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特定非営利活動法人 科学芸術学際研究所ISTA(イスタ)

所在地…〒351-0036 埼玉県朝霞市北原2-5-28鈴木第2ビル211号室
TEL…048-456-7271 FAX…048-456-7271
URL…http://www.npo-ista.org/ E-Mail…ista-desk08@npo-ista.org

埼玉県朝霞市

1 団体の概要

代表者名…高木隆司
設立年月…2004年5月 認証日…2004年8月20日
有給スタッフ数…常勤/0名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…3,302,503円
(内訳:入会金・会費153,000円、事業収入468,300円、寄付金2,670,339円、その他10,864円)

活動の目的・趣旨

 学術研究、特に、直接利益を生まない基礎(自然、人文、社会)科学研究、学際研究、芸術創造活動などの重要性を直接市民に訴え、幅広い国民各層に根を下ろした学術・文化の基盤整備、科学・芸術異分野コミュニケーションによる文化創造活動の活性化を目的とする。

団体の設立経緯

 ISTAは、独立行政法人理化学研究所(理研)の現役研究者・技術者、事務職員、OB研究者・技術者および設立趣旨に賛同する大学、研究機関などの研究者、民間人が発起人となって結成されたNPO法人である。
 国立大学や国公立研究機関が独立行政法人化されたことに伴い、基礎科学研究の危機が予想されたことから、これを打開しようという有志が集まり、2003年よりNPOとしての可能性を検討していた。この有志のメンバーは、近年、科学が極度に専門化・分業化され、また研究現場にも性急な成果主義が導入されたために、好奇心や新しいことを知る喜び、発見や完成したときの感動のような科学の原点から、大きく離れているとの共通認識を持っていた。そこで、基礎科学研究のすばらしさを知らせることによって社会に貢献していこうという組織づくりが進められた。
 組織づくりを進めるなかで、科学と文学を調和させた随筆で知られる寺田寅彦など、理研の先人たちを範とする、専門分野の枠にとらわれない学際領域や芸術創造活動の重要性も再認識された。2005年には、多くの賛同者が得られたことから、ISTAの立上げに至った。ISTAとは、日本語の団体名の英訳“The Interdisciplinary Institute of Science,Technology and Art”の略である。

主な活動内容

1.科学・芸術を組み合わせた体験学習

 子どもおよび社会人を対象とした「科学ワークショップ」の開催。

2.基礎研究支援、科学・芸術共同作業推進

 サイエンスアートの確立と、会員が作成したサイエンスアート作品展の開催。

3.研究成果の市民還元

 学術講演会「ISTAサロン」の企画。科学おもちゃの開発。

4.学際協力「ものつくり」技術開発事業

 サイエンスアートを活用したデザインワーク、製品開発など。

5.ホームページ、会報編集などの広報
6.国際協力
7.国内・国際団体との連携、団体運営の助言、団体活動場所提供などの援助

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 科学ワークショップ

 ISTAの科学ワークショップには、小学生(3年生以上)や中学生などの子どもを対象とするものと、社会人を対象とするものがある。
 子どもを対象とするワークショップの場合は、サイエンスを応用したおもちゃづくりやアートの制作などをとり入れ、自分で考え、手を動かすうちに科学の楽しさを実感するような内容を企画している。理科離れ防止も目的の一つである。
 社会人の場合は、知的な遊びを楽しんでもらうことを主な目的としている。とりわけ、家にこもりがちな退職後の男性には、脳の刺激になるような指先を使う内容を企画している。
 これまでに開催されたワークショップには、粉体の性質を実験で探る「つぶつぶの不思議」、紙工作で雪の結晶をつくる「雪の結晶を成長させよう!!」、水の中にシャボン玉をつくる「おもしろい科学実験と不思議な紙工作」などがある。1年に3~4回実施している。
 またワークショップでは、開くと多面体が飛び出す本や、3枚の鏡を使ったピラミッド万華鏡など、科学を応用したおもちゃがしばしば使われる。ISTAは、「自分でつくれる科学玩具の開発」チームをつくり、「科学おもちゃ図鑑」(A4サイズ、16ぺージ)もまとめている。

組み立ておもちゃを使った多角形の敷きつめワークショップ
組み立ておもちゃを使った多角形の敷きつめワークショップ

事業名称 サイエンスアートの確立と作品展の開催

 ISTAでは新しいジャンルとしてのサイエンスアートの確立を目指し、会員が制作した作品の展覧会を開催している。
 ここでのサイエンスアートとは、科学的な探究心や科学に対する興味に基づいて制作されたアート、そして新しい制作の手法を開発しながら制作されたアートをいう。これに基づけば、ダリが相対性理論を絵画で表現しようとしたとされる絵画「記憶の固執(やわらかい時計)」(1931年)はサイエンスアートと呼ぶことができる。
 なお、すでに確立された科学的手法を応用しただけのもの(写真、CGなど)は、アートとして優れていてもサイエンスアートとは呼ばない。
 開催頻度は年に数回。ワークショップと同時開催されることも多い。2008年に、はまぎんこども宇宙科学館と共催で実施した「カオスモス展示とサイエンティフィックアートの世界展」はたいへん好評で、朝日新聞神奈川版にも掲載された。

事業名称 学術講演会「ISTAサロン」

 会員の知見を広め、交流を図ることを目的とする学術講演会(ISTAサロン)を企画・実施している。
 ISTAサロンには会員以外の人も参加でき、ときには会員以外の参加者数が会員のそれを上回ることもある。ISTAサロンで講演を行う講師選択のポイントは、素晴らしい研究をしているにもかかわらず、世の中にあまり知られていないことである。隠れた逸材を発掘したいと考えている。
 例えば2009年に開催した講演会は、個人的に長年にわたり植物の学名の由来を研究し、読み解いてきた田中學氏を招き、「植物の学名を知り、植物に親しむ」とのテーマで講演を行った。この講演に感銘を受けた参加者が、後日、実際の植物を見ながら学ぶ観察会を実施し、2011年現在まで続いている。

3 事業の成果と課題

地域との協働を通して少しずつ根を下ろす

 事業の立ち上げ期には、会員からの会費のみが収入源であったため、資金面で苦労したが、埼玉県や文化庁などに申請した助成金が認められたこと、制作した作品の販売などにより、少しずつ改善できた。助成の申請にあたっては、大きなプロジェクトを引き受けて資金を拡大するよりも、地域に少しずつ根を下ろす活動を進めていきたいと考えている。
 事業が軌道にのってきた2年目以降は、拠点がある朝霞市や近隣自治体の教育委員会などから、ワークショップの共催が要請されるようになり周辺地域との共同事業が進んでいる。
 ほかに、会員が所属する東洋大学が運営する市民講座への講師派遣や、視覚障害者のためのNPOと共催したワークショップなども実施している。視覚障害者のためのワークショップでは、地球、火星、金星、月のモデルを形にしたものにさわってもらった。また、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が主催する「サイエンスアゴラ2010」など、科学啓蒙イベントにも出展している。
 最近の課題は、広報活動が十分でなく、事前申込者が少ないときがあることである。また、ワークショップで作成した作品は、持ち帰ってもらうことが前提なので、安い費用でできるものに限られる。それから、最近の就職難のためか、活動に参加して手伝ってくれる若手が少ない。作品の新しいアイディアが出ても、それを形にするスタッフがなかなか出なくなっている。

雪の結晶の紙細工を作るワークショップで説明するボランティア
雪の結晶の紙細工を作るワークショップで説明するボランティア

制作の芽を伸ばす展覧会にしたい

 事業の立ち上げ時には、サイエンスアートや科学おもちゃが一般にあまり知られていないため、説明しても十分理解してもらえないことがあった。作品展やワークショップが回を重ねるにつれ、サイエンスアートや科学おもちゃに対する理解が進んでいるようである。
 ISTAでは現在、新作のおもちゃやサイエンスアート制作の芽は、気がついていないだけであちこちにあると考えている。従来は、出展の要請に対応するだけで手いっぱいで、会員間で気楽に作品展のテーマや方向を話し合う機会が少なかった。今後、話し合う機会を持つことによって制作の芽を発見し、アイディアがふくらんでいくことを期待している。

4 今後の展望

保護者などと連携し、マンパワー不足の解消を図る

 これまで、自治体などからのワークショップの要請に対し、マンパワーの不足から応えられないことがたびたびあった。ワークショップを開催するには、会場設定や素材の準備、ワークの指導や補助など、さまざまな仕事をこなさなければならない。
 このため、小中学校や科学に関心のある市民団体などとの連携も視野に入れている。たとえば、子育て中のお母さんや、子どもが科学に親しむことに力を入れている「静岡自然を学ぶ会」とは、2008年以来、ワークショップや講演会を共催するなど、交流が続いている。今後、こうした会との連携を増やしていきたいと考えている。研究者やアーティストが多いISTAにとって、異分野の人々との対話は楽しく、刺激になる。
 サイエンスアートについては、現在は会員の研究者やアーティストのみでの活動が大半だが、将来は会員以外の作品を募り、そこから作品を選んで展示会ができることを目指している。展示会のテーマには超高齢社会という状況に対応し、高齢者を対象とした事業展開を予定している。

理事長 髙木隆司氏
理事長 髙木隆司氏

(ヒアリング応対者:理事長高木隆司氏、事務局長代理渡辺泰成氏)

 科学研究は、誤解や失敗から学ぶもの。あのダ・ヴィンチも、たくさん失敗している。何歳になっても、好奇心をもって探究にチャレンジしよう! そして、国や地方自治体も、既成概念にとらわれず、新しい分野に注目してほしい。
 NPOは、阪神淡路大震災のボランティアが契機となって発展した。非常時ばかりでなく、皆を元気にするための寄付を常にするような文化が市民に根づくことを願っている。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --