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特定非営利活動法人 ホース・フレンズ事務局

馬を介した地域社会の未来づくり

所在地…〒573-1191 大阪府枚方市新町2-1
TEL…072-841-1301 FAX…072-841-1401
URL…http://www.horse-friends.org/ E-Mail…info@horse-friends.org

大阪府枚方市

1 団体の概要

代表者名…芦内裕実
設立年月…2004年4月 認証日…2004年4月1日
有給スタッフ数…常勤/4名、非常勤/2名
事業規模(09年度決算収入)…27,861,158円
(内訳:事業収入14,033,891円、会費1,681,900円、補助金1,489,965円、その他10,655,402円)

活動の目的・趣旨

 馬の本来もっている優しさや臆病さが、心の問題を抱えている人にとって、どのように良いかを医学的、心理学的に検証を行いながら活動し、ストレス社会で心の問題を抱えたニート・ひきこもり・不登校などに悩む人々の問題解決のきっかけとなる「自然に近い場所」と「馬が持っている人への心身の回復効果」の提供により、不登校から社会人のニート・ひきこもり者を増やさない事、さらに人が馬によって癒えてゆくことの素晴らしさを馬事業界に止めず、社会に広く普及させることを目的としている。活動場所として、特急の停車駅より徒歩5分とかからない場所に馬のいる牧場を開設。枚方市の所有地、約2000坪を有償で借り受け、入場料300円(1日出入り自由)で、誰にでも利用しやすく、人の心の寄り添う馬と自然の時間を過ごせる環境を目指し、ストレス社会に生きる多くの人々に癒しと感動を発信している。

団体の設立経緯

 現代表の芦内氏が2000年に患った結核病がきっかけで設立された。乗馬を始める前に、ドイツで出合った乗馬療法(ヒポセラピー)を取り入れた馬介在による心と身体のバランスとしての健康づくりに着目した。2001年秋、馬が人の心を癒してくれる、この効果をストレス社会に生きる多くの人々に体験してほしいという願いのもと、2004年4月に内閣府の認証を受け、NPO法人としてホース・フレンズ事務局を大阪市内に設立した。

主な活動内容

1.ふれ愛・フリースクエア事業

 枚方市内45校の小学校を対象に、月1回「ポニーの学校訪問」プログラムを提供。

2.復職支援プログラム

 うつ病関連の疾患により休職中の従業員を対象としたプログラム。騎乗体験を中心に、セラピー牧場での牧場体験や木陰でのティータイム、ホース・アシステッドセラピーについての講義を行う。

3.ホースセラピスト養成講座事業

 人の心理を理解しコミュニケーション能力を有する介助者を「ホースセラピスト」として育成。

4.不登校・ひきこもり・ニート支援/予防プログラム

 乗馬、ブラッシングなどの馬の手入れ、馬房掃除などの作業とともに、馬についてより親しんでもらうための馬の学習を行う。また、社会的ひきこもりにつながる不登校予防プログラムとして、小学生が、放課後に牧場の収牧作業を手伝い、地域の大学生に宿題ボランティアでサポートしてもらい、地域で健全な子どもを育てる「牧場放課後教室」も実施予定。

5.ラジオ番組「ホースフレンズ ライフ・イズ・ビューティフル」

 OBCラジオ大阪毎週水曜日19:05~19:20放送中。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 ふれ愛・フリースクエア事業「ポニーの学校訪問」 

馬を理解し、馬を身近に感じよう!

 枚方市内45校の小学校では、2002年度より牧方市が実施する地域による教育力向上を目的とした「ふれ愛・フリースクエア」事業の一環として、毎週土曜日にボランティア、保護者、PTAなど大人たちが、学校・授業にはない遊びや体験を提供する活動を行っていた。事業を進める中で、小学校の先生方から枚方市教育委員会に毎週継続できる新しいプログラムを提案してほしいとの話が挙がった。そこで、ボランティアとして月1回ポニーを連れて訪問活動をしていたホース・フレンズ事務局に声が掛かり、ポニーを学校に連れていく「ポニーの学校訪問」プログラムを定期的に実施することになった。
 「ポニーの学校訪問」プログラムでは、小学生がポニーと一緒に散歩をしたり、ブラッシングをして毛並みを整えたりと、馬とのふれあいの時間を楽しむことができる。また、馬に関するクイズで馬への理解を深め、子どもたちがもっと身近に馬を感じるような時間も設けている。
 ポニーの学校訪問の実施拠点は、徒歩でポニーを連れて行くことができる片道20分圏内の小学校が中心となる。毎月1回2時間のプログラムには40~50名の複数学年の児童が参加する。
 2011年度4月からは「ふれ愛・フリースクエア」から「枚方子どもいきいき広場」事業と名称が変わり、枚方市から補助金を受給する予定である。

学校訪問の様子
学校訪問の様子 

事業名称 復職支援プログラム

ホース・アシステッドセラピーの試み

 2009年8月より、うつ病関連の疾患で休職中の従業員を対象としたプログラムを、週に1回の4回シリーズ(各回3時間)で実施している。
 動物や自然とのふれあい体験を通じて生活リズムの改善や就労意欲の改善を図ることを狙いとしている。復職後、健康を維持しながら就労を継続していくためには、働くことについての根本的意味について多面的に見つめ直す機会を提供することが必要であると考え、動物や自然との関わりを通じた体験をカリキュラムに導入した。休職者が視野を広げる機会を持つことで、エネルギー回復と社会適応力の向上を促し、自信の回復につながっている。

馬を通じて培うコミュニケーション力

 枚方市駅近くにある枚方セラピー牧場で、騎乗体験を中心に木陰でのティータイム、ホース・アシステッドセラピーについての講義も行っている。騎乗体験では、有酸素運動となる常歩(なみあし)騎乗などを行う。乗馬後は、専用の機器を使った疲労・ストレス測定(脈拍変動による交感神経・副交感神経テスト)も実施し、効果評価のためのデータも収集している。馬の扱いも回を重ねるごとに慣れていくが、馬を動かすためには気持ちを通わせ、馬の気持ちを察する思いやりをもつことが欠かせない。馬を通じて相手を思いやるコミュニケーション力を培う訓練にもなっている。
 各回の最後には、振り返りの時間を約15分設定し、牧場体験を共有しつつ、次回以降に向けた改善点を話し合う。また、参加者へのアンケートでは、楽しむことができたという回答が多い結果となった。休職中に楽しんではいけないのではと、楽しむことに罪悪感を持つ参加者もいる中で、楽しいことを楽しいと感じることは、当たり前のようで、実は休職者にとって大切なことであると考えている。

牧場見学の様子
牧場見学の様子

3 事業の成果と課題

新たな挑戦へのエネルギーに

 不登校がちになった高校生が「ホースセラピスト講座」を受講した結果、ボランティアの側に立って活動に参加しようとしたり、サラリーマン生活に馴染むことができず、転職を繰り返すうちにひきこもり生活7年目になる中年の男性が、様々なプログラムに積極的に参加し、現在は競走馬育成牧場で働いているといった事例が出てきている。
 ホースセラピーによって、自信を回復させ、自分の得意な物を発見するきっかけとなったり、新たに挑戦するエネルギーを与えているからだと考える。

馬が引き合わせてくれた縁

 ホースセラピーの活動は徐々に地域に広まりつつある。2010年11月には、生態系を守るためにそれまで60年間ペット禁止区域だった大阪市立大学付属植物園(交野市)のイベントにポニーを連れて参加し、ホースセラピーの学術的な面と、セラピー馬の安全性を伝えた。そこでの出合いが、イベントの協賛企業の活動への理解につながり、スポンサーとして支援していただくことが決まった。これらは、すべて馬が引き合わせてくれた縁である。

団体・機関との連携とボランティアの役割

 最近、親御さんからの相談が増えているが、親は当事者とは違うので、支援プログラムをつくるのに時間がかかってしまうことが多い。今後、さらに充実したプログラムづくりのためにも、心理専門機関との連携が必要であると考えている。また、当法人が目指す「人間が暮らしやすい場所」をキーワードとした活動のためには、「里山」との連携も必要であり、今後、これらの団体・機関と連携を進めていくことが求められている。
 また、ボランティアと有給スタッフとの役割分担の明確化も課題の一つである。牧場を守っていくのは全員の仕事であるが、スタッフには、ボランティアが働きやすく、自主的に行動できる環境をつくるという水面下の仕事が重要である。しかし、仕事と責任の役割をスタッフにきちんと伝え続けなければ、スタッフは、その場のやりやすい方法で進めてしまいがちである。
 一方、ボランティアにも自分ができることを理解し、自らが仕事を探し、取り組もうとする姿勢が必要であり、今後は、ボランティアリーダーの育成も実施する予定である。

牧場見学者を案内する芦内氏
牧場見学者を案内する芦内氏 

4 今後の展望

馬のいる地域コミュニティ

 ストレス社会で生きている現代人にとって、自然環境で感性を磨き、豊かな人生にするための行動パターンとして習慣化することが必要であり、地域で助け合うコミュニティづくりが急がれる。地域で眠っている公園や植物園などを、ホースセラピーが実施できる「馬のいる森のコミュニティ」として新たに活用することで、子どもから大人までが集い、憩う場が実現できる。
 こうしたコミュニティを設けることで、人が馬によって癒されることの素晴らしさを、多くの人が気軽に体験できる安心・安全な場所が誕生すると考えている。

ホースセラピストという職業の創出

 ホースセラピスト講座では、安全に楽しく活動に参加するために、心理学、乗馬生理学、馬学、コミュニケーション学などを学習し、大型動物から動物と接する際の危機管理を学び、コミュニケーション能力やボランティア精神を養う。自分に何が出来て、何が役に立つかを分かる人材を育成する。こうした能力を身につけた人こそが、企業が求めている人材である。
 近い将来、企業に籍を置くホースセラピストが、企業のメセナ活動の一環として、ボランティアで活躍できるような社会を目指していきたい。さらに、セラピー馬の訓練や管理を専門に行う新しい職業の創出にもつなげていきたいと考えている。

(ヒアリング応対者:理事長芦内裕実氏)

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生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --