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特定非営利活動法人 かさおか島づくり海社

島は日本の縮図!

所在地…〒714-0301 岡山県笠岡市北木島町3802-53
TEL…0865-68-3741 FAX…0865-68-3150
URL…https://www.shimazukuri.org/ E-Mail…info@shimazukuri.gr.jp

岡山県笠岡市

1 団体の概要

代表者名…鳴本浩二
設立年月…2002年8月 認証日…2006年9月1日
有給スタッフ数…常勤/14名、非常勤/10名
事業規模(09年度決算収入)…87,526,559円
(内訳:事業収入43,217,373円、会費279,000円、補助金24,830,353円、その他19,199,833円)

活動の目的・趣旨

 笠岡諸島を中心として、不特定多数の市民・団体の活動支援に関する事業を行い、笠岡諸島の自立的発展を促進し、生活の安定及び福祉の向上に寄与する。

団体の設立経緯

 笠岡市にとって諸島における過疎高齢化は重大な課題であると同時に、島は陸地部では失いかけた自然と人情が残っている貴重な存在であった。島の活性化を図るためには個々の島が自分の島のことばかり考えていたのでは諸島全体の発展がないとの思いから、島同士の連携を密にするために島民有志の発案によって、1998年から6島合同の「島の大運動会」を開催した。
 行政もそれに合わせて2001年4月から島専属の市の担当職員による応援部隊「島おこし海援隊」を組織。島に本拠地を置いて住民と共に汗を流しながら島づくりを推進する体制をつくった。2002年には6島のそれぞれの特徴を活かしながら島おこしをする島民組織「電脳笠岡ふるさ島づくり海社」を設立。2006年9月に法人格を取得するとともに名称を「かさおか島づくり海社」とした。

主な活動内容

1.研修受入事業
  • 中学校の夏季研修受入
  • 大学生の合宿受入
  • 大学職員の研修受入
2.幼児育成事業:就学前の幼児教育
3.過疎地有償運送事業:高齢者の診療所への移動の手段確保
4.通所介護事業
5.各島の特産品を(陸側で)販売するアンテナショップの運営
6.移住対策事業

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 研修受入事業

1.中学校の夏季研修受入

 北木島では、廃校跡校舎(旧北木小学校)を利用して、夏季研修の誘致をしており、2006年から神戸須磨学園中学の夏季研修(4泊5日)を6年間続けて実施している。島づくり海社北木島支社が中心となって受け入れを行い、2008年には3団体の研修を受け入れた。
 白石島では、2001年から旧小学校の講堂を利用して、古くから行われていた機織りを復活させた。同時に、旧運動場の遊休地を利用して綿の栽培や島の草木で染めも行うなど、一貫した機織り工房として再生し、現在は体験メニューとして白石島の観光プランに組み込まれるようになった。
 北木島での研修受け入れ当初は、須磨学園(120名)対北木中学校(10名)という生徒数で、交流にならないと思われていた。しかし、北木中学校の10人のソーラン節が須磨学園120人の心をつかんだのだ。その影響は大きかったようで、須磨学園の秋の体育祭では、ソーラン節を練習して披露された。この伝統は後輩に受け継がれ、それ以後毎年運動会で見事なソーラン節を披露しているという。

島の生徒と共に踊るソーラン節
島の生徒と共に踊るソーラン節 

 また、北木中学校の生徒は須磨学園の授業へ参加もする。40人ずつのクラスに分かれての授業となるが、北木中は一番多いクラスが3名なので、かなりの刺激的な体験となる。そして、交流会では、お互いの出し物交流を行う。底引き漁と海水浴、石切場の見学、字彫体験もすることができる。
 一方、子どもたちの自由な運営で、「告白タイム」等のスペシャル企画が開催されたり、ダンスや劇などオリジナリティのある出し物が次から次へと繰り広げられるのである。
 最後の夜は、夏祭りである。そうめん流し、ビンゴゲーム大会、花火大会等、須磨学園の先生もそれらの担当を受け持つ。また、須磨学園からは毎年北木中学校の卒業式に記念樹が贈られている。

夏祭りでのソーメン流し
夏祭りでのソーメン流し 

2.大学生の合宿受入

 学生グループ(ゼミ、サークル、各種団体)の希望により、笠岡諸島での体験プログラムを各島と連携して企画している。陸地部にはない島独特の特徴を体験することができる。例えば、幼・小・中学校と公民館との合同で行われる運動会では、学校の先生が合同競技を考えて練習している。まさに、島でないと見ることのできない風景である。公民館で開催している機織り教室の建物と綿畑や、神社の鳥居とお寺の山門が並ぶ開龍寺の見学も行う。
 大学のゼミ単位で受入希望が多いため、10人前後で1グループの構成が多く、地域づくりに興味がある学生、魚に興味がある学生など、参加する学生は様々である。

●島の「宝」を再発見

 学生のガイドをしていると、あらためて島について新しい発見がある。
 例えば、水産系大学の学生が参加してきた場合、彼らの魚への興味関心は極めて高い。そのため、北木島の株式会社島のこしの灰干し工場見学や、白石島の漁協で組合長に海洋牧場の話を聞く機会を設けたり、中間育成をしている「オコゼ」を見せてもらうプログラムなどを紹介する。自分たちも海洋牧場の話などは、なかなか聞く機会がなかったが、あらためて本当に笠岡の「宝」だと感じるようだ。
 地域づくりを学ぶ学生が来た場合は、初日と2日目に島についての感想を書いてもらう。「思っていたより生活しやすそう」、「老後に暮らしてみたいと思った」、「想像していたよりも島は進んでいた」など、「島」のイメージと実際の島の生活とのギャップを感じる学生も少なくなかった。
 また、大学教授や大学生との出会いの中で、笠岡諸島を卒論の研究テーマにする学生も見受けられる。「廃校の再利用プロジェクト(飛島)」、「島へのI・Uターン2地域居住について」、「子ども島づくり会議」などを題材に「次世代につながる島づくり」をテーマに選んでいる学生もいる。便利な陸地部で生活している若い人には島の生活はかなり新鮮に見えるのかもしれない。大変だからこそ問題意識が芽生え、どうにかしようと人が動くのではないだろうか。

株式会社島のこし担当者から工場の工程について聞く
株式会社島のこし担当者から工場の工程について聞く

3.大学職員の研修受入

 2009年から始まった岡山商科大学との共同研究の一環として、職員研修を島で行っている。その感想を研究にフィードバックするねらいもある。参加者は約40名で、大学側の要望を受けて実施に至った。
 飛島で洲の南遺跡・椿研究室を見学、白石島では、だんだんの家・機織工房・開龍寺・はと石・ヴィラ等を見学する。
 飛島で多島美と歴史を堪能し、白石島でははと石の上での絶景に若い職員の方がとても感動している姿が見られる。素朴で何も無いところが本当の島の魅力ではないだろうか。職員の方々からは、「これまでで一番充実していた研修旅行」との嬉しい言葉も頂いた。

3 事業の成果と課題

島の恒例事業としてまちづくりに貢献

 夏季研修は、北木島では多くの子どもたちの歓声に包まれる島の恒例行事となった。住民、島を挙げての取り組みとなり、生徒たちに感動を与えている。また、他の地域の学生が入ってくることにより、観光素材の可視化が可能となる。体験素材探しの中で、島の生活自体が観光になることを実感している。

地域へお金が還元される仕組みづくり

 運営する側の課題として、ボランティアと有償ボランティアの区別が難しいのが現状である。すべての人に賃金を支払う予算はないが、給食についてはある程度賃金を支払い、責任を持ってもらわないとできない。それ以外は、請負金額を島づくり海社北木支社の各部会で分配する仕組みにしている。しかし、底引き網など、個別に賃金を支払うものもあり、外部から批判されることもあるが、地域へお金が還元される仕組みをもっと考えることが必要だと思っている。

ハード設備と予算案の決定

 宿泊施設の関係で、風呂には1回に7人程度しか入れない。男子が一斉に入り、その後にお湯を入れ替えて女子が入るようにしているが、全員が入浴するのに約3時間もかかってしまう。
 2001年に北木小学校の統廃合の条件として研修施設としての利用案が出され、協議を進めてきたが、施設整備費用がないということで先送りになってしまった。実際に携わる人が事前に集まって議論し、本来の目的と内容を理解したうえで、的確な情報を流す習慣をつけることが事業を継続するテクニックとして必要ではないかと感じている。

4 今後の展望

 島づくりの活動が本格化して10年が経ち、これまで中心に引っ張ってきた世代、特にその活動を支えていた世代が高齢化してきている。より地域に密着した福祉・医療に関しての事業と、その財源となる資金の調達が課題となってくる。当法人が笠岡諸島の地域づくりをサポートする組織として、本来行政が担う部分もかなり肩代わりしている面もあるが、持続可能な地域づくりのためには、行政との連携(資金面・配置を含めた人材面)を密にすることが必要であると考える。
 Iターン者が生きがいを持って暮らせる仕組みづくりである「地域での仕事づくり」を行うとともに、現在陸地部で精力的に活動を行っている方を誘致し、そのノウハウを活かして、島からの情報発信力を高め、島に新しい風を吹かせたい。
 重要な点として、次代の島づくりを事業にする中核人材の発掘、育成していくことが挙げられる。人が雇用できるビジネスになるか否かがこれからの活動を大きく左右する。今後の島のあり方について計画性を持ち、事業として島に感動が花開く戦略と企画を育てていくつもりである。

(ヒアリング応対者:営業部長守屋基範氏)

 島の豊かな地域資源、住民のあたたかさは、都会にはない島の最大の売りである。それらに魅力を感じてもらい、どう人が継続的に来てくれるようにするかが鍵である。島では、島の豊かな資源を育て、住民の主体性を引き出すことができる。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --