ここからサイトの主なメニューです

特定非営利活動法人 NPOサポートセンター

NPOによる新しい社会システムの構築を目指す!

所在地…〒104-0061 東京都中央区銀座8-12-11 第2サンビル
TEL…03-3547-3206 FAX…03-3547-3207
URL…http://www.npo-sc.org/ E-Mail…center@npo-sc.org

東京都中央区

1 団体の概要

代表者名…山岸秀雄
設立年月…1993年9月 認証年月…2000年3月24日
有給スタッフ数…常勤/7名、非常勤/2名
事業規模(09年度決算収入)…38,304,287円
(内訳:会費580,000円、事業収入28,304,910円、寄付金8,734,842円、その他684,535円)

活動の目的・趣旨

 市民活動団体をサポートするサポートセンターとして多様な市民活動を実践的に支援し、法制度の改革を含めた市民活動推進のための支援システムの開発・提言を行うことにより日本における市民活動の定着と基盤整備に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 1988年、代表の山岸氏をはじめとしたメンバーがNPO視察と交流のために訪米し、NPOの実践活動と研究を開始した。1989年、ラルフ・ネーダーを招きシンポジウムを開催し、非営利・独立(NPO型)のシンクタンクの構築を目指して活動を展開。1993年に日本最初のNPO中間支援組織として「NPO推進フォーラム」を設立した。1994年の日米NPO市民会議開催(於:サンフランシスコ)等を経て、1996年「NPOサポートセンター」に改称。同年、中間支援組織のネットワークとして「NPOサポートセンター全国連絡会」を発足させた。

主な活動内容

1.NPO活動推進のための情報の収集・発信及び情報ネットワークの整備
2.NPOリンク・相談及びインキュベーション事業
3.人材開発及び人材育成事業

 NPOの「組織基盤強化」「組織の運営を担う人材の育成」に関するプログラム

  • NPOマーケティング・プログラム
  • NPOスタッフ養成研修 
4.各地のサポートセンター、非営利・協働セクターの支援、並びにネットワークの構築
5.NPO活動推進のための普及・啓発事業 等

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 NPOマーケティング・プログラム

NPOの組織基盤強化に向けて

 2011年3月現在、4万団体を超えるNPOが認証され、具体的な事業や寄付メニューを確立して実績を伸ばす団体が増えている。そのような団体がさらなる事業の拡大や安定的な運営を実現するためには、事業運営や資金調達に戦略的に取り組んでいくことが不可欠となる。
 しかし、現場のニーズのみを基に活動や事業を行っているケースがめずらしくない。事業の開始当初は、目の前のニーズに応えるために必死で活動を行っていたものの、事業が軌道に乗ったと思った途端にニーズを見失って行き詰ってしまうことや、活動すればするほど組織の運営が困難になり、「こんなはずではなかった」ということも多いのが現状である。
 そこで、NPOサポートセンターでは、NPOの基盤強化に向けて、2008年よりNPOマーケティング研修を開始した。このプログラムは、組織基盤の強化ということから、研修に参加するスタッフ一人の勉強で終わらないように、研修にも実践にも、スタッフと一緒に事務局長や理事が参加することを義務としている。毎年多くの希望団体のなかから、事務所訪問による面談を行い、組織としての「本気度」を確認する。賛同者への理解を深めるために、ボランティアが一緒に参加する団体も多い。
 苦手意識のある「データ」やNPOに馴染みのない「競合」を意識するなど、企業と同じようなロジックで組み立てる考え方を身につけることは、NPOがより発展するために、今後一層必要とされると考えている。

「NPOマーケティング・プログラム」のポイント

 NPOマーケティング・プログラムは、2008年からパナソニック株式会社との協働事業として実施している。3年間で延べ32団体が受講し、多くの成果につなげている。
 プログラムでは、約半年間かけて団体ごとの課題解決に向けて取り組んでいく。課題の例としては「寄付金の獲得」「サービス利用者の拡大」「ボランティアの獲得」「新規事業の立上げ」などが多いが、団体の実際の課題をテーマとして研修を行う。

 プログラムは、次の3つのパートから成り立っている。

(1)集合研修

 集合研修では、マーケティングの基礎知識を約3カ月間の講義と演習によって学び、テーマに掲げた事業の基本戦略を練り上げていく。
 例えば、寄付収益の増加がテーマの団体は、法人などからの「大口の寄付を増やす」、または、毎月定額寄付するマンスリーサポーターなど、寄付の基本的な方向性が資金の用途や活動にどのような影響を与えるのかという話題から、寄付単価の設定方法、効果の測定方法など幅広く具体的な知識を修得していく。
 参加団体の実際のデータを基にディスカッションを行うため、団体同士の多様な実際のケースから相互に学びあうことができる。

議論が白熱し、いつの間にか床で車座に
議論が白熱し、いつの間にか床で車座に 

(2)課題シートの作成

 このプログラムでは、講義後に毎回課題が課される。講義のテーマに関連して、データの収集・分析を行い、シートにまとめていく。取り扱うデータは、会員に対するアンケート調査やホームページのアクセス解析、寄付者の属性分析、競合団体の調査など多岐にわたる。実際に調べてみることで、それまでの“思い込み”が明らかになり、「目から鱗が落ちた」など、団体自身が驚くことも多い。これらのデータを基に団体内で議論をすることで、より具体的な課題と解決策を見出すことができる。
 提出された課題は、数日後には講師と事務局により添削され、多くの場合は再提出となる。毎年、団体からは「大変だ~!」と悲鳴があがるが、研修開始から2カ月後には、ペースにも慣れ、課題がないと落ち着かなくなってしまうようである。

(3)個別コンサルティング

 集合研修の合間には、講師と事務局による団体別面談を複数回行い、マーケティング施策をブラッシュアップしていく。寄付やボランティアの獲得戦略からWEBサイトのリニューアル計画、ちらしのデザインなど多岐にわたるが、各団体の施策を深める場となっている。
 このように3つのパートを経て、団体が取り組むべき課題とマーケティング施策が具体的になっていく。

合宿でのワーク。白熱した議論を交わす団体の皆さん
合宿でのワーク。白熱した議論を交わす団体の皆さん 

●研修ではなく、実践の場

 プログラムでは、専門的な知識を「学ぶ」のではなく、「実践」に主眼を置いており、団体の実際の課題をテーマとし、実際に業務として取り組むことを強く求めている。そのために、事務局長や対象事業の責任者を含むチームとしての参加を必須要件としており、スタッフ一人での参加は認めていない。その結果、研修以外の時間にも団体内で議論する機会が生まれ、研修の枠を超えていく。そして、いつの間にか研修に参加していなかったスタッフや理事、ボランティアなどの関係者を巻き込んだ団体全体の取り組みへと発展し、日常業務のプロセスにも変化を及ぼしている。
 このように、本プログラムが目指しているのは、特定事業の改善ではなく、団体の業務プロセスや考え方がマーケティング思考に変化していくことである。

成果報告会(2010年度)。研修成果を参加者130名に報告
成果報告会(2010年度)。研修成果を参加者130名に報告 

事業名称 NPOスタッフ養成研修

 2010年に市ヶ谷に開設した専用の研修室「NPOサポートセンター市ヶ谷」では、NPOへの就職・転職を志す受講生の議論する声が響いている。この研修には、主に20代から40代の約25名が参加し、毎月100時間を超えるカリキュラムを6カ月間実施している。日本で初めてのNPOへの就職・転職をテーマとした長期研修である。

研修開催の背景

 ここ数年、NPOの事業規模が大きくなるにつれ、スタッフ採用ニーズが高まってきた。同時にNPOで働くことに対する認知も広がり始め、就職・転職希望者も増えている。しかし、当センターが2009年に実施したNPOの雇用に関するアンケート調査の結果や周囲のNPOスタッフが職場に定着しない実態から、採用時のミスマッチが見えてきた。
 また、NPOスタッフへのヒアリングなどを通じて、スタッフとして活躍するためには、「自らが取り組む課題が明確である」「NPOで働くことの必要性・働くイメージがある」「自分の力をどのように活かし、貢献できるか」の3点が整理されていることがポイントとして見えてきた。
 しかし、ボランティアや団体の開催するセミナーなどへ参加しても、スタッフの役割や業務内容はなかなか見えない。スタッフと話しても、活動の紹介が中心で、仕事の中身ややりがい、厳しさなどが語られることは稀である。
 このような現況を踏まえ、厚生労働省の緊急人材育成・基金訓練の一環で、NPOへの就職・転職希望者にNPOの現場で共通的に求められる実務力を身につけることと、NPOの理解、目的意識の具体化などを目指して研修を開始することとなった。

カリキュラムの特徴

 本研修の特徴は、なんと言っても多様なカリキュラムだ。特に、次の3点を意識した構成となっている。

NPOでの即戦力を目指し、真剣に取り組む研修生
NPOでの即戦力を目指し、真剣に取り組む研修生 

(1)実践重視のプログラム

 特定分野の専門知識を学ぶのではなく、様々なNPOの現場で共通に活用できる実務力の修得を目的としている。そのため、研修の内容は実践的なメニューが多い。特に、広報、資金調達、事業企画には力を入れており、広報では基本戦略の考え方から、写真撮影・データ加工・ちらし作成・動画作成などの広報技術の修得、WEBサイトに加えTwitterなどのソーシャルメディアを用いた広報も実践する。資金調達では、助成金の申請書の作成、模擬審査も行う。また、チームで寄付金調達の計画を立案し、実際に寄付金集めにチャレンジする。
 講師陣は、NPO経営者やNPO内外の支援者など、NPOの活動に関わりが深く、双方向のコミュニケーションによって、理解を深めることができる仕組みとなっている。

(2)NPOでの働き方を理解する

 NPOで“働く”ことを具体的にイメージするために、様々な分野、職種の10人以上のNPOスタッフとのトークセッションとインタビュー実践、NPOの調査実習、職場体験、NPOでの3カ月間のインターンがある。インターンでは、スタッフと同様の業務を任され、現場で日々求められるものを理解する。また、インターン期間中も週に2日間は研修室での研修を継続し、研修で学んだことを団体で実践できるようにしている。

(3)同じ志を持った仲間づくり

 研修では、ワークショップやグループワークを多く取り入れているため、受講生がすぐによいチームメイトとなる。小規模な団体が多いNPOでは、就職後の組織を超えたネットワークは武器であり、大きな財産となる。

3 事業の成果と課題

NPOマーケティング・プログラム

●企業との協働のポイント

 NPOマーケティング・プログラムは、中間支援組織としての当センターの想いでもあり、協働企業のパナソニック株式会社との共通の目的でもある「NPOの組織基盤強化」に向けて、マーケティングに特化したプログラムである。当センターのスタッフや講師、パナソニックと毎年協議を重ね、NPOの組織運営に合った研修内容につくり上げてきた。パナソニックの担当者からは、当センターの事業への想いを尊重したうえで、企業の視点で様々な指摘やアドバイスがある。
 企業との協働において、率直な意見交換ができる「場づくり」や、双方のプログラムに対する前向きな「姿勢」の共有が、協働によるプログラムを支え、継続・発展につながる。これは、企業がNPOと協働する場合の重要なスタンスといえる。

中間報告会での発表後、さらにブラッシュアップ!
中間報告会での発表後、さらにブラッシュアップ! 

●具体的な成果

 これまでの研修で策定したマーケティング施策を、約1年間実践したことで、「会員の維持・拡大」→会費1.6倍増、寄付・募金額4.3倍増、「ワークキャンプ(ボランティア)参加者数増」→参加者数1.3倍増、「イベント新規参加者数の増加」→新規参加者数3.4倍増、などの結果が報告されている。

●参加団体は貴重なお手本

 各団体が提出した課題シートや講師からの指摘などはすべてメーリングリスト上で公開している。他団体の内部データや課題を共有することで、参加団体間の相互理解や信頼が高まり、連携事業が誕生するという副次的な効果も生まれている。
 また、「プロボノなどの専門家とのコミュニケーションが取りやすくなった」「他団体を意識するようになった」「会員や支援者の情報を収集する仕組みができた」「団体内に目標値を張り出すようになった」など、様々な効果が生まれている。

●講師陣の層を厚く

 プログラムの講師は、講義のほか、課題への添削、個別コンサルティングなど、事務局と一緒にきめ細かな対応をしている。それが、このプログラムの成果と直結するだけに、多数のNPOの支援につなげるためにも、講師陣の層を厚くすることが求められている。

NPOスタッフ養成研修

●8割が就職決定

 第1期の受講生のうち、約8割の就職が決まっている(大学院進学者も含む)。半数は、国際協力NPO、福祉NPO、観光協会、大学、公益法人などの公益事業を行う組織である。
 NPOへ就職しなくても、企業で専門技術を身につけて専門家としてNPOの活動をサポートしたり、ボランティアとして関わる受講生が多いのは、NPOにとっても歓迎すべき点である。
 採用するNPOにとっても、受講生との交流の機会や職場体験などで、複数の受講生と触れ合うため、安心してゆっくり採用を決めることができる。そのため、採用後のミスマッチもなく、即戦力として業務を担うことができる。

4 今後の展望

 当センターでは、2000年から約10年間、NPOでのインターンシップ事業を実施し、NPOの「人のマネジメント力向上」など、NPOの継続性や発展のための人材育成に力を入れてきた。
 NPOの成長とともに、そのニーズも変わってきているが、今後は、NPOに向けての支援メニューの充実化、新プログラムの開発など、実践的な取り組みをベースに、NPOの組織基盤強化にさらに努めていきたいと考えている。

事務所での小堀氏
事務所での小堀氏 

●マーケティング・プログラムの今後の展開

 マーケティングにフォーカスしたNPO支援事業は他に類を見ない。今後のステップとして、団体を支援する専門家や講師の養成を行う準備を進めている。また、プロボノも研修に参加し、団体の支援策を考える「サポーター制度」も準備中である。
 2011年度には、『NPOとマーケティング(仮題)』の出版も予定している。

●NPOスタッフ養成研修の今後の展開

 NPOスタッフ養成研修は、現在は求職者を対象に研修を実施しているが、仕事を続けながらNPOに関わりたいという社会人からの要望も多い。仕事をしながら通える夜間コースを新設する予定である。
 また、求職者に限らず、NPOの採用活動に対するサポートや情報提供、双方のマッチング機会の提供や、採用後のスタッフをサポートするメンター制度など、継続的にNPO団体を支えていく仕組みづくりにも取り組んでいきたいと思っている。

(ヒアリング応対者:事務局長代行小堀悠氏)

 当センターでは、「産官学民プラットフォーム構想」として、NPOと大学を主軸に行政、企業をはじめとする様々な連携を実施し、多様な視点、総合的連携によって多くの地域課題解決し、新しい社会的協働が市民によるコミュニティの創出に貢献することを実証してきた。これらの成果を踏まえ、山岸秀雄理事長が教授を務める法政大学は、NPO、協同組合、労働組合等と連携し、サードセクターの人材育成を目指した大学院開設の方向性を決定し、大学院と当センターとの協働による事業展開の検討を始めている。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --