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特定非営利活動法人 消費者教育NPO法人お金の学校くまもと

でけたしこ(熊本弁で「できることをできるだけ精一杯」の意)の精神!

所在地…〒862-0950 熊本県熊本市中央区水前寺1-6-11 セシール水前寺701
TEL…096-384-4453 FAX…096-384-4453
URL…http://o-kane.net/ E-Mail…gakkou@sat.bbiq.jp

熊本県熊本市

1 団体の概要

代表者名…徳村美佳
設立年月…2004年5月 認証日…2004年9月9日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/8名
事業規模(09年度決算収入)…2,453,935円
(内訳:事業収入261,782円、会費162,000円、補助金1,988,000円、寄付金40,000円、その他2,153円)

活動の目的・趣旨

 消費者が自立した主体として能動的に行動するための支援を中立公正な立場で行うことを目的としている。消費者が健全な消費生活を行なうために、必要な情報を収集し、合理的に行動し、また事業者・行政への働きかけを通じて消費者利益を確保する等、消費者として積極的にその役割を果たす力をつけるための金銭教育をはじめとする消費者教育やカウンセリングを行なう。これにより、消費者が精神的にも自立した社会生活を送れるよう支援することで社会に貢献するものである。

団体の設立経緯

 代表の徳村氏は、熊本県消費生活センターの相談員経験から、多重債務者など生活に逼迫している相談者への応対に限界を感じていた。多重債務問題の未然防止と再発の予防には、子どもの頃からのお金教育(予防教育)と多重債務からの生活再建への支援が必要であるとの思いから、その経験を生かして、消費生活センター相談員の仲間で2003年「クレジットカウンセリング研究会くまもと」を発足。
 さらに活動基盤強化のため、2004年9月に「消費者教育NPO法人お金の学校くまもと」としてNPO法人化した。

主な活動内容

1.予防教育

 幼児から高齢者まで世代に応じた講義やワークショップによるお金についての予防教育、教材の開発。

2.債務者の生活再建支援

 債務者の経済的な自立更正を図るための相談・支援。市町村など相談体制の整備・充実ための支援。

3.調査・研究・政策提言

 相談事例の分析や事例集の作成、配布。多重債務者への支援体制構築サポート強化のための事前調査および研究。

4.債務者支援に関する各分野のネットワーク化

 弁護士、司法書士、消費者行政、福祉行政、医療機関、被害者団体などとのネットワークづくり。

5.会報の発行

 活動内容を分かりやすく発信するための会報を発行。HP掲載やネットワーク先などへの会報の配布。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 予防教育

お金の教育・消費者教育活動

 消費生活センターでの相談員経験を通して、多重債務者などの相談者の多くが消費者として必要な知識やお金とつきあう力が不足している人が多いことに気づき、消費者としての力を少しでも身につけてもらうために予防教育活動を開始した。子どもから大人まで、どの世代でも消費者が健全な消費生活を行うために、お金や物の価値などについて考え、お金とつきあう力を身につけることは重要である。
 主な活動は、お金についての教育プログラムの開発と実施である。また、多重債務相談への対応スキルを研究し実施することで、多重債務に陥った相談者への債務者教育の充実も目指している。

●教育プログラムの開発

 誰でも身近にあるお金の問題について知って考え、うまくつきあうことができるようになることを目的に、大人から子どもまでを対象とする予防教育プログラムを開発している。
 プログラムの特徴は、ゲームやワークを通じて、自分・家族・お金・もの・社会との関わりについて気づき、自分で考え・判断し、行動できる力を身につけることを目的としている点である。子どもから大人までを対象としており、子どもと大人が一緒に参加するワークショップでは、子ども同士や親子など立場が異なる人のお金に対する価値観なども客観的に知ることもできる。
 また、多重債務者への債務者教育のひとつとして「家計管理支援プログラム」も開発している。プログラム開発には、各分野のネットワークから、大学教授や弁護士、社会福祉士など様々な専門家の意見を反映している。
 多重債務問題は、家計管理の技術の欠如、クレジットや保証人などの知識のなさ、家族関係の不調和や病気など、多様かつ複雑な要因が絡まって発生する。そこで、お金を使い、管理する力を身につけるとともに、クライアントの心理面に配慮しながら支援する内容となっている。
 プログラムは、まずレシートや領収証を保管することから始まる。次に1日ごとにレシートをノートに貼り、1週間ごとに大まかな費目別に集計、これを繰り返して1カ月分の支出の状況を把握する。
 次に収入内で生活ができるよう支出を見直す作業をし、さらに予算を立て予算内で生活できるように支援する。ステップアップ方式になっており、支援の期間はクライアントによって異なり、面談を中心に実施する。

子ども向けのワークで使用する教材
子ども向けのワークで使用する教材 

●人生いろいろやりくりゲーム

 子ども向けの教育プログラムのひとつに、「人生いろいろやりくりゲーム」がある。90分間、6人で1グループになった子どもたちが、祖父母や両親、子どもの役になって仮想家族をつくる。そして、突然発生した出費に対し、家族で話し合いながらやりくり案を作成する。例えば、○○さんの家の1カ月の収入は○○円。突然の台風が来て家の瓦が飛び、修理が必要になったという想定で、突然の出費にどう対応するか、子どもたち同士がそれぞれの役になりきってやりくりについて意見交換する。
 また、携帯電話を「ほしいものなのか」「必要なものなのか」を考えるツールとして捉え、持つ目的は何か?費用は?ルールは?など親子で検討し、その結果を記入する。このようなゲームを通して、お金について家族と話し合うことの重要性への理解も促している。

●お金の教育活動

 教育活動については、新聞掲載や口コミなどを通じて依頼があり主に自主事業として実施している。講義や研修は、ワークショップ形式で実施するが、幼稚園や保育所、小学校、中学校、大学、自治体などで、2010年は数百名の子どもたちや保護者、教師へワークを中心に実施した。社会人や行政関係者向けには「多重債務者問題の現状と課題」などの研修会も実施している。
 担当教師が、ワークショップの企画にも積極的に関わり、意見交換をしながら内容の検討をするなどの協力を得られる場合もある。お金の教育について、教科書の中に単元としてあるものの、どう教えてよいか分からないという現状もあり、学校からのワークショップの依頼も徐々に増えている。
 活動は予防教育をする教育者の育成・養成にまで広がっている。国民生活センターの啓発・消費者教育をテーマにした消費生活相談員養成講座や、教育学部の大学生に対しての講義、また社会人を対象とした大学院での消費者紛争と苦情解決をテーマにした講義など、2010年は4回実施した。

「お金ってなあに?」(ワークショップ)の様子
「お金ってなあに?」(ワークショップ)の様子 

3 事業の成果と課題

教育対象者の変化

 予防教育活動を消費者に直接行ってきたが、その活動は消費者を教育する相談員などの育成・支援へと範囲が広がっている。要因のひとつとして、消費者庁が設置され消費者安全法が制定されたことにより、各自治体が消費者行政に注力し始めたことが考えられる。
 また、市町村の消費者対応窓口への教育・支援依頼は増加傾向にある。その背景には、自殺対策や多重債務対策に相談体制の充実・整備、相談員の人材育成や資質の向上がうたわれていることがある。多重債務の結果、年金・税金などを滞納している住民に対し、ただ督促するだけではなく、なぜ滞納しているかその要因にアプローチし、家計管理への教育・支援をする必要性が高まっているようである。
 執筆活動により講座依頼も増えたことも成果と言える。『消費者情報』(関西消費者協会発行)の「多重債務キャラバントーク」、西日本新聞「家族の経済セミナー」での連載(全16回)、その他、くまもと経済、朝日新聞、熊本日日新聞掲載などにより、講座依頼が増えた。

お金の実践教育が必要

 世の中では、お金や消費者についての教育が不足している。悪質商法の被害に遭わないように、多重債務に陥らないようになど、実践的な予防教育活動が足りない。クーリング・オフなどの被害救済のための知識を与えることだけが教育ではない。教育は子どもの頃からの積み重ねが必要であり、子どもの頃からの予防教育が充実すれば、消費者トラブルや多重債務に陥る人は減っていく。多重債務者への支援では、自己破産などの債務の整理だけではなく、生活再建に向けた体系的で持続的な教育・支援が必要である。

相談・支援を考えるシンポジウム
相談・支援を考えるシンポジウム 

 活動スタッフは、皆、兼業である。時間があるときに知識や労力を提供するが、専業のスタッフとして雇用できる運営費があるとさらに活動基盤が整い、予防活動も拡大できる。その解決策として、県をはじめ自治体に対して、消費者教育の必要性や消費者行政の充実に向けた提案をしている。また、教育者の育成も重要であることから、学識経験者等との活発な意見交換の実施に向けた働きかけも行っている。

4 今後の展望

上手にお金とつきあえる大人を育成したい!

 多重債務者を未然に防止するために、お金と上手につきあえる大人を育成することが大切である。現在行っている講義やワークショップなどは、ほとんどが1回限りである。今後は、プログラムをより体系的で継続性があるものへと開発し実施するためにも、行政への働きかけなども行っていきたい。
 また、生活再建のための教育として家計管理支援体制を強化するためのプログラム開発や実施する人材の養成・育成が必要である。社会の問題解決や困窮者への支援、人々や社会とのつながりを重視し、社会的価値行動ができる消費者市民を増やし、多重債務に陥った人が生活を再建できるような教育・支援体制を整えていきたい。

(ヒアリング応対者:代表理事徳村美佳氏)

 「住民生活に光をそそぐ交付金」をご存じだろうか。これまで住民生活にとって大事な分野でありながら、十分に光が当てられてこなかった分野として、地方消費者行政、DV対策・自殺予防等の弱者対策・自立支援、知の地域づくりに対する地方の取り組みを支援する交付金である。地方自治体は、せっかく交付金があっても、「何をしてよいか分からない」「実施するマンパワーがない」という理由で、申請しない場合も少なくない。
 行政が、「アイディアやマンパワーはあるが予算や機会がないNPO」と協働すれば、多様で実効的な施策が実施できる。行政にドンドン提案書を出してみてはどうだろうか。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --