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特定非営利活動法人 子ども大学かわごえ

子どもたちよ、将来ノーベル賞を受賞してください!

所在地…〒350-1109 埼玉県川越市霞ヶ関北3-12-6川越市霞ヶ関北自治会館内
TEL…080-2053-2991 FAX…049-233-1640
URL…http://www.cuk.or.jp E-Mail…info@cuk.or.jp

埼玉県川越市

1 団体の概要

代表者名…江夏健一
設立年月…2008年9月 認証日…2008年12月10日
有給スタッフ数…常勤/0名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…1,822,613円
(内訳:事業収入475,500円、会費・入会金301,000円、助成金500,000円、寄付金536,000円、その他10,113円)

活動の目的・趣旨

 地域の大学の教員と協働して地域の子どもたちに授業を行う子ども大学社会教育事業を遂行することを目的とする。

団体の設立経緯

 2005年、田園調布学園大学で経営学を教えていた酒井一郎氏は、ドイツの「ミニ・ミュンヘン」の取り組みを知った。これは、子どもたちに経済活動を疑似体験させるプロジェクトである。夏休みに、ミュンヘン市内に子どものまちをつくり、子どもたちはそこに行って市民登録をし、職業安定所で仕事を紹介してもらって働き、地域通貨で給料をもらって税金を納め、食事やゲームをする。
 このような取り組みを大学でもやってみたいと、ゼミの学生を中心に実行委員会をつくり、「ミニたまゆり」(大学のある神奈川県多摩地区百合ヶ丘から命名)を実施した。「ミニたまゆり」には、2日間で500人の子どもたちが参加し、会場内を動きまわって、自分たちでアイデアを出しながら生き生きと働いた。翌年は4日間で2,000人が参加、以降、毎年開催されている。酒井氏は、このプロジェクトを通して、子どもたちの持つ創発性に強い感銘を受けた。
 酒井氏は2007年に大学を退職し、地元の川越で活動をしようと自宅に「酒井キャリア教育研究所」を開設する。そのころ出席した「子どものまちサミット」で、ドイツに「子ども大学」があるという話を聞き、強い関心を持った。子ども(7歳ぐらい~12歳)が大学に登校して、日ごろから疑問に思っているテーマについて、大学教授からわかりやすく授業を受けるのだという。調べてみると、2002年にドイツのチュービンゲン大学で始まった取り組みで、すでにドイツを中心に欧州各国で100校近くが開校し、いずれも子どもや保護者から大歓迎されていることがわかった。
 川越でも同じような子ども大学ができないか、地元にある四つの大学に相談を持ちかけ、東京国際大学副学長の遠藤克弥氏、尚美学園大学学長の堀江湛氏、東洋大学工学部長の吉田善一氏とともに、07年9月、「川越子ども大学構想研究会」を設立した。

主な活動内容

1.子ども大学かわごえ

 地域にある複数の大学の教員が連携して、小学生に大学レベルの授業をやさしく教える「子ども大学かわごえ」を運営

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 子ども大学かわごえ

教育の方針は、はてな学・生き方学・ふるさと学

「子ども大学かわごえ」の対象は小学4~6年生。教育の方針として、次の3学部を設けている。

  • はてな学部:純粋科学的な“なぜ”を追求する「はてな学」
  • 生き方学部:職業教育、キャリア教育のための「生き方学」
  • ふるさと学部:郷土愛を育む「ふるさと学」

 2010年度は、5月に川越市と鶴ヶ島市の教育委員会を通して小学校にチラシを配布し、希望者を募集した。参加費は1年間5,000円。年間の事業予算は約230万円。入学式は6月に東京国際大学のキャンパスで行い、172人が入学した。入学すると学生証を受け取り、保護者同伴で直接、会場となる大学の教室に行って授業を受ける。授業はほぼ毎月1回(土曜日の午後)2時間(1コマ45分×2)、以下のテーマで実施した。

  • やってみよう!きみもクリエーターだ
  • オリンピック聖火ランナーのヒミツ?
  • お金はどこから来てどこへ行くの?
  • なぜ税金を納めなければならないの?
  • パソコンを分解して知る、これからの環境と未来
  • そばにある国際化:フランスの弁当箱と忍者ナルト
  • なるほど!童謡~日本の文化財“童謡”の魅力を再発見~
  • 川越の商工業
  • 川越の観光

 教授陣には、東京国際大学・東洋大学・尚美学園大学・早稲田大学・桜美林大学・女子栄養大学の先生のほか、ジャーナリストの池上彰氏、俳優の竹本孝之氏、歌手のたいらいさお氏らも参加している。
 また8月には、特別授業として、高校生が先生となって教える「ものづくり教室」を、埼玉県立川越工業高等学校と共同で企画した。

東京国際大学で行われた入学式
東京国際大学で行われた入学式 

学園祭は子どものまち「ミニかわごえ」

 2010年3月、学園祭として、市内にある蓮馨寺(れんけいじ)の境内で、子どものまち「ミニかわごえ」を行った。地元の中学や高校も協力して、2日間で700人以上が来場した。総経費は約80万円で、市からの補助金と入場料(1人1日500円)、企業や個人からの寄付金で賄った。
 「ミニかわごえ」は子どもたちが主体になって運営するまちで、大人は最小限のサポートしかしない。市民登録をして入ると、市長になったり、会社やお店をつくって働いたり、地域通貨「こえど」で給料をもらって納税したり、食べ物を買ったりする。例えば、新聞社をつくった子どもたちは、まちの様子を取材し、まちを訪れた上田清司埼玉県知事や川合善明川越市長にもインタビューして、「ミニこえど新聞」を発行した。「ミニかわごえ」は11年度も実施する予定で、ジュニアスタッフになった子どもたちが、蓮馨寺の講堂に集まって準備を始めている。

子ども大学を支えるプロのノウハウ

 「子ども大学かわごえ」は、右のような組織になっている。
 組織の運営を支える会員は52人。新聞の記事などを見て参加したいとやってきた地元の人たちで、40歳代ぐらいの現役が多い。絵を描くのが得意な人、イベント会社の人、新聞記者、ITに強い人など、その道のプロフェッショナルがたくさんいて、子どもたちのために手弁当で働いている。

子ども大学を支えるプロのノウハウ

3 事業の成果と課題

誰が子ども大学の運営主体になるのか、設立初期のハードル

 子ども大学をつくるにあたって、最初の課題は、どこがその運営主体になるかということだった。当初、酒井氏は、大学当局が運営主体になることを考えたが、話がなかなか前に進まなかった。大学という組織で何かやろうとすると、教授会や事務方の協力が必要になるが、いまの仕事に手一杯で新しいことをやるような余裕がない。トップ同士で話し合ってもらおうとしても、いずれも大変多忙で、「川越子ども大学構想研究会」にそろって出席してもらうことすら難しかった。

ボランティア参加で大きく前進

 原点に戻ろうと、ドイツで子ども大学を始めたチュービンゲン大学を調べてみると、大学の教室で大学の先生が教えているが、運営自体はNPOが行っていることがわかった。これまでの経過からも、NPOをつくって主体的に動いた方がいいと考え、過渡的な組織として、2008年2月、任意団体「川越子ども大学をつくる会」(以下、「つくる会」)を結成した。
 「つくる会」は、「生徒の募集や事務作業など、経営はNPOが責任を持つので、大学側は学長または副学長と教員、教室を提供してほしい」という方針で、大学側と交渉を再開した。しかし、「市民団体と協定書をつくった実績がない」「実績がなければつくればいいが、教授会の承諾を得るなど、学内手続きに最低2年はかかる」と言われ、再度、行き詰ってしまう。
 そこで、「つくる会」では、大学と公式の協定を結ぶことを断念し、個々の教員にボランティアという私的身分で関わってもらうことにした。学長就任についても同様に、あくまでボランティアで遠藤克弥氏にお願いすることにした。これによって話が大きく前進した。NPO法人発足にあたって、これまで「川越子ども大学」としていた名称を「子ども大学かわごえ」に変更した。これは、「子ども大学が川越にとどまらず、全国に広がってくように」という思いからである。

子ども大学の授業の様子
子ども大学の授業の様子 

「子ども大学かわごえ」の成果

 2008年11月26日に川越市役所記者クラブで、子ども大学誕生の記者会見を行ったところ、翌日の『読売新聞』『朝日新聞』『毎日新聞』各紙の埼玉版に大きく報道され、知名度が一気に上がった。
 第1期(2008年度)の子ども大学は、2009年3月20~22日の3日間に、集中して6回の授業を行った。50人の定員に対して116人の応募があり、全員に入学を許可した。このときは、子どもの集中力が続くようにと、授業時間を30~45分程度にしたが、アンケートで、授業時間が短いという意見が多かったことから、次年度から、テーマにより2コマ連続の授業を行うことにした。
 第2期(2009年度)に実施した特別授業「なぜ飛行機は空をとぶことができるか」(東洋大学望月修教授)は、NHKの番組でも紹介された。また、年度末に急きょ、川越市との協働事業である「ミニかわごえ」を実施したことで、市内の小中学校、県立川越工業高等学校との協力関係ができた。このイベントには、上田埼玉県知事、川合川越市長が視察に訪れた。
 第3期(2010年度)は、第2期から続けて参加する子どもも増えて、172人が入学した。保護者や会員を含めると350人以上の聴講生を相手に授業をすることになり、講師にとってはチャレンジの場となっている。保護者からは、「授業を受けた結果、何事に対してもよく考え、質問するようになった」「自分の興味のないことには関わろうとしなかったが、何事にも食いついてみるという姿勢が出てきた」などの感想が寄せられている。「子ども大学かわごえ」は、先進的・創造的・社会的な活動が認められて、2010年度埼玉NPO大賞の優秀賞を受賞した。

「ミニかわごえ」の開会式
「ミニかわごえ」の開会式 

4 今後の展望

優れた教育システムの子ども大学を広めたい

 2010年度には、「子ども大学かわごえ」をモデル事業として、埼玉県教育委員会が子ども大学を始め、現在、「子ども大学ぎょうだ」「子ども大学こしがや」「子ども大学ところざわ」「子ども大学にいざ」「子ども大学ふかや」「子ども大学くまがや」が生まれている。子ども大学は優れた教育システムであり、これからも日本における子ども大学の普及に努めていきたい。
 また、ドイツ・ゲッティンゲンにある子ども大学からは、相互交流を求める手紙が届いた。これから姉妹校提携や人的交流を進めていきたいと考えている。国際交流ということでは、中国、韓国からも子ども大学について問い合わせが来ており、日本型の子ども大学をアジアに広めていけるのではないかと考えている。

(ヒアリング応対者:事務局長酒井一郎氏)

 研究会を立ち上げてすぐ、仲間を探すために、市教育委員会が主催した「地域活動コーディネータ養成講座」に参加した。受講生に子ども大学の構想を話したところ、12人の有志が集まり、市場調査に協力してくれた。このときの仲間とともにNPOを設立した。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --