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特定非営利活動法人 働きたいおんなたちのネットワーク

一人ひとりに合わせた週2時間からの働く場づくり

所在地…〒611-0031 京都府宇治市広野町寺山17-431
TEL…0774-23-5390 FAX…0774-23-5390

京都府宇治市

1 団体の概要

代表者名…吉田秀子
設立年月…2000年5月 認証日…2000年8月15日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/30名
事業規模(09年度決算収入)…23,017,068円
(内訳:事業収入21,961,375円、会費55,000円、短期借入1,000,000円、その他693円)

活動の目的・趣旨

 女性を取り巻くあらゆる問題のため社会経済活動を制限されているおんなたちがネットワークを組み、女性の情報の受発信や社会経済活動を実践する企画及び、そのサポートに関する事業を女性たち自身が行い、女性の社会参加を促進することにより男女共同参画社会の形成に寄与することを目的としている。

団体の設立経緯

 子育てを理由に離職する女性は7割にも上る。そのような女性が再就職をしようと思っても、子育てや介護などもあり、以前のようにフルタイムで仕事に就くのは難しいとあきらめていることも多い。きっと多くの女性は週に1日でも働きたいと思っているはずであるとの思いから、代表の吉田氏が周りに声をかけたところ、あっという間に数10人もの女性が集まった。
 個々人に合わせた支援があり、働き方を選ぶことができれば、自分の経験や資格を活かした社会参加や経済活動をしたいと望んでいる女性がたくさんいるのである。そこで、女性が社会で経済的活動を実践する場として団体を設立した。
 世の中に自分たちの考え方を広く呼びかけるには、社会的信頼を得ることができる組織形態が必要である。また、組織の活動は営利目的ではないことも伝えたいと考えていた。この2点を満たすのがNPO法人であったため、法人格を取得した。

主な活動内容

 「働きたいおんなたちのネットワーク」では、まず、女性の思いや悩みをまるごと受け止めて、心と体をケアし、一人ひとりのライフスタイルに合わせて、週2時間からワークシェアリングで働ける場をつくっている。宇治市や京都市内で展開する「こみカフェ」、チャレンジショップ、「子育てひろば」など居場所となる拠点を中心に、以下のような事業を展開している。

1.チャレンジ事業

 おもに子育てなどで職を離れた女性に対する起業や就業などの再チャレンジ支援。チャレンジショップ、チャレンジ相談など。

2.自立支援事業

 学生、年齢や障がいなど働きづらさのある方に活動・仕事体験や活動場所、事務所提供。地産地消の「こみカフェ」実施。

3.相談サポート事業

 子育て中の家庭支援サポート、活動する子育て期の女性たちへのキッズサポート等。

4.ひろば事業

 子育て中の親と子への居場所(子育てひろば)提供。子育て期の女性に対する身近な相談を実施。

5.元気づくり事業

 からだとこころのサポート活動。日常生活に取り入れやすい形での運動・栄養・休養講座とその場づくり。ココロとカラダの「ケアカフェ」実施。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 チャレンジ事業

ショップを持ちたい女性たちの夢をカタチに

 「働きたいおんなたちのネットワーク」では、子育てなどを理由に職を離れた女性が、自分たちの経験や資格、技術を活かし、自分らしく働けるような働く場づくりや起業を支援している。
 働きたい女性たちの相談は年間200件以上にもなり、内容は様々だが、その中にはショップを始めたいという女性も多く存在した。そこで職場体験があるのなら商売の体験できるショップがあってもよいと考えていたところ、株式会社平和堂からテナント貸借の話があり、平和堂の店内で女性のチャレンジショップ「輝ら房(キラボ)」を始めた。
 「子育て期であっても、資格や技術を持つ女性たちは開業を希望することが多いが、子育てや家事に時間を取られて、フルタイムで店を開くのは困難である。そこで「輝ら房」では、ワークシェアと店舗スペースシェアを加味した日替わり店長制にすることで、自分の使える時間に合わせてショップを持てるようにしている。また、女性は自己資金や担保物件がないために融資を受けにくいため、「働きたいおんなたちのネットワーク」が店舗契約を行うなどのサポートをしている。
 ショップの内容は、趣味で作成していたクラフトを販売したり、地域の居場所兼地産地消や食育に配慮したコミュニティスペースである「こみカフェ」をオープンしたり様々である。このショップでの経験を生かし、2年間で5名の女性が独立している。

コミュニティスペースの中に、チャレンジショップ「こみカフェ」が同居
コミュニティスペースの中に、チャレンジショップ「こみカフェ」が同居

事業名称 自立支援事業

身近な相談のできる居場所兼就労の場

 女性にかぎらず、学生・高年齢者・障がいのある方など、働くことが難しい人々に仕事体験の場を提供する自立支援を行っている。ハローワークではなく「働きたいおんなたちのネットワーク」に来る人は、職を探しているだけではなく、いまの社会の中で働く難しさを感じている人も多い。
 当団体では、一人ひとりのライフスタイルに合わせた働き方を相談者と一緒に模索する。自立支援の方法は様々ではあるが、例えば、在宅で子育てしながら自分を取り戻すために少しでも働きたいという人には、当団体が運営する「こみカフェ」の仕事をしながら少しずつ社会との接点をつくっていく。1回2時間、週に3日ほどカフェで実習や有償活動を行うことで、自信を持ち実社会へつながっていくケースも多い。

事業名称 相談サポート事業

子育て期の女性の思いをまるごと受け止めて

 子育て期の女性たちの6割は自分が産んだこどもが初めて抱く赤ちゃんといわれる現状では、出産しただけで子育てができるものではない。当団体の子育てひろばにやってくる多くの子育て期の女性たちも、身近に助けてくれる人もいないまま出産し、とまどい、不安を抱きながら子育てをしている。
 子育て家庭サポート事業は、このような家庭に入り、上の子と遊んだり、検診に同行したり、昼食を一緒に作ったりしながら、不安感の軽減を図りながら地域につないでいく。

少しの時間、子どもを預かってほしい

 少しの時間、子どもを預かってほしい人と、キッズサポーターを繋ぐことで、子育て支援と就業支援を兼ねている。また、子どもに対しては、その子らしい過ごし方を尊重したサポートを重視している。サポーターには、週に2時間からの働き方が体験できる事業となっている。
 指定されたサポート会場でキッズサポーターに子どもを預けながら、チャレンジ事業の支援を受けて起業した人もおり、「働きたいおんなたちのネットワーク」の様々な事業が連動して新しい仕事を生んでいる。

3 事業の成果と課題

女性が働く環境は今も昔も変わらない

 1999年は、NPO法や男女共同参画社会基本法が制定された年である。その1年後、子育てを理由に約7割が離職してしまう「女性が働く社会」の現状について考え、団体設立のきっかけとなった。
 活動を通して、「1日8時間、週に40時間だけが正しい働きなのか?」と、いつも問いかけている。働きたいと考えている女性は、今のライフスタイルと、正規雇用制度の就業時間との間で悩まされている。そこで突きつけられるのは、「フルタイムで働くことができるの?できないの?」という問いかけであり、その答えはYESかNO、0か10だけなのである。中間点の、例えば30や40の働き方ができないのが、今も昔も変わらない現状である。

仕事や生活全般をサポートする事業展開

 子育て中の女性たちなど働くことが難しい状況の人たちに向けて、雇用創出・就労支援、相談、働く場づくり、子育て支援など、仕事だけでなく生活全般をサポートすることに取り組んできた。自立支援事業で活用しているこみカフェは、地域の居場所兼地産地消や食育に配慮したコミュニティスペースである。そこは、週2時間から働くことができる仕事の場であり、生活や子育ての相談ができ、ほっとできる居場所にもなる。また、管理栄養士や調理師の資格者が無料の食のアドバイスや体にいい飲み物を提供するほか、健康づくりの事業も行うなど、様々な活動を行っている。
 このような、働く場であり、みんなが集まる場であり、生活を支える場を、各市町村にもっと増やしていきたいと考えているが、運営は厳しい状況である。

持続可能な事業と雇用創出が必要

 「働きたいおんなたちのネットワーク」には、「雇用」という大きなテーマがある。ただ、正規雇用は週40時間だけではなく、当団体には働く人に合わせた短時間正社員(週に4日、26時間勤務)もある。そこで、ここ2~3年、国や京都府が行っている「緊急雇用対策事業」を積極的に受託し、「これから活躍していきたい」「プチ起業して頑張っている」人などを募集し、のべ50人の雇用を創出している。持続可能な事業になるようにしているが、委託事業はおよそ3年で終了してしまうため、その後の雇用はなんとか継続しているが、厳しい現状がある。
 自立の支援と同時に、事業が軌道に乗った後は独立させる活動をしているが、独立した先で新たな雇用を生み出すことはなかなか難しい。当団体自体が運営する持続可能な事業を立ち上げ、自力での雇用の創出に向けて本格的に取り組まなければならないと感じている。

スタッフの皆さん
スタッフの皆さん 

4 今後の展望

女性がライフプランニングを意識するように

 チャレンジ事業、自立支援事業などの各種活動を通じて、「いったん離職すると、再就職することが難しい」ことを改めて感じている。結婚後、子育てを理由に約7割もの女性が離職している現状の中、離職する前のできるだけ早い時期に女性たちに、再就職が難しい現状の情報を届けることが必要であると考えている。
 2009年、京都文教短期大学との協働で、企業や行政、女性の就労支援を行っている団体の方々を集め、学生に離職・再就職の現状を話す女性のライフプランニング講座を開講した。この講座で行われた意見交換会で明らかになったのは、若い女性(学生)が未来の再就職が難しい状況を学ぶ機会がほとんどないことであった。今後もこの活動を続けることで、未就職の女性がそれぞれのライフプランニングを意識する“気づき”になるような情報をプログラム化してカリキュラムに組み込んでいただければと考えている。

(ヒアリング応対者:理事長吉田秀子氏)

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --