ここからサイトの主なメニューです

特定非営利活動法人 Fathering Japan(ファザーリング・ジャパン)

「良い父親」ではなく「笑っている父親」になろう

所在地…〒113-0021 東京都文京区本駒込1-3-2-307
TEL…050-8884-4252 FAX…050-8884-4252
URL…http://www.fathering.jp/ E-Mail…info@fathering.jp

東京都文京区

1 団体の概要

代表者名…安藤哲也
設立年月…2006年11月 認証日…2007年3月29日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…14,417,887円
(内訳:開催事業収入12,307,170円、入会金・会費2,100,000円、その他10,717円)

活動の目的・趣旨

 広く一般市民に対して、お父さんの子育てを支援する事業の一環として、男女共同で自主管理する保育園の運営、支援者の養成による男女共同参画事業、子育てに関する講演会・セミナースクールの開催及び調査・研究事業、情報誌・機関誌の発行及びホームページの開設による普及啓発事業を行い、同じ目的を持つ多くの方々の意識を高め連携を図っていくことで、不特定多数の方々の利益を増進し、豊かな地域社会の実現に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 団体設立のきっかけは、安藤代表理事の育児期間にワーク・ライフ・バランスに関する問題意識が芽生えたことにある。安藤氏が前職の大企業に勤務していたときは、残業、土日出勤、単身赴任などの働き方が要因で、子育て期の父親が育児に参加しにくい職場環境にあった。子育てに積極的に関わる個々の決意がない限り、同僚の多くが育児参加できない状況に対して、問題意識を持つようになった。
 育児参加できない父親の問題は、育児を理由に仕事を辞める女性の問題と裏腹にある。そして、父親の育児参加は、家庭内の問題ではなく、父親は育児よりも仕事を優先すべきという社会通念を変えなくては実現しないという認識に至った。この想いを出発点として、団体を立ち上げた。
 父親の育児参加の問題は、ワーク・ライフ・バランスの問題と密接に関わるため、問題の本質が男性独自の問題とはいえないが、活動目的を、男性による育児参加の支援としたのは、男性の育児参加に潜在的ニーズがあると予測したためである。

主な活動内容

1.フォーラム&セミナー開催事業

 東京を中心に全国各地で開催。フォーラムでは、複数のパネラーの話を聞く。セミナーでは、専門家が講義やワークショップを行う。

2.講座開催事業「ファザーリング・スクール」

 父親が子育て期に必要な知識に関する講座を開催する。

3.男性の育児休暇支援事業「さんきゅーパパプロジェクト」

 育児休暇を希望する父親と、彼らに対する経済的支援を希望する企業を引き合わすプロジェクト。

4.その他事業

 政党や企業へのアンケート調査、グッズ販売、会員の親睦促進。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 フォーラム&セミナー開催事業

 主に父親の育児支援を目的に、企業、地域、自治体を対象に多様なセミナーやフォーラムを全国各地で開催している。ワーク・ライフ・バランスや母親支援など、関連するテーマについて活動するNPOから依頼されることも多い。
 セミナーやフォーラムは、毎回30~50名の参加者が集まり、年間およそ300回開催している。フォーラムでは、「育児介護休業法」「保育園待機児童」「産後うつ」など、社会問題化しているテーマを扱う。
 セミナーでは、「育児休暇の取り方」「ベビーカーの安全な使い方」「産後に適した料理」など父親が育児参加するために必要な知識、また、独身女性向けに育児に積極的に参加する男性の見分け方など、育児に関連する個人的な悩みに対応したテーマを取り上げている。
 講師陣は、医師や大学教授などの専門家、実際に育児休暇を取得した経験のある経験者など、テーマによって知識や経験豊富な講師を招聘している。参加者は、子育て期間の父親以外に、これから父親になる人、母親、学生など、幅広い構成となっている。最近では、祖父母、単身者向けのセミナーも開催しており、ますます多様な参加者向けのプログラムを展開している。

セミナーの様子
セミナーの様子 

事業名称 講座開催事業「ファザーリング・スクール」

3つのコンセプト

 育児を楽しむパパを養成する、日本初の本格的な父親学校である。
 「笑っている父親」になるために必要な次の3つをコンセプトにパパの極意を学び、受講者や講師とのネットワーク形成(パパ友づくり)を支援する連続講座を東京中心に開催している。

  • マインド(育児意欲を高める)
  • スキル(子育て技術を習得する)
  • 知識(育児知識を学習する)

 2か月間に8回の本科講座を年2回東京で開講し、「産後ケア」「夫婦のパートナーシップ」「父親のファイナンス講座」「絵本ライブ&わらべうたの心」と多岐にわたるテーマで実施する。本科コースのほかに単科セミナーも実施している。講師陣には、大学教授、企業研修講師、料理研究家、経営コンサルタント、企業経営者等の専門家があたる。
 参加者からは、母親が必要とする産後ケアに関する知識、寝る前に絵本を読み聞かせるスキルなど、父親が日々の生活の中で見落としがちな知識やスキルが得られたという声が聞かれる。
 講座後には毎回懇親会を開催するため、父親同士のネットワークが形成され、同じ課題を持つ父親同士の対話が刺激となり、子育ての現場でも良い相乗効果を生んでいる。

ファザーリング・スクールの3つのコンセプト 
ファザーリング・スクールの3つのコンセプト 

事業名称 男性の育児休暇支援事業「さんきゅーパパプロジェクト」

 「さんきゅーパパプロジェクト」とは、改正育児介護休業法でパパだけに認められた産後8週間の育児休業を「パパ産休」と名づけ、この期間に育休を取得する男性(さんきゅーパパ)を増やすことで父親の育児参画を促し、子育て家庭における夫婦の調和、親子の絆を確かなものとする。また、企業、国、自治体等におけるワーク・ライフ・バランスや、次世代育成の取り組みを推進することを目的としたプロジェクトである。
 男性が育児休暇を取らない理由のひとつとして、世帯収入の低下が挙げられる。その状況を緩和するために、男性の育児休暇を支援する企業と個人サポーターを募り、対象となる父親を支援する。企業からは、プロジェクトの紹介、現物支給、寄付による経済的支援を得ている。
 支援を受ける父親の受給資格は、産後4~8週間までに育児休業を取った父親(産後8週間以内に、4週間以上の育休を取得した父親)で、年齢や所得の制限はない。
 申請時には、1.本人を証明できるもの(免許証・パスポート)、2.e-ラーニング受講後に書いた父親の作文「私が育児休業を取得する理由」、3.会社へ提出した「育児休業申請書」または会社からの「育児休業取扱通知書」の写しを提出する。
 受給にあたって、ホームページのe-ラーニングで、育休中の夫婦のパートナーシップ、改正育休法の正確な知識、産後ケアについて学ぶことが義務となっている。また、育児休暇中の父親が加入するSNS「育休パパSNS」やメーリングリストを活用して、育児休暇を取得した男性同士がコミュニケーション可能なネットワークに加入することができる。

3 事業の成果と課題

30人の「プロボノ」

 団体設立当初は、安藤氏が企業で働いていた時期と重なっていたため、団体運営に要する時間をつくるのに苦労した。団体運営にかかる労力を軽減し、より一層団体の力を強化するために考えた答えは、「プロボノ」(専門家による社会貢献活動)から協力を得ることであった。
 現在、活動を支える中心的なメンバーは、理事を含む約30人のプロボノ会員である。専門分野は、音楽、アウトドア、料理、金融、資産管理、夫婦のパートナーシップ、地域活動など多種多様である。理事もそれぞれが1事業を担う。
 代表理事が心がける役割は、理事会、事業ごとのメーリングリストを通じてコミュニケーションの活発化を促すことである。特に、理事や会員同士を紹介し、スタッフの双方向のコミュニケーションを促進するように心がけている。また、活動や理事・会員からの提案を、「笑っている父親になる」という団体の理念に結び付けて事業化することが、代表理事の役割になっている。

活動範囲の拡大

 団体が開催する事業への参加者は、当初は見られなかった男性の高齢者や独身者の参加者も増え、4年前のおよそ5倍に増加し、参加者層の幅が拡がった。セミナーやフォーラムの依頼が、他の子育て支援目的のNPOや自治体からくるようになった。ドイツで開催された国際学会に参加して成果を発表するなど、情報発信にも力を入れている。
 活動範囲の拡大に伴い、組織の規模を拡充してきており、活動への賛同者は、会員やインターンを含め200人以上となった。ただ、社会的ニーズに対応するための組織を、どの程度まで拡大するべきなのか不明瞭ななかで、組織の体制づくりをすることが課題となっている。特に、全国的な活動を展開するためには、人に直接会える機会が限られるという制約とのバランスを取ることが重要になっている。今後は、信頼できる人材と連携し、新しい通信手段も駆使することで効率性を考慮しながら、活動への想いを共有し、より良い組織のあり方を模索していきたいと考える。

育児支援に対する組織的な職場環境づくり

 セミナーやフォーラムの内容は、若年者層を中心に受け入れられる傾向にある。しかし、男性が育児に参加できる環境を整えるためには、個々の意識向上のほかに、組織的な職場環境づくりが必要である。子育てに参加した経験がない世代が管理職を占めていると、個々人の意識が向上しても組織的な職場環境づくりにつながりにくい。管理職の意識向上と実践に時間がかかることから、組織内部での世代交代が必要である。

代表理事の安藤氏と事務所スタッフ
代表理事の安藤氏と事務所スタッフ 

4 今後の展望

地方支部による地域活動、そして海外支援へ

 東京に事務所があると、中心的な活動地域が首都圏になる。今後は、多くの地域支部を立ち上げて、これまでよりも更に地域支部自らが事業を展開してもらうことが重要である。組織が大きくなったため、地域支部の活動を支援することも重要となっており、地域的な取り組みとして、自主管理型の保育園の運営に向けた取り組みも加速させたい。
 日本と同様に、中国やインドなどのアジアの新興経済国の経済成長に伴い、ワーク・ライフ・バランスの問題が社会的なニーズとして高まってくると思われる。これからは、海外での活動展開も求められることを視野に入れておくことも必要である。

(ヒアリング応対者:代表理事安藤哲也氏)

 外部から情報を得るよりも、専門家や経験者を含む会員内のメーリングリストを活用して、内部から情報を得ることが多い。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年03月 --