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特定非営利活動法人 トイボックス

あらゆる子どもの長所をみつけて伸ばす新しい「がっこう」

所在地…〈本部〉〒550-0015 大阪府大阪市西区南堀江2-13-30サンイーストビル9F
TEL…06-6543-4770
URL…http://www.npotoybox.jp E-Mail…toybox@npotoybox.jp

大阪府大阪市

1 団体の概要

代表者名…栗田拓、白井智子
設立年月…2002年10月 認証日…2003年6月2日
有給スタッフ数…常勤/4名、非常勤/約15名
事業規模(09年度決算収入)…308,066,412円
(内訳:事業収入298,302,907円、協賛金84,500円、会費154,500円、助成金・寄付金等7,071,939円、その他2,452,566円)

活動の目的・趣旨

 年齢、性別、障害の有無、国籍等を問わず広く自己の研鑽と発達を求める人々に対して、人格や個性や才能や学力などの多様な教育環境の提供や、スポーツや芸術、エンターテイメントの活動を通じての自己表現、自己実現の機会の提供に関する事業を行い、世界との交流の中で学校教育、社会教育の発展、社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 団体の発足は2002年10月に遡る。池田市の市長から「不登校の子どもたちや家族のために幅広く柔軟な対応をするための新しい取り組みを始めたい」という要請を受け、代表理事の白井氏が「がっこう」という新しい教育の場をつくるために始動した。その後、池田市教育委員会の委託を受け、公教育とNPOの連携では全国初の教育支援事業として2003年9月より池田市教育会館の一室を借りて教育相談事業を開始。11月には池田市立山の家に活動拠点を移し、2004年4月に正式に新しい「がっこう」として「スマイルファクトリー」をスタートした。

主な活動内容

1.スマイルファクトリー

 大阪府池田市で、公教育とNPOが連携としての教育相談事業と、あらゆる子どものいいところをみつけて伸ばす新しい「がっこう」事業。

2.ラブジャンクス

 ダウン症を持つ子どもたち、現在約650名に、ダンスパフォーマンスの楽しさ、ダンスを通じて表現することの素晴らしさを伝え、子どもたちの自立と自己実現をサポート。

3.リアルスポーツ

 モータースポーツ・スポーツ活動を通じて、電気自動車の普及促進・循環型社会の構築・青少年の育成などに取り組む。

4.キャンプロジェクト

 指定管理者として生涯学習関連施設を管理運営するとともに、地域活性化のための活動を関西を中心に行う。

街の喧騒から離れた「山の家」
街の喧騒から離れた「山の家」 

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 スマイルファクトリー

 「スマイルファクトリー」は、五月山緑地に隣接する池田市立「山の家」を拠点に、在籍校と連携したうえでの不登校生のためのスクーリングや、不登校のみならずひきこもり、LD(学習障がい)、ADHD(注意欠陥多動性障がい)、発達障がい等、子どもを取り巻く様々な問題に関する相談活動を行う新しい教育の場「がっこう」である。

1.スクーリング

 現在の学校になじめない子どもたち、発達障がい、学習障がいなどを持つ子どもたちとその家族を支援するために、単位取得型フリースクールの運営、技能連携校制度を活用したハイスクールの運営を行っている。現在、小学校1年生から20歳までの幅広い年齢の生徒が通学している。専門的なノウハウを持つティーチングスタッフを中心に、青少年育成や障がい者支援などの活動を実施している。

●不登校の2大原因に対応

 不登校の2大原因を「学力低下」と「コミュニケーション能力不足」ととらえ、個別の学習支援とコミュニケーション能力育成のための体験学習をカリキュラムの柱にしている。
 スクーリングは、毎週水曜~土曜日の10時~15時で実施している。通常、10時から小学生・中学生・高校生が合同で「朝のミーティング」を行い、10時半から個別学習を行う。個別学習では、学年にこだわることなく自分に合った内容を学習することができる。
 昼食後は、理科実験・社会科実習・美術・体育・調理実習・手芸などの体験学習を行い、様々な学習の世界の入り口を楽しくのぞく時間を設けている。そして、「帰りのミーティング」を行い帰宅となる。また、地域における様々な課外活動も時折実施している。

自分に合った勉強に取り組む個別学習の時間
自分に合った勉強に取り組む個別学習の時間 

●子どもたちをサポートする環境を整備
  • 多彩なスタッフ
     フリースクールには障がい者施設の元職員、元保育士、航空機の元整備士、高校の非常勤講師、大学院生、臨床心理士、アーティスト等がスタッフとして在席している。各自の特色を生かし、チームで子どもをサポートしている。
  • 無理なく徐々に適応できる体制づくり
     集団活動が苦手な生徒には、個室で学習できるような部屋をつくったり、攻撃性のある生徒は個別に対応したりと、どんな生徒でも無理なく徐々に適応できるような体制を整えている。
  • まるで大家族のような雰囲気
     小学生から高校生まで学年の垣根をなくすことで、様々な年齢層の子ども同士のコミュニケーションが自然と行われている。
  • 子ども一人ひとりの様々な目標に対応
     学校復帰をしたい、あるいは一定期間「山の家」に通いたいなど、様々な目標に対応した指導を行っている。また、通常の個別学習やレポート指導の中で、日常的に進路指導や受験指導を実施している。

2.相談事業

 NPOの柔軟性を生かして、24時間いつでも電話やメールでの相談を受け付け、対応できる体制をとっている。
 主な相談内容は、親からは、LD、ADHD、発達障がいなどを指摘されたわが子への接し方や、「がっこう」への入学相談が目立つ。また、子どもからは、親子関係・兄弟関係の悩みや、友人から心に傷をつけられた苦しみなどが多い。時には死にたいといった相談も入る。また、親・子ども双方から、在籍校や担当教員に対する悩み・不満などが聞かれる。
 当法人の相談事業の特徴は、相談員の人事異動がないため、頻繁に相談する人が変わるといったことがなく、「顔が見える」相談体制が保たれている点にある。また、相談者の状況を最優先に考える姿勢を大切にし、家族ぐるみでサポートをしたり、相談員が家庭訪問したりと、あらゆる方法を採用し、必要に応じて家庭、医療、地域とも連携をとっている。

3 事業の成果と課題

安心できる「居場所」で子どもの心を開く

 1年半にわたり、週1回程度スタッフが家庭訪問を重ねていた不登校の男子生徒がいた。彼は、中学校生活の大半を自宅の部屋の中で過ごし、家族とでさえ2年間も口をきいていなかった。スタッフは彼の家に訪問を繰り返したが、両親と話をしたり、弟とゲームをしたりするだけで、本人との接点は行き帰りに部屋の扉の隙間から、寝床に横たわっている後頭部に向かって挨拶をする程度であった。
 しかし、このような無理強いをしないスタッフのフォローが、やがて彼の心を動かした。ある日、「がっこう」に行きたいという本人からの連絡が入り、通学が始まった。最初のうちは、常時イヤホンで好きな音楽を聴き、周囲からの接触を遮断していたが、徐々に「がっこう」の雰囲気にも馴染みだし、自分から先生に話しかけたり、仲間に自分の歌を聞かせたりと、大きく変化した。
 このような変化は彼に限ったことではない。それぞれの成長のスピードや方向は違っても、安心できる「居場所」を用意してあげると、その中で自分自身を見つめるようになり、その結果何らかの変化が生じ、勇気を出して自ら一歩を踏み出すことが可能となる。そういった効果をもたらす場所として、2003年から拠点としている大阪府池田市の五月山は、自然豊かで静かな非常に良い環境である。

「居場所」を支えるスタッフ陣

 多様な経歴を持つスタッフが揃っていることも特長の一つである。様々な角度から生徒たちにアプローチができるので、一つの方法を押し付けることなく、余裕を持った接し方ができる。そうしたことが評価されて、2009年度の相談・スクーリングは延べ8,136件にのぼった。
 今後も生徒の可能性を引き出すために、体験学習のメニューを増やし、いろんなことにチャレンジできる環境を整えていきたい。

4 今後の展望

 それぞれの子どもに、自分に合った教育を

 池田市で、8年間事業を行った結果、学校との連携が円滑になり、池田市内の不登校者がかなり減ってきた。この事実が、教育委員会やその周辺の人たちからも認められ、先生方との信頼関係もでき、好循環が生まれている。
 近年、発達障がいの子どもが10人に1人以上ともいわれるほど増えている中、ますます当法人の大きな将来展望である「それぞれの子どもに、自分に合った教育を」の思想を普及させていくことが重要であると考えている。そのためにも、これまで築き上げてきた実績を、国の会議や政策決定の場に「現場の声」としてこれまで以上に発信していきたい。

地域との連携が不可欠

 子どもが孤立しないためには、地域との連携が欠かせない。スマイルファクトリーでは、地域の人も参加する「フェスタ」などのイベントも開催しているが、今後も行政・企業・学校などと子どもとの間に当法人が入り、地域ぐるみで子どもをサポートできる体制を整えていきたい。
 そのために必要な取り組みの一つとして、自分たちの活動を多くの人に知ってもらい、必要な人のところに必要な情報が届くようにすることがあげられる。様々な手法で情報発信を行い、多くの人とつながること、なかでも、影響が大きくて伝わるスピードが速い学校の先生方との連携に注力していきたい。

地域の人も参加する「フェスタ」の風景
地域の人も参加する「フェスタ」の風景 

(ヒアリング応対者:代表理事白井智子氏、教務主任石本智一氏)

 自分たちの志を、事業として軌道に乗せて運営を行うには、行政や地域等、周囲からの支援が欠かせないことを痛感している。単独での運営が困難な当法人の教育支援事業も、行政や地域からの支援を受けながら、日々運営している。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --