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特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクール

安全で、豊かな放課後を、全国で!

所在地…〒107-0052 東京都港区赤坂5-1-34-4F
TEL…03-3588-1828 FAX…03-5760-6793
URL…http://www.npoafterschool.org/ E-Mail…hiraiwa@npoafterschool.org

東京都港区

1 団体の概要

代表者名…平岩国泰
設立年月…2005年11月 認証日…2009年6月3日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/約10名
事業規模(09年度決算収入)…15,000,000円
(内訳:事業収入11,000,000円、会費1,000,000円、補助金3,000,000円)

活動の目的・趣旨

 子どもたちの生きる力を養うプログラムを提供する事業を実施することで、子どもの健全育成を図り、広く公益に貢献することを目的とする。

団体の設立経緯

 放課後NPOアフタースクール(以下、アフタースクール)は、子どもたちの無気力に対する危機感や、安全性に対する問題意識から設立されたNPO法人である。代表の平岩氏は、長女の誕生をきっかけに、放課後に事件に巻き込まれる子どもたち、ニート問題に象徴される生きる力の低下など子どもに関する社会的な問題に大きな関心を寄せていた。
 同じ頃、報道で、米国では安全問題や教育格差問題の深刻化により、1990年代後半から各地に子どもたちの「放課後改革」に取り組むNPO法人が次々に誕生し、地域の企業や市民が学校に入り、放課後を豊かにするプログラムを提供する動きが広がっているのを知った。そこで、放課後の子どもたちにとって安全な居場所をつくると同時に、子どもが早いうちから好きなことを見つけて楽しみながら日々の生活を送れることは、子どもの教育上とても意義がある取り組みであると感じ、日本の子どもたちを対象とした「放課後改革」を開始した。

主な活動内容

1.放課後プログラム事業
2.赤坂・青山子ども中高生共育事業
3.世田谷区職員研修、子ども向け体験学習事業
4.私立小アフタースクール事業委託

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 放課後プログラム事業

 アフタースクールでは、世田谷区を中心とした東京都内および横浜市の小学校を対象に、放課後に子どもたちが様々な経験ができるプログラムを、年間約120回開催している。

放課後プログラムが地域を元気にする

 アフタースクールでは、プログラムを実施する講師のことを「市民先生」と呼ぶ。アフタースクールは、放課後の学校や公民館で、地域にいる特技やキャリアを持つ大人たちを「市民先生」として発掘し、その特技やキャリアを子どもたちに伝えるプログラム設計をする。「すべての大人は市民先生になれる」と平岩氏は語る。
 プログラムの基本テーマは、「衣食住とモノづくり」。それらに加えてスポーツ、音楽、文化、学び、遊び、表現など子どもがイキイキと人生を生き抜くために必要なことをテーマとして掲げ、「子どもの生きる力を育むこと」をすべてのプログラムの最終目標としている。
 例えば、料理をテーマにしたプログラムでは、地域にいる本物のシェフが登場し、子どもと一緒にお菓子作りや料理を楽しんでいる。また、建築プログラムでは、建築士の力を借りながら子どもたちだけで本物の木の家を完成させた。

「放課後の家づくりプログラム」の様子(2008・2009グッドデザイン賞受賞)
「放課後の家づくりプログラム」の様子
(2008・2009グッドデザイン賞受賞) 

●3つのコンセプト

 アフタースクールが手掛けるすべてのプログラムにおいて主軸になるのは、以下3つのコンセプトである。

1.実際にやってみる体験プログラムを行う
 子どもたちのリアルな体験により、生きる力を育むプログラムを展開する。

2.本物の大人に出会う質の高いプログラムを行う
 経験・実績に基づき、子どもたちの心に深く残るプログラムを共にコーディネートする。

3.地域に根づいて入り込んだコーディネートを行う
 地域の方の信頼をベースにして、しっかりと根を張った活動を展開する。

●子どもの心にスイッチを入れる

 さらに、放課後プログラムでは、子どもが好きなものに出合い、失敗して上手くなりたいと思う気持ちや、「なんでだろう?」と疑問に思う気持ちを大切にしている。こうした思いや疑問によって子どもたちが、学ぶ楽しみ、作り上げる楽しみ、大人になる楽しみなどを感じることで、彼らの中に人生を豊かにする心のスイッチが生まれる。

豊かな放課後を実現するプログラムに必要な4つのキーワード

 「TVゲームよりも面白く、学習塾よりも学びがある放課後を!」という目標のもと、放課後プログラムを実施している。「子どもの生きる力を育む」プログラムにするためには、1.自ら参加、2.ホンモノに触れる、3.継続して実施、4.最後に発表の場、の4つが重要な要素と考えている。
 まずは自ら手を挙げてプログラムに参加してもらうことが重要である。また継続型にすることで、達成感が生まれ、子どもの心に深く残るものができる。さらに、どのプログラムにおいても大人はできるだけ手出しをせずに準備するだけにとどめ、成功しようが失敗しようが後は子どもに任せている。そして、単に楽しかっただけでは終わらせず、必ず学びがあるようにするために「最後に発表の場」を設けることを重視している。良い発表には良い準備が必要で、人に何かを伝える能力は、生きる力にも欠かせないからである。

3 事業の成果と課題

120種類以上のプログラム、15,000人以上の参加

 2005年に活動を開始してから5年で500回以上のプログラムを開催し、参加者は延べ15,000人にのぼる。また、衣食住、ものづくり、音楽、スポーツ、日本文化、学び、遊び、表現など多彩なプログラム展開を行い、開発したプログラムは120種類以上になる。2008年、2009年には2年連続でグッドデザイン賞(財団法人日本産業デザイン振興会主催)を受賞し、2008年、2010年にキッズデザイン賞(特定非営利活動法人キッズデザイン協議会主催)を受賞している。

ファッション&マナープログラムの様子
ファッション&マナープログラムの様子 

参加する大人にとっても自己成長の場

 放課後プログラムは子どものみならず、ボランティアとして参加する大人にとってもこれまでの人生を振り返る刺激的な場になっている。大人が子どもに教えるときには、まず子どもに分かりやすく自分を伝えるために、これまで歩んできた道を振り返る「棚卸し」の作業を行う。
 放課後プログラムに関わる大人にとって、地位や肩書から離れて、子どもに経験を伝えることは、大人の生涯学習の場にもなっている。放課後プログラムを通じて、参加する大人が自らの仕事の社会的な意味を再認識しながら、社会に貢献することができる。実際、放課後プログラムを終えた後に、子ども以上に元気になって帰る大人が非常に多い。

子どもが集まらない

 活動開始当初は地域・保護者の理解を得ることに多くの時間を費やした。最初は学校を回っても放課後プログラムを紹介するチラシを受け取ってもらえない。さらに、児童館を回ってもライバルのように見られてしまう、公園にいる子にチラシを配布しても不審者のように思われるなど、子どもを集めることに多大な労力を要した。
 しかしながら、活動を続けていくうちに徐々にアフタースクールの活動に対する支援の輪が広がった。まず、子どもの保護者がアフタースクールの活動に賛同してくれた。そして保護者を通じて、学校にもアフタースクールの活動内容が徐々に広がり始め、現在では教育委員会の支援を得て、世田谷区を中心とした東京都内で活動を展開している。これまでのアフタースクールの活動を「小さなことでも、継続して続けることが大事」、と平岩氏は振り返る。

放課後コーディネーターに光を当てる

 学校が子どもたちの放課後の時間を地域に開放することで、子どもたちの放課後が豊かになる。そのためには、地域の方々が信頼を寄せる「放課後コーディネーター」の存在が不可欠である。
 しかし、コーディネーターが活動するための資金面で大きな課題がある。現在行政が拠出する助成金は、学童保育をはじめとした「子どもを預かるための事業」が主な対象であり、放課後プログラムをはじめとする体験型事業に対する助成金は限定されている。
 また、体験事業に対する助成金を、材料費や講師への謝礼に充てることはできるが、放課後プログラムをコーディネートする人件費に充当することはできない。体験型事業に対する助成金の枠が増えれば、放課後コーディネーターが職業として成立するようになり、より内容が充実したプログラムを提供する機会が増える。米国の放課後NPOのように、日本の放課後NPOに対しても、企業や行政からの支援の幅が広がることが望ましい。
 とりわけ企業には、企業が持つ人的資源を子どもたちの放課後のために投入してもらいたい。例えば、企業で働く社会人が放課後コーディネーターになれば、企業人の視点から学校現場にはない貴重なプログラムを開発できると考えている。企業は学校との直接の接点がないため、アフタースクールがその間に入ることで、子どもたちのためになるように放課後プログラムをコーディネートすることが可能となる。

歌づくりプログラムの様子
歌づくりプログラムの様子 

4 今後の展望

地域が子どもを育てる社会を目指す

 地域が子どもを育てる社会に向けて、今はその途上にあると考えている。現段階において、放課後の子どもの預かり事業と、体験事業を両立できる母体となる組織としては、学校が最もふさわしい。しかし将来は学校だけでなく、図書館や公園などの地域全体で子どもを預かり、育むような形になるのが理想である。

子どもたちの未来を語る平岩氏
子どもたちの未来を語る平岩氏 

学校とNPOが連携した夢のアフタースクール

 2011年4月には、私立新渡戸文化学園とアフタースクールが連携し、「新渡戸文化アフタースクール」を開校する予定である。「新渡戸文化アフタースクール」では放課後の子どもを預かる事業とともに、多様なプログラムを提供できることに大きな特徴がある。将来は放課後NPOが全国各地で誕生し、日本中の学校で放課後プログラムが行われていることが大きな理想であるが、そのための布石として「新渡戸文化アフタースクール」を成功モデルとして確立したい。そしてそのモデルを全国の同志を通じて、拡大していきたい。

(ヒアリング応対者:代表理事平岩国泰氏)

 日本全土でみれば、子ども1人に対して、大人が6人いる構成になる。大人が子どもと関わり、その持てる資源を活かすことで「大人ってスゴイな!」「早く大人になりたいな!」と子どもが思うことが、未来の日本を元気づける成長のエンジンになる。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --