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特定非営利活動法人 こども盆栽

「なぜ学ぶのか」「なぜ働くのか」を自ら発見できる子どもを育む

所在地…〒570-0096 大阪府守口市外島町6西2-1408
TEL…06-6773-4450 FAX…06-6773-4450
URL…http://cobon.jp E-Mail…info@cobon.jp

大阪府守口市

1 団体の概要

代表者名…松浦真
設立年月…2002年 認証日…2007年5月30日
有給スタッフ数…常勤/2名、非常勤/2名
事業規模(09年度決算収入)…9,820,228円
(内訳:事業収入8,027,298円、会費55,000円、その他1,737,930円)

活動の目的・趣旨

 子ども(4歳~18歳)に対して、職業体験に関する事業を行い、職業意識の確立に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 代表の松浦氏が500名以上の大学生の就職活動支援を行ってきた経験から設立した。大学生の就職活動では、内定が目的になりがちだが、実際、企業に入った後に「なぜ働くのか、どう働きたいか」を見つけ出せず苦しんでいる社会人が大勢いることに気づいたことがきっかけで、子ども向けに自ら考え行動し、働くことを学んでもらう機会を提供する活動を始めた。
 団体名の「盆栽」は、どのような人でも集えるという意味での「凡才」と、個性的に成長していく「盆栽」のありようから名づけている。

主な活動内容

1.こどものまち事業

 子どもが主役のまちで、働くことを体験する場。各地で行われる「こどものまち」の支援も行っている。

2.大人まなび事業

 大人が子どもと一緒に「働く」ことを考える場。「こどものまち」と同時に実施。

3.仕事まなび事業

 子どもや学生に対して、仕事のつながりや、働く面白さを伝える。

4.通信制高校運営事業

 通信制高校運営を通じて多くの子どもたちに、仕事や将来について学ぶ機会を提供する。

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 こどものまち事業

 地域の子どもたちに、働くことを考える機会を提供する

●遊びながら、「働くこと」を体験

 「こどものまち」は、子どもがつくるまちづくり体験イベントである。自分たちで仕事を選び、働くことで、こどものまちの通貨を稼ぎ、そのお金で買い物をするなど、ホンモノの町を再現していく。初めて出会う友だちとコミュニケーションを取りながら、自分でやりたい仕事をつくり出すなど、遊びながら「働くこと」を体験する。

●主役はこども

 保護者は制限付きの参加、大人スタッフもサポートだけである。それは、子どもだけで考え、行動することで、遊びながら仕事や町の仕組みを理解し、「自分で何かを生み出すこと、つくり出すこと」の面白さを体で感じることができるようにとの考えに基づいている。ここでの小さな体験が、大きな社会を変える勇気につながると信じている。
 経済産業省が提唱している、社会人になるために必要な「社会人基礎能力」として「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」を身につけることができる。また、体験前後の変化を確認するため、プログラムの効果測定を行っている。

こどものまち「ミニ大阪」の市役所で、働く子どもたち
こどものまち「ミニ大阪」の市役所で、働く子どもたち 

●他組織との協働

 こどものまちでは、大阪府立青少年会館、應典院、枚方ふれあいネットなどと「ミニ大阪」、堺一条事業共同組合と「ミニさかい」、住之江区役所と「ミニすみのえ」、奈良県橿原と「ミニまほろば」、堺市東区役所と「ミニひがし」、横浜市(横浜開港150周年記念)や大阪市(水都大阪2009)とは「まちぞう」などを協働し、子どもたちによる小さな町づくりを再現している。

事業名称 大人まなび事業

 大人まなびは、子どもを持つ保護者を対象としたプログラムである。大人が子どもと共に働くことを考える場を提供する。子どもに働く意味や、勉強する意味を問われたら、どう答えればよいか?将来の仕事について、どう伝えていけばよいか?また、子育ての中での課題についてワークショップを通じながら、その答えを参加する保護者と共に考える場を提供する。

事業名称 仕事まなび事業

 仕事まなびでは、「キャリア教育」を大阪府内の学校向けに実施している。小学校から高校向けのキャリア教育プログラムの企画・開発・実施・検証を行う。これまで、財団法人大阪労働協会や、大阪府との協働で事業を実施し、9,000名程度が参加した。
 多くの地域に足を運び、職業体験施設や中小企業、各学校でのワークショップを通じて、子どもたちが主体的に将来について考え学ぶ機会を提供している。

仕事のつながりを知るワークショップに参加する小学生
仕事のつながりを知るワークショップに参加する小学生 

3 事業の成果と課題

 過去4年間で延べ10,000名の子どもたちに、将来について考え、自ら主体的に学ぶプログラムを提供してきた。こどものまち事業では、地域の資源を見出し、自ら新しい仕事をつくり出すプログラムを行い、仕事まなび事業では、学校と連携したまちづくりワークショップを提供している。
 2007年のNPO法人設立時は、こどものまちプログラムにどこまでニーズがあるか分からず、約200万円の費用を持ち出して運営した。継続するかどうかは終了時点では未定であったが、300名を超える参加した保護者から「ぜひ来年も参加したい、とても良かった」「発達障害を抱えた自分の子どもが、こんなに目を輝かせて主体的に取り組んだことはなかった」という声をいただき、プログラムをどのようにすれば継続していけるかメンバーと議論を重ねた。

ニーズに合わせたプログラム作成

 本プログラムを事業化するため、行政や企業との連携手法をメンバーと具体化していった。例えば、行政と協働の際には、納税の意味や投票率向上につなげるため、税金の導入や模擬投票をプログラムに入れるなど、行政のニーズに応える形でプログラムをつくった。企業向けには、集客効果と地域のブランドを構築するパッケージとして安心安全のためのリスク対策も盛り込んだプログラムをつくり込んだ。
 プログラムを子どもたち主体のまちづくりの中で円滑に行うために、クオリティーを担保しながらより良い結果へとつなげ、ファシリテートできる力を団体内部に維持できるようにした。また、様々なステークホルダー(利害関係者)を抱える地域を巻き込んで事業を運営するため、対話を中心としたプログラム開発を行った。1年半かけて行政や企業と話し合いを深め、実施に至る地域もある。
 また、学校・地域の連携事業を進めるうえで、キャリア教育が一般化されはじめたことも重要な契機となっている。

運営に必要なスタッフやボランティアの育成

 事業を運営するうえでの大きな課題として、スタッフやボランティアの育成をどのように進めていくかという点が挙げられるが、子ども向けのファシリテートや場づくりは、穴埋めテストのように頭だけで考えてできるものではない。実践の中でファシリテーター自身が、自らの特徴を見出し、その良さを活かしながら取り組むしかない。
 そのため、日々試行錯誤しながらどんな場面に遭遇しても対応できる力が求められる。また、学校教育に限らず、心理学、哲学、地理学、スポーツ体験、メディアリテラシーなど様々な分野への積極的な興味関心が重要になってくる。いわば、子どもたちに学んでもらうためには、伝える側がそれ以上に学び続けることが大切だと感じる場面に多く出会う。
 それは、決して簡単なことではないが、高齢者や20~30代の若手社会人など、自ら積極的に学びたいと思っていても機会がなかなか持てない層に対する機会提供の場と捉えている。現在年間50名を超えるボランティアは、高齢層と若手社会人の層が多い。
 今後の課題としては、発達障害など生徒一人ひとりの個別課題をどこまでサポートできるのかという点があるが、この分野に関して体験と見識を持った人材や大学生ボランティアは少ないため、その点をサポートしていく研修なども充実させる必要がある。

こども盆栽を支えるメンバーに囲まれる代表の松浦氏
こども盆栽を支えるメンバーに囲まれる代表の松浦氏 

4 今後の展望

自らルールをつくり出せる人材を育てる

 将来を見据えて今を大事に生きる子どもを育むことを目指している。多くの子どもたちは、大人や保護者が思っている以上に様々な課題に対し自ら取り組む力を持っている。しかし、大人がそれを信じられなければ、その子どもたちの可能性は引き出せない。その可能性を最大限により良く伸ばす良い機会を提供していくことが必要である。その機会とは単に勉強で良い点を取ることではないと考える。良い点を取ることだけではなく、そもそも、自分はなぜ学ぶべきかを徹底的に考えることも必要である。
 例えば、「自ら住む社会は、誰がつくったどのようなルールでできているのか?もし、そのルールがおかしければ、そのルールも変えていけるはずだ」という変革の可能性を持てるようにすることも大切である。そして、30年後の社会に必要な力として、生きる力や首尾一貫した感覚を持ち、交渉や対話に挑んだ経験を持つ子どもを育みたいと考えている。
 また、今後の日本を担うグローバル型人材の育成にも力を入れている。遊びの体験を通じて、自らの責任で主体的に物事を考える習慣を身につけた日本の若者が、世界に飛び出していけるようになってほしい。日本語を母語としながらも、英語に抵抗感を持たずに、必要であれば海外でも事業をつくっていける人材を輩出していきたいと考える。そのための実践の場を、海外のNPOと協働で進めていく準備を行っている。

(ヒアリング応対者:代表理事松浦真氏)

 ソーシャルエンタープライズの分野では、日本より海外での研究と実践が進んでいるが、渋沢栄一や二宮尊徳など、日本の起業家の思想に学ぶべきことも多い。これらを融合させ、新しい時代へとつなげていくことが、今後必要とされる。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --