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特定非営利活動法人 なはまちづくりネット

集いて語れば事の始まり

所在地…〒902-0073 沖縄県那覇市字上間563
TEL…098-832-9966 FAX…098-832-9966
URL…http://nahamatidukuri.ti-da.net/c135279.html
E-Mail…namane1742@yahoo.co.jp

沖縄県那覇市

1 団体の概要

代表者名…大城喜江子
設立年月…2003年12月 認証日…2004年3月9日
有給スタッフ数…常勤/19名、非常勤/1名
事業規模(09年度決算収入)…38,190,134円
(内訳:会費・入会金54,000円、事業収入37,136,134円、補助金等(民間助成金等)1,000,000円)

活動の目的・趣旨

 那覇市及び近隣市町村の住民に対して、社会教育、生涯学習並びに地域福祉の向上に関する事業及びそれらの情報の交換、ネットワーク化を行い、もって那覇市及び近隣市町村の住民が、豊かで意義ある生活が送られるよう、生涯学習のまちづくりに寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 2002年、那覇市が、市民により分かりやすい公民館運営を目指し、那覇市内7館目の条例公立公民館(繁多川公民館)を民間に委託することを決定した。これを契機に、公民館を母体とした社会教育活動を行いたいと考えていた社会教育指導員メンバーや、子ども会や社会教育的な活動をしているメンバーなど5~6名で、委託を受けるための準備委員会としてNPO法人なはまちづくりネットを設立。公民館運営にかかわる実践経験に加え、社会教育に関する理論を学習するなどの準備期間を経て、委託に臨んだ結果、7館目の条例公民館の委託先としてなはまちづくりネットが選定された。

主な活動内容

1.公民館事業
  • 那覇市繁多川公民館の業務の一部委託を受け、公民館で開催される講座の企画運営・まちづくりに関する事業運営全般を実施する。
  • 地域を巻き込み、学校教育と社会教育の融合を図る、沖縄在来種の大豆栽培から豆腐づくりまでを行う「あたいぐわぁープロジェクト」、小・中学生と地域の交流を深め、地域の新聞販売店の仕事ぶりに学ぶ「師匠弟子にしてください」等のキャリア教育を目的とする講座の実施など。
2.社会教育委員等資質向上支援事業

 沖縄県内における社会教育の指導的役割を果たす人材の資質向上を図るため、社会教育に関する実践事例の共有や、資質向上のための研修会などを実施する。

3.地域若者サポートステーションなは

 厚生労働省の委託事業として若者の職業的自立に向けた総合的なサポートを実施する。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 繁多川公民館事業(あたいぐわぁープロジェクト)

 繁多川公民館では、市民が生涯を通じて、心身ともに健康で明るく豊かな生活を送ることができるよう、地域のコーディネーターとして「学習ネットワーク」、「場・空間のネットワーク」、「人的ネットワーク」、「情報ネットワーク」の4大事業ネットワークの形成を行い、地域のコミュニティづくりの拠点になることを目指している。
 公民館で行われる活動には、学校と連携し地域の貴重な資源を紹介する自然体験講座など学習機会の提供を目的とする講座や、生け花、ヨガ、琉舞、繁多川吟友などの教養サークル活動などがある。また繁多川公民館は、講座やサークル活動の拠点のみならず、地域の幅広い年代層の住民がまちづくりに貢献できる地域のコミュニティづくりの拠点として多くの機能を担っている。繁多川公民館の月平均利用者数は約4,000人、年間では延べ48,000人にのぼる(2009年度)。開講される講座の実施頻度は年間70回、サークル活動は年間約2,000件を上回る。

あたいぐわぁープロジェクトの様子
あたいぐわぁープロジェクトの様子 

あたいぐわぁープロジェクト

 2006年から、繁多川近隣の公立小学校3校(識名・真地・松川)、公立中学校(寄宮・石田)、県立高校1校(北部農林高校)、繁多川自治会と連携し、戦前、繁多川地域で栽培されていた沖縄在来種の大豆を復活させ「昔の繁多川豆腐」を再現する試み「あたいぐわぁープロジェクト」が行われている。公立小学校においては、地域の文化・食の生きた学習として、また、地域の文化伝承や世代間交流を深める学びの機会として、地域住民をゲスト講師に迎え、総合的な学習の時間で継続的に実施されている。
 「あたいぐわぁープロジェクト」が生まれたきっかけは、2006年より開催された「繁多川見聞録」という繁多川の歴史や文化を聞き取り、書き記す講座にある。「繁多川見聞録」で地域の調査を進めるなかで、戦前から今尚有名な繁多川地域の豆腐に在来大豆の青ヒグが使われていたことが分かった。そこで昔ながらの工程で昔味の繁多川豆腐を復活させるべく、県の農業センターから沖縄在来大豆の青ヒグの種10粒を譲り受け、地域住民の「あたいぐわぁー」(家庭菜園)で種の育成を始めた。

●地域との連携が深まる

 手探りで大豆を育成するなかで、どうやったら種が順調に育つのか、公民館に集い情報交換が行われ、それぞれの育成状況を気遣うコミュニケーションが生まれた。活動が地域に浸透するなかで、豆腐づくりを経験したことのある60代から70代の住民が、脱穀のための「クルマボウ」や脱穀する際に収穫した大豆を広げる「ニクブク」など、大豆づくりに必要な農具を復興するなど、活動の輪が広がった。
 また、地域で様々な知識と経験をもつ人が公民館に集まり、育成方法についてノウハウの情報交換を行うなど、地域全体を巻き込む活動に発展した。

地域の人が復興させた農具で脱穀
地域の人が復興させた農具で脱穀 

●地域文化財指定・すぐりむん認証指定による地域活性化

 あたいぐわぁープロジェクトをきっかけに、繁多川公民館・繁多川自治会との連携により、地域文化を見直す機運が高まり、「地域文化財指定事業」(那覇市との協働のまちづくり事業)として、繁多川独自の文化財指定が始まった。
 例えば、繁多川に古くから根付く行事、地域の歴史を語るうえで重要な財産を、地域文化財に指定することにより、子どもたちに対して繁多川地域で生まれ育ったことを誇りとして地域の伝統文化を継承する意識を高めることを目的としている。
 さらに、繁多川地域で活躍する地域住民を「すぐりむん(優れもの)」として認定する取り組みも生まれた。認定の分野は「物知り」「豆腐づくり」「畑人(ハルサー)」など幅広い。2009年度は繁多川自治会と公民館、NPO法人なはまちづくりネットで構成される「繁多川すぐりむん推進委員会」が、地域の20人をすぐりむんに選定した(平成23年3月には50人のすぐりむんが認定される)。

3 事業の成果と課題

公民館を中心に地域がつながる

 繁多川公民館で開催した繁多川見聞録、あたいぐわぁープロジェクトなどをきっかけに、これまで社会教育施設を利用するだけであった講座の参加者の間で、地域社会へ貢献したいとの思いが強くなっている。
 あたいぐわぁープロジェクトでは、シニア世代が持っている経験や知恵を教育現場で発揮することにより、授業に参加する子どもから、「じいちゃん、すごいね」など、声をかけられることが活動を継続する励みになっている。また、地域文化財指定や、すぐりむん認定制度によって「地域のシニア世代にも子どもの顔がみえるようなコミュニケーションが生まれ、地域の信頼関係が深まっている」といった声が寄せられている。

地域の人々の活躍の場をつくる

 繁多川見聞録や、あたいぐわぁープロジェクトを通じて、地域の活動が進むきっかけを提供したのは公民館であっても、活動の主役は地域の人たちである。
 地域の人が主体性を持って、より良いまちづくりのために行う活動を側面支援するコーディネーターに徹することが、公民館の役割だと考えている。目立つことを目的とせず、地域のために貢献したいとの熱意で活動を支援くださる人たちに対して、例えば作成してくださった農具を公民館で展示するなど、彼らの功績を地域の方に伝えることにより、地域の交流が進むきっかけをつくることが大切である。公民館を運営する実施主体として、やわらかい人間関係のなかで活動が継続できるよう、細やかな配慮が欠かせない。

連携相手(学校)と対等なパートナーシップを築く

 あたいぐわぁープロジェクトのように、繁多川公民館が、社会教育の見地から学校教育と一体となって取り組む学社融合を進めるなかで、学校との緊密なパートナーシップを構築することが不可欠である。活動初期においては、コミュニケーション不足により、活動の目的や意義が理解されず、目的に合致しない取り組みもあった。これらの反省を踏まえて、学校と連携する際に心がけているのが主に以下の点である。

1.綿密な打合せ(時間、内容、教育、目的の共有)を行う

 連携成功の鍵は、コミュニケーションの充実にある。授業を実施する学年全員の先生が活動の目的や意義を理解できるような体制づくりが必要である。
 コミュニケーション不足による誤解が生じないよう、事前の打ち合わせを通じて、子どもの教育力向上のためにNPO法人(繁多川公民館)と学校が一体となって取り組む認識を共有することが大切である。

2.学校と公民館の役割分担を明確にする

 授業の議事進行や生徒の指導は学校の先生が担当であり、公民館は授業において体験学習部分のみに協力することを事前に確認している。先生に一方的な負担感を与えるのではなく、ともに達成感を感じられるような工夫を行っている。

3.公民館の持ちえる予算を提供する

 例えば、総合的な学習の授業において学校側の予算配分上、時として縮小を余儀なくされる場合がある。そこで、公民館は講座としての予算を、学校の授業に活用することで、協同の事業と授業をつくり上げることができる。

4 今後の展望

あたいぐわぁープロジェクトを社会起業モデルにする

 かつて、繁多川地域の住民が豆腐づくりにより現金収入を得ていたように、豆腐づくりをブランド化して、繁多川の観光名産にすることを検討している。「一丁一万円ブランド豆腐夢見る大作戦」と銘打って、繁多川地域の食堂で地元の豆腐料理が食べられる、地域住民と楽しい会話ができるなど、あたたかい交流が生まれるような取り組みをつくりあげたい。

ヒアリングにご対応いただいた大城代表
ヒアリングにご対応いただいた大城代表 

NPOの横の連携を促進する

 地域全体で自治意識が高まり、地域の教育力向上を図るためには、市民団体や自治会がつながり、お互いのスキルやノウハウを向上させることが重要である。
 なはまちづくりネットは、公民館運営で培った運営に関する知識やノウハウなどの情報を率先して公開し、地域の財産として多くの団体と共有している。新たに那覇市内の条例公民館の運営を委託されたNPO法人に対しては、決算書類作成の方法から、実施体制、行政との折衝をはじめ、でき得るすべての情報を開示した。
 成果を自分のものだけにせず、他の団体と広く分かち合うことで、生まれ育ったことを誇りにもてるまちづくりの実現に近づきたい。

(ヒアリング応対者:代表 大城喜江子氏)

 「一生懸命に頑張る」姿勢を大切にしている。「公民館が頑張っているから自分も何かしなければいけない」と言って、自発的にお手伝いくださる方々がいる。楽しそうに一生懸命に打ち込む姿勢を見て、地域の方が自然に助けてくださるのだろう。感謝するばかりである。
 手伝ってくださるみなさんの気持ちに、どのように気持ちのお返しをしようか考えることの繰り返しから、お互いに信頼できる関係が築かれていると思う。丁寧な仕事をして地域のみなさんの希望や要望がかなえられるような取り組みをこれからも続けていきたい。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --