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特定非営利活動法人 キーパーソン21

すべての人がキーパーソン

所在地…〒211-0004 神奈川県川崎市中原区新丸子東2-907ハイツ武蔵小杉304
TEL…044-431-0420 FAX…044-431-0421
URL…http://www.keyperson21.org/ E-Mail…info@keyperson21.org

神奈川県川崎市

1 団体の概要

代表者名…朝山あつこ
設立年月…2000年 認証日…2001年12月12日
有給スタッフ数…常勤/0名、非常勤/8名
事業規模(09年度決算収入)…5,093,670円
(内訳:会費1,247,500円、賛助金・カンパ272,451円、企業協賛金104,000円、事業収入3,077,460円、委託金300,000円、その他92,259円)

活動の目的・趣旨

 子ども達、主として小学生、中学生、高校生世代を対象に、様々な職業の社会人との交流の場を作り、彼らが自分の将来について考えるきっかけを持たせ、視野を広げ、社会への旅立ちの自覚と自立心の醸成を促し子ども達の健全な育成に寄与することを目的とする。

団体の設立経緯

 キーパーソン21設立のきっかけは、代表理事朝山氏の長男が体験した学級崩壊の深刻化にある。報道では、切れる子ども、無気力になる子どもが取りざたされる頃、「息子だけでなく周りの子どもたちにとって、例えば町内での役割、兄弟姉妹のなかでの役割など、社会に生きるうえで自分を活かせる役割がない」ことに気付いた。
 そこで「地域の大人が子どもと関わりながら、子どもに自分らしさを活かせる仕事や役割を考える機会を提供したい」と、2000年、子どもに夢と職業意識を持たせるキャリア教育プログラムを開発、教育の現場で実践した。プログラムを始めると、子どもたちが夢について楽しく語るなど目に見える変化がある。しかし、学校ではプログラムの認知度が低く、受け入れがなかなか広がらない。また市民会館などで活動を始めると、就職活動を控え自分の経歴や経験を見直し自己分析を行いたい大学生が多く訪れる。
 「このままでは団体が対象としたい小中高生に直接の夢を見つけるお手伝いができなくなる。」朝山代表は再度学校にキャリア教育に関するビジョンを伝え、川崎市を始め都内の学校から協力を取り付けることに成功した。活動の幅は広がり2011年度までに、プログラム実施校数は100校に及び、2万人以上の子どもたちがプログラムを受講している。

主な活動内容

1.キャリア教育プログラムの開発
2.ファシリテーターの養成
3.学校などにおけるキャリア教育プログラムの実施
4.パートナーシップ提携による全国各地への普及
5.講演・執筆活動
6.キャリア教育などに関する調査・研究

2 主な教育関連事業の紹介

事業名称 夢発見プログラム

 キーパーソン21が手がけるキャリア教育プログラムには、大きく子どもたちが将来のことや、仕事について考えるためのキャリア教育のプログラム「夢発見プログラム」と、企業の社長など社会で活躍中の人たちを招待し、彼らの職業観や人生について語ってもらう「講演コーディネート」がある。
 このうち「夢発見プログラム」は、次の5つで構成される。

1.「すきなものビンゴ&お仕事マップ」 
 自分の好きなものと世の中の仕事がつながっていることに気づき、自分のわくわくするものを捜すプログラム

2.「なるには探偵団」
 わくわくする仕事につくための情報の集め方を学ぶプログラム

3.「コミュニケーションゲーム」
 コミュニケーションの達人になるプログラム

4.「かっこいい大人ニュース」
 インタビューを通して知らない大人とコミュニケーションをとる経験をするプログラム 

5.「個別アクションプログラム」
 主に高校生以上を対象にして具体的な進路や将来について考え、一歩踏み出すサポートをするプログラム

身近な仕事を考える

 「すきなものビンゴ&お仕事マップ」では子どもたちが自分の好きなものをランダムに列挙し、そのなかかから最もわくわくするものを選択する。次にプログラムの進行を担うファシリテーションのもと、子どもたちが視点を変えることで、わくわくするものが様々な仕事に直結することを実感させる。
 例えば、子どものわくわくするものが好きな芸能人であれば、その芸能人に近づくための職業は、撮影するカメラマン、取材する記者など、幅広く存在することを気づかせる内容となっている。
 また、主に高校生を対象とした「個別アクションプログラム」では、生徒が発見した夢に近づくため、プログラム実施後に具体的な行動を起こすことを生徒と約束する。例えば、興味のある大学を見学する、職業訓練所から案内を取り寄せる、専門学校の生徒に話を聞いてみるなど、それぞれの生徒のモチベーションをプログラム終了後も維持できるような工夫を行っている。

「すきなものビンゴ&お仕事マップ」の様子
「すきなものビンゴ&お仕事マップ」の様子 

専門ファシリテーターの養成

 「夢発見プログラム」の運営の支柱を担うのが、大学生や主婦、連携先の企業の社員などを中心としたキーパーソン21のファシリテーターである。ファシリテーターはプログラム実施中、自らの仕事経験を分かち合う大人役やプログラムの進行を担うリーダーとして、子どもたちが夢を発見する手助けを行う。
 プログラムが成功するかどうかはプログラムの進行を担うファシリテーターに大きく依存するため、ファシリテーターの質の維持が欠かせない。ファシリテーターには、独自の認定制度を採用しており、4階級の等級を設けて事前研修を行う。研修では、団体の設立趣旨や、プログラムの狙いなどを総括した研修に加え、クラスを想定した実践型トレーニングなど、1コマ3時間の内容となっている。プログラム全般を指揮する1級ファシリテーターになるためには、3コマの講座を受講することに加え、これまでのプログラム運営実績に基づいてキーパーソン21の認定委員会の審査を経る必要がある。現在、ファシリテーターの数は関東圏を中心に150名にのぼる。
 ファシリテーターのほか、事務局の運営についても大学生が登用されている。現在、事務局8人のうち3人は現役の大学生である。積極的に学生会員を募集し、事務局に登用されることで、近い将来社会人となる学生とっては、企業へのプログラム説明や協賛の依頼などの渉外活動を通じて社会に出る事前準備になっている。彼らはボランティアだが、事務局活動を通じて企業と対等に話せる経験を通してキャリアに対する意識が高まっている。

連携企業の社員がファシリテーターに
連携企業の社員がファシリテーターに 

3 事業の成果と課題

キャリア意識の芽生え

 参加した子どもの多くが、「夢発見プログラム」を通じて気づいた夢を実現可能な職業に結びつけたいなど、キャリア意識の高まりが芽生えているのを実感している。例えば、プログラムを実施した小学校での卒業文集では、プログラム実施前までは、修学旅行の思い出などが多かったが、実施後には、パイロットになるために英語の学習を頑張りたいなど、将来の夢を語り、そのために勉強を頑張ることを記す子どもがぐんと増えた。
 また、プログラムがうまく運営された場合には、子どもたちのコミュニケーション力がプログラム実施前後で大きく変化している。例えば、「コミュニケーションゲーム」では、子どもが大人と接することが楽しくて饒舌になり、明るい笑顔が溢れるなどの目に見える変化がある。こうした一連のプログラムの成功の鍵は、現場の先生、校長先生の影響力にあると考える。熱心に取り組まれる先生方がおられる学校では、生徒への効果も高く、協力する企業人やキーパーソン21会員の充実感もある。一方で教室内で問題を抱えている場合には、ファシリテーターと生徒間のコミュニケーションは深化しにくい場合もある。日頃の先生の取り組みが、生徒のコミュニケーションや、やる気を促す根幹にあることを実感している。

運営基盤を強化するために

 事業の安定性を考える場合、会費を中心として運営する組織を目指す必要があると感じている。助成金や行政からの委託事業を受けて実施する場合、行政側の意向を重視するため、制約も少なくない。そのため、課題解決のための本来の目的の事業に対する創意工夫が十分に発揮できない場合もある。
 また、民間企業からの助成金収入の場合、景気変動に左右され、連携事業自体の継続が危ぶまれる懸念もある。そこで、団体の活動が子どもたちのキャリア教育に貢献していることを多くの市民に認知してもらうために、活動がより広く一般に開かれるための努力を行う必要があると考える。そのためにも運営基盤を強化し、幅広い市民に支えられる自立的な組織になることが求められている。
 現在推進しているファシリテーター養成講座は、その一つである。ファシリテーター養成講座の参加者は、キーパーソン21の活動理念に共感する情熱とキャリア教育をより広く普及させたいというロマンを持っており、4級から1級に昇格する過程で、養成講座卒業後も団体の運営の中核を担う人材が多く生まれている。今後事業展開するうえで、共通の理念を持ち、同じ目線で活動を推進できる人材育成が欠かせないと考える。
 また、企業がNPOとの連携を模索する場合、必ずしも理事に大学関係者や有名企業の役員がいる等の社会的信用力を理由として連携候補を挙げているとは言えず、むしろ風評や口コミをもとに企業側が直感的に良い活動をしていると思う団体と連携しているとも感じている。したがって、お互いの活動が分かるように、行政が社会貢献活動を模索する企業と、キャリア教育を実践するNPOとの出会いの場を提供し、その場でプレゼンテーション機会や懇親会を設けるなどして、連携を促す仕組みづくりを図ることを要望する。キーパーソン21の活動であれば人材育成分野の企業とのタイアップを強く望む。

4 今後の展望

教育CSRとして取り組む企業との連携実施を増やす

 2006年より、企業と連携したプログラム実施を行っている。企業の社員が学校においてプログラムのファシリテーターとして活躍してもらう仕組みだ。企業の社員が学校教育現場に入る前には、社内において必ずプログラムのトレーニングを行う。プログラムの趣旨や目的、ファシリテーションのコツ、学校に入るにあたっての注意事項などを伝授する。これによって、企業の社員は安心して学校でプログラムを推進できるようになる。そして社員は学校で児童生徒と出会い、普段できない経験を通して新たな気づきを得る。「子どもたちへのボランティアと思っていたはずが、実は大人である自分のほうが子ども達から元気をもらった」「自分の仕事の価値を振り返り自信を持てた」という社員の声がたくさんある。
 児童生徒にとっても、自分の住んでいる地域の企業でありながら、普段出会うことのなかった企業の大人たちとコミュニケーションを交わし、将来に思いを馳せるというかけがえのない経験となる。
 地域の企業と学校が、キャリア教育プログラムで繋がる。キーパーソン21は地域の企業と学校が繋がるために“学校が必要としている質の良いプログラムの提供”と“コーディネーターとしての役割”の二つを担う。企業が地域に一歩踏み出すことで、計り知れない教育CSRとなり、小学生から中学生、高校生、大学生、働く世代の企業人、退職したシニア世代までをも巻き込む人材育成のサスティナブルなサイクルができあがる。教育CSRの取り組みを検討している企業との連携を一層強化したいと考えている。

(ヒアリング応対者:代表理事 朝山あつこ氏)

 企業とNPOのお見合いイベントの開催を希望する。単発的でない持続的な教育CSRを模索する企業と企業の協力を必要とするNPOとの出会いの仕組みを構築できないだろうか。行政や中間支援組織主催でマッチングを促すイベントがあれば、日本社会の教育CSRは加速すると考える。

お問合せ先

生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室

(生涯学習政策局生涯学習推進課民間教育事業振興室)

-- 登録:平成24年02月 --