ここからサイトの主なメニューです

特定非営利活動法人 大牟田・荒尾炭鉱のまちファンクラブ

炭鉱遺産をまちの誇りに

所在地…〒836-0841 福岡県大牟田市築町2-8
TEL…0944-52-7026 FAX…0944-31-5633
URL…http://www.omuta-arao.net/ E-Mail…info-c@omuta-arao.net

福岡県大牟田市

1 団体の概要

代表者名…中野浩志
設立年月…2001年10月 認証日…2003年3月27日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…12,500,000円
(内訳:事業収入12,310,000円、会費190,000円)

活動の目的・趣旨

 大牟田市、荒尾市を中心に福岡県、熊本県内外において、日本の近代化を支えた炭鉱のまちについて、炭鉱のまちの様々な地域資源を活かしたまちづくり活動を展開する事業を行い、地域の活性化へ寄与することで、炭鉱のまちの風景と心象が次世代に継承されていくことを目的とする。

団体の設立経緯

 大牟田・荒尾地域は、かつて炭鉱のまちとして栄え、現在も炭鉱跡などの遺跡残る。
 インターネット上で、三池炭鉱の歴史を懐かしむ人たちが集まる掲示板サイトがあり、炭坑や遺跡群について様々な書き込みがなされていたのが団体発足の発端である。そのメンバーたちが、ネット上ではなく実際に顔を合わせて集う、いわゆる「オフ会」を行うなかで、遺跡群をもっと地域の人々に知ってもらおうという話が持ち上がった。参加者有志のリーダーシップで団体を設立し、その後、法人格の取得へと至った。

主な活動内容

1.TantoTantoウオーク

 大牟田・荒尾地域に点在する炭鉱や関連する近代産業遺跡群を、歩いてめぐるツアー。

2.Tantoガイドツアー

 修学旅行などの学習プログラムを企画、コーディネート、ガイドするミニツアー。

3.万田炭鉱館の管理運営
4.各種イベント、教育・学習会・講演会
  • 宮原坑草刈大作戦ワークショップ
  • 「ちくご子どもキャンパス――燃える石や化石を探しに行こう!」(福岡県助成事業)
  • 夏休み地域再発見親子ツアー(JTB社との協働)
5.炭鉱関連遺産の保全活動

 炭鉱関連の産業遺産の施設の保全活動。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 TantoTantoウオーク

 ガイドの先導で、大牟田・荒尾地域に点在する炭鉱やこれに関連する近代産業遺跡群を、約半日かけて歩いて巡るツアーである。
 名前の「Tanto」とは、「炭都」とイタリア語の「とても広い、たくさんの」を掛けたものである。
 参加者は、炭鉱で石炭が掘られてから、港へ運ばれ、出荷されるまでの流れを順にたどり歩く。この道程で、炭鉱の町や石炭産業の歴史と仕組みを体験的に学べるように、コースの組み立てやガイドの内容に工夫を凝らしてある。
 当初、炭鉱跡の所在があまり知られておらず、文化財として指定はされていても未公開であった。そのために、それら施設の認知を高める必要があった。また、歩くことでそれら施設だけでなく周辺にも残る歴史の跡をたどることができた。
 TantoTantoウオークでは、単に歩くだけではなく、海上にある炭鉱の換気口として築かれた人工島を見に行くために船の借り上げも行った。
 ウオーキングイベントは観光協会やJRなども行うようになり、人工島見学も行政のイベントでも行われるようになったため、他のイベントにない付加価値をつけたものとするための模索をしている。

炭鉱と産業遺跡をめぐるTantoTantoウオーク
炭鉱と産業遺跡をめぐるTantoTantoウオーク 

事業名称 Tantoガイドツアー

 修学旅行などの学習プログラムとして、訪問を希望される学校や団体の依頼に応じて企画、コーディネート、ガイドするミニツアーである。貸切バスなどを利用して、炭鉱と関連の産業遺跡を、比較的短時間でめぐるような見学ツアーを提供する場合が多い。
 基本的に、大牟田・荒尾炭鉱のまちファンクラブでは自前の交通手段を持っておらず、参加団体からの申し込みにその都度応じているため、参加者側の利用するバスやレンタカーなどへの乗り込み型のガイドを行っている。多くの場合は時間が限定されるために、石炭産業科学館と炭鉱跡である万田坑または宮原坑、石炭積出港であった三池港を巡る。時間が十分に取れる場合は、そのほかの炭鉱跡、かつては石炭を運搬していた鉄道の跡やいまも走る炭鉱電車、かつての生活を示す社宅の跡や山ノ神の跡、現在も輸入し使われている貯炭場や工場など、かつての石炭産業と現在の姿を重層的に案内している。

事業名称 各種イベント、教育・学習会・講演会

1.ちくご子どもキャンパス――燃える石や化石を探しに行こう!

 2007年~09年度に、福岡県の取り組みの一環として、地域特有の資源を教材として、地域全体を学びの場として機能させることを目指して展開した1泊2日の小学生向けの合宿型学習プログラムである。
 福岡県庁ホームページによると、初年度250名→2008年度706名と、参加者は5年間で当初の3倍近くまで増えている。プログラムを通じて、参加する子どもたちや地域の活動を担う住民の皆さんに、地域資源への理解と愛着が生まれていることが伺われ、地元のみならず福岡都市圏からも多数の参加があり、都市と地域の交流にも貢献する取り組みとなった。
 大牟田の街の歴史探訪、地質を中心とした自然環境観察、石炭を燃やす体験など、様々な体験を通じて「石炭」への理解を深めてもらうプログラムを行った。県から各学校へ広報してもらったこともあり、大変盛況であった。

2.夏休み地域再発見親子ツアーの開催

 主に地元地域の児童生徒とその父母を対象に、大牟田・荒尾の炭鉱や関連の産業遺跡をめぐり、理解を深めるツアーを共催している。
 地元でありながら、大人も子どもたちも普段あまり訪れたり、見聞する機会のない地域の産業の歴史に触れてもらうために企画した親子で参加できるツアーである。JTB社との協働事業として行っており、地域住民の皆さんへ、炭鉱に対する愛着、誇りを感じてほしいという思いから行っている。

「ちくご子どもキャンパス」
「ちくご子どもキャンパス」 

3 事業の成果と課題

教員向け講座の開発と実施

 2006年に「近代化産業遺産、地域産業史」をテーマに、地域の資産を活用した児童・生徒向け授業指導の材料としてもらえることを意図した内容で講座を実施した。
 残念ながら、学校指導要領内の位置づけが不明確であったため、その後の普及・継続には至らなかったが、教員の方々にも興味を持ってもらうことができ、その後、地域の小学校の「地域学習」の副読本のテーマのひとつとして、近代化産業遺産が取り上げられた。

近代化産業遺産の保存活動の展開が結実

 炭鉱関連の産業遺産の中には、継続的な保全が十分になされていない施設もある。これらの施設の保全を行い、価値ある炭鉱の産業遺産をまちの誇りとして残していくことを目的に、保存活動を随時実施している。
 例えば、大変貴重な歴史的価値がありながら、民間の所有であるために手付かずで放置されていた築100年余を経る木造の建築物(元税関施設)について、所有者のご協力のもと、建物の記録保存を目的に実測調査を行った。
 大牟田市教育委員会にもこの成果報告書を届けたところ、後年、この木造建築物自体が市の文化財の指定を受け、保全の動きが始まった。

市から文化財の指定を受けた歴史的建造物
市から文化財の指定を受けた歴史的建造物 

自治体・地域・市民団体・他事業体などとの協働体制の形成

 団体活動の実績が蓄積・認知されるにしたがって、自治体・地域・市民団体・他事業体などとの協働体制がしだいに整ってきた。協働体制ができることにより、より活動の幅や認知が広がるという好循環が生まれてきている。

独自性の保持が必要

 当法人の企画と似たようなスポットを巡るツアーパッケージなど、他の事業者(鉄道会社、旅行会社等)との企画内容の重複が生じ始めている。
 そこで「当法人ならでは」の新たな切り口の打ち出しが必要な時期が来ているものと考えている。しかし、他の事業者を当法人の「競合」と捉えるのではなく、むしろそういった事業者に向けて、提案・提供できる、地域資産活用の新しい魅力的な企画立案が必要だと考えている。

4 今後の展望

 大牟田の近代化産業遺産群を世界遺産に登録しようとする動きがあり、自治体レベルの取り組みとなっている。今後この動きが加速化し、結実していく過程で、地域の人たちの地域資産に対する再評価が起こり、地域が炭鉱の歴史に誇りを持てるような機運を生み出していくことを望んでいる。

(ヒアリング応対者:理事長中野浩志氏)

 地域の近代化遺産・産業遺産の活用については、ノウハウなど他地域と共有できる要素も多い。
 当団体のこれまでの経験がお役に立てるのではないかと思う。
 今後、一つのプログラムや企画を通じて、九州一円や全国をつなぐスケールの大きい取り組みをしたいと考えており、巻き込みたいテーマをお持ちの方、または巻き込まれたい方など、連携を深めるため、気軽にお声をかけていただきたい。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --