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特定非営利活動法人 えがおつなげて

こどもファームの元気が、地域の元気になる!

所在地…〒408-0313 山梨県北杜市白州町横手2910-2
TEL…0551-35-4563 FAX…0551-35-4564
URL…http://www.npo-egao.net/ E-Mail…egao_info1-all@npo-egao.net

山梨県北杜市

1 団体の概要

代表者名…曽根原久司
設立年月…2001年2月 認証日…2001年6月5日
有給スタッフ数…常勤/13名、非常勤/10名
事業規模(09年度決算収入)…108,538,823円
(内訳:事業収入57,278,896円、会費343,192円、補助金49,364,243円、その他1,552,492円)

活動の目的・趣旨

 地域共生型の市民ネットワーク社会をつくるために、それに必要ないろいろな社会的要素、たとえば農林水産業、教育、医療福祉、地域産業、環境、文化といったもののあり方を、まちづくりや、人づくりの観点から研究提案し、かつそれらが、社会の機能として実際に働くように社会の仕組みをつくって運営する事業を行い、もって地域社会および日本社会に暮らす人々全体の利益の増進に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 「えがおつなげて」は、1995年に代表理事の曽根原氏が東京から山梨県北杜市に移住し、都市と地方を結ぶ社会モデルの形成を目指して農業と林業を営みながら個人として行っていた活動を引き継いで設立された団体である。
 曽根原氏は、耕作放棄地を開墾して復活し、荒れている森林を買い、伐採し販売も行い、規模を広げていった。自給自足的な農・林業生活が可能であることを示し、その暮らしの様子や生産物についてフリーペーパーなどで情報を発信した。
 新聞やテレビなどにも取り上げられ、共感する人々が広がるなか、1999年からは都市に住む人、農村に住む人、両方に呼び掛けたワークショップを開催した。これにより、曽根原氏の農場に様々な人々が集まるようになり、連携しようとする動きも出てきた。
 こうした、都市と農村が多様な形で交流・連携しながら地域を活性化していく活動をさらに広げるため、2001年に「えがおつなげて」が設立された。NPO組織としたのは、気軽に参加しやすく、個人、企業、行政、大学など、いろいろな立場の人が集まりやすく、ネットワークしやすいことによる。

主な活動内容

1.子どもの健全育成を図るための調査研究、およびその運営に関連する事業

 「こどもファーム」、「目黒区ファーム」など

2.まちづくりの推進を図るための調査研究、開発、およびその運営に関連する事業
3.環境の保全を図るための調査研究、開発、およびその運営に関連する事業
4.保健、医療または福祉の増進を図るための調査研究、およびその運営に関連する事業
5.文化、芸術またはスポーツの振興を図るための調査研究、およびその運営に関連する事業
6.社会教育の推進を図るための調査研究、およびその運営に関連する事業
7.上記の事業を推進するためのイベント事業その他

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 「こどもファーム」「目黒区ファーム」

1.種まきから収穫、加工まで体験する「こどもファーム」

 子どもたちが直営農場「えがおファーム」で種まきから収穫、加工まで、年間を通して農作業を体験する。野菜がどのように大きくなっていくのか、その過程や農業と食との関連を知ることができる。
 2010年のプログラムは、5月1日から6月3日を募集期間とし、6月に青大豆の種まき、7月に草取り、7~8月に1泊2日の「こどもキャンプ」、10月に収穫体験、11月に収穫した豆を使った味噌仕込みとなっている。こどもキャンプでは、野菜の収穫や野外調理、川遊びなどを行う。仕込んだ味噌はおみやげとして持ち帰りができる。
 参加費は、キャンプは別費用として年間3,150円。財団法人山梨福祉財団助成事業となったため、参加費を下げることができた(2010年)。
 2001年から実施しており、毎年、50~60人が参加し、リピーター率が高い。また、インストラクターとして、地元の農業者に子どもたちへの指導をお願いしている。

自分たちが収穫した野菜で食事をつくる
自分たちが収穫した野菜で食事をつくる 

2.目黒区の小学生が農業体験する「目黒区ファーム」

 目黒区の教育委員会からの依頼を受け、小学生への1日農業体験「目黒区ファーム」を実施している、こどもファームで行っているメニューの1日版である。
 1回あたりの参加者は、学校単位での参加であるため学校の規模によって幅があり、40~100人である。プログラムの内容は、時期により田畑の作業が変わってくるので、目黒区教育委員会や先生方と相談して決定する。例えば、トウモロコシやトマトの収穫などが試食付きで行われたり、林業体験もある。
 1年に1回とはいえ、子どもの頃にこうした経験があるのと全くないのでは、大きな差があると考えている。

3 事業の成果と課題

子どもたちの価値観形成と農山村活性化の相乗効果

 都市部に住む子どもたちは、自然が豊かな農山村で土に触れ合うことによって、価値観の形成が大きく違ってくる。また、その場所となる農村では、耕作放棄地が継続的に活用される仕組みが生まれ、さらに人々との交流が始まり、地域が活性化される。

 曽根原氏は、こどもファームや目黒区ファームなどにより、こうした相乗効果が生まれると考えている。「えがおファーム」のある地域は高齢化率が60%を超え、小学生は全部で7人、中学校は廃校になっている。
 指導する地元の農業者は、孫が遊びに来たような感じで子どもたちと接し、教え方も大変上手で、悪いやり方には「それはダメ」としっかりと伝えている。子どもたちも素直に聞くそうである。
 子どもたちが年配の人に教わるよい機会になっている。

耕作放棄地で農作業を学ぶ
耕作放棄地で農作業を学ぶ 

担当を明確にし、10年間無事故

 「えがおつなげて」では、時期によっては毎週末、農業体験やワークショップを受け入れている。繁忙による混乱を避けるため、15分単位の役割分担表を作成して一人ひとりが何をするかを明確にし、事前準備を丁寧に行って情報を共有している。
 また、事前に起こりうる問題をスタッフの間で洗い出しておくリスクマネジメントも行っている。山村の3大リスクは、マムシ、ハチ、ウルシである。マムシに対しては、近くの病院に連絡し血清の用意を依頼し、ハチとウルシについてはガイダンスで写真を見せながら近寄らないように説明している。これまでの10年間に、事故は起きていない。
 基本は、10人の子どもに対して1人のインストラクターがつく態勢で臨み、参加人数が多くなると、インストラクターの数を増やしている。
 こうした運営には、曽根原氏の経営コンサルタントとしてのノウハウが活かされ、plan(計画)-do(実行)-check(評価)-act(改善)のPDCAサイクルを取り入れ、募集から実行、財務も含めて全体を管理している。

耕作放棄地が学びや交流の場になる

 農地、森林、人といった様々な農村資源をいろいろな形で活用するため、「えがおつなげて」の活動は多岐にわたっている。
 都会の若者たちに耕作放棄地を開墾してもらい農地を広げていく「えがおファーム」のほか、都市部の様々な企業と提携して耕作放棄地を耕し、復活した農地で様々な事業を行っていく「企業ファーム」なども運営している。食材について勉強しようと企業ファームに参加した和菓子店が、開墾をした農地で作った大豆を使った新商品を発売したところ、大ヒットし、店のメイン商品になった例もある。企業ファームは現在10社に広がっている。地元の木材を使った箱膳をつくり、旬の作物を使った郷土料理を器に盛り、伝統的な食事をすることを通じて食育を進める事業もある。
 開墾ボランティアに参加した若者たちのなかにはこの地域に移住してスタッフとなった人や、独立し結婚して子どもも誕生、北杜市内で営農している若者もいる。彼らが、現在、後に続く若者のモデルとなっている。

4 今後の展望

農山村と都市をつなぐ人材を育てる「学校」づくり

 「えがおつなげて」は2008年に「えがおの学校」を開校し、都市のニーズと地域の問題解決を結び付ける人材の育成にあたっている。都市部での自然志向、田舎志向が高まるなか、そうした都市住人のニーズを満たすものが農山村地域にはまだ息づいているが、両者を結び付ける人材が不足しているとの認識から始められた。今までに山梨、福島、三重、福岡、熊本の5拠点で151人が受講した。
 2009年には「関東ツーリズム大学」も開校した(学校教育法で定められた大学ではない)。キャンパスを山梨県のみならず、長野、埼玉、栃木、千葉、茨城、東京の都県に広げ、これらの地域でインターンや研修事業を行っている。
 「えがおつなげて」が全体のコーディネートを行い、キャンパスごとにそれぞれの担当者が運営にあたっている。カリキュラムは、金融機関を対象とした経営コンサルタントの経験を持ち、地縁血縁のない土地で新規就農した曽根原氏のノウハウを中心に組まれている。
 入学審査では本人の意欲が主たる基準となる。精神的に多少不安定な若者が、自然のなかで土に触れ作物を育てることにより、大地にしっかり立ち農業者として独立した例がある。卒業生の何割かは農山村地域で農業に従事している。これまでのところ中退者は出ていない。

曽根原代表理事
曽根原代表理事 

 さらにこれらの実績をもとに、2010年には農山漁村の活性化と雇用促進のための「えがお大学院」も開校した。社会起業家支援コースと農村インターンコースがあり、9~12月の約3カ月間研修するもので、2010、2011年度内閣府・地域社会雇用創造事業として行われている。
 関東ツーリズム大学に続き、2011年4月には名神ツーリズム大学も設立する。今後も「えがおつなげて」では、北杜市での活動を継続するとともに、この15年でつくり上げた実績を他地域にも広げ、多拠点化する予定である。

(ヒアリング応対者:代表理事曽根原久司氏)

 

 「えがおつなげて」は、経営が難しいといわれる農林業で収益を上げるモデルをつくるところから始めた。「思い」から出発するNPO法人も、事業を行っているのだから継続することが前提である。メンバーが費用を負担する、いわゆる「持ち出し」といわれる運営資金は、経営面から見れば投資にあたる。先行投資は必要だが、投資は回収の見込みのもとで行うもの。こうした経営面についてのノウハウは、ないよりはあったほうが、活動の継続に有利だと考える。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --