ここからサイトの主なメニューです

特定非営利活動法人 子どもの人権アクション長崎(あじじの会)

子どもたちが安心して、自信をもって自由に暮らせるように

所在地…〒852-8156 長崎県長崎市赤迫1-4-16
TEL…095-845-8004 FAX…020-4623-0429
URL…http://blog.ajiji.jp/ E-Mail…ajijinokai@gmail.com

長崎県長崎市

1 団体の概要

代表者名…中村則子
設立年月…1995年 認証日…2001年1月30日
有給スタッフ数…常勤/0名、非常勤/1名
事業規模(09年度決算収入)…5,074,798円
(内訳:謝礼640,800円、会費223,000円、書籍販売114,770円、イベント収入452,575円、助成金2,300,000円、寄付金1,339,291円、その他4,362円)

活動の目的・趣旨

 子どもと子どもを取り巻く環境に対して子どもへの暴力防止活動に関する事業を行い、子どもへの人権教育、福祉活動に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 1995年、前年に愛知県で起こった大河内君いじめ自殺事件をきっかけに、子育てへの不安を感じた初代代表の二宮節子氏は、地元の子育て情報誌「ちゃんぽん倶楽部」の発行を始めた。その後、情報提供だけではなく何か行動を起こしたいとの思いから、いじめや暴力から自分自身を守れる子どもを育てる「CAPプログラム」を学ぶ会も併せて発足。
 CAPプログラムの普及やトレーナーの養成に取り組むなかで、より広く柔軟に子どもの人権を守るための活動や独自のプログラム作成の必要性を感じ、NPO法人化することにより、広く子どもの人権問題を扱う専門家として活動を発展させた。子どもの3つの権利「あんしん」「じしん」「じゆう」から、通称「あじじの会」という。

主な活動内容

1.子どもが学ぶ暴力防止プログラム

 子ども自身が、いじめ、誘拐、性暴力といった様々な暴力から身を守るための教育プログラムの普及。

2.いじめ防止プログラム

 「子どもの人権・安全ステーション」オリジナルの、いじめ防止教育プログラムの提供。

3.親子コミュニケーションプログラム

 コモンセンス・ペアレンティング(CSP)を通した虐待防止のための保護者支援。

4.人権関連のイベント参加・県の委託事業
5.子どもの人権・安全ステーション

 プログラム作成・改善、研修講座、研究等

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 子どもが学ぶ暴力防止プログラム

子どもをいじめ・暴力から守るプログラムの普及活動

 子どもの人権アクション長崎(以下、あじじの会)では、子どもたちをいじめや暴力から守るために、子どもとおとなを対象にワークショップやセミナーを開催している。
 子どもがいじめや誘拐、性暴力などの様々な暴力から身を守るための教育プログラムとして、小学生対象のものと就学前の子どもが対象のものの2種類ある。子どもワークショップを行う場合には、必ず直前(1カ月前以内)に、その子どもたちの保護者と教職員を対象に「おとなのためのセミナー」を実施することになっている。
 子どもワークショップでは、1.いじめロールプレイ、2.見知らぬ人からの誘拐ロールプレイ、3.知っている人からの性暴力ロールプレイ、4.おとなへの相談ロールプレイ、の4つのロールプレイを通して一緒に話し合いながら、子どもたち自身が自分の権利を守るために自分たちに何ができるかを一緒に考えていく。小学校や幼稚園に出張し、クラス単位で授業を行う。
 おとなのためのセミナーでは、いじめや暴力から自分を守れる子どもを育てる「子どもが学ぶ暴力防止プログラム」を紹介しながら、「なぜ子どもは暴力の被害を受けやすいのか」「どうすれば被害を減らせるか」「人権教育がなぜ必要なのか、子どもの悩みをどのように聞いたらよいか」等、子どもを孤立させないために、子どもの権利を守る方法を学ぶ。

「子どもが学ぶ暴力防止プログラム」ワークショップの様子
「子どもが学ぶ暴力防止プログラム」
ワークショップの様子 

事業名称 親子コミュニケーションプログラム

 ペアレント・トレーニング(親訓練)として、コモンセンス・ペアレンティング(CSP=アメリカで開発された「被虐待児の保護者支援」のペアレント・トレーニングのプログラム)を使った「子育て支援講座」と、子どもにかかわる専門職を対象とした「神戸少年の町版CSPトレーナー養成講座」(神戸少年の町で開発された子育て支援プログラム)を年に1回開催している。
 あじじの会の会員、長崎県内の虐待防止・子育て支援等にかかわる専門職、虐待防止・子育て支援等にかかわる民間団体の会員等が受講する。
 また、7回連続の出前講座も、保育士や子育て中の母親を対象に、公民館や育児サークル、幼稚園などで開催している。1~2週間おきに開かれる6回の講座と、1回のフォローアップ講座を通じて、子どもに対するよりよいおとなの行動を学ぶことができる。

事業名称 人権関連のイベント参加・県の委託事業

「子どもの人権」を守る協働活動

 2010年度には、長崎県の子ども家庭課からDV被害者の子どもの支援業務を受託し、「長崎県暴力の被害を受けた子どもの心理回復プログラム支援スタッフ養成講座」を、長崎県内の2つのNPO法人「フリースクールクレイン・ハーバー」「DV防止ながさき」や「チャイルドラインさせぼ」と協働して、8回開催した。
 2004~2005年には、長崎県こども政策局こども未来課が主宰し、おとなみんなで子どもの心を育てようと提唱している「ココロねっこ運動」の受託事業として、子どもワークショップやおとなのためのセミナーを長崎県内の12の小学校で実施した。
 また、長崎県人権啓発活動ネットワーク協議会が開催する長崎人権フェスティバルへも毎年参加し、講演やワークショップを開催している。
 長崎の中間支援NPOの主催するNPOサロンに参加したり、NPOのイベントに顔を出したりするなかで、同じような志を持ったNPO法人との出合いがあり、協働する場が広がっている。

ロールプレイに参加し、子ども自身が考える機会を設ける
ロールプレイに参加し、子ども自身が考える機会を設ける

様々なプログラムの開発

 九州・山口の子どもの人権を守る活動をするグループと「子どもの人権・安全ステーション」という連絡協議会を作り、共に勉強会を開き、現行のプログラムの改善や新たなプログラム作成に取り組んでいる。今までに「ながと子どもの人権ステーション」が「問題解決力アップのための8ステップ/いじめ対応編(SPF8)」を開発し、「くまもと子どもの人権テーブル」を主体に「いじめ防止プログラム」を開発、実施してきた。また、2011年からは「就学前不審者対策プログラム」も開始する。子どもに関する事件が起こるたびに、対応策そして予防策となる教育プログラムの作成を進めている。

3 事業の成果と課題

子どもの人権意識向上への貢献

 あじじの会は長崎県内全域で活動を続けており、年間に約20校の小学校や幼稚園、40~50クラスを訪れている。1年間で、子ども向けワークショップには延べ1,200人の子どもたちが参加し、約800人のおとながセミナーに参加している。また、講演会の開催や、地域の関連イベントに積極的に参加し、より多くの人々に「子どもの人権」尊重の大切さを訴えている。
 あじじの会が提供するいじめや暴力防止のプログラムの成果は、はっきりと目に見えるものではない。しかし、反響は子どもたちにもおとなにも大きく、ワークショップに参加した子どもからは、「いじめをやめて、と言えました」と感謝や報告の電話をもらうこともある。
 また、ワークショップで小学校を訪れたときに、あじじの会のシールを配布することによって、子どもたちが自分を守り、他人も大切にする人権意識を継続させていく取り組みを続けている。
 子どもたちに「人権」を意識する大切な機会を提供し、子育て中の親には子育ての不安を受け止める場を設ける活動を続けることによって、あじじの会の活動が市民にも広く知られるようになってきた。同時に、子どもをいじめや暴力から守るプログラムの存在が認知されるようになってきており、子どもたちの人権を守る団体として、子どもが安心して生活できる社会の醸成に貢献している手応えを感じている。

あじじの会が子どもたちに配布するシール
あじじの会が子どもたちに配布するシール 

伝える人材育成の課題

 あじじの会が直面している課題のひとつは、人手不足である。スタッフの多くが母親であるため、子どもの年齢や家庭の状況、転勤などで活動を続けられなくなるケースが多い。また、スタッフ養成講座を受けても、あじじの会としての活動に参加する意志がない、昼間に行われる子ども向けワークショップと仕事を両立することができないなどの理由もあり、共に伝える人材の確保が難しい状況もある。
 また、伝える機会も、以前より少なくなってきている。少子化や小学校の土曜日授業の削減により、学校の外から講師を呼んで授業をする予算や授業時間が学校になくなってきている。そのため、出張依頼やワークショップ数も減り、大切なことを子どもたちに伝える機会が減ってきてしまっている。
 それでも、様々な人とつながりを持ち、活動の場を広げてきた。他のNPO関係者、県や市のNPO・人権・子ども関連部署の担当者、各助成金の担当者などと情報を共有し、活動をアピールすることによって、イベントの共催や県の委託事業など、新たな活動の場を得ることにつながっている。

4 今後の展望

子どもの人権を扱うプロ集団として

 あじじの会の活動をNPO法人化して以来、子どもの人権に精通した専門家集団としての意識が高まった。今後は、小学校や地域への働きかけを強め、子どもの人権に関する学びが公教育のなかで取り入れられるように努力していきたいと思っている。
 いじめの問題は、世間に衝撃を与える事件を発端に注目を浴び、解決策への取り組みや子どもたち・保護者・学校関係者の意識も高まるが、しだいに色あせて他の教育問題に埋もれてしまう。しかし、いじめが消えてなくなっているわけではない。困っている人たちは、おとなも子どもも存在し続けるのである。常に助けを求めることのできる存在であり続け、いじめや暴力のない社会の構築のために尽力していきたい。
 そのためには、今あるプログラムを継続して子どもやおとなに伝えていき、時代や学校のニーズに柔軟に対応したプログラムの改善や新たなプログラムの導入に取り組んでいく必要がある。

(ヒアリング応対者:事務局近藤みどり氏、居村弘子氏、石瀬尚美氏)

 活動の秘訣は、NPO中間支援団体を活用すること。税理士の派遣や、経理や謝金等の相談に乗ってもらったこともあり、非営利の専門家として自信をつけることができた。活動に際しての気持ちの持ちようが「ボランティア」から「使命を持った専門家」へとつながる。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --