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特定非営利活動法人 えひめ子どもチャレンジ支援機構

不足・不便・不自由を乗り越え、たくましい子どもに!

所在地…〒791-1136 愛媛県松山市上野町甲650番地愛媛県生涯学習センター内
TEL…080-1995-6001 FAX…089-960-1900
URL…http://kochall.org/
E-Mail…kouma@d6.dion.ne.jp

愛媛県松山市

1 団体の概要

代表者名…村上伸二
設立年月…2006年10月 認証日…2006年10月12日
有給スタッフ数…常勤/0名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…4,303,910円
(内訳:事業収入3,567,550円、会費36,000円、補助金700,000円、その他360円)

活動の目的・趣旨

 青少年が主体的に企画・実施するチャレンジ活動を支援する事業を行いながら、青少年の職業観や勤労観の育成、健全な食生活に向けての意識・態度形成、さらには対人関係能力の向上やボランティア活動の推進を図り、公益に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 地域教育を専門とする大学教授の退官記念講演会を通じ集まった仲間が、せっかくなので地域教育に関わる活動を始めようと思い集まったことがきっかけである。子どもたちが大人のひいたレールの上を走るのではなく、自らが道をつくり出せるようになることを願って結成した。

主な活動内容

1.みんなのチャレンジ・みんなでチャレンジ

 子どもたちがチームをつくり、自分たちで何がしたいかを考え実践するプログラム

2.御五神島・無人島体験事業

 宇和海に浮かぶ無人島を舞台に約10日間の無人島キャンプを実施

3.地域教育実践交流集会

 地域教育の実践者が一堂に会し、様々なテーマで話し合う合宿型交流会の開催

4.ヤングボランティアセンター活動サポート

 愛媛県が設置した高校生ボランティアセンターの事業実施サポート

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 みんなのチャレンジ・みんなでチャレンジ

 みんなのチャレンジ・みんなでチャレンジ事業は、3つの「ショク」(食・職・触)をキーワードとして、県内の子どもたちが自分たちで「やりたいこと」を企画・運営する長期間の体験型プログラムである。まったくのゼロから子どもたちがプログラムの内容を考えることが、他の体験型プログラムと大きく異なるポイントである。

子ども主体のプログラムづくり

 この事業は、愛媛県内の松山市および八幡浜市の2カ所で実施されている。それぞれ20~30名程度の子どもたちが集まり、1グループ5名程度でチームをつくっている。特徴として、中学校、高等学校、大学という3つの年齢層をミックスさせ、あえて異年齢によるチーム編成を行っている点が挙げられる。なお、八幡浜市には大学が存在しないことから、小学校高学年を募集対象に含めている。
 多くの体験型プログラムでは、あらかじめ何をするかを大人たちが決めていることが多いが、この事業ではそもそも何をしたいのか、何を得たいのかを子どもたち自身が考え、企画するところから始まる。それにより子どもたちが「自分が本当にしたいことは何か、自分のやりたいことを実現するにはどうすればいいのか」ということを自覚し、自立した子どもたちを育むためのきっかけになっている。
 大人たちは子どもたちの出した企画をサポートする役目を負う。移動手段の確保や現地サポーターの調達、保険の加入等、子どもたちだけでは達成が困難な点を支援する。
 事業は全部で3つの段階に分かれ、早ければ4カ月程度、概ね半年程度の期間をかけて実施する。最初の段階はチーム編成と企画立案であり、1泊2日をかけて行う。その後、中間報告と実施を行う段階があり、最終段階でまとめと報告のために1泊2日の合宿を行う。

何をしたいのかワークショップで決定する
何をしたいのかワークショップで決定する 

徹底的に、本物を追う

 子どもたちの発想は自由奔放で、大人たちがあっと唸ることを考えることも多い。例えば「本格的なお月見をしたい」と考えたチームでは、団子を盛る皿をつくるために砥部(とべ)焼の窯元を訪ねて皿を焼き、月を見ながら歌を詠むのに必要な短冊をつくるため、四国中央市の紙すきを学びに現地まで飛んでいる。さらには、より美しい月を見るために、町中ではなく高原をお月見のための会場にした。
 また他のチームは、手づくりチーズをつくるという目標を掲げ、機械で搾乳をする牧場が多い中、手搾りで搾乳ができる牧場を自分たちで見つけだし、遠路はるばる広島県まで出向いている。
 このような試みにも大人たちは熱心に付き合うことになる。本物を知ることによって子どもたちの感性を養うことと、3つの「ショク」を体験することで生きる力を養うためである。

県外に遠征しての搾乳体験
県外に遠征しての搾乳体験

事業名称 御五神島・無人島体験事業

 宇和海に浮かぶ無人島の御五神島(おいつかみじま)を舞台に、9泊10日のサバイバル・キャンプを実施している。もともとは愛媛県の事業であったが、担当課等と連携し実行委員会を組織することで、様々な主体が協働して実施している。

不自由な中に自由を見出す

 この事業は、子どもたちの自然体験の不足からくる自信の喪失、人間関係の希薄化、積極性の欠如、忍耐力の低下などを、キャンプを通して補い、あえて子どもたちを無人島という非日常の世界に置くことで様々な気付きと成長を促すことを目的としている。
 参加者の募集は、県生涯学習課を通して、県内すべての小中学校に案内が行われている。1回あたりの開催で、概ね40名程度を募集している。一般にはこうした事業では集客に苦戦するところが多いが、この事業に関しては毎回定員以上の応募があり、2009年開催時には募集の5倍以上の倍率という「狭き門」になった。
 参加者はまず、国立大洲青少年交流の家に集合し、1泊2日でチームをつくりガイダンスを受ける。その後、船で舞台となる御五神島へ渡る。キャンプ地は無人島であり、参加者はすべて自分たちがやらなければ、寝るところも食べるものもないという状況下に置かれる。
 そのため、上陸後はすぐに安全に寝ることのできる場づくりから行わなければならない。風呂もなく、トイレは地面に穴を掘っただけの簡易のものである。都市部での生活に慣れていた子どもたちにとって、この状況はとても刺激的であり、無人島でのキャンプは想像していた以上に大変で苦しいものであることを知る。
 もちろん、苦しいだけが目的のキャンプではない。島の探検やシュノーケリング、自給自足をするために貝や魚を採取するなどの体験も実施するが、その狙いは「不足・不便・不自由」な暮らしを体験する中で、便利さとお仕着せのレールから子どもたちが脱出することにある。
 また、サバイバル生活では自然と子どもたちの間に連帯感が生まれ、互いに助け合う中で、心から「ありがとう」といえる瞬間が数多く生まれるという。そうした濃密な体験をすることで、子どもたちにも変化が生じ始めるのである。

アイスクリームよりマッチ3本

 キャンプ中、大人たちがイベントを開催し、優秀なチームには景品が与えられる。景品には、アイスクリームやお菓子などにまじって、「マッチ3本」がある。普段の暮らしであればマッチなど景品にはならないが、キャンプ開始後数日経って行ったイベントの際には、一番人気の景品になったという。
 子どもたちはわずか数日でサバイバルの感覚を身につけ、自分たちにとって本当に必要なものが何かに気付く力を発揮したのである。そして、このような経験をしても、子どもたちからは「また行きたい!」「今までで一番つらかったけど、楽しかった!」という感想が寄せられている。リピート希望率や、兄や姉が参加したから、という理由できょうだいが次の会に参加することも多い。そのため、この事業は他のキャンプイベントに比べて、高い人気を誇っている。

7日目になると子どもたちも自然に帰る
7日目になると子どもたちも自然に帰る 

3 事業の成果と課題

地域教育の担い手が育つ

 主となる2つの事業を通じて得られる成果として、子どもたちの人間力の向上が挙げられる。初日にはお母さんのスカートのすそを握っていた子どもが、日を追うごとに自信をつけ、積極的に他の子どもたちと関わり、そして自立心をつけた、という例もある。
 事業を実施する中で、地域教育に関わる人たちの輪も広がっている。子どもたちと接する中で教育することの必要性を感じた人々が、それぞれの分野において地域教育の担い手として成長し、すでに活動している地域教育実践者が新しいネットワークをつくることにも成功している。

資金源と人材確保のための工夫

 NPOの多くが抱えている資金調達については現時点でも課題ではあるが、他の団体には見られないシステムとして「後援会」を設けている。キャンプなどの事業に参加した子どもの保護者やかつての参加者などを組織し、次の開催のための寄付金をいただくことで、安定した資金源づくりに取り組んでいる。
 他の課題としては、中心となるメンバーが高齢化しており、若い世代にどのように引き継いでいくか、という点が挙げられている。これについても、交流集会などを通じて人材を確保していくように図っている。

4 今後の展望

高校生がまちづくりに参加する機会づくり

 ヤングボランティアセンターの運営サポートの一環で、高校生による公園の整備を通じたまちづくりと、公民館で高校生が子どもと合宿をする機会づくりを進める事業を展開している。公園整備事業は現在、1地区で実施している。落書きを消して絵を描く、連絡板を設置するなどして住民が集いやすい雰囲気をつくることで、治安の向上にも一役買っている。
 合宿もすでに何件か実施しており、各地の公民館では反響がよく、独自に実施する公民館も出てきている。これを各地で行うことで、子どもたちがどんどんまちづくりに参加できる機会をつくっていきたい。

地域教育実践交流集会の発展

 地域教育を実践する人材は重要であり、この活動がますます盛んになることで、点と点で活動してきた実践者が線でつながり、面となっていくようなものにしたいと考えている。この動きがそれぞれの地域で活かされることで、地域教育の振興を図れるよう、交流集会にもっと参加者が集まるよう努力したい。

(ヒアリング応対者:理事長村上伸二氏、副理事長宇都宮正男氏、事務局長仙波英徳氏)

 NPOにとって、「人のつながり」が最大の資源であるといえる。えひめ子どもチャレンジ支援機構では、後援会を設置して寄付金獲得の財源基盤として協力を仰いだり、地域教育実践交流集会を通じて新しいネットワークを形成したりすることで、多くの人を直接・間接両面から巻き込むことに成功している。このような人的資源を確保するためのシステムを団体運営の中に積極的に組み込むことで、事業を動かすための原動力をつくり上げることも、今後のNPOには必要なのではないだろうか。 

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --