げていく方法で、人材育成事業を実施していく。
 全国一律的なSOHO醸成や人材育成ではなく、どんな環境下に置かれても、思考し、ツールを使いこなし、協力し合うことで、経済力や社会システムを再生していく人づくりを行いたいと思っている。閉鎖的な組織と組織の間を埋めていくことで、新しい価値を形成するような活動を実現したいと願いながら活動している。

高知県農村女性リーダー研修の様子
高知県農村女性リーダー研修の様子 

今後の安定に必要な経営力

 これまで自主事業や委託事業を含め、様々な人材育成を実施してきた。スタッフのほとんどが主婦から起業したメンバーであるため、個々の能力は高いが、企業等でのプロジェクト経験が乏しく、マネジメント力に差が出ている。
 活動が拡がりを見せている中、今後も安定的に事業を継続していくには経営力が不可欠である。一方、事務処理でも、抜けがなく確実にこなせる人材が必要である。このようなノウハウは講座受講で身につくものではなく、現場で厳しい実践を積みながら蓄積するものであるため、どのような意識で活動に参加するかが重要となる。
 また、活動開始から10年が経ち、新たな活動メンバーが増えてきている状況の中、創立時の活動への思いが、うまく継承しきれていない部分もある。メンバーそれぞれが、“組織の中での自分”を再認識したうえで、より質の高いつながりを持てるようにしていくことも必要であり、今後の課題のひとつである。

2009年度地域づくり総務大臣賞受賞を高知県知事に報告
2009年度地域づくり総務大臣賞受賞を高知県知事に報告 

4 今後の展望

 日本の中でも特に経済状況が厳しい高知では、家計を支えるために共働きを希望する家庭が多い。しかし、企業自体が少なく、出産や育児などで女性が一度職場を離れると、希望の職場に再就職することは非常に難しい。また、高知市以外の中山間地域では、男女ともに就労場所が限られている。
 これまで同様、多様な人たちとのネットワークを活かし、「どこかに就職するための教育」ではなく「自分の知恵や能力を磨いて仕事を創る」というコンセプトで、個人や地域が抱える課題の解決につながる学びを実践していく。ICTを活用することで、個人のライフスタイルにあわせた「寺子屋式」の学びの場を形成する。
 地域課題を仕事に変えていくには、地域全体や社会を意識する視点を持つことも重要である。スキルアップだけでなく、「公(おおやけ)」を担うための意識変革にも取り組んでいきたい。地の利の悪さや、少子高齢化による産業衰退といった高知県の負の環境は、受け身でいては変わらない。
 高知でイキイキと暮らすためには、自らが変わるしかない。そのために、これからも、学びを通じた自立(律)ネットワークを拡大していく。

(ヒアリング応対者:副理事長川村晶子氏、事務局長坂本真由美氏、事務局長尾ゆかり氏)

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --