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認定NPO法人 チャイルドライン支援センター

救われたと思う時、人は誰かと話している

所在地…〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-5曙橋コーポ2階
TEL…03-5312-1886 FAX…03-5312-1887
URL…http://www.childline.or.jp/ E-Mail…info@childline.or.jp

東京都新宿区

1 団体の概要

代表者名…清川輝基
設立年月…1999年1月 認証日…2001年5月17日 認定取得…2009年3月
有給スタッフ数…常勤/5名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…71,313,620円
(内訳:事業収入11,207,665円、会費2,550,000円、補助金36,725,451円、寄付金20,437,200円、その他393,304円)

活動の目的・趣旨

 悩みをもつ子どもたちの声を受けとめ自立を助ける「チャイルドライン」の重要性について社会的認識を高めるとともに、各地で「チャイルドライン」を設立運営する団体に対し、支援、助言を行ない、もって子どもの権利条約が保障する子どもの諸権利を実現するための社会基盤作りに寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 1997年春に、世田谷区の市民団体がイギリスチャイルドラインを視察し、同年秋には、イギリスチャイルドラインのジョン・ホール氏、リサ・バレッツァー氏を招聘して文部省(当時)主催の国際シンポジウムが開催された。これらを機に、国会で超党派による「チャイルドライン設立推進議員連盟」が設立され、1998年2月に日本で初めてのチャイルドライン「せたがやチャイルドライン」が開設(24時間2週間)された。その後、チャイルドラインの取り組みに注目が集まるなか、全国のチャイルドライン設立を促進し、活動を援助していくことを目的に、1999年1月に「チャイルドライン支援センター」が発足した。

主な活動内容

1.チャイルドラインへの社会的認識を高めるためのキャンペーン事業

 全国統一フリーダイヤルの実施、社会的認知を広げるためのキャンペーンの実施等

2.チャイルドライン設立運営支援事業

 開設支援事業や団体支援事業の実施

3.提言・社会基盤整備事業

 「2010チャイルドライン年次報告」の作成・配布、世界大会への参加等

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 チャイルドライン設立運営支援事業

広がる日本のチャイルドライン

 子どもの声に、お説教抜き、押し付け抜きで、ただ耳を傾け、悩みを聞く電話によるチャイルドラインの発祥は1980年代のヨーロッパである。身近な人たちと上手く関係性を築くことが難しい現代の子どもたちに、電話でつながる心の居場所をつくろうとの想いから、日本では1999年1月にチャイルドライン支援センターが発足。その後10年間に全国各地にチャイルドラインの活動が広まった。全国のチャイルドライン実施団体は43都道府県、71団体、準備団体は7都県、7団体にのぼる(2011年3月1日現在)。2009年5月からは気軽にアクセスできる機会を増やすために、統一フリーダイヤル「0120-99-7777」の本格運用が始まった。
 フリーダイヤルでは、月曜日から土曜日の16時から21時まで無料で電話を受ける。2009年度にフリーダイヤルで着信した数は毎日約700件、年間240,000件以上にのぼる。このうち、会話が成立した電話は約80,000件で男子が56.4%、女子が39.2%を占める。
 チャイルドラインの対象は18歳までの子どもである。年齢では就学前が0.3%、小学生が19.1%、中学生が17.2%、高校生が33%、不明が30.5%である(2009年度)。
 電話の内容は、「友人などとの人間関係について」「心の不安を訴えるもの」「性の悩み」などが上位を占める。例えば、「友人などとの人間関係」のなかでも、いじめの問題について子どもが悩んでいても、担任や保護者に相談するとすぐに個人攻撃や犯人探しにつながるため、子どもは話ができる相手を見つけにくい。チャイルドラインでは大人に聞く耳をもってほしい、ただ耳を傾けてほしいと願う子どもの話し相手として、子どもからの声を受け止めている。

チャイルドライン応対の様子
チャイルドライン応対の様子 

電話を受けるのは専門的な研修を受けたボランティア

 子どもの声を受け止めるのは、全国各地のチャイルドライン実施団体主催の講習を受講した電話の「受け手」(相談員)である。ボランティアとして電話を受け、子どもの声に寄り添う。
 全国各地のチャイルドライン実施団体では、児童相談所の所長や精神科医など専門家を招き子どもを取り巻く環境について学習する講習や、電話を受けた場合を想定した実践的ロールプレイなどを含め10~20講座を継続的に開催し、受け手を養成している。2010年度の全国の受け手の人数は約1,700名にのぼる。
 受け手は1日2交代から3交代制でローテーションを組んで電話応対しており、専業主婦や就労中の会社員、男性、学生など様々である。ボランティアは受け手だけではない。受け手ができるだけよい状態で、子どもの気持ちを聴けるようにサポートする「支え手」(相談員の統括・補佐)を受け手とともに配置している。受け手が虐待など重い話に対応する場合、支え手との振り返りを通じて受け手自身が一人で抱え込まないように配慮する。支え手の数は全国で約600名(2009年度)にのぼる。

子どもの声を社会へ発信する

 子どもの声を受け止めてきた実績から、子どもの声をもとに、社会を子どもの住みやすいものに変えようと国会(衆議院青少年特別委員会への招致)や、文部科学省(「子どもを守り育てるための体制作りのための有識者会議」委員、「いじめ相談ダイヤル」研修講師)、厚生労働省(「児童虐待防止対策協議会」参加)など、国の機関と連携した取り組みを始めている。
 また、各都道府県のチャイルドライン実施団体の多くが各地の教育委員会とつながり、審議会などの委員、教職員向けの講演会など、行政と連携している事例も多い。

3 事業の成果と課題

電話でつながる心の居場所

 チャイルドラインでは、年間24万件を超える電話を受けており、フリーダイヤルになってからの件数は飛躍的に増えている。そのなかで、例えば「安心できて心がホッとしました(小6女子)」「一緒に悩んでくれた、家族には相談できなかったからすごくよかった(中1男子)」「親身になって聞いてくれて元気になれた!(高1女子)」など、チャイルドラインが子どもの声を受け止めることで、子どもが心を整理し解決策を見出す一助になっていると実感している。
 ほかにも、「こんなに自分の話を聞いてくれる人は初めてです」などのE-mailも日常的にあり、チャイルドラインの活動が子どもを力づけていると感じている。また、活動を始めてから10年が経過し、チャイルドラインに電話をかけていた子どもが成長して受け手のボランティアとして活躍を始めた例も報告されている。

世界に広がるチャイルドラインのネットワーク

 2年に1回行われるチャイルドラインの世界大会には120カ国からの参加がある。日頃からつながっている世界のチャイルドラインとのネットワークを活かし、先駆的事例を日本のチャイルドラインの活動に応用している。最近では、世界のチャイルドラインの事例を参考に、総務省を通じて通信事業者(主に電話会社)との連携を深めている。また、世界のチャイルドラインで発行されている教材やリーフレットを翻訳し、世界の子どもを取り巻く環境を紹介する活動も行っている。

電話代をどう確保するか

 2008年のリーマンショック以降、協賛企業からの支援額が減少していることもあり、資金確保に苦心している。年間約24万件に及ぶ電話相談を維持するためには、年間約1,800万円の子どもからの電話代を確保する必要がある。
 安定的に財政を確保する手段として考えられるのは、まず会員数を増やすこと、次に活動を精査して電話代以外の支出を削減すること、最後に寄付金、協賛金を増やす努力を行うことである。

会員を増やすための努力

 チャイルドラインの活動による不登校の子どもの減少率など、社会を変える直接的効果は定量化できない。また、電話をかける子どもが、必ずしもいじめや虐待にあっているとは限らず、話し相手がほしいだけの子どもも多い。会員に活動のよさが伝わりにくい点が課題でもある。
 会員を募る際に金額が障壁にならないよう、1口年間3,000円からの小口の寄付を受け付け、活動に対する支援を幅広く集めている。また、全国各地のチャイルドライン実施団体は独立採算方式を採用しており、チャイルドライン支援センターで集められた寄付が下部組織に分配されるような仕組みになっていない。そのため、各地のチャイルドライン実施団体も、同様に寄付プログラムの種類を充実させるなどの工夫を凝らしている。

企業との連携を増やすための工夫

 昨今では、企業の社会的責任に対する関心が高まり、企業自身が地域社会に積極的に関わっている姿勢をアピールすることが大切だという価値観が生まれつつある。企業からの支援の形態は、社内報への掲載や、セミナーの会場の無償貸与など様々であり、企業が出せるリソースと企業のニーズに合わせてNPO側も提案する必要があると考えている。
 日本ケロッグ 株式会社の商品パッケージにチャイルドライン支援センターの連絡先とフリーダイヤルの番号を記載してもらうなど、広報面での支援も依頼している。海外のように寄付文化が根づいていない日本で、大口の寄付を得ることは難しいが、企業側の要望に合わせた支援の形態を提案し、協力を得ることが今後重要になると考える。

チャイルドライン全国研修会
チャイルドライン全国研修会 

4 今後の展望

プロ意識の高いボランティアを養成する

 電話の向こうに見える子どもの状況や、電話に寄せられる子どもの声から分かってくる社会の問題点や、考えられる解決策について、積極的に社会に発信していくことが必要だと考える。
 近年マスコミで取り上げられている日本の子どもの貧困問題や、子どもの自尊感情や自己肯定感が低いなどの問題は、マスコミに注目される2~3年前からチャイルドライン支援センターでは認識していた。受け手となる大人側の対応が後手に回らないように、子どもが住みやすい社会を作るためにプロ意識とプライドを持った受け手・支え手を養成する必要がある。
 子どもの悩みの相談を受けるヘルプラインが行政にもあるなかで、子どもの声を積極的に傾聴できる受け手・支え手たるボランティアのスキルを高め、常に研修を続けながら彼らが自己研鑽を積める仕組みをつくることが必須である。さらに、高い志をもち研鑽に励むことのできる、専門性の高いボランティアの確保に加え、モチベーションを維持するための研修機会を用意するなどの働きかけが必要だと実感している。

ボランティア向け研修会の様子
ボランティア向け研修会の様子 

子どもを見守る地域のセーフティーネットになる

 日々の電話から子どもたちの「生きにくさ」「育ちにくさ」が伝わってくるが、チャイルドラインに子どもが電話をかける前に、子どもの声に耳を傾ける地域の大人を増やすことが重要である。全国各地のチャイルドラインでは、教育委員会や児童相談所、医療機関をはじめ、子どもに関する活動をしているNPOなどにも呼びかけて「子どもの発達権の保障」のための地域ネットワークづくりを行っている。地域の大人との会話を通じて子どもが話せてよかったと思える経験が少しでもできれば、子どもの住みやすい社会の実現に少しでも近づくのではないかと考える。

(ヒアリング応対者:事務局長林大介氏)

 活動を継続するためには、例えば特定非営利活動法人日本ファンドレイジング協会や中間支援組織などとの縁が非常に大切である。そこに関わる人がつながり、大事に丁寧に関係を築いていくことが重要である。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --