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特定非営利活動法人 鳳雛塾

すべての人たちに起業家精神を!

所在地…〈本社〉〒840-0813 佐賀県佐賀市唐人2-7-20(佐賀銀行内)
TEL…0952-28-8959 FAX…0952-28-8959
URL…http://www.housuu.jp E-Mail…yokoo@housuu.jp

佐賀県佐賀市

1 団体の概要

代表者名…富﨑龍夫
設立年月…1997年11月 認証日…2005年6月13日
有給スタッフ数…常勤/4名、非常勤/0名
事業規模(09年度決算収入)…6,176,680円
(内訳:事業収入4,472,629円、会費530,000円、補助金500,000円、その他674,051円)

活動の目的・趣旨

 佐賀県内外における起業家精神の発揮とベンチャー企業・新事業等創出及び地域情報活性化のための環境構築を図るために、これらに関わる産学官関係者及び一般社会人や地域住民の人々に対して、人材育成、各種相談・調査、研究開発、情報収集・発信・交流等に関する事業を行い、地域経済界及び教育界の発展に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 1997年に佐賀県内の地域学会および経済・産業界の発展に寄与することを目的に「SAGAベンチャービジネス協議会」を設立。さらに産官学の連携により、起業を目指す若者を育成する活動(ビジネススクール)を開始。任意団体としてすべての事業に対応することが不可能となり、基盤強化のため2005年にNPO法人化した。

主な活動内容

1.ビジネススクール「鳳雛塾」事業

 大学・社会人向けの講義とディスカッションによる実践的な起業家育成事業。

2.キャリア教育事業

 小・中・高校生、学生向けの実践的な経済・経営の講義や販売・就業体験による起業家精神を養う教育事業。

3.地域情報化推進事業

 県内で実践している地域情報化関連事業との連携による地域内の情報を推進する活動事業。

4.産学官連携事業

 佐賀県や佐賀大学が実施する事業への後援や協力をする事業。

5.その他の事業

 関連事業のPR活動や大学生向けの各種支援活動、企業間のビジネスマッチング事業など。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 ビジネススクール「鳳雛塾」事業

 「鳳雛塾(ほうすうじゅく)」は、衰退が懸念される佐賀県内の地場産業や商店街の活性化に貢献したいという思いから、実践的な経営教育を、社会人や学生向けに実施しているビジネススクールである。
 また、スクールは大学生や社会人のコミュニティ形成も目的としており、地域経済活性化のミッションを実現するための産官学のネットワークゲートウェイとしても機能している。

実践的なビジネススクール

 鳳雛塾は、欧米のビジネススクールで活用されている「ケースメソッド」と「ICT」を活用した遠隔授業が特徴である。
 ケースメソッドは、1900年初頭にアメリカで開発された実践的な経営教育の方法である。受講生は、意思決定の場面が記述された「ケース」と呼ばれる教材を事前に分析し、問題を発見する。その解決策を模索し、意思決定を行うというプロセスを経て、クラスでディスカッションを行う。繰り返し行うことで、戦略的意思決定を可能にし、問題発見・解決能力や実践的な経営能力を育み、積極的行動力、リーダーシップを体得することを目指すものである。
 また、仮想の事例ではなく、なじみのある有名企業や地元企業などの実例を教材にしている。経営に正しい答えはないが、様々な状況に応じて意見を出し合いながら、自分なりの「解」を導き出すことで実践的に経営を学ぶことができるプログラムとなっている。

鳳雛塾でのディスカッションの様子
鳳雛塾でのディスカッションの様子 

 受講生は、ICT、インターネットなどの情報技術を使いこなすことは当たり前である。WEBサイトを構築し、サーバー上で教材配布、課題提出、出席確認までする。また、事前にネットワークを活用したディスカッションを通して講義内容の理解度を高める。さらに、東京の慶應義塾大学と佐賀の鳳雛塾を遠隔システムでつなぎ、積極的に授業へ参加することができる。このシステムは、日経地域情報化大賞2003で日本経済新聞社賞を受賞した画期的なシステムである。
 スクールは、7月頃~翌3月までに年間で全12回程度(1回2時間)実施する。参加の条件は、参加意欲がある社会人や学生であること、インターネット利用ができることである。受講料は、社会人20,000円、大学生は10,000円で、昨年は20名の受講生があった。本事業の運営は、他事業からの費用補填で賄われている。

産官学のネットワーク形成

 佐賀県は、経営革新や起業のための助成制度など、地域を活性化するためのインフラはかなり整備されているが、活かしきれていない。そのインフラや制度を最大限に活用するために、産官学の多くの関係団体がネットワーク形成をし、鳳雛塾の支援をしている。
 「産」は佐賀銀行の職員による鳳雛塾の運営など、「官」は情報ネットワークインフラの提供、産業活性化担当者の参加など、「学」は佐賀大学からは講師派遣、学生参加の協力などである。

事業名称 キャリア教育事業

 鳳雛塾事業を通じて社会人や大学生に養成してきた「起業家精神(アントレプレナーシップ)=自ら学び、自ら考え、自ら行動する能力(生きる力)」を小・中・高校生、学生向けにアレンジし、多くの子どもたちに将来の夢・希望や職業観、起業家精神、チャレンジ精神を育むための事業である。

学校から職業へ!

 小学生が主に実施する出店販売体験プログラムは、市場調査から商品の仕入れ、値付け、広報活動、事業計画作成、商売実践、収支決算に至るまでの一連の企業(商売)活動をケース教材等を用いて学ぶ。様々な人と触れ合う中で、児童の自主性を尊重した教育活動を実現している。
 中学生は、3~5日間の就業体験(インターンシップ)を中心に、職業観や就業観の養成、ビジネス能力・スキルの醸成を図る。学校と地域企業・産業界の連携強化を図るために、職場体験後も学校・生徒と受け入れ企業とのコミュニケーションの場(企画提案発表会)を設けたり、学校独自で地域の人たちを構成員とした運営委員会を開催するなど、持続的な関係性構築にも取り組んでいる。
 高校では、小学校の販売体験プログラムに、より専門的な知識の習得(マーケティングなど)と「ものづくり」を付加した起業家教育のプログラムとなっている。自分たちがマーケティングを活用した商品企画を提案し、商品を作成し、企業の課題に対してコンサルティングまで実施するプログラムである。一連の企業活動を実践的に取り組むことによって「起業」することを学ぶ。小・中・高校生向けのプログラムは、約半年間で平均40~50時間実施する。講義は、外部講師もいるが基本的には、クラス担当の教師が行う。全体のコーディネートと企業との連携については鳳雛塾の事務局が担当する。

企画提案するためのワーク中の子どもたち
企画提案するためのワーク中の子どもたち 

地域に根ざしたキャリア教育

 地域に根ざすことを目的として開発した佐賀モデルのキャリア教育は、特色あるカリキュラムの実践とともに、教育界と地域社会・産業界との強固な関係づくりを目指している。「学校現場と地域社会との持続的なつながり」を実現するために、佐賀県、佐賀市などの行政機関はもとより、商工会議所などの商工団体、佐賀大学・慶應義塾大学(教官や学生)などの大学、地元金融機関などを中心とした産業界、地元公民館・PTAから保護者に至るまでの広範なネットワークを形成して、地域社会全体で児童や生徒のキャリア形成をバックアップしていく体制(自律体制)を構築している。

子どもたちが販売する野菜を買う、地域住民
子どもたちが販売する野菜を買う、地域住民 

3 事業の成果と課題

つながりの中で育む教育

 鳳雛塾を修了した受講生は、ソーシャルビジネスを個人やグループで起業している。また、多くの大学生が、ソーシャルビジネスの企業へ就職している。
 キャリア教育の成果としては、プログラムを実施した子どもたちの多くが学力アップにつながっていることである。販売体験や職場体験を通して、実践的なコミュニケーションをとることで、自身のあり方、何をしたいのかが明確になり、各自が目標を見出すことが学力アップにつながっているように思う。
 また、実施校の中で約10年継続している学校もあるが、キャリア教育を一度実施した学校は、継続実施となることが多い。主に県や市からの委託事業によるが、予算縮小傾向の中、予算交渉はしたことがなく、横ばいではあるが比較的安定した事業費で運営している。

教育活動の課題

●若手起業家発掘が課題

 鳳雛塾開講にあたり、ここ数年は受講生集めに苦労している。佐賀の県民性なのか、自身がリーダーとなり情報発信したり、積極的に参加したりする若手が多くはない。今まで12期実施してきたが、起業を目指す県内の若手は、すでにある程度受講したように思う。佐賀における起業家精神の醸成をするため、若手の発掘も課題である。
 参加費用を受講生がすべて負担した場合は、一人当たり50万円くらいの価値のある内容である。価値ある鳳雛塾を多くの方に周知し、参加を呼びかけたい。そのために、鳳雛塾の事業活動に時間を割きたいが、現在、業務の9割がキャリア教育事業である。塾運営になかなか時間がとれないことも課題である。

●つながりの強化

 キャリア教育実施後の子どもたちの変化や成長について後追いができていない。現在の取り組みが具現化したものがあれば、社会全体にキャリア教育の必要性が訴えられると思う。
 また、事務局でキャリア教育事業を運営する人材が不足している。各学校からの依頼はあるが、キャパシティーの問題で引き受けできない場合もある。
 キャリア教育は学校の教師が実施するが、地域企業への協力依頼など外部交渉が苦手な教師もおり、産と学のつながりをより強化させるために当法人への期待が大きい。学校の教師が主体となり実施できるキャリア教育全体のプログラム開発をする必要がある。また、地域のNPOとの連携によりキャリアコーディネーターを増やし、地域でのキャリア教育を増やしていきたい。

4 今後の展望

職場から学校へ

 産と学のつながりの強化をしたい。起業家に学校での教師になってもらい、佐賀ならではの技術力の伝承や起業家精神を学校へ発信していきたい。職業教育と学校教育とをさらに結びつけ、小学校から大学、社会人までの双方のコミュニケーションにより佐賀の活性化にさらなる貢献をしたいと思っている。
 継続した取り組みにより、キャリア教育を受けた子どもたちが地域の企業へ就職し、子どもたちの事後の状況が把握できることと、その子どもたちが大人になってさらに子どもたちへキャリア教育を実施する循環を目指していきたい。

(ヒアリング応対者:事務局長横尾敏史氏)

 文部科学省へのお願いとして、子どものキャリア教育を通して、学校と企業と保護者との連携が必要だと思う。子どもが将来就職する企業を早い段階で知る取り組みをさらに増やしてほしい。教育の現場に地域企業とのコミュニケーションを増やしてほしい。連携をさらに強化することでキャリア教育を充実することができると思う。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --